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避難訓練でもしているのか(霧島高原:鹿児島県・宮崎県)

2008年 8月 13日

※記録:8月17日18時台

 人吉駅前のビジネスホテルを7時チェックアウトして、コンビニでカルピスウォーターを、駅前の駅弁屋で写真の赤飯弁当を、それぞれ買いました。
 人吉より吉松行き普通列車の中で食べました。
 もし、これがいさぶろう号であれば、駅弁どころではありません。1日5本の便のうち、始発と終電だけが普通列車になります。


 人吉市はだいぶ曇っていましたが、吉松方面に向かうに連れて、少しずつ雲が切れてきました。
 今日はイケるかも知れない!


 去年、昼過ぎに2回通っている、矢岳駅前の大通り(?)。これが朝の風景ですね。


 駅弁のイナヅマ食いは矢岳駅くらいで終わっていました。ここは真幸駅(宮崎県)前のスイッチバック。空が白いので、見かけより地上は暗く見えますが、まんざらでもありません。


 吉松駅での乗り換え時間は1分。
 吉都線乗り換え、都城行きです。吉都は、「きっと」と読みます。


 小林駅に9時過ぎに着いたでしょうか。
 小型のタクシーを拾って、えびの高原まで行ってしまいました。金額にして5600円くらい。一切の公共交通がないので、タクシーを使う以外に方法がありません。
 ビジターセンターに降ろしてもらって水を汲んでから行こうとすると、タクシーの運ちゃんが戻ってきて、どうせ帰るんだから、と、登山口まで運んでくれたのです。
 Thank you!


 さて、登り始めました。空は青い。何時まで持つか解らないけど、進もう。


 えびの高原の登山口付近は道が色々あります。とりあえず、#40韓国岳(からくにだけ)目指して突き進みます。


 暫くするとすぐに樹林帯。
 それでも空は晴れているから、気分は上々。
 しかしそれでも、今までと違って、背中には20kg程度の荷物があります。


 階段。荷物が重い。暑い。


 樹林がなくなりました。帽子を脱げば直火です。多少空は雲が多めでも、日差しは強烈。熱い。


 硫黄山は立入禁止だそうです。だから、上からだけ見ておきましょう。それに、今回は時間があまりなさそうです。


 晴れたり曇ったり。
 韓国岳の頂上では晴天が待ってくれているでしょうか。


 山の展望を失わせる雲は、既に目線よりも下に。
 今いる山にかかっていないのが不思議なくらい。


 ガレ場になってきました。
 ちょっと展望は利きづらい感じです。


 しかし、韓国岳の火口はこの通り。
 僕からは見えなくても、雲の切れ間がちゃんとあって、陽が差しています。


 韓国岳まであと200mくらいのところでしょうか。深奥なる火口のお鉢。


 韓国岳の頂上へは、意外とあっさり着いてしまったりして。
 そして、家族連れの人々が、たくさんいて、写真撮りまくり。ついつい、長居してしまいます。
 三角点を踏んで、#40韓国岳。


 韓国岳より先、進むかどうかやや悩んだけど、雲は薄めで、進めそうと甘い判断。新燃岳(しんもえだけ)に進んでしまいました。


 どこにどのくらい雲がかかっているか、当然山の上から判るはずもありません。韓国岳の南側はかなりガスが濃いようです。


 雷の心配はなさそうだけど、ちょっと展望がないのは寂しいなぁ。


 そう思って進んでいたら、新燃岳がうっすら見えてきました。そこそこ、天気は良いようです。


 霧島連山を見ながら歩きたかったけど、樹林の中に入ってしまいました。
 昨日登っていた登山客たちが口々に言っていたのは、昨日までの雨のスゴいこと。そして、この道のえぐれ具合を見れば、この辺の雨が本当にスゴいことが判るもんです。


 自分の背丈よりも倍くらいあった樹林から自分の背丈より少し低いくらいの樹林に出ました。そしたら、このツツジ系の植物。
 ミヤマキリシマ?
 初夏を彩る花だそうですが、僕にとっては進路を阻む障害物です。


 このカミソリの切れ目みたいな道を見よ。
 こんなブッシュが延々と続くと思うと、おぞましい。


 新燃岳の前に、獅子戸岳という丘があります。しかし、この丘が見えた瞬間、遠くから雷鳴が…。


 獅子戸岳の手前で一旦ブッシュの中に身を隠し、空が明るくなった瞬間を狙って獅子戸岳を越えました。そしたら、今度は本格的な黒い雲、積乱雲が南西方面から近づいて来るではありませんか。


 獅子戸岳と新燃岳の間にある四つ辻。
 ここはちょうど背丈よりもちょっと高いブッシュがモサモサしていて、ここで避難しようと思いました。稜線といってもだだっ広いところで、身を隠せそうな空間もちょうどありましたし。


 黒い雲が僕の上を通過する前にテントを張って避難。遠くから雨の音がしたと思うと、一気にシャワーを浴びせてきました。
 テントの周辺の地面は一瞬にして水たまり。天狗岳で熱い砂粒を落として開けてしまった穴から水が入り込んでこないか心配しましたが、その前に止みました。また、アザミ系の植物が新たな穴を開けてくれました。


 空は再び晴れてきた模様です。
 本来なら幕営禁止(国立公園なので)ですから、進みます。かなり悩んだけど。


 あの積乱雲はこちらに来るでしょうか。
 とりあえず、中岳を越えないと、また落雷の不安があります。


 四つ辻から新燃岳のお鉢まで30分のコースでしたが、10分かかったかどうか。この川の流れを見てかなり戦いているようです。ちょっと小走り。


 獅子戸岳に再び雲がかかり始めました。ちょっと急がないと、また雨、あるいは雷雨に見舞われるぞ!


 新燃岳には火口湖がありました。空はくすんだ灰色をしているのに、この水は青い。還元鉄のイオンの色でしょうか。それとも、別の…?


 …そんなことを考えている場合ではありません。
 新燃岳を越えたあたりから、再び雨が強く降ってきました。今度は遮蔽するものが一切無いところだったので、ダッシュ。
 やっと背丈ほどのブッシュのあるところ(中岳取り付き付近)に来てから、慌ててテントを被って雨宿り。
 昨日携帯を殺しているので、せめて、荷物類だけは水に濡らしたくない。
 雷は鳴っていなかったので、雨が止むのを暫く目視で待っていました。


 中岳の稜線というか、お鉢は、くぼみすべてが水たまりで、稜線上の沢歩きです。冗談じゃない。


 雷だけは鳴らないように祈りながら、中岳を通過。そしたら、石段が。
 ある意味、ここからがルートの中でももっとも大変なポイントになります。


 硬い登山靴に敷き詰められた石畳。最悪のコンビ。
 誰だ、こんなもん作ったのは!


 程なくして、3本の分かれ道に入り、樹林に入り、蒸し暑くなり、コケ生えまくりの路面になりました。
 細かいルートは地図には書いていないので、腹一杯迷いました。


 そんなコケ生えまくりの石畳の斜面の下に、今度はコケ生えまくりの木の橋。予想通り、転けました。
 こんな危険な設計をしたのは、誰だ!


 時々、桜島が見えるくらいガスが晴れましたが、満身創痍でちゃんと見えるまで待つ、というような気持ちにはなりませんでした。
 速攻下山。
 かくして、目的より1日早く、高千穂河原に着きました。


 ちょっと今日の行程は、強行突破的でした。
 韓国岳から下りてえびの高原でテントに泊まるか、避難小屋に泊まるかするのが最善であり、その次の四つ辻のところで避難を続けるのがその次であり、高千穂河原まで来るのはやはり厳しかったようです。
 しかし、テントやツェルトの偉大さを知った日でもありました。テントを被るという行為が如何に雨よけに有効かも知りました。ある意味、実地の避難訓練。
 雷がなくて、よかった。
 少なくとも、昨日の市房山よりはマシな強行突破だったとは思います。昨日はツェルト持ってませんでしたからね…。


天気:くもり時々晴れ、のち雨、強く降る(宮崎県小林市・えびの市・鹿児島県姶良郡牧園町・霧島町、移動中は含まない)

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