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死亡さん

2008年 8月 22日

 うぅぅ…、ものスゴい曇りようです。
 明日・明後日はこれよりもまだ天気が悪くなるというから、おぞましい。山に行けないじゃないか。


 今日はまた色々ありました。
 3年半くらい前、僕がまだ就職1年目の頃、うちの職場に職場体験に来た中学生が、大学1年になって再び顔を出してくれました。彼は立派に成長して、ひとり旅も既に味わい、共同生活もこなしているそうです。そして、北海道から船は使ったもののチャリンコで帰ってきたとか。スゴいですね。その意気地が出てきたのは、僕は社会人2年目からです。
 三人行えば則ちそこに師あり
 という表現を韓愈はしましたが、彼から教えてもらうことはなかなかありそうです。
 もう一つは、ナタネ調査。あ、ナタネ調査といっても、油の、脂肪酸の割合の実験です。
 脂肪酸は、要するに、サラダ油とかの主成分です。でも、脂肪酸という名前の化学物質は存在しません。なぜなら、脂肪酸の中には、ギ酸(炭素数1つ)からリノール酸(炭素数18個)とかまで、色々あって、そういうもの全部ひっくるめて「脂肪酸」と呼んでいるだけだから。余談ですが、脂肪酸みたいに、まっすぐに炭素が繋がっているような(枝分かれすることもあるけど)有機化合物は脂肪族と呼ばれることもあります。手に付いたらせっけんで洗わなければ落ちないワックス類とかを見てきた過去の人たちが、そういう名前を付けてきたのでしょうか。対義語は芳香族です。
 で、菜種油の脂肪酸なんか調べて何をするのかというと、エルカ酸(炭素数22個)あるいはエルシン酸、13-ドコセン酸ともいわれる脂肪酸が、生粋の菜種油にはたくさん入っていて、これが心臓障害を引き起こすといわれているからです。しかし、今スーパーとかで売っている菜種油(キャノーラというカナダの会社の登録商標のナタネ)は低エルカ酸 として売られていて、その名の通り本当に少ないそうです。
 しかし、チョロッとネットで検索してみましたが、そのエルカ酸(エルシン酸)が心臓障害を引き起こした(引き起こす可能性が高い)という元ネタが判りません。何だか、もう絶対真理のように、情報が出回っています。
 そこで、穿った見方をする僕は、
 「エルカ酸の多い在来固定種のナタネが自由に出回っている間はうちのナタネの種子が売れないから、エルカ酸の多い在来種の有害性を公宣流布して、うちの低エルカ酸ナタネ、しかも毎年種を買わないとイケないようにしてしまおう」
 というようなことをこの会社は考えているのではないかと、勝手に想像したりしています。プロパガンダですね。闇の勢力ですね。資本主義ですね。おもしろいですね。想像は自由ですね。
 そもそも、心臓障害って、油摂りすぎたら心疾患になりやすいって、メタボという名前まで作り出して政府こぞって公宣流布してるやん。
 ちなみに、僕の側に置いてある、天然物化学や生化学の教科書は、完全スルーですし、東京化学同人の生化学辞典には「心筋症をもたらすおそれがある」という表現にとどまり、ネットで「心筋症 エルカ酸(あるいはエルシン酸)」で調べてもほとんど上がってきません。
 オイッヾ(℃゜)∂元ネタどこにあんだよ!
 …心筋症は、心筋梗塞などの血管障害とは違うから、メタボとは単純に関連しないだろうけど、もう一度調査はやり直した方がいいと思います。
 だって、在来種のナタネ、継代栽培できる在来種のナタネをひょっとしたら復活させられるかも知れないじゃん。
 エルカ酸は、炭素数22個、前から数えて13個目、後ろから数えて9個目の炭素に二重結合がひとつある脂肪酸。何でこれが心筋症と関連があるのか。なお、よく見るオレイン酸(炭素数18個)は前から9個目、後ろから9個目の炭素に二重結合がひとつある脂肪酸。頭に良いとかいう、ドコサヘキサエン酸(ATOKの辞書にさえ登録されている一般用語)は炭素数22個、6箇所に二重結合のある脂肪酸。
 …違いの分からない落ちぶれたバケキチ。
 たまたま、エルカ酸の検出された菜種油を見て、そう思った今日この頃でした。


天気:くもり(東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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