オチ・ブレた山行(月山本道寺コース:山形県)
いつものように寝苦しい夜明けです。しかも寝坊とかありえないから。
食欲なくてもカレーをかっ込んでひとまず出発の準備。これが4時台の話です。
出発直後。5時10分頃ですか。6月って、朝が早いなあ(夜も遅いけど)。
雪面がスプーンカット。気温が高くて、雪がメロメロ溶けているんですよ。テントの杭を埋めといたのに、全部掘り出されてるでやんの。
何だか靴の据わりが悪い。2回くらい履き直しました。
そして、その靴の不快感に気を取られて、昨日の上り道を逆走しようとしていたふうたろう。アブネー。
ミネズオウ(ツツジ科)です。初めて見ました。いや、この時期に深い山に入るのは、本当に初めてなのですよ。
さあ、ふうたろうが下山するルートは、本道寺コース。ガスの向こうにきっと下山口はある。
朝日連峰が見えます。でも、こないだの笠ヶ岳のようなスカッとした晴れではないからなあ。
そう、今日は天気は下り坂。空には薄雲が。ところどころにちぎれ雲も飛んでいます。
雪ばっかりの斜面。アイゼンもピッケルもいらないけど、もう雪はお腹一杯な気がする。
ところどころ雪が消えている登山道は、雪解け水の川となっています。
そのうち、急な下り斜面に行き着くでしょう。最初、どこがこの登山道か判らず、焦りました。
これから進むであろう道が見えるかと思いきや、残雪と霞でビミョー。
ヌオッっ!(◎Д◎)
なんだ、このギョウジャニンニクの草むらはッ!?
ギョウジャニンニクが蕾を出しています。花、見たかったなあ。見たいなあ。どこかで見られないかなあ。麓の方に行ったら咲いているかと思ったけど、結果的にはありませんでした。
なお、少し揉んでみると、やっぱりネギ属特有のにおいがします。ネギ属はAlliumといい、ネギ属のにおいのひとつ、アリルイソチオシアネートというのはこれから来ているんだと思います。
ツバメオモト(ユリ科)です。笠ヶ岳にもあったと思いますが、今年になって初めて見た花。嗚呼、やっぱり継続して登っててよかった。
でも、残雪はものすごく多い。それでいて、汗だくでは済まないくらいの猛暑。まだ7時半ですよ?しかも、ここスゴい深い山なんですけど。
ハイパーヤブ漕ぎしても見つからず、ヤブ沿いに雪渓を登り返すと、ヤブの向こうにうっすら登山道っぽいのが見えたので、ヤブ漕ぎですり抜けました。
オクノカンスゲ(カヤツリグサ科)でしょう。カンスゲというのを笠ヶ岳でも見ましたが、ちょっとこちらの方が、かよわい。
マイヅルソウ(ユリ科)ですな。お馴染みです。でも、まだ草の状態で、蕾が出ている段階。花が咲き誇るのはもう少し先かもしれません。
ツマトリソウ(サクラソウ科)です。まだ群生しているところは見られません。芽はたくさんあるようですが…。
しかし、花がいなかったら、この道は、暑いし道は判らんしアップダウンはあるしトラバースはダルいしで、超最悪です。
そういえば、さっきハイパーヤブ漕ぎをした辺りで、小規模の土砂崩れが起こっていたみたいですけど。コエー(゚Д゚;)
これを左斜め向こうにトラバースとか、けっこう神経使います。お陰で、ちっとも前に進みやしない。
見たことのない花です。ズダヤクシュ(ユキノシタ科)でしょうか。小さい花だなあ。
サンカヨウの群生地の側で休憩。虫はたかるし汗は滴るし、環境的には最悪。暑い。
月山がもうあんなに遠く。
でも、まだ半分くらいなんですよね、距離的には。
お馴染みショウジョウバカマ(ユリ科)ですね。色がたくさん種類あります。
太陽ぎらぎらの残雪の上から、クモの巣と虫がいっぱいの新緑の樹林帯へ。体中ホコリまみれになりながら進行。汗がすべてを吸い寄せる…
このひどい草ぼうぼう状態、いくら山野草の宝庫だからとはいえ、ここまで草ぼうぼうだと、うんざりします。っていうか、人通ってないんとちゃうか。
これはツクバネソウ(ユリ科)の奇形か。葉っぱが5枚ある。周りにあるのは4枚のやつばかり。8枚のであれば、クルマバツクバネソウ。
空はもう薄雲が覆っていますが、まだ新緑の樹林の中を明るく照らすくらいのぎらぎら度はあります。あー暑い。
アカモノ(ツツジ科)でしょうか。決して樹林帯で日当たりがいいとは言えない場所だけど、花まで咲いていますねえ。
若干Bダッシュ気味で姥像のところまで来ました。ここで小休止。虫にたかられるけどしょうがない。
そういえば、蝉なのか、虫がびーびー鳴いています。この抜け殻の主、かなあ。
登山道を間違いなく歩いていますが、スゴいヤブです。歩けないほどのヤブではないけど、暑さとコンボで鬱陶しいです。
なお、この辺り、ワラビがちょこちょこ生えています。
清らかな流れで顔を洗います。腕も洗っちゃおう。とにかくホコリだらけですから。
ちょっとショートカットできそうな脇道がありました。ゲートが向こうに見えますがその手前のカーブさしかかった辺り。
げっ!(゚Д゚|||)
ここ、ショートカットどころか、行き止まりやんけ!!
…かくして、本道寺バス停から数百メートル下ったところに出てきてしまいました。
まあ、ショートカットしていなくても結果的には同じだったんだけどさ…。
暑いし疲れたのに、車がヴンヴン唸り走っている国道の端っこを、本道寺まで歩きました。
お寺の水を浴びてから、本道寺をちょっとだけ見学。正直あまり見るところはなかったけども。
西川バスストップに向かうバス便は1時間半後。姥沢(月山スキー場)行きなら20分後。だから、姥沢までバッジゲットがてら、暇つぶしに戻ってきました。
そう、ここは前回敗北を味わったところ。
そして、今回、バッジはゲットできませんでした。
バスはふうたろうひとり貸切。混雑のシーズンではないのでしょうね。
運転手さんとずっとおしゃべりタイムでした。現地の労働者と話す、それがふうたろう旅日記のもう一つの醍醐味でもあります。
そして、月山銘水館の温泉へGo!
そこのレストランで、山形県産豚肉を使ったハンバーグ定食。なかなか美味いではないか。塩味が若干薄かった気もするけど。
高速バスではなく、路線バスで山形駅行きのバスが、14時20分にあります。12時49分本道寺発の西川町営バスに乗ると、58分に銘水館に着き、それから1時間20分くらいの時間ができるので、まさに出来過ぎです。これは土日の話。平日だと便が増えるので、もっと融通が利くでしょう。
そして、ふうたろうはあえて山形駅まで行かず、JR左沢線(あてらざわせん)の寒河江駅(さがええき)で降りました。
まあ、旅をより楽しもうというよりはむしろ、ただでさえ高いJRの運賃なので、ウィークエンドパスで少しでも多く乗り倒してやろうという貧乏人根性なのですが。
山形新幹線でとりあえず福島駅まで。そこから先は鈍行で帰ろう。22時には着くだろうから。
ラフランス100%ストレートジュースなんか買ったりして。
ヌオッ!(゚Д゚;)
なんか、スゴい険悪な感じの母子が発車間際に俺の目の前で揉めてる…。「あんたを置いていった父親そっくりだ。」とか、スゴいこと言うなあ。母親の苛立ちは痛いほどよく判るのだけどね。
ヌオッ!!(゚Д゚;)
福島駅から乗る予定の鈍行、12時33分頃に起こった福島県沖の地震で20分以上遅れてる…。もう17時20分過ぎてるんだぜ!?
新幹線の運転再開は発生後11分くらいだったくせに…(` 3´)
まあ、しょうがないか、それでも鈍行で帰って、3000円ほどを浮かせるんだい。
ヌオッ!!!!((゚Д゚;))
ポケットに入れてあった、家の鍵がない!
…目の前の茶畑から侵入して、雨樋をよじ登って2階に上がらないと…。しかも今夜、雨じゃなかったっけ。遅くなればなるほど天気は…。雨の中、重い荷物持って帰って、雨樋で消防士ごっこ!?げろげろ。
少しでも怪しまれないように、早く帰り着かなければ。遅くにあんなところでガサガサしてたら絶対警察呼ばれる…。
かくして、ふうたろうはMAXやまびこ17時47分発に飛び乗りました。今頃遅れている鈍行列車が入線している頃でしょう。っていうか、俺、あんなところで40分も待っていたの、犬死にですか?
ところで、鍵、どこで落としたんだろう…。
ヌオッ!!!!!(((゚Д゚;)))
まさかっ!
ザックを開けて、寝袋を引っ張り出してみたら…。
(以下略)
そういえば、昨日、寝苦しくて激しく寝返り打ってたもんな…。
…というわけで、ふうたろう旅日記の最悪なオチとなりました。新幹線代、結局余分にかかったし。ふうたろうのこういう紛失系のイベントは、経済的にダメージを与えるから、本当にへこむ。
嗚呼、最後がひどいと、やっぱりダメージでかい。
まあ、山はよかったんですよ。何気に、今日で6月の山行5日。過去最高ですし。OKとしましょう(泣
#74月山クリア。リベンジ達成。
天気:晴れのちくもり(山形県東田川郡立川町・最上郡大蔵村・西最上郡西川町、移動中は含まない)