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亡国政権

2006年5月18日

 今日は何か写真を撮ろうと思い、草陰をじろじろと見ながらバス停へ。このごろの雨の多さを象徴するものがありました。

 タンポポのわたげもここまで濡れると飛ぶことはできません。先週土曜日から毎日雨なので…。

 今日の仕事は少したて込んでいました。なぜか、やたらと電話が多い。そして、農薬抽出の件数も多い。主任も午後出張。ガスクロマトグラフィーをコントロールしているPCが吹っ飛んでえらいこっちゃ。テレビの取材もあり。疲れました。
 帰り、電車の中で新聞『農民』の『食料主権宣言(案)』を読んでいました。量が多くて、山の手と常磐だけでは読み切れず。
 要点は、「すべての国と民衆が自分たちの食料・農業政策を決定する権利」を取り戻すこと、それを宣言しています。
 知らないこともたくさんありました。
「世界人口のわずか2%を占めるにすぎない日本が、貿易に出回る農産物の約10%を買い占めている」
「水田中心の日本の農地の人口扶養力はヨーロッパの3~4倍、アメリカの13倍に上る」
 ヨーロッパは小麦畑中心と言うことで、アダムスミスという経済学者の言葉を引用しながら述べています。これほどの農業生産ができる日本が、「ツンドラや砂漠なみ」の自給率しか持たないのはおかしいと述べています。まったく同感。そもそも、なぜ日本が外国から米を買ってるのか?この前の「うら谷津再生プロジェクト」ではありませんが、耕作放棄地なんかすごく多いのに?
「(EUやアメリカでは)生産コストを大幅に下回る価格が輸出価格となり、生産コストと輸出価格の差額を価格保障・直接支払いで補てんする」
 つまり、ヨーロッパから安い食料が入ってきて、僕らが買った場合、元々していた値段の何割かがEUやアメリカの国民が払った税金によって補われているということでしょうか。それで、輸入させられた国の農民は価格の暴落に離農や自殺に追い込まれる。酷すぎる。それに、EUやアメリカの国民はそもそも、そんなことに納得しているのでしょうか。
 他にも、農業は工業と違って自然の影響を受けやすく、農家は自分の作物を安く売り、生活必需品を高く買うという状態もある。そういう不利を(政府として)補うことが農民に「健康で文化的な生活」(憲法25条)を営ませることになる、と。これは農業基本法という法律の前文だったようですが、WTO体制の成立によって廃止されたそうです。憲法に則った法律を削除するとは、いったい何という国だ!
 …という具合に読んでいました。おもしろい…というと不謹慎ですが、読んでいて満足感のある文書でした。まだ残っているので、明日読もう。

 そういえば、今日も比較的体調良し。水分かな、水分かな、水分かな…?それとも、季節…?このくらい落ち着いてくれると、日頃の生活も楽なのですが…。
 このごろ、写真の感性が落ちていることに加えて、精神労働が多くて余裕がありません。あまりシャッターを押す指に力が入りません。スランプだな。

天気:雨のち曇り(茨城県取手市・東京都板橋区)

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