Archive

Archive for 2006年3月29日

ようこそ新入生!

2006年3月29日

 もう、心の疲れは麻痺しかかっています。とはいえ、今日はそれなりに元気でした。取手駅のややクドいソバを食べ、出勤。歓喜による強風と車両点検で常磐線と山手線が遅れ、3分ほど遅刻。それほど影響はなく、すぐに勤務に入りました。
 今日は新入生(研修)がいます。僕は彼の世話人(偉そうにいえば「教育係」)として任命され、一日の作業を共にしました。分液漏斗の扱いがまだ不慣れなことを除けば、僕よりはずっと実験のセンスはあるみたいです。
 ところで、新入生の彼に、今日一番気を遣ったのは、『多くを語りすぎないこと』です。でも、結果的に、それは達成できませんでした。自分で失敗を実感して改善したり、便利な方法を探したりしていけるようになってほしいからとと思ってはいたのですが、まだまだ僕も修行が足りません。とはいえ、その次に気を遣った『ミスを絶対に責めないこと』は達成できました。ミスをして辛いのは本人であることはいうまでもないからです。それを責めるメリットはありません。その次は、『対等に相手を見ること』です。これが難しい。「対等」とはなんぞや。答えはまだ見つかっていませんが、上から下から見がちな僕には努力を要することです。次に、『一気にすべてを要求しないこと』です。我が職場の仕事は、ルーチンワークとはいえ、複雑な作業が多いのです。一つ一つの作業に技術が要ることは、彼のおともをさせていただいて初めて気がつきました。ポンプとエバポレータの扱いには苦戦していましたが、何度もやってもらいました。僕自身には、「覚えなさい」という言葉を使うことを固く禁じました。次に、『彼を信じること』です。どこまで信頼していたかな。僕の中に、「失敗しても、またやり直せばすむことだから」という余裕があれば可能なことです。今日は幸いその余裕がありました。失敗をユーモアで乗り切って、自己否定感を持たせないようにするのも、指導者の役目です。
 僕は、体育会系的指導は全否定します。あれは「厳しい」のではなく、ただ「しごいているだけ」です。そういうことをしている人は愛情をはき違えたものであり、再考を要求します。僕は、誰かがそういう指導を受けているのを聞いているだけでもむしずが走ります。だから、絶対にそれだけはやりません。それよりは、新しく入ってきた人が、「この場にいても良い」と思えるように努めます。自発的な問題解決能力の獲得を目指します。それは自分にも課しているものでもあります。
 そういえば、今日、彼との関わりで一番気をつけていたことは、何よりも『信頼関係を築くこと』でした。まぁ、それなりの努力はできたのでしょうか。彼が一刻も早くこの職場に馴染んで、居場所としてほしいと思います。もちろん、彼のペースで。
 とかく、心の営みであるこれらの行為に一つでもムリがあれば、成り立ちません。「無理が通れば道理が引っ込む」のです。自分が疲れます。しかし、今日の僕に無理は何一つありませんでした。先輩も副所長も僕の労をねぎらってくださいましたが、言われるまで「労」だったと思えないくらい。とはいえ、お二人の言葉にはとても感謝しています。…新入の彼はどうだったかな。

大きな画像あります

天気:晴れ(東京都板橋区・茨城県取手市)

未分類