水路の稜線(雨飾山シゲクラ尾根コース:新潟県)
睡眠剤、フルニトラゼパム製剤のロヒプノール1mgを半割にして服用したため、比較的熟睡できました。外で羽音をヴンヴン言わせながら血のニオイをかぎつけているブヨどもの襲撃も、テントを突き破ることはできなかったようです。しかし、1時以降は何時間かおきにやっぱり目が覚めていたので、まあ、そんなもんです。
夜は何も食べずに寝たので、今朝は軽くカップ麺を。あんまりハラが減らんのですよ。こういう行動中は、なぜか。中岳避難小屋で停滞していたときは良くハラが減ったので、恐らく殆ど気の問題だろうとは思いますが。
とりあえず4時半くらいまで寝てみました。テントを片付けて出発する頃にはもう相当明るくなっていました。そして、ブヨどももすっかり活動を開始しています。
ところで、テントも靴も、まるで雨が降ったように、しかも土砂降りの雨が降った痕のように、しこたま濡れていました。ってことは、この、登山道もどきのヤブは、通るだけで洗車できてしまうんではないですか?
よく見ると焼山は既にガスがかかりつつあります。まだ5時台なのに。
案の定、この裏金山のトラバースに至るまでに、下半身と右半身は基本的に大雨に当たったかのごとくずぶ濡れになりました。しかも、ブヨどもの襲撃も非常に苛烈です。
しかしそんな時に限って、また腹が痛くなったのです。腹が痛くなったということは、生身を広範囲に晒さなければなりませんから…(規制
まあ、被害は甚大だということですよ(滅
ところで、雨合羽を着ていれば朝露の猛攻くらいは防げたかもしれません。…といいたいところですが、ふうたろうの雨合羽のパンツ(下)は、水を集めて中に浸透させる働きがある貧乏神のようなレインウェアで、穿いた方が濡れるという罠です。それでも、この朝露に関しては穿いた方が良かったかもしれませんが…。
この金山に向かうヤブトラバースの間中、ずっと水と虫に悩まされるのでした。
これを登りきれば金山です。ネマガリタケという笹の切り株(刈り払いがされている)が斜めに出ているので、置こうとした足が突き返されます。
金山直下の草原のトラバース道。水と虫さえなければ最高なんですがね…。
これ、靴をひっくり返したら、水が流れてくるのですよ。こんな現象、あの台風が来ていた南アルプスくらいでは絶対に見られません。これは、丁須ノ頭(裏妙義)から下りてきたときに猛烈に降られた雨に匹敵します。
b(`Д ´#)なんで空晴れまくってんのにこんな濡れんねん!
さて、シゲクラ尾根を雨飾山方面に進みましょう。ここからは濡れなくて済むかな?
まあ、一度濡れた靴は、干さない限り絶対乾かないけどね。
雨飾山が正面に見えます。1963mの雨飾山は、2245mの金山から見ると、だいぶ下にあります。
地図で見るよりも、意外と急に下っていきます。基本樹林で展望ないし。
もっとも、展望があっても、靴が濡れていて、不快指数がデフォルトで100なので、大仏雷登山ですが。
雨飾山の山頂がかなり上に見えるので、殆ど鞍部であろうかと思ったり思わなかったり。
振り返ってみると、小ピークの数だけ騙されてきたってことで。
\(゚皿゚)/越えてきたピークの数なんか覚えてるわけないやろーーー!!
というわけで、やっと雨飾山山塊の、笹平下の分岐。この辺りに水場があるはずですが…。山菜採りでもしているような爺ちゃんが一人居て、確かに、「水場があるよ」って言ってた。
でも、あったのは、ウーパールーパーみたいな生物が自由に歩き回っているせせらぎでした。
\(゚皿゚;)/こんなもん飲めるかー!!
カロリーメイトのゼリーを一本シバいて、猛烈な急斜面の笹平をよじ登ります。
この日記で書けばすぐですが、気を失わせておかないと進めなくなりそうなくらい、延々と登ります。距離と時間は物理量としては短くても、人間の感覚として、ヤヴァイ。
嗚呼、もうすぐ笹平っぽい…(この時点ではまだ笹平という名前を知らなかった)。
笹平の肩に着きました。遠くに雨飾山のピークが見えていますな。最強の急坂、なんとか終えました。
実は、山頂で待っている人が居るのです。朝日連峰縦走の時、最後の最後まで連れ立ったMaさんです。メールで、30分は遅れると伝えました。
無心に雨飾山を目指します。
どうやら山頂で彼女が待っているのを、非常に多くの登山者が目撃していたらしく、勘の良い年配おばちゃん軍団は好き放題言います。
嗚呼、俺、何だか祝福されてるみたいやな…
しかし、ふうたろう、相当バテています。エネルギーが足りん。
雨飾山ピーク直下。あと少し、でも、これが富士山の剣ヶ峰に登る道のように、重く感じます。
ぐぬぉーーーー(`゚Q゚´;)
笹平が低くなってきた…。もう少し。
この地蔵さんが並んでいる場所に、Maさん、いました。他の登山者たちも、拍手で迎えてくれました。
…さすがに、これは猛烈に照れくさかった。それをふうたろうは、猛烈な疲れでごまかした。
彼女、10時くらいから待っていたみたいですな。1時間半ですか…。そりゃ、目撃者数もハンパなく多いですなあ。
っていうか、待たせてすまん。
山頂はあちら。地蔵さんのところは基本人が少ないので、Maさんもこちらで待っていたのでしょうか。
12時まで、ゆっくりしました。ここまで来て慌てて下りる必要もない。
しかし、雨飾山の山頂に、あの火打山で喫煙して憚らなかった連中が、またいました。呪いですか?もちろん、周りに気遣いもなく、タバコ吸いまくり。
山頂からは、金山が見えます。焼山や火打山も雲の中ですが、見えます。霞んでいるけど、あそこをずっと歩いてきたのだなあと、少し誇らしくなります。
笹平の向こうは落ちています。あの坂、登るの、本当にキツかった。長い下りと濡れた靴で体力が相当奪われていましたから…
でも、山頂の標の周りはあごひげのように人が立っていますので、地蔵さんのところでマッタリするのがいいと思います。
Maさん(以後「マーさん」と表記するか)を先頭にして歩き出し、笹平の分岐。ここから雨飾荘まで急坂を下ります。
展望に関しては抜群。いつものふうたろうであれば、スーパーハイテンションです。でも今日は靴が沢靴化しているのでテンションが上がり切りません。
南アルプス・荒川三山の中岳避難小屋で製造したコップで2度目飲みます。
…何気に、さっきの男ふたりがまたいたりして。本当に、風上でタバコ吸うのやめろよ。
水場の沢から、一旦上り返します。そこから、雨飾山の絶壁を望むことができます。
もちろん、バスはここまで来ません。マイカーの駐車場が、一般の登山口です。でも今回は、マーさん号が待ってくれています。
マーさん号に乗る前に、沢靴を脱がねば。ふうたろうが靴を脱いで歩き回ったあとが駐車場のアスファルトにぺたぺたと。
雨飾荘のすぐ近くに、露天風呂があります。本当に何もかもが露天で、最高のロケーションです。ただ、石けんがないのはやはり辛いかも。頭くらい洗いたいかも。
ん?(・ε・)
いきなりここ何処?って感じ。
マーさん号で、ふうたろうたち、長岡に向かっています。長野のまちがいではないです。とりあえず、飯を求めて車を走らせてもらいましたが、このカボチャの山がある道の駅の食堂は閉まっていました。
ここは米山サービスエリア。モロ新潟県のど真ん中。2年前、北アルプスの焼岳に登った後、松本ではなく軽井沢から帰った時を思い出す。
長岡のショッピングモールの中。恐らく、雨飾山に登った都心在住の人間で、長岡で道草食っているやつは、ふうたろうを置いて他にいないはず<(`^´)>エッヘン。(何
今回もおもしろい旅をしました。コミカルで、美しく、重くて、速く、人情味溢れた旅を(何
長岡駅から新幹線に乗ったら、この前朝日連峰から帰るときと同じように、ガクッと疲れが出ました。大宮、武蔵浦和、新秋津と乗り換えが、それぞれがシゲクラ尾根の細かいアップダウンのように、厳しい。それでも、焼岳の雄大な空や雨飾山で待ってくれていたみんなの存在のように、温かい気分に包まれながら、帰るのでした。
#84雨飾山クリア。
#216焼山クリア。
天気:晴れ時々くもり(長野県北安曇郡小谷村・新潟県中頸城郡妙高高原町・糸魚川市・長岡市、移動中は含まない)
覚え書き:米山でアイス・夕食を食ったレストラン名…忘れた
火打~焼山~雨飾とロングコース踏破おめでとうございます。
それにしても雨飾の山頂で再会だなんて・・・ロマンチックすぎるゥ~
ガンバレふうたろう!!!
…長かったですね。でも、やっぱり縦走してよかったと思います。
それは、いろいろな意味で。
忘れらんないでしょうね、この山も。
南アルプス南部と同じように。
火打~焼山~金山の稜線は近年藪を刈ったと聞いていて
非常に気になっていたのでここはかなりタイムリーでした。(^^)
虫と朝露でしこまた濡れてしまって大変だったようですけど、なんとか歩けそうですね。
でもあの辺りからの帰りは結構遠いし、どうされるのかなぁ、と思っていたら今回はお車つきだったんですか!
雨飾荘を何時のバスに乗ればいいのか、
少し調べないとわからないですが、
南小谷を16時50分頃に出る鈍行列車で、
18切符で所沢に帰ることができたと思います。
今回、車をまるっきりあてにしていたわけではないですが、
彼女には非常に助かりました。
焼山から雨飾に行っちゃうあたりはさすがっすね。
歩きたくても交通的にキビシくてできないネタができて羨ましいです。
そこいらの山はまだ登ってないですが、笹ヶ峰から周回で妙高・火打・焼山やってみたいと思います。
自分も台風あとに行った幌尻で雨露でスタートして間もなく靴がびっちょびちょで最悪な思いしました。
濡れない靴ってないもんですかねぇ。
>濡れない靴
粘土で押し固めるしかないかもしれないッスね(笑
しかし、幌尻岳の一般道(沢)は、
雨が降らなくても靴で入ると濡れるというか、
そもそも渡渉の連続ですよね。
>焼山~雨飾
実は、心の奥底で、ネタを作ってやろうという悪だくみがありました(悪笑
もっとも、焼山だけピストンとか、雨飾山をそのまま登下降とか、
つまらなさそうでやる気もないという話でもありますが…
雨飾山からの交通は、
バスの正確な時刻は覚えていないですが、
がんばれば普通に終電に間に合うように帰れるはずですよ。