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夏になりきれいな花(美ヶ原:長野県)

2009年 7月 20日

 始まりは松本駅。
 いきなり、一昨日乗らなかったJRの特急券が無効になっていたり、忌まわしいスーパーホテルが見えたりして、相当ブルーでしたが、とりあえず、山ですよ、山。


 今日の目的地は美ヶ原。日本百名山#52を、どさくさに紛れて狙います。
 登山口は、三城(さんじろ)バス停。季節運行の美ヶ原行き2本のバスなので、この時季を逃すと、登れないと思った方がいい。


 タデ河原コース。そういう名前だったかどうか忘れたけど。
 道的にはハイパーよちよちコースですが、ふうたろうの身体は鈍りきっているので、たったこれだけの道でも息が上がってしまうのです。天候を度外視してでも、トレーニングコースを作らねばなりません。


 ウツボグサ(シソ科)です。アブ系の虫がとまっていますが、その光景は至る所で見られます。


 サワギク(キク科)でしょうか。一瞬、沢なんかあったかな、と思ったけど、近くで沢の流れる音がしていたことを思い出しました。地形と花との相互関係ですなあ。


 道がシッカリしています。ハイパーよちよちコースたるゆえん。でも、それにも増して、ふうたろうは、ウルトラスーパーよちよちモード。


 天城の彼の人にこの写真を送ってみたところ、チダケサシ(ユキノシタ科)だろうかと言っておりました。
 しかし、いつもの悪い癖で、葉っぱの情報を入れ忘れたため、不明のままです。これに似た花は、3種類くらいあったと思います。


 これは下界でもしばしば見かけるホタルブクロ(キキョウ科)ですな。日が陰ってきて、暗い。


 動物の糞にたかる、ガやチョウの仲間っぽい。しかし、ウンコにたかるガとかチョウは、初めて見ました。


 ヤマオダマキ(キンポウゲ科)です。一般的にオダマキといいますけど、オダマキは属名だそうです。キンポウゲ科オダマキ属。
 尾瀬で、ミヤマオダマキを見たことがあります。


 さっきのチダケサシの蕾でしょうか。それとも、違う植物?
 近くに、カラマツソウの仲間が生えていましたが、光量が足りなくて撮影できませんでした。


 ミネウスユキソウ(キク科)でしょうか。ウスユキソウにも種類があります。


 非常に判定が難しいけど、葉柄の色ではアマドコロ(ユリ科)、でも、季節的に判定すれば、オオナルコユリです。ユリ科アマドコロ属。


 廃墟になった小屋が現れました。休憩できるかと思ったけど、もぬけの殻でした。


 これもまた判定の難しい花ですな。ハナニガナ(キク科)でしょうか。花びらの枚数的に。キク科ニガナ属。


 この手まりみたいなやつは、アザミ類の蕾です。アザミはまだ殆ど開花していませんでした。


 歩いているうちに空が曇ってきました。絹層雲から高層雲になって、あからさまに下り坂っぽくて。樹林帯が余計に暗くて、テンション下がりまくり。


 花の写真が多いのは気のせいではないのです。接近戦なのです。
 よく見たら下の方に葉がぼやけて見えますが、オオバギボウシ(ユリ科)でしょうか。細かい分類までは、本当に判らない。ユリ科ユリ属。


 シダの方がメインに写っているみたいですが、恐らく、シロバナニガナ(キク科)でしょう。谷川岳では黄色のハナニガナと一緒に咲いていました。


 ようやく少しずつ展望が開けてきたと思ったら、空は絹層雲というか、高層雲に覆われているんですもの。ゲッソリ。


 俯いて撮る花はよくありませんな。やっぱり、晴れた空の下、空を仰ぎ、足元を見つめる山歩きをしたいものです。
 ハクサンフウロ(フウロソウ科)です。断定するのも何ですが、道行く山人もそう言っていましたということで。


 これもきっと、チダケサシでしょうね。蕾の状態の時と、様子がガラッと変わるのですよ。


 晴れていたら、ものすごく見晴らしのいいところなんだろうなと思いながら、歩いています。


 枯れたレンゲツツジでしょうか。枯れているので、花に茶色の斑が入っています。


 コウリンカ(キク科)でしょうか。あまりたくさんワッと生えてこないので、ちょっと寂しい。


 晴れてくれないので、やっぱり寂しい。


 クガイソウ(ゴマノハグサ科)の蕾でしょうか。暑さで参った古峰山(新潟県)で見かけた、オカトラノオ(サクラソウ科)みたいな形に見えますが、全然違う存在みたいです。


 向こうに八ヶ岳が霞んでいます。


 生物相的には、草原になりました。嗚呼、本来であれば遠くまできれいに見渡せる。


 まだ3分の1通過していません。
 ツツジの仲間なんでしょうけど、花がとにかく小さくて、木本の図鑑がないので、判らない。


 判らない。恐らく、バラ科キジムシロ属の植物でしょうけど、特定できません。


 花調べもいよいよ詰んできました。判らない。何科の植物かさえも解らないっ!


 キキョウの仲間っぽいですが、同定できません。紫色のやつです。


 シシウド(セリ科)の仲間のようですが、同定できません。やっぱり、花は花を目的に探さないと、無理かなあ。


 山頂付近の電波塔が見え始めました。下と上が都会。


 美ヶ原高原は、2000m付近が草原です。それが維持されているものなのか、自然にそうなっているものなのかは判らないけど。


 おっ!
 西の空が晴れてきましたな。北アルプスが見えますよ。


 美ヶ原最高峰の王ヶ頭(おうがとう)はすぐそこです。松本市内からでもこの電波塔は見えていた(と思う)。


 王ヶ頭に到着。1時間40分ほどで到達しました。ウルトラスーパーナマクラふうたろうにはかなり堪えましたが、着きました。


 ハクサンフウロですね。王ヶ頭の碑のある近くにありました。道行くおっちゃんが貴重そうに写真をば。そのおっちゃんに、ハクサンフウロを教えてもらったのです。


 テガタチドリ(ラン科)でしょうか。確か、後述のおばちゃんが教えてくれました。本来はこんなに薄い色じゃないんだけどねえ…とか。


 多少ハラが減っていましたが、山頂でマッタリするのが好きなので、しばらく写真などに明け暮れていました。


 各局が電波のしのぎを削っている。


 王ヶ頭ホテル前に、休憩所があります。そこで、昼飯にしましょう。


 湯が沸騰するのを待ちながら、写真を撮っています。


 空が青くなってゆく。


 昼飯はお約束の辛ラーメン。フリーズドライの具が少し入っているのですよ。
 今日はスープまで飲み干せませんでした。何だか、体調ビミョーです。


 青い空に小鳥が大量に飛翔していたのですが、星の写真を撮ったときと同じように、CCDのゴミみたいになってしまいました。


 美ヶ原東方面は、低い雲にさえ覆われています。あまり向こうには行きたくないなあ。


 絹雲アクセントの青空の下を、元気に歩きたいですね。


 王ヶ頭ホテルの広場から、北を見晴らしてみました。雲で覆われていなければ、四阿山とか見えるんでしょうね。


 筑波山みたいな電波塔。多いね。まあ、悪くはないけど。


 青空に突き刺さっています。


 さて、王ヶ頭の西にある、王ヶ鼻に行きますか。


 四方晴れたので、きょろきょろしながら、写真の枚数が稼がれていきます。さっきの絹層雲(高層雲)は八ヶ岳の方にいってしまったようです。


 砂利道が何気に疲れる。
 景色はきれいなんですけどね。


 草原の向こうに針葉樹林。ってことは、やっぱり刈り取られたのかな、針葉樹。


 電波塔が威厳を持って建っています。


 やべっ!
 美ヶ原にまで来て、またもやスーパーヤブ漕ぎの刑になるところでした。
 ところで、ここが王ヶ鼻ってことはありませんよね?


 ええ、違いました。工事現場みたいなところじゃなく、ちゃんと展望台みたいな岩場でした。


 王ヶ頭の雑踏より、こちらの方がいいんでしょうね。みんなここに結集しています。チャリで登ってきた兄ちゃんらとか。


 岩場からの展望が素晴らしい。


 遠近感ばっちりの樹林が広がっています。素晴らしい。


 松本市が一望できます。朝だったら、もう少しガスが少なかったか?


 美ヶ原の南斜面は、何気に断崖絶壁。ふうたろうが三城から登ってきたことを知った人は、褒めてくれていましたから、ふつうはあまり登らないのでしょうね。


 それにしても、何だか、体調が悪い。夏バテか?


 このあと、ずっと縦走してしまおうかと思いましたが、時間的にも体調的にも諦めることにしました。美ヶ原美術館方面へGo!


 また王ヶ頭が見えてきました。王ヶ鼻までの片道は20分くらいらしいです。


 イタドリっぽい草がたくさん生えている横を歩きました。電波塔が目立つ。


 王ヶ頭ホテル前を再び通過していると、考古学者みたいなオーラを放った夫婦連れのジーサンに話しかけられました。
 「生物系か、地質系か」
 やぶから棒になんかと思えば。地質系ですが何か。
 いや、今日の写真を見ていれば、生物系ですよね。うそつきふうたろう。
 岩山が好きなのですよ、ふうたろうは。岩登が好きなんじゃなくて。
 …と、この看板の前後でそんな感じの出来事が起こったのでした。


 遙かに続く草原。何だか体調がビミョー。スポーツドリンク飲んで美術館まで行かないとね。これがもっと険しいところなら、ビバークか、下山しながら考えるか…。


 王ヶ頭、さようなら。
 電波塔は、どこからでも見えますね。


 花の同定は、もうダメですね。解りません。何科ですか、これ。


 マメ科の植物ですが、解りません。花、意外と強敵ですね。


 さっきの美ヶ原の看板を過ぎてしばらくしたところで、ミネウスユキソウやテガタチドリなどを教えてくれた、中高年の山好き夫婦と出会いました。


 晴れたり曇ったりを繰り返しながら、牧草地広がる中を突き抜ける砂利道を歩きます。60個の百名山を登ったというふたりは群馬県在住だそうで、東北地方は制覇したらしい。たくさん山の自慢話を聞かされたので、当然、行きたくなりました。とにかく、鳥海山と早池峰山は素晴らしいらしい。


 遙か彼方に美ヶ原のモニュメントがあるみたいですが、名前すら忘れました。願いのなんとか…って?
 だって、飯豊山の情報をいただいているところだったんですもの。


 この、山本小屋というところで、ふたりと別れました。美術館までもう少しです。嗚呼、名残惜しい。


 何これ…。
 「ハイパー・キノドク・スーベニア」系でしょ。


 牛伏山というピークまで、ほんの少し上り坂。ヒール靴の人だって歩いています。来る場所を考えないと、さすがに怪我すると思うけどなあ。


 どうもここがピークみたいですが、だだっ広い、ね。


 王ヶ頭まで見渡せる平原。こういう地形は、案外見る機会が少ないかもしれない。
 隣でカップルがいちゃついていました。


 「さっきまで寝ていたよ。」と笑いながら言っていた岡谷から来たという兄ちゃんがいました。てっきり車なり休憩所なりで寝ていたかと思ったのですが、岡谷ってことはまさか、本当に家で寝てて、さっきここまで来た?


 牛伏山から美術館までのコースタイムが30分と出ていたので、兄ちゃんと話していた15時37分、焦りました。携帯の時計が目に焼き付くほどに。バスは16時30分が最終。


 木道をカメラ抱えて歩きました。
 前から、迷子を捜しているかのような、バスガイドさんっぽい人が歩いてきました。


 元々、高層湿原だったのかな、ここ。沼みたいなのが埋まったようなあとですよね、これ。
 手つかずだった頃の美ヶ原、どんなだったんだろうねぇ。


 げっ!
 ちょっと待て、ここまで来て行き止まりってこと無いよな!
 …ええ、ちゃんと木道は右に抜けていました。焦ったぜ…。


 美ヶ原美術館は、実は、産経グループが建設したものらしい。フジのマークがデカデカと描かれておりましたさ。でもなんで、フジサンケイがこんな所に美術館なんぞ?


 ツバメが巣を作っています。こんな高いところで、ご苦労さん。


 ふうたろうは松本まで下山しました。例の、100%キャンセル料を取られることになった、スーパーホテルに、ぶっきらぼうに金を置いてきたあと、変わってしまった松本の風景を眺めていました。
 この西口って、たった10年前は、こんなに近代化していなかったんですよ。


 ガラス張りになってしまった松本駅。ふうたろう好みではないなあ。


 今日も少しだけ夕焼けになっていましたが、昨日の所沢の空にはかないません。空を見るなら、松本の市街地より、所沢のふうたろう展望台付近の方がいいなあ。


 このあと、あずさに乗って、22時半頃に家に着くように帰りました。まあ、車内でも色々あったけど、今日は長いから、もういいや。
 92枚も写真を貼ってしまって、花も調べたので、だいぶ時間がかかりました。
 #52美ヶ原クリア。


天気:晴れ時々くもり(長野県松本市・小県郡和田村・武石村)

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