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愛国心とは何だろう

2006年5月29日

 教育基本法を変えて、愛国心を持てるようにする。そんな論議が盛んです。最初に言っておけば、僕は、教育基本法を変えて、愛国心を押しつけることに反対です。でも、愛国心とは何でしょう。
 自分でいわゆる「愛国心」宣言をする権力者たち。「オレは日本を愛してるぜぇ!」ってまことしやかに思っていることでしょう。しかし、僕から言わせれば、それは大ウソです。
 ちなみに、僕は日本は好きです。愛国者です。住めば都、日本にいるというだけで満足します。福祉政策が豊かであってもスウェーデンやドイツなどに移住したいとは思いません。日本にはない自然があっても、無理して行こうとは思いません。単純な肯定感で、日本が好きです。
 しかし、それがイコール日本に欠点がないということでもありません。破壊されてきた福祉や教育、モラル、自然環境、その他諸々。過去の戦争に対する清算もすんでいません。悪いところはたくさんあります。だから国民としてそれを正す努力をしなければなりません。これは個人でも同じことです。実際にそうして人は成長してきました。
 ところが、自称「愛国的」な人たちは悉く勘違いします。自分や自国の欠点を見つめたり、分析したりすることをとにかく「自虐的・非愛国的」と恥じる傾向があります。政権を握っている人や、ナショナリズムに乗っかる人の多くに、そういう傾向があると僕は思います。
 日常でも、自分の非を意地でも認めない、自分の弱みを見られたら死ぬかのような、そんな人がたまにいます。僕も場合によってはそうかもしれません。しかし、それは逆に、自分を肯定する力(=本当に愛する力)が弱い人のことを指します。日本社会にある矛盾を認められないのは、日本を本気で愛していないことと同じです。それが、小泉首相を始め、過激な発言で人気を集めている人たちの精神面での本質です。

 だいたい、自分のことしか頭にない、何かあれば人や他国を言葉や武力で攻撃するような、そういう人間が「愛国心」だなんて、ちゃんちゃらおかしい。自分の国しか「愛」せない、自分の保身しか考えられないのが、「愛国心」であり「自己愛」であるなら、人類はとっくに滅んでいます。普通、自己愛のある人は他の人をも愛せているように見えますがね、僕には。愛国心も同じだと思います。

 というわけで、ニセモノの愛国心を押しつけて、自分たちに都合の良いことだけを「愛させる」、超偽善的な態度が我慢なりません。ニセの愛国心で経済的に潤っている彼らが更正する余地は、ほぼ絶望的。エセ愛国心を持っているだけならまだ救いがあるのかもしれませんが。エセ愛国心を暴くためには何をすればいいだろう…?

天気:曇り(茨城県取手市・東京都板橋区)

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