青を貫く山歩き(妙高山:新潟県)
※記録:9月16日23時台
4時に起きて、昨日の夕方炊いたご飯とサラミとふりかけをがっついて、小屋を出ました。おおよそ5時過ぎ。まだ歯にサラミがはさかっています。
空は白み始めたものの、登山道はほとんどマックラ。今日も長くなりそうです。
もやのかかった火打山が見えてきました。
黒沢池ヒュッテから妙高山に登るには、一度妙高山を囲む外輪山を上がらなければなりません。事実上、この外輪山が第一の展望になると思います。
外輪山のピークで、ちょうど夜明けを迎えました。おはようございます!
直角に太陽を浴びる山肌。真上から太陽を浴びるより、ちょっと青が足りないんですよね。
ふと見上げれば、空を貫かんばかりの妙高山。
ああ、先は長い…。
ヤマトリカブトもばっちり咲いています。
…と思ったけど、トリカブトも種類がたくさんあるようで、本当に合ってるかな?
外輪山を一旦下まで下りてきました。で、これから1kmで1時間半らしい。
で、登ってみると、予想を裏切らない、おぞましい急登。1ヶ月のブランクで、身体がナマクラになっていましたので。
外輪山の高さを再び回復すると、その向こうに、北アルプスが見え始めました。
上がっていけば行くほど、どんどん見えてきます。薄雲がなければ、もう少しキリッとするかも。
この辺りで、同じ小屋から後発した女性が、僕に追いつきました。早いっす。紅葉撮ってる場合か。
もちろん、昨日出会ったTさんは遙か前に…。
頂上に着きました。
記念撮影をさっさと済ませればよかったのですが、Tさんや僕に追いついた女性、そのまた更に追いかけてきた人々と話しているうちにずるずると…。
ばっちり火打山が見えました。もう、何も思い残すことはあるまい。
Tさんに教えてもらって、槍ヶ岳を発見。僕は北アルプスは槍ヶ岳と奥穂高岳しか登ったことがありませんし、位置関係も全然解りません。人混みを恐れては、アルプスは制覇できないぞ!
空の薄雲がちょっと多くなってきたけど、これくらいがちょうどいい。水清ければ魚棲まず。これでいい。
妙高山最高峰は、ほこらのあるところです。そこあたりから北アルプス方面を見てみました。
う~ん…、ちょっと薄雲が厚くなってきたなぁ。
でも、山頂の標がある辺りはみんながわしゃわしゃしています。
で、僕がこうして遊んでいる間に、Tさんは疾風のごとく燕温泉方面に下山していきました。
空、絹層雲に完全に覆われちゃった。
紅葉が映えるには青が欲しいなぁ。
ここから、ほとんど青空を見ることはありません。そして、厳しい急坂。僕も燕温泉に向かいます。
南地獄谷といわれるところです。下れば下るほど、硫黄の臭いがし始めます。
樹林帯に入る(上から、ね)手前に、×印があって、その先は見晴台になっていました。流れるような樹林を眺めるのは大好きです。
ナナカマドが元気に紅葉しています。
ん?元気に紅葉??日本語変か?
うん。いつか登りたい、黒姫山。この前高妻山に登った時、違う方向から見えていましたね。
こんななりの山ですから、下りも激しく下山。上る人にとっては、当然激しく登山。ガンバ!
切り立った岩場を、基本、3点確保で下りていきます。
でも、鎖があるので、それに捕まればとりあえずは下りられます。さっさと下りたければ、頼っちゃえば?
頭上を覆う雲は、絹層雲だけではなくなりました。真っ白で、何が何だか…。
光善寺池という、意外にも湿原です。
今は柵で守っているけど、そのうち湿性遷移でなくなっちゃうよーん。
光善寺池からすぐ、天狗堂。ここならビバークできそうです。昼飯などの休憩にも最適です。
ここで、またおばちゃんとくっちゃべってしまいました。行き交う人もまた旅人なり。なんのこっちゃ。
胸突き八丁だってさ。
この坂、ハンパじゃないくらいキツくて、下る時も転がるようですじゃ。洒落んなりません。
さっきの天狗堂のところでラーメンを食べていればよかったと思いつつ腹を減らして、やっと辿り着いたここで、辛ラーメン。フードマイレージを上げてしまいました。
実はこの沢、硫黄分が溶け込んでいる模様。臭っていたのはこいつであったか。
でも、麻平という分岐まで向かう道の途中、一ヶ所だけ展望の良いところがあります。滝の真上から崖の下を一望できるところが。ロープが張られているので、微妙に…。
広がる樹林はさっきも書いたけど、大好きです。
崩落ヶ所が多くて、至る所が立入禁止になっていました。それで、登山道の最後はこの鉄階段。
ん?そういえば、僕のすぐ後を追ってきた兄ちゃん、ここでペットボトルの水落としかけて間一髪って感じだったな。
妙仙橋という小綺麗な吊り橋。この右に、河原の湯という野天に行く道がありましたが、遠そうなので途中で諦めました。
ミゾソバ(タデ科)です。
あれ?図鑑を見ると、ママコノシリヌグイ(タデ科)に、むしろ似てるっぽい。
だとしたら、凄まじい名前の割に可愛らしい花ですね。
満身創痍(というほどでもないが)で下山後は、茶屋で一杯やると。ふつうのオトナは、ビールなんて言うんでしょうけど、僕はヤマブドウジュースでシブくいっときます。
とりあえず、飲んだらバス停探さないと。帰りのバス、確保すると。
僕は、男湯が駐車場およびバス停から丸見えの温泉に入ってしまいましたが、どうも斜面上の方に、黄金の湯という野天があるらしいのです。ちょっと見に行ってみましょう。
…と、カメラを向けたかったのですが、とても向けられる状態ではありませんでした。どう考えても、ヘンタイ扱いされます。
薬師堂が黄金の湯に行く手前にありますが、そこから小さな燕温泉街を見下ろしてみました。本当に小さい。
これが男湯丸見えの温泉旅館。ちょっと水はけが悪かったし、正直、次なくなる候補かも。既に何軒か、廃業しているものもありました。見たくないですね、そういう光景は。
燕温泉バス停。
時刻表を見て、JR駅に行くバスがないことに驚く人が必ず居ます。(僕が一番驚いたかもね。)後ろにちゃんと関山駅行きのバス時刻表がありますって。
燕温泉バス停でバスを待っていると、僕と同じルートを辿って下りてきたおばちゃん3人グループと出会いました。この関山駅で、カメラをバスに忘れたらしく、みんなの人気を取りました。ラッキーにも、近くにある頸南バスの操車場らしきところに、収容されていたようです。
カメラ忘れたらパニクるもんねぇ。気持ち、解りますって。(^0^ヘュオッホホ
ここは?
…池袋へ向かうバス乗り場。長野駅前の。
何と、黒姫駅から、KとHが乗ってきました。昨日別れてから、まさか黒姫で出会うことになろうとは。
もちろん、昨日のことはある程度決着つけんとな。
これからも同じこと繰り返すようじゃ、とてもじゃないけど、一緒の行動はできない。最初から許してもらうことを前提とした謝罪の言葉も聞きたくない。何が僕の癇に障ったのか、ある程度は解ってから何か言ってもらいたかったものです。
でも、ぶっちゃけ、僕は山に登れたから、あの最初の3時間くらいのことはどうでもいいくらい小さいことです。損失だとさえ思わない。ただ、いつまでも「グズる」という行為で、我を通し続けようというのか。本人にとって、決して有益だとは思わない。ああ、もちろん、縛り付けられた方にとっても、だ。そうさ、別件の違う人だけど、同じようなことが、去年暮れにもあったよ。あれを彷彿とさせる光景だったさ。
自己否定で逃げられると思ってるのが、一番いやです。自己否定ではなく、自己批判してください。結果そのものはしょうがない。過程がどうだったのかを考えてください。
僕には、自己否定感を永久に受け止め続ける心づもりはありません。わくわく講座の時、「付き合う、結婚するってのは、相手をとことん受け入れる覚悟を決めること」と話したように思います。…違うかもしれないけど、そんなニュアンスで。
僕は、本人がそれを乗り越えるためのほんのワンステップの酵素にはなれるかもしれないけど、反応物質(本人)の代わりにはなれません。
相手を自分に依存させる形で引きよせた、あるいは自分が依存したとき、100%失敗することをここ数年で知りました。
周囲はあくまでも触媒(酵素)であり、手助けです。活性化エネルギー、即ち困難を超えるのは本人です。もっとも、今の僕みたいに自分に余力がなければ、酵素にもなれませんけどね。前駆体のまま、格納され続けるのみです。どこかで恥を忍んでも他人の酵素力を借りなければなりませんね。
帰りはかなり渋滞で遅れていましたが、乗客は寝ていればいいから楽なもんです。大変なのは運転手。みんな、降りた時、礼の一つくらい言ったかな?
練馬・所沢は雨。じっとりと、着実に濡れる、雨。
さて、翌日から仕事です。旅日記が湿ってしまったけど、それもまた一興です。僕の旅はいつも自戒の旅ですから。
天気1:晴れのちくもり(新潟県中頸城郡妙高高原町・妙高村)
天気2:くもり(長野県長野市)
天気3:雨(東京都練馬区)
天気4:雨(埼玉県所沢市)