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県庁所在地の大いなる山(秋田市太平山【皿見内コースもどき・旭又まで】:秋田県)

2013年 6月 1日

 秋田駅東口に夜行バスが到着。寝苦しいバスでしたが、まあ、夜行バスですからね…


 バスが到着して登山口まで行く路線バス(何と都合のよい時間に登山口まで行くバスが存在するVIP待遇!)まで1時間ほどあるので諸準備を済ませます。


 ふうたろうの今日の登山口に向かうには、秋田駅西口発の秋田中央交通太平線、岩見三内行きに乗ります。
 →秋田中央交通公式サイト秋田駅から検索
 ふうたろうが今回選んだのは「皿見内沢コース」なので、「皿見内下丁」で下ります。料金640円。
 なお、秋田駅西口バス停では9月下旬までバス停の工事をしているので、バス乗り場は臨時の場所になっています。


 いきなり癒やされる田舎の風景が広がりまくっています。


 既にこの景色を見た時点で満足してしまいそうな勢いです。


 天気の良さも申し分なし。


 しかし、耕作放棄地はどこの農村に行ってもあります。


 さて、問題はこの先ずっと、道があるかどうか。途中ですれ違った農家のおっちゃん曰く、ないようなことを言われてアヴラ汗。


 ここにうち捨てられて何年、何十年経つんだろうか。


 静かな水面に空と木が映っています。


 半袖で歩かないとアツくてやってられない、その足もとでは、何と霜が降りています。確かに、高速バスを降りたときだけは寒かった。


 日陰にツツジが。


 日なたにも耕作放棄地という影が落ちている。


 さて、いよいよ道がアヤシくなってきましたな。草ボウボウ。


 腐った丸太が皿見内沢にかかっています。早池峰山(岩手県)の平(略


 朝露バリバリです。100mほど草ヤヴを通り抜けたら、行水したあとのようになっています。


 しかも、この辺りから道がヤヴで消滅し始めるので、ウロウロしている間に靴の中までびっしょり(滅滅滅


 一旦戻って山菜採りしていたおっちゃんに道を聞いたら、徒渉して…


 沢をどんどん上がって


 ゲートを過ぎて


 っていうかその前に堰堤を渡るって話だったけど渡らなかったという罠。


 このあとは徒渉を繰り返して沢を詰めていくらしいですが、おっちゃんも登山道そのものについてはハッキリ知らないらしい。あとで知ることになりますが、この道は30年とか言うタイムスケールで廃道化しているという大罠(滅滅滅滅滅滅


 これは何ウツギですかな。あんまり花見ている余裕も無いんだけどね。


 今どこにいるのかわからない。どうやらここは地図にない場所のようだ(そんなわけない


 ウロウロしまくってやっとこさ展望が出てきたところで場所を確認すると、まだ、地図の破線分岐より全然手前ですがな。



 これから続く道の険しさを物語っています。注意書きだらけで(じと目


 新緑の美しい山ですなあ(ヴォー読み


 そして、この辺りは良質のワラビが大量に生えています。でも、地元の人が収入源にしている可能性があるので、大量に持っていかないように。もっとも、ふうたろうに持っていく余裕なんてありませんが(滅


 急坂になった上に笹ヤヴがきつくなります。


 そして、きつい坂ときついヤヴの中に、トゲやつる性の植物が入り交じっていてカオスです。虫とかも飛びまくっていて毒性が高いです。


 急坂を登り切ったら、やや木の背が高くなって、下草というか、DXヤヴの攻撃が緩みます。


 ああ新緑がきれいだなあ(遠い目


 ああ新緑のヤヴがおぞましいなあ(歯ぎしり


 ふうたろうは地図一枚、コンパス一個で、このDXヤヴ漕ぎゾーンを進んでいます。尾根なのでさほど難しいわけではありませんが、ヤヴそのもののどぎつさは目に余るものがあります。


 新緑爽やかな道。見てる分には。
 でも、ハエやブヨがものすごい数たかってきて、毒注入攻撃します。
 さすがに本気でキンチョールぶち撒きたい気分です。



 単調なヤヴ道が続きますが、気を休められる場所はほぼないと思って良いです。虫があまりにもスゴすぎますから。


 標高750mくらいになってくると雪渓が出てきます。この上に行けば虫が少しは減るかと思ったけど、まさに虫のいい話です(滅滅滅


 道が出てきたように見えますか。それは罠です。


 ああ新緑残雪の季節到来すばらしいなあ(ヴォー読み


 最後の最後まで厳しいヤヴが連続します。特に中岳手前、主稜線に取り付く手前の笹ヤヴは猛烈です。


 やっと主稜線に出た!
 …と思っても、この中岳から奥岳(太平山最高峰)に向かう道、荒れまくっています。雪渓も残っているし、道は崩壊しかかっているし、まじ凶悪すぐる…(滅


 ツバメオモト(ユリ科)が美しい(真顔


 ああシラネアオイ(キンポウゲ科)(ヴォー読み


 たまに誰かは歩いているようなので、一応道は残っていると言えば残っていますね。


 鞍部の雪渓で休憩します。既に朽ち果てていますので。


 道は大荒れを極めている場所もあります。水汲めるかと思ったけど、灰汁みたいなのが浮いていて諦めました(涙目


 雪渓にぶち当たると、次の道を見失いやすいので注意。


 剣岳の北の「野田分岐」まではトラバースの道を歩きます。崩れている箇所、滑りやすい場所などが多いので注意。


 向こうに見える稜線は馬場目岳などの山脈でしょうか。あっちの方まで行きたかったなあ…


 くすみのない新緑がすばらしい。でも、ふうたろう、朽ちています(滅


 秋田市上空を雲がウロウロしています。なんだあ?このまんま曇る気か?


 そして、鰯の腐ったような目をしながら、やっと「野田分岐」到着。



 これから先、道が一般道化します。しかし、岩場などもあります。


 初めての展望。この雪庇から弟子還岳と奥岳の双耳峰的な山容を見たとき、やっとテンションが上がりました。


 猛烈に暑いのですが、雪、残っているところには残っています。


 宝蔵岳。ここから西に下山路があります。


 東側の展望は、彼方まで連なる山と小さな町。緑の風合いも西日本や関東とは違います。


 宝蔵岳の先にはロープがかかっているところがありますが、まったく必要としないでしょう。手で岩をつかんで下りましょう。


 あれば馬場目岳でしょうか。やはり、一泊装備してグルッと一周したかった…。


 弟子還のピークは思い切り岩です。東北の山には珍しい岩場。


 弱い気圧の谷の雲なのか、薄雲がウロウロしています。朝ほどの展望は望めません。


 この崖すれすれを登る道が付いています。


 ルートには鎖場が2カ所あります。しかし、ともに鎖を使わなくても簡単に登れます。


 ここだけ見ると、何となく去年5月5日に登った妙義山(群馬県)を思い出します。


 ふうたろうが歩いてきた尾根。中岳から、結構長かった…


 とにかく虫が目の前を飛びまくっています。爽快さは激減ですわ。


 宝蔵岳、剣岳、鶴ヶ岳…と見えています。この山は本来ならばかなりグレードが高い。


 双耳峰的な山容の一つを作っていた弟子還岳に来てしまったので、残る一つの奥岳しか見えません。


 弟子還岳の山頂標はしょぼい。


 あと500mほどですが、広角で撮っていると遠く見えます。


 一般登山者がたくさん通行する道なのでえぐれています。どこかとは大違いだなあ(棒読み


 鳥居が見えてきました。


 そして、遂に到着!15時半を回りました。これでもかなり本気だったんですがね…


 山頂からは360度の大展望です。もちろん、神社があるのでそれを除いて、ということになりますが。


 ふうたろうが神社の前でくたばっていたら、目の前の小屋から何かの作業をしているおっちゃんたちが出てきました。どうやら、まさに山小屋の建設をしているような…
 ここで、水場とバスと風呂屋の話を聞くことにしました。


 …バスは15km前後先の地図が切れた先から発着ということが判明し、そこに18時50分までに着くのは不可能なこともハッキリしました。風呂屋もそのバス発着のところにある。
 ふうたろうの携帯はまたもや圏外なので、おっちゃんにタクシーを呼んでもらうことにして、何とか死ぬのは免れました。


 さあ、16時前に奥岳を出ました。17時半に登山口である旭又駐車場にタクシーに来てもらうことにしたので、慌てずたゆまず、進まねば…


 下山の鐘を鳴らして、ふうたろうは奥岳を後にした(`・ω・´)キリッ


 太平山からは岩木山、森吉山、岩手山、和賀岳、鳥海山などの有名どころの山がたくさん見えます。しかし、もやで鬱空になった上に余裕無い山行になってしまったため、十分堪能できませんでした。


 あとは無言で新緑の中を下ります。


 きれいですが、かなり疲労が…


 30分ほどで御手洗と地図に表記されている場所まで下りてきました。標高830m付近です。


 ここにはわき水があるようです。グビグビしましょう。本当は口付けて原発の取水口のように吸い込みたいほどだったけど、やめました。下品です(じと目


 イワカガミ。
 ふうたろうはコシアブラを探していますが、どうやら皿見内からのヤヴに若干あったくらいで、この辺りにはほとんどないようです。


 黙々と下って御滝神社。急な下りはこれで終わりです。あとは緩やかに旭又まで。


 橋が壊れているとかぬかしていますな。でも、ちゃんと丸太が置かれていて渡れるようです。


 人気のない登山道。登山者には、奥岳直下で一人しか会いませんでした。


 木道が現れたらあと1kmほどでしょうか。


 ここにも水場がありました。もう一度グビグビ。


 旭又沢にかかるコンクリートの橋。


 時の流れを気にせず流れる旭又沢。


 旭又駐車場まであと少し。


 岩ゴロゴロゾーン。


 そして、17時16分、無事到着。


 沢の集まる旭又。これは赤倉沢。次はこの上にある馬場目岳とか、登りたいですな。


 ふうたろうが下山したその瞬間にタクシーがやってきました。有りえないほどのナイスタイミングです。
 タクシーの運ちゃんに、山菜のこと、この辺りの気候のことなどを聞きながら、バス停と温泉のあるところまで送ってもらいました。4880円でしたが、奥まで来てもらったので、おつりはいいと、5000円差し出して。


 木こりの宿は温泉付きです。隣にも何かデカい施設がありますが、結果的にはこちらの方がよかったと思います。


 温泉で汚れまくった身体を洗浄してから18時50分のバスを待ちます。ふうたろう以外にも数人地元のお客さんがいたので話をしていたら、コーヒー牛乳をゴチになってしまいました(笑
 ありがとうね、おっちゃんとおばちゃん(ご夫婦だった)。


 木こりの宿の前にもバス停はあるけど、ここ発のバスは少ないのです。隣の温水プールみたいなところから出るバスは一日7本くらいあるので、そちらに移動します。


 で、さっきから気になっていたんですが、環境センターから出る溶融スラグを撒いていると書いてあります。
 →秋田市HP内 溶融スラグ
 いったい、何を処理したあとのスラグなんだろう。スラグ(鉱滓)だから、やっぱり金属精錬後のカスということか…?


 さて、あと20分ほどあります。涼みながらバスを待ちましょうか…


 …こうして、本当に何もせずにぼーっとできる時間が貴重です。山にいるときの、ごく一部の時間しか、こういう時間を持てないのは、実に残念です…。


 バスで秋田市に戻ってきました。運転手さんにスーパーなどがある場所を聞いて、買い物広場というバス停で下ろしてもらい、西武百貨店の地下でワラビとホンナ(ヨブスマソウ(キク科))を、近くの八百屋でアイコ(ミヤマイラクサ(イラクサ科))を買って、メシ屋を探しに行きます。


 アイコを買った八百屋の女将さんに聞いた(旦那は声が出なさそうだったので…)きりたんぽ屋にやってきました。
 →マルトミ水産
 残念ながら、おいらがいったこの店舗のページはまだないみたいだけど。


 何食べるか悩んだけど、やっぱりきりたんぽ。鶏肉とモツ(鶏の卵管など)は除いてもらいました。
 ここのきりたんぽ鍋には、マイタケ・ゴボウ・セリ・糸こんにゃく・(比内鶏)の他に、ナメコ・キンカン(鶏の卵細胞?)・卵管などが入っています。変わった趣向ですが、悪くない。それに、きりたんぽは家庭料理なので各家庭によって味も違うそうです。


 なお、きりたんぽを注文した客には、きりたんぽの由来を知ることのできる紙芝居が披露されるようです。秋田弁で(笑
 従業員一人一人も驚くほど感じがよくて逆に怖いくらいでしたが、心配なのは、やっぱり労働条件・環境です。ふうたろうが心配することではない?いやいや、秋田県の最低賃金は2012年10月13日からで654円。奇しくもこの店に置いてあった秋田県のまんが版ガイドブック(?)みたいなのにも、「コンビニの商品の値段は東京都変わらない。最低賃金を上げなければ地方は潤わない。」みたいなことを秋田弁で書いてありました。
 ちなみに、東京都は850円です。200円違います。
 それでも、この店の従業員は本当によく働いています…。


 メシも食って、あとは帰りのバスを待つのみ。歯磨きなどをして準備を済ませれば、OKです。


 ふうたろうはこの太平山をなめていました。猛烈なヤヴ道は険しいし、あると思った主稜線のコースはかなり傷んでヤヴァイし、意外と長い。これなら一泊するつもりで全山縦走を企んだ方がよかったのではないでしょうか。でも、明日の天気があまり良くないから…しょうがない?
 #284秋田市太平山クリア。


天気:晴れのち時々くもり(秋田県秋田市・河辺郡河辺町・北秋田郡上小阿仁村)

  1. 6月 3rd, 2013 at 19:54 | #1

    200、300となると聞いた事のない知らない山が一杯です。
    コシアブラは荒海山にあって少しとってきました。
    荒海山は道はしっかりしていて藪漕ぎは一部だったけど、この山は大変そうですね。
    霜がおりていたとは…やはりまだ東北の山は寒いんですね。

  2. 石屋
    6月 3rd, 2013 at 20:46 | #2

    初めまして…
    というか、秋田駅のバス停でふうたろうさんのジュースを盗もうとした石屋と申します(笑)。
    私は水晶採りで秋田に来ていましたが、ふうたろうさんはかなりハードな登山をされているんですね…。今後もちょくちょくブログを拝見させて下さい。応援してます!

  3. ふうたろう
    6月 4th, 2013 at 08:42 | #3

     chiakiさん
     荒海山にはコシアブラ、健在なやつありましたか。じゃあ、御神楽岳や帝釈山などに行ったら、サンプル回収できそうかな…。

     荒海山は4年ほど前の11月に登りました。ヤヴよりもアプローチが大変で、山頂着いた頃は疲れ果てていたような気が…いっそのこと、残雪期に雪の尾根を自由な鳥(というかネズミかサルかキツネか)になって駆け回った方が楽な気が…

     朝は気温がぐっと下がりますが、昼は気温がぐっと上がります。気温の高さも変化も殺人的です(滅

  4. ふうたろう
    6月 4th, 2013 at 08:47 | #4

     石屋さん
     あの暗がりだと誰のジュースかよく判んないですもんね(笑
     というか、ジュースと水晶を間違えたとか(笑笑

     山については、自分のものだけを見ていると意識しないのですが、やっぱりきついのですよね。登り始めた5年ほど前の山歩きのことを思うと、今やっているのは冒険レベル…かも知れません。300ほどの山に登って、5000kmくらい歩いたでしょうか。やりたいと思う気持ちと体力さえあれば誰でもできる登山を、と思っていますが、ひょっとしたら、「誰もやりたくない」登山に変化してしまったかも知れません(アヴラ汗

     応援を受けて、最期までがんばります(^ー^)d

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