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春のふぶき(池口岳~光岳縦走コース:静岡県)

2010年 3月 21日

 夜中、雨はそれほどではないけれど、猛烈な風が吹いていました。テン場は場所的に風を避けてはいたけど、時折テントが揺さぶられていました。
 雨は7時頃まで降っていたので、止むまでマッタリ。まあ、あまりこんな所でマッタリしていたくはないのですが。


 さて、出発は7時47分。
 地面にこびりついた雪の上に水がたまっています。


 空が晴れてきました。これから回復して、池口岳でも大展望が見られるのでしょうか。


 それとも、疑似好天、か…?


 登山道には少し雪が着いています。
 これから恐らく増える一方だろう。アイゼンを履こう。


 雪にたまった水。雨は2000mの場所でも雨のままだったということですか。しかし、よく見ると、表面から凍り始めています。


 急な雪道が、池口岳のジャンクションまで続きます。ジャンクションとは、ふうたろうが今回最大の難所としている、光岳(てかりだけ)までの道なき縦走路への分岐のことです。


 晴れてくる様子はありません。それどころか、一方的に暗くなっている雰囲気さえあります。


 池口岳ジャンクション手前の2156mピークからは、細い尾根と樹林と急坂が続きます。最も厳しい場所のひとつとなります。


 晴れるどころか、小雪が舞い始めました。まさか、本当にさっきのは疑似好天だったのか。


 ジャンクションに着く頃には、雪が激しくなっていました。とりあえず、ジャンクションで荷物を整理しつつ、空荷で池口岳を踏んでくることにしました。


 エビのシッポができ始めています。


 このエビのシッポ、どうも黄砂の影響を受けているらしく、黄色~茶色をしています。ある意味レアかもしれない。


 まるで大峰山の八経ヶ岳を往復する時の気分です。真っ白で何も見えないので、ただの儀式です。


 池口岳の山頂に自然保護区みたいなものの看板があります。これの方が景観を壊しているような気もしなくもないけど?


 池口岳の山頂は樹林に覆われていて、ガスがなかったところであまり展望は無さそうです。


 さて、ジャンクションに戻ります。今のところ、雪は小康状態です。


 黄色い霧氷、よく判りますね。


 よーく見てみると、黄色のあとから白のシッポが繋がっています。


 ジャンクションから加加森山(光岳方面)方面の尾根に移らなければなりませんが、この道が非常に判りにくいです。ひょっとしたら、明瞭な道はないかもしれません。ガスと雪と樹林で最大の難所になってしまいました。


 猛吹雪の痩せた岩稜の尾根に、雪庇が張り出し、樹木が行く手を阻んできます。言い訳している場合ではなく、真剣に前に進むしかありません。


 しかし、そんな痩せた岩稜の道は少しだけです。日高幌尻岳に比べたら全然余裕です。これだけ広い雪道なら、鼻歌交じりで歩けます。吹雪だとしても。


 北風が吹いているので、稜線の南側に潜り込めば風は多少マシでしょうか。


 ご覧の通り、猛吹雪です。


 しかし、考えようによっては、これは冬山を堪能しているということでもあります。…変なテンションになってきたな。


 あまり写真は撮れないけど、ここまで徹底的に荒れてくれると、開き直ってきます。


 一応、テープを目印に進みます。あるんですよ、ちゃんと目印。動物先生の力は、この吹雪だと借りることができません。


 孤独感漂う冬枯れの木立。


 強弱を繰り返す吹雪の中を、ずんずん侵攻。樹林が行く手を阻んできますが、負けるわけにはいかないのです。


 木々も雪をしっかり纏うレベルに、強く雪が降っています。もう体中雪まみれ。


 加加森山の山頂まで行き着いたら、先ほどに続いて樹林の細い木の間を、ふうたろうの身体の幅よりも広い100リットルザックを引っかけながら、歩行。これが辛いんですよね、一番。


 あ"あ"ー!!いつまで続くんだ、この道は…。


 晴れていればまたきれいな場所なんでしょうね。吹雪でも見通しはそれほど悪くないので、案外、冬山の雰囲気が出ている場所ではないですか。


 しかし、気温-17℃。昨日より30℃以上も気温が下がっているので、改めてこの春の吹雪の凄さに感心しています。


 結局、光岳までは行けず、行けたとしても吹雪で展望もない中行きたくないので、2381mと光岳の鞍部に天幕です。ここで、明日の晴れを期待しましょう。明日はこの冬型の気圧配置もゆるむことでしょう。


 今朝のテン場で、雨でずぶ濡れになったので、テントなどのあらゆるものが凍っていました。あまりにも不快で発狂しそうでしたが、これもまた山の醍醐味かもしれません。早く明日になって、光岳を撃破したい。ここまで来れば、光岳撃破も同然ですが…。
 それにしても、夕方、マカロニの茹で汁で歯磨きをしている時、一度雲が切れて日が差したのに、また23時頃、雪が降ってきました。これは、明日も駄目なのかな。状況の割に意外と暖かい雪原の上のテントで、夜を過ごすのでした。


天気:雨のち雪、強風を伴い強く降る(長野県下伊那郡南信濃村、静岡県榛原郡本川根町)

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