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セカンド・ストーリー(会津駒ヶ岳:福島県)

2008年 10月 13日

※記録:10月15日8時台

 朝起きたの、3時半。昨日よりずっと健全です。0時半って、ありえないよ。


 さて、いよいよ会津駒ヶ岳登山開始です。軽くひねってきます。
 ん…?
 何だか、宇都宮ナンバーの車が右往左往していますね。
 降りてきて道を聞いてきました。「竜の門の滝」はどこですか、ってか。
 …おいら徒歩なんですけど、初めてなんですけど(-.-;)
 でも、地図で確認しているので、場所はほぼ完璧。車の助手席に載せられて、事実上登山口まで転送されました。いやぁ、情けは人のためならずですなぁ…。いやマジで。


 登山口手前で東の空が白み始めました。明るさ、見た目もだいたいこんな感じです。…人の目の慣れってみんなそれぞれ違うのかな。


 影の絹雲を浮き彫りに。


 会津駒ヶ岳登山口、滝ナントカ登山口?写ってないけど、周囲に数十人すでに人がいます。
 ところで、今日の記録は、今までの中でも最も長いですよ。


 夜が明ける。急坂だけど、脚力と軽荷の勢いでBダッシュ。数十人ごぼう抜き。


 林冠の上は朝焼けの雲が広がっています。


 赤黒く、もみじ街道。


 Bダッシュだったので、何とか太陽に追いつきました。意外と樹林が切れる場所が下の方にあってよかった…。


 雲、多めのようです。でも、中層~上層の雲。崩れない。
 幸せ噛みしめて、登ろう。


 急坂なのは平ヶ岳のヤセ尾根より少しましなくらい。だから、紅葉の雰囲気もみるみるうちに変わります。


 遠くの山、おそらく、奥日光方面でしょうけど、見えます。最高の展望です。


 赤い樹林の向こうに…帝釈山?登ってみたい山です。地図でチラ見していました。


 紅葉はしばらく黙って見ていよう。


 青が濃くなって、赤も黄も濃くなってきたね。


 もみじ狩っています。


 ひたすら、狩ります。


 Bダッシュしたのに、水場分岐まで1時間10分かかりました。地図のコースタイムは1時間半。目安とはいえ、写真で立ち止まりまくって、やっぱりウサギふうたろう。


 水場は少し下る、と、新しい地図には書いてあるでしょう。そう。少し、いや、けっこう下ります。距離的には少しですが、今までの急坂を考えると、けっこう二の足を踏むかも。


 そこそこの水量。甘い水を飲んで体力・気力を回復させよう。


 まだ薄暗い樹林の隙間から、朝日で赤く輝く山肌が見えています。空飛びたくならない?


 冬枯れのシルエット。秋と冬の共存する世界です。


 高層湿原が見えてきました。でも、これは会津駒ヶ岳ではありません。地図に書いてある、大戸沢岳でもありません。その間の、名もないピーク(本当にないのかどうかは知りません)


 生粋の登山家のように、黙々と、ひとりで歩くような一本のカンバ。


 めおと…何の木?針葉樹なんてほとんどどれも同じに見える…(-o-);ショボーン


 遙か向こうの山も見えます。解る人には解るのでしょうけど、日光白根山。あれも登り直さないと…。駆け足だったもんね。


 う~ん!!
 深い青に小枝が映える!


 シャッターを押す手が止まらない。目移りは避けられない。


 草原の稜線がはっきり見えてきました。あそこ、歩いたらどんなに気持ちいいだろう。


 湿原に入るか入らないかというところにベンチが設置されています。そこから、駒ノ小屋が見えます。
 風景に溶け込んで、素晴らしいですね。


 最初の湿原。これからが会津駒ヶ岳の佳境です。カメラも本気モード。


 この池塘がモンスターの顔みたいに見えるのは僕だけ?なんか、舌が伸びてきて顔を舐め回されそうな気分です。


 駒ノ小屋まで続く木道と湿原。もう、これ以上、何も要らない。


 草もみじが素晴らしいね。…自分で撮っているのに、コメントが出来ない。


 実際は上り下りのある道ですが、忘れちゃいます。


 しばらく眺めましょう。


 燧ヶ岳バック。


 これも燧ヶ岳バックですが、水たまり(池塘?)を入れていません。


 駒ノ小屋前の水鏡会津駒。よく見ると、頂上の標も見えます。初めて登ったなら気がつかないだろうなぁ…。


 実は、朝からトイレに行かずに登り始めたので、オシッコモードでした。小屋の写真を撮る前に便所参り。


 太陽光発電システムを導入しているんですね。今日みたいに天気が良かったら、思う存分発電できるかな?


 これ、実はレアな写真です。今回は南の展望はほとんどありませんから、トイレの窓から撮ったこの一枚は重要です。そして、次来る時は、尾瀬御池から続いてくるこの稜線ルートを通り、駒ノ小屋に泊まりたいと思います。


 トイレから小屋前の休憩所に戻ってくる時の木道。霜が降りていて何気にキケン。


 はい、お待たせ、駒ノ小屋。落ち着いたたたずまい。火打山の麓、大谷地ヒュッテも雰囲気よかったけど、これもいいね。
 ここを営んでいるご夫婦っぽいふたりと話をしている間に、バッジの話になりました。平ヶ岳に登ったことも話すと「見せてくれ」と…。
 夫人:平ヶ岳ってバッジありました?
 ふ:はい。ありましたよ。( ・_ ・)//ハイドウゾ
 夫人:あーっ、Σ(゚O゚)ホントだ~。お客さんに聞かれたんですよ、平ヶ岳のバッジはないのかって。
 …主人を呼びに行く夫人。
 主人&夫人:これ、ゴゼンタチバナ…?ん?ツマトリソウ…?なんか微妙な…?(・_。)?(。_・)?
 キマイラの平ヶ岳バッジ(キメラバッジ)は、かくして話のネタになるのでした。そして、何気に、平ヶ岳じゃなくて、平ガ岳って書いてあります。間違ってはいないんだけどね。レアですよ。アレは。


 トイレ借りただけなのに、ふたりともいい人でした。だてに山小屋の小屋番やってないッス。絶対また来ようって思います。
 さて、まずいインスタントラーメンを食べたら、水鏡の横を通って山頂に向かいますよ。あ、小屋のラーメンがまずいのではないので、そこのところ間違えないように。


 おや。木道にバッタが。羽が生えてない。確かニンフと大学時代の教授が言っていたような。幼虫のことです。


 この上が会津駒ヶ岳。でも、ここは登山道ではありません。湿原に入ったら踏み痕で荒れるし、だいたい、靴がぐちょぐちょになるでしょう。
 登山道は、一旦西に巻いてから上がる感じです。


 西側の展望、西に巻くときれいです。会津駒ヶ岳に向かうルートがありますが、思い切って、先に中門岳に向かいました。中門岳は、会津駒ヶ岳の2kmくらい北の、湿原の中にあるピーク。事前情報を平ヶ岳かどこかでゲットしていたのです。


 中門岳に向かうなら、会津駒ヶ岳をトラバースする感じになります。木道があるので、時々左(西)をチラ見しながら歩くと、昨日・一昨日とがんばった平ヶ岳が、多くの山に埋もれながらもエールを送ってくれているのが解ります。


 会津駒ヶ岳をトラバースしきったら、北東に三岩山が見えるようになります。実は、会津駒ヶ岳から、残雪期には会津朝日岳まで縦走できるそうです。2泊3日で行けるらしい。う~ん、やってみたいッス。
 もちろん、これもここを登っている登山客たちの情報です。


 中門岳コースは、湿原の連続。「失言」は誰かさんだけでじゅうぶん。


 しばし見ていましょう。


 西側の展望はあまり無い。


 三岩山と池塘。


 会津駒ヶ岳~中門岳の斜面湿原と三岩山。


 棚状になっている池塘。水田の原型みたいです。


 ナナカマドは、実だけ残して冬支度。


 赤い実が、青い空に映えて、目立つ目立つ。


 ここで木道の板が泥でずれて転びました。キケンなので、撤去。


 低めの池塘と三岩山。ずっと見放題ですよ。タダです。


 池塘の池の中でも一番大きいやつがある場所です。これよりももっと遠くから見ると壮観なんですね。


 中門岳の標がありますが、もう少し先がピークです。200mくらいかな。


 池の水鏡。


 ここが終点です。この池塘を一周する木道があって、会津駒ヶ岳方面に再び向かうのです。
 いやぁ、本当にここに来るまでカメラで何度足止めを食らったことか。40~50分のところ、67分もかかってしまいました。


 やっぱり水鏡はいいね。ホンモノよりもコントラストがいい。


 会津駒ヶ岳に向かっています。
 遠くにやっぱり燧ヶ岳。今回の山行でずっと見守ってくれている山です。


 燧ヶ岳に霞がかかっています。もう10時半。


 礼文島を思い出してもおかしくない笹原の道。でも、会津駒ヶ岳に首っ丈ですからね、今は。


 中門岳標横の大きな池の、水鏡。穏やかであります。


 今度は会津駒ヶ岳を目指して、見つめながら歩くのです。


 鏡燧ヶ岳を見たくてしゃがんでみたけど、だめだった…。


 一途に会津駒ヶ岳に向かう道。ホント、何度道ばたで昼寝したいと思ったことか。


 会津駒ヶ岳山頂。調子に乗って三角点を思い切り踏んだら、いなせなおっちゃんが「へこむからやめろ~!」って怒鳴りました。三角点って、へこむもんなのかぁ。って思いながら、大事にするわ、ってことで収まりました。


 実は、頂上はあのとおり展望はからっきしだめで、見所はむしろ周辺にあるというもんです。ここは山頂の標の南側から下ったところの、パノラマです。駒ノ小屋も燧ヶ岳もすごくよく見えます。


 マッチ箱みたいに小さな存在、駒ノ小屋。大自然ですなぁ…。


 駒ノ小屋前。ちょっと休んだら、出発します。
 ピンポンダッシュしないと、そろそろバスが…。


 草もみじ。
 遠くに綿雲が発生。あれは那須岳方面でしょうか。
 ちょっと急ぎ足で駒ノ小屋から降りていきます。


 山頂で出会った、僕の両親くらいの年齢のご夫婦と、再び湿原入口のベンチで出会いました。そこでいなり寿司をいただきました。シャリバテ防止に役に立ったのはいうまでもありません。
 おばちゃん、おおきに!


 ここからもみじ街道。シャッターが止まらない。


 ナナカマド。


 高度が下がるに連れて、葉にも緑が目立ち始めます。


 上ばかり向いて転ばないように。


 ひたすらシャッター押し続けてたな…。


 ふぅむ…。


 実は、ここ、行きも撮ったところ。光の方向や天気で赤の深さも全然違います。


 下りも見飽きることのないもみじ街道。


 平ヶ岳とは違う雰囲気ですが、こちらも本当にきれいです。天気と相まって、抜群。


 緑が多くなってきた。


 下の方に行くと、まるっきり緑のカエデ類もあります。赤が疲れたら緑を見ればいいのだ。


 ふぅ。
 15kmくらいあった山行を9時間かかって終えました。もっとも、僕の場合、写真を撮ったりおしゃべりしたりで、9時間のうち歩いているのは何時間だったか知らないけどさ。


 滝、見られるかなと思って、宇都宮ナンバーの兄ちゃんが目指した滝をば。でも、この標から30分って、バスに間に合わないから没。


 代わりに沢をば。


 風に吹かれるすすきと小さな山、大中子山。さて、早くキャンプ場に戻らなきゃ…。


 と、あっという間にキャンプ場です。
 どういうことかというと、登山中に僕の存在を覚えてくれていた数多くの人たちの中のふたりが、僕を呼び止めて車に乗せてくださったのです。おいらなんか、何百人も出会う人で、ほとんど覚えられていないのに、みんな、よく覚えているなぁ。ニワトリふうたろう。
 あ、何を言っとるか。お礼お礼。チョーおおきに!!(/^O’)/サンキュー


 泉キャンプ場にぽつねんと張ってあった僕のテントをさっさと片しました。夜中から気になってはいたけど、虫食いの木の下に張ってしまったので、虫のウンコが断続的に降ってくる音が気になる…。テントの中にはおそらくその虫が一匹入っていたような。
 あれ、ソバの写真でそんなコメントしてていいのかな?


 15時4分のバス…、来ないッス。
 同じくバスを待っていた4人の家族…かな?やっぱり会津駒で会っていたけど、僕は忘れていました。ニワトリふうたろう。


 1時間20分くらい、山道を駆け、田舎道をくぐり抜け、会津高原尾瀬口駅。野岩鉄道線。「のいわてつどう」ではなく、「やがんてつどう」だそうです。
 僕の100リットルザックは、とにかく目立つようで、しかも僕が小柄なのも相まって、人を呼び寄せます。重いザックもだてに重いだけじゃないんだな。


 東武伊勢崎線直通の野岩鉄道線は東武動物公園駅に着きました。しかし、さすがに20時15分、もうぐったり。僕の隣に座っていたおばちゃんふたりも、僕の疲れ具合にうなずいたことでしょう。
 ところが、そんな疲れた僕に、追い撃ちというか、オチです。ここから第2のストーリーが。
 人・身・事・故(゜◇゜)ガーン!!


 ねぇねぇ、ナンデ、JR久喜駅になんかいるの?
 …いつ復旧するか判らない東武線が、よりにもよって、陸の孤島東武動物公園駅で立ち往生なので、タクシーで近くの他社線駅に向かったのです。それが、タクシー代2420円相当離れている久喜駅でした。エラい出費なんですけど。しかも、久喜駅に着いて21時6分発のJR宇都宮線待ってたら、東武伊勢崎線は20時48分に動き出したとか言い出すし。
 ええ、必ずひとつはオチを作ります。ふうたろうの旅ですから。どこかに犬死にがついて回るのです。
 そして、振り替え輸送扱いなので、JR新秋津駅で精算…。って、おれ、久喜駅での乗車証明がないんですけど。東武動物公園駅の振り替え乗車券と野岩鉄道会津高原尾瀬口駅で買った切符しか持ってないんですけど。(゚皿゚)
 …駅員とテキトウに揉めてさじ投げて帰りました。あれ?JRの運賃は?
 ゚\(- o-;)ワスレテタ
 ちーん…。


 かくして、どこまでも飽きない旅をするふうたろう。思えば不安を抱えて出発した3日前。本当に辛かった1日目の登り、紅葉に絶句した平ヶ岳の稜線、湿原にハメを外しすぎた会津駒ヶ岳、どれも濃すぎた。色んな人に助けられた。
 うん。今回は、すごくいい旅をしましたよ。おいら、山では本当に「生きて」いるんだぁ。そう思わない?
 ホント、山は素晴らしい。厳しさも包容力も、でかい。そして、忘れちゃならないこと。その山社会には、ちゃんと人が関わっているということ。人の存在あっての山。それひっくるめて、本当に大きいと思います。
 …厳かに、#44会津駒ヶ岳クリア。


天気1:晴れ時々くもり(福島県南会津郡檜枝岐村)
天気2:晴れ?(埼玉県北葛飾郡杉戸町・久喜市)

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