山の先生たち(鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳縦走コース:富山県)
朝、気が付いたら、長袖シャツと長袖ズボンを蹴脱いでいました。どおりで肌寒いと思ったら。去年、同じ頃の週末で三伏峠のテン場にいましたが、着ているものを蹴脱ぐほど暑くはなかったはず。今年は異常ですぞ。
ところで、まったくテンションが上がらず、起きる気さえしません。しかもこの写真に黒いシミがポツポツあります。これはCCDのゴミではなく、ブヨがカメラにまでたかってきている証拠です。
ε=ε=ヾ(゚皿゚#;)うぎーっ!
ピレスロイドと有機リン系および有機塩素系の殺虫剤を10種混合くらいで撒きたい衝動に駆られます。
…ていうようなことを書くと、品性が疑われますが、実際にやるのと思っているだけなのとでは大きく違います。
さて、テンション上がらないけど、劔岳や立山もきれいに見えていることですし、出発しますか。
そういえば、レッドカレーを少し食ったら気分が悪くなったんだっけ。食欲も湧かないッス。慢性的な水分不足なのかどうか判らないけど。
既に出発している人もたくさん居るはず。まだ夜明け前から、わざわざテン場まで来て騒いでいく小屋泊の観光客がいたりしましたし。
なんでこういうところに来る登山者は、こういう人が多いの?真面目にやっている人たちだっているのに。
というわけで、ふうたろう、そうとう機嫌悪いです。虫と人のタチの悪さに、最悪の朝。とりあえず、鹿島槍ヶ岳に出発。
…早く登ってサクッと下りたい。
斜面に日が当たっています。写真撮るために立ち止まるけど、ブヨがとにかく徹底的に妨害してくるので、ふうたろうキレまくりです。
何枚かに一枚、たまたま虫の隙間を狙って撮影することもあります。
太陽はとても明るく、下界の朝靄が輝いているのに、とりあえず虫の猛攻にMPが奪われまくりです。
\(゚皿゚#)/=3=3=3=3うごーー!!
ブヨがレンズの隙間とかにハマってウロウロしています。こいつら、マジどうにかならんのか!!
布引岳の肩。これがそこそこ急です。まあ、虫は少し減ったかな。
今日のふうたろう、劔岳の展望くらいではテンション回復しません。どうも乗りが悪い。
布引岳から、鹿島槍ヶ岳が見えます。短そうで、長そうで、…どっちやねん。
歩けば判ります。距離は本当に気分次第。この展望を楽しめていれば、たぶん冷池山荘のテン場からトイレの距離より短く感じるのではないでしょうか。
あと少し。後ろを振り返ると、爺ヶ岳や針木岳などの稜線が続いています。
そして、山頂到着。天気も展望も抜群なのに、どうもテンションが上がりません。ひょっとして、猛烈に体調が悪いのかなあ。
でも、昨日冷池乗越のところでも出会った夫婦の人と話しているときは、「テンション上がんないんですよー」と正直に言いつつ、踏ん張っていました。
五竜岳方面の稜線。本当はこちらに行こうと思っていたけど、今のコンディションではまったく無謀。
人は鹿島槍ヶ岳の山頂にまだたくさん居るので、何となく羽を伸ばして歩けるような感じです。
爺ヶ岳のあたりでガスが湧き始めているようです。曇るのが何と早いことか!
さっきブヨの猛攻に画面緑色(ドラクエでいう瀕死状態)になっていた場所ですが、今はブヨが全然いません。何処行った?
残っていたレッドカレーを食べてからでないと、鍋が動かせません。どのみちハラが減ってきてはいたので、青空弁当です。
冷池には、どうやら何か両生類が生きているようです。水はものすごく汚い。
冷池乗越あたりまで来ると、そこから上はずっと展望の良いトラバースおよび稜線歩きです。遙か遠くに劔岳。
ふと振り返ると、冷池山荘や冷池乗越あたりがガスの通り道になっていました。
この爺ヶ岳の稜線の形、冬に見たんですよね。2008年11月2日。雪の北アルプスを初めて歩いたときではなかったかな…。
夏のアオアオとした後立山を、今は見ています。素晴らしい展望ですね。
爺ヶ岳の中峰および南峰は、トラバースで迂回することができます。
北峰はあまり目立たないようにいつの間にかトラバースしているはずです。
空が抜けるほど青く澄んでいます。絹雲やガスのたなびくさまが、余計に空の青を引き立てます。
爺ヶ岳中峰と奥の南峰。
正直、鹿島槍ヶ岳よりも爺ヶ岳の方が美しいと思っています。
せっかくなので、中峰だけでもトップを踏んでおきましょうか。
…どうやら、少し気力が戻ったようです。それに、足の速さも、コースタイムの倍くらい。つまり、半分の時間で進めているということです。
爺ヶ岳の山頂からは360度の大展望です。ただし、鹿島槍ヶ岳ほどではないにしても、人がゴタゴタしていて、バコバコ煙草を吸い散らかしている人も。
何でこういう公共の場で煙草を吸って、煙の行く先にいる人のこと、気遣おうと思わないの?山って、風が一方向に吹くような単純なものではないので、何処にいても煙がやってくるのですよ。
しかしまあ、これを言い出すと、また揉めるんでしょうね…
ふうたろうは、やっぱり人気(ひとけ)のない山がいいですな…。
山頂は人が居るので、少し山頂を外したところで一休みしよう。展望なんてそんなに変わらないのだから。
ザックを置いて腰を下ろして、マッタリと。景色、最高ですね…。
そうか、ブヨは動物たちのエサでもあったのか。もし、10種混合なんかばらまいたら、彼らからエサを奪うことにもなるんだな。
ブヨが役に立たない邪魔者だなんて、彼らの生きている姿を見るだけで否定されますな。やっぱり、動物先生、ですね。
ブヨと鳥の関係を見てから、ふうたろうの調子が少し良くなったような気がしました。さあ、下山まで、がんばろうと思えるようになりました。
南峰の肩から中峰を見るとこんな感じです。とてもいい形をしていますね。爺ヶ岳万歳。
何か、登ってくる人が足を止めているなと思ったら、ライチョウの親子。聖岳の時みたいに、逃げずにニワトリのように鳴きながら歩いていきます。
登山道沿いに歩かれると、完全に道がふさがれます。追いかけるわけにはいきませんからね…。
種池山荘では、またなっちゃんオレンジをば。テーブルでどん兵衛を食いながら、同じテーブルを使っていた女性と話をしていました。
ここまで来て行き先を悩んでいるようでしたな…。まあ、悩むか、このガスだと。
コバイケイソウがきれいな時季があるのでしょうね。枯れたものがたくさんあるようです。
ここ、雪が積もっているとき、怖かったなあ。谷底に滑り落ちるんじゃないかと、初めて通ったときは本当に怖かった。
このケルンのところで、下山中のおっちゃんに出会いました。何でか、ふうたろう、おっちゃんに付いていくような感じで下山になりました。
…といいますか、いつもの交流タイムなのですよね。山をやる人同士の。これがあるから山はまた楽しいのですよ。
話をしながらなので、あっという間に下山完了。1時間半で種池山荘から下り切りました。速い。
何と!
おっちゃん、群馬県の富岡の方でしたが、信濃大町駅まで乗っけてくれました。でも、いつも思うけど、何か悪いなあと感じつつ。もちろん山話付きです。
そういえば、以前来たときは、韓国の奥さんと日本人の旦那の夫婦を犬の鼻(何)で追いかけて(中略)扇沢まで連れて行ってもらったっけ。
…色々あって、それが山ってもんだね。
電車での帰りの車窓も、澄んだ空が良かった。しまったカメラを出してしまいました。
中央線のこの谷の風景、初めて鈍行でここを松本から出発して通ったとき、感動しましたっけ。あの時、一緒にいたHさんと「高速バスじゃなくてこっちで来て良かったですよね。」と、喜んでいたのをよく覚えています。1998年12月22日頃でしたか。その前後数日あたりです。
嗚呼懐かしい…。
甲府駅から、今度は霧ヶ峰でハイキングをしていたというおばちゃんたちと交流会を始めてしまいました。こういう会話ひとつひとつが、やはりふうたろうの旅の醍醐味です。
ふうたろう、これはずっと偶然の産物だと思っていたのですが、やっぱり、どこかで交流を求めての行動があるのでしょうね。そういえば、ふうたろうの母親も隣に座った人とかと話をすると言っていましたか。そのあたりの基本的行動は親子、なのかもしれませんな。
ともあれ、大事にしよう、こういう出会いのひとつひとつを。会話の数だけ、人生が豊かになっていく気がするから。
うーん、何だか、教訓的な山旅になってしまいましたな。
#85鹿島槍ヶ岳クリア。
#204爺ヶ岳、夏バージョンクリア。
天気:晴れ(長野県大町市・富山県中新川郡立山町、移動中は含まない)
南アルプスの中岳避難小屋でお世話になった自称雨女です。
いやあ~びっくりしました。まさか2週後にもお会いできるなんて!
ブヨとの格闘大変でしたね。
同じ部屋になった方から、虫除け代わりに筋肉疲労の鎮痛剤なんかを塗ると
効果があるよと教えていただき、小屋を発つ前に首、耳、帽子のひさしに
塗りたくりました。その効果か2日目には刺されませんでした。
特に朝、ブヨは多いとも教えてもらいました。だからなのかもしれませんね。
ふうたろうさんのイライラ感が写真からも伝わってきそうです。
そんな頃、私は単独泊まり登山5山目にしてようやくご来光を拝むことができ、
ウキウキ、ルンルン♪テンション上がりまくっていました。
欲を言えば、雲海が広がっていたら最高だったのに・・・
と雨女がぜいたくを言っちゃいけないですね・・・。
鹿島槍へ行く間に追い越していかれるかで、またお会いできるかなと
期待していたんですが。北峰へは行かれなかったのですか?
やはり超高速ペースで歩かれるんですね。
ふうたろうさんのペースに付いていけるだけの強脚山女であれば
「松本駅まで送りますよ」と言えたのですが・・・無理です・・・。
中岳避難小屋でのひと時は、本当に楽しかったです。
天気は最悪で、寒さが身にしみるような状況の中、
心はほんわかするようなあったかさがあって、
ひと夏のいい思い出となりました。
これもふうたろうさんの人柄のおかげかなのかなと思います。
またちょくちょく覗かせてもらいます。
美濃の低山に登ることがあればお声を掛けてください。
いつでもアッシー(死語?)になりますので!
>雨女さま
まさにあの冷池乗越では、
二度見してしまいましたよ(笑
山でバッタリ、というパターンは、
実はふうたろう、まだ今まで2回ほどしか経験ありません。
屋久島と武甲山
大峰山弥山川と恵那山
のふたつです。
何気に、両方マイナールートだったりしたのですが(悪笑
…でも、小屋で何だかバラバラになってしまいましたね。
あの人の多さで、どうにもならんかったのでしょうけど。
>ブヨ
ブヨは本当にキツかった。
先週の焼山直下富士見峠でも、
外に出られないくらい、夕方ブヨに襲われましたから、
もう、憎しみ以外なんの感情も湧かなかったです(泣
やっぱり虫除けクリームみたいなものを塗らないとだめですかね…。
でも、カメラのレンズに塗るわけにはいかないので(苦笑
>ご来光
それでも、天気は申し分なかったですね。
…一日目の夜はしっかり雨降りましたけど(笑
その分空がきれいでしたよね。
ふうたろうも、登山始めた最初の頃、雨の連続でした。
運と言えば運なのかもしれませんが、
知らない間に、天気を予測して選んでいけるようになると、
もろに雨に当たる確率が減っていくんですよね。
それに、雨を嫌だと思えば思うほど、
雨が多いように脳が記憶してしまうというのもあると思います。
でも、そのうち雨も楽しめるようになりますよ♪
>北峰
ふうたろう、北峰は、グロッキーで行けませんでした。
今思えば、あの時から具合が悪くなっていたのかもしれませんね。
>松本駅
松本駅まで送ってもらえたら、スゴくラッキーでしたね(笑
でも、柏原新道到着、何時でした?
ふうたろう、12時50分という記録が残っています。
>中岳避難小屋
あれは良かったですね。
コクがある、スパイシーな、カレーみたいでしたね(笑
天気が悪くても、
むしろ天気が悪かったおかげで、
あの場が作られたのだと思うと、
雨もまんざらじゃないなと思ったり。
ふうたろうのどんな人柄が何をしているのか、
自分ではよく判らないですが、
ああいうものを求めているのは確かです。
>美濃の山
あちらの方、日本300名山が多いようです。
そのうち全覇目指して、挑むことになるでしょう。
みんなにも良くいうことですが、
山頂でお会いできるといいですよね。
帰りにその山話で盛り上がれるというのが。
ふうたろうはひたすら自己満足の山旅とその日記を付けるだけですが、
気楽にコメントください。