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山越え出勤(何)(仙丈ヶ岳・小仙丈ヶ岳および丹渓新道コース:長野県)

2010年 9月 4日

 かくして、朝3時20分に起き出し、駅前のファミリーマートでジャンクフード類を購入し、駅前のバス停に向かいました。世間では真夜中で、ましてや地方都市なので殆ど人が居ないのがデフォルトです。しかし、このバス停付近だけは池袋のように混んでいます。
 整列を促す山梨交通のおっちゃんが、やたらと小うるさく指示を出していて、何人かの客が苛ついているのが判りました。「そりゃおめー、言いがかりやろ」みたいなこといわれていたので、今回は客に同情。


 広河原バス停、7月末に鳳凰山・アサヨ峰から帰ってきた時に通った道とは逆ルートで、このバス停に着きました。2時間強乗っていたのですが、殆ど寝ていましたので、そんなに乗った記憶はありません。あたりはすっかり明るくなっています。時刻6時過ぎ。


 縦に潰れたみごとにみすぼらしいおにぎりを食いながら待ちます。


 広河原から北沢峠まで、南アルプス市の市営バスに乗り換えます。このバス、なんと5台編成で走ります。これだけ乗れれば、数百人もへっちゃらです。…が、人多いなあ。


 北沢峠で便所を済ませたかったけど、不覚、あの人数を捌ききれるはずもない。ビッグベンをたせるところはふたつしかないっ!


 幸い、ビッグベンは我慢できるレベルだったので、そのまま凄まじい急坂を上昇。
 今日は天気が良くて、樹林の下の苔も神秘的に輝いています。


 木漏れ日と苔のコラボ。


 ところで、歩いていると、伊那大島に住んでいる青年と歩調を合わせるようになりました。これからしばらく、彼と一緒に歩きます。
 ここは北沢峠から2時間のコースタイムに合わせられている、大滝の頭。でも、ふうたろうたち、1時間15分ほどで着きました。速いのは速いのかもしれないけど、甘めにコースタイムが付けられているのではないかと思います。


 大滝の頭を過ぎると、展望が少しずつ、いや、急激に開けてきます。見えているのは、アサヨ峰?


 誰も間違うことがないであろう、甲斐駒ヶ岳。


 樹林が低くなってきて、岩が大きくなってきました。


 森林限界はもう近い。甲斐駒ヶ岳と鋸岳の稜線。あそこをふうたろう、今年中に歩きたいと思ふ。


 左から、甲斐駒ヶ岳、栗沢山、アサヨ峰。あの谷は仙水峠。


 高いところに上がっているというのが判ります。


 森林限界を超えました。遠くには北アルプスが見えていて、槍ヶ岳の先もきれいに見えます。今日の空気の澄みようはAクラス(何


 森林限界を超えたところの広場から上を見ると、小仙丈ヶ岳のピークを仰げます。


 相変わらず展望抜群。


 アサヨ峰の更に右側には、鳳凰山が見えます。地蔵岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳、全部。


 ハイマツの斜面が素晴らしい。


 上の写真とどちらがいいですかな…。


 ところで、ふうたろう、寝不足で若干気分が悪い。あるいは、軽い高山病なのかもしれない。でも、止まって休むと治まるので、高山病ではないかもしれない。でも、一緒に歩いているSさんも、若干クラクラするようなのでやっぱり高山病なのかもしれない。


 何しろ、一気に3000m級の山を登り詰めようとしているのですからね。
 ほら、あそこには北岳が。


 野呂川の谷間。


 遂に、伊那谷が見えてきました。ふうたろうの故郷のひとつ。


 小仙丈ヶ岳。うまく人を外してはいるけど、かなり混んでいます。嫌になります。でも、具合がもう少し良ければ、もう少し気分もマシだったかもしれません。


 飛行機雲が青空を切ります。


 遂に仙丈ヶ岳の小仙丈沢カールが見えてきました。もう目と鼻の先。…といいたいところだけど、コースタイムでは山頂まで1時間。マッタリしすぎていていて、さっきの樹林帯の速さを帳消しにするくらい遅れています。
 Sさんは「景色がいいからゆっくりでいいです。」みたいなことを言っていましたが、確かにそれはその通りです。高山病も酸素分圧や気圧(酸素分圧は全大気圧に比例する)の変化が激しいほど起こりやすくなると聞いたことあるし、それでいいのでしょう。


 ハイマツの向こうの小仙丈沢カール。


 小仙丈沢と北岳および間ノ岳。


 丹渓新道の稜線とその向こうの伊那市街地。


 あの大量に人が居るところが、小仙丈ヶ岳。あんなところで休みたくないので、爺ヶ岳中峰で会得した、ちょっと外しの休憩法。展望は変わらないか、むしろ良い。


 山頂まで登山道が見えます。


 進み続けて、アングルが変わり始めました。


 美しい仙丈ヶ岳のハイマツの斜面。


 藪沢の方のカールと、その向こうの稜線。


 歩いてきた道。


 カールのスケールがデカい。


 小仙丈沢カール。


 藪沢。こちらもカールです。仙丈小屋が見えます。


 遂に仙丈ヶ岳山頂に到着。さすがに、一気に登るのは、気分的にも楽ではなかった…。


 それにしても、人でごった返している。テンションダウン。


 少し周りの展望を堪能して…


 山頂の雰囲気を味わったら…


 ちょっと外し休憩法を採用。


 岩場に腰掛けてマッタリと。


 あの稜線は、地蔵尾根といいます。これは破線のマイナールートですが、今日は時間がありません。残念ですが、こちらは通れません。


 しょうがないので、あの先にある、馬の背を通る丹渓新道を使います。バス停の位置が中途半端なので、一般の観光客は誰も入らないところだろうから。


 さて、仙丈小屋に向かいます。靴底が剥げて結わえていた紐を落としていたおっちゃんをここで追いかけます。何気に、ふうたろうが山頂を外して休んでいたところで一緒に休んでいたおっちゃんだったりしました。


 Sさんとは山頂でお別れして、ふうたろう、一人ここにいます。仙丈小屋、到着直前。


 天気抜群の仙丈小屋。バッジをゲットし、ビッグベンを済ませ、先に進みましょう。…といっても、ビッグベン、15分くらい籠もっていたような気もするけど。


 小屋から仙丈ヶ岳を見上げるとこうなります。


 とりあえず丹渓新道との分岐まで、多少の混雑を我慢。前後に人が居ると、知り合いや友人でもない限り、写真はやっぱり撮りづらいですし。


 見え方が変わる仙丈ヶ岳。時々振り向いてみましょう。


 ズームなども出来るならしてみましょう。


 丹渓新道の分岐。ここでおばちゃんたちがパスタみたいなものを食っていました。
 やっぱり今日は行楽日和。まさに、行楽気分で、仙丈ヶ岳も大量の人が押し寄せていますな。


 ここからはただひとりのアローンルート。いきなり鹿除けの網が張られた、ちょっと身体の引っかかるルート。


 馬の背付近はなだらかな地形になっています。


 ハイマツ帯と仙丈ヶ岳。


 途端に崩壊した場所が。道も少し無くなっているみたいです。


 崩れたところは切れ落ちています。


 砂地というか荒れ地というか、意外とそういう場所が多くなっています。


 馬の背の向こうの稜線は険しそうですな。


 ふうたろう、最近、ザレやガレも好きですが、それよりもこういうたおやかな道の方が好きになってきました。


 ちょっと草原というか、どちらかというと、キャンプ場みたいな芝生が広がっています。でも、キャンプは禁止でしょうね。


 そして、鹿除けの網を通り抜けます。


 木が強かに伸びているちょっと険しい登山道。


 雲がわき起こっている仙丈ヶ岳。


 枯れたマルバダケブキが道を不明瞭にしています。


 これが独標の岩場ですか。


 せっかくだから登って写真でも撮ってみよう。


 もちろん、この岩場をちゃんと下りて戻ってこられることが前提ですが。


 この独標から先、倒木の連続…のはずでした。しかし、誰かが丁寧に倒木を切り払ってくれていて、非常に快適に歩けます。もちろん、快適というのは、障害物がない、という意味に過ぎませんが。
 とにかく、ありがたいことです。


 何処までの6合目か判らないけど、とりあえず、6合目らしい。


 このあとはひたすら暗い針葉樹林帯を歩き通します。


 そしたら、意外と早くゴールっぽい。


 見えているのはどうも双児山のようです。双耳峰って、意外といいものですね。


 アザミにチクチクされながら林道に抜けます。


 丹渓新道分岐から1時間47分で到着。あとは林道を歩いて歌宿バス停まで。


 なんか、どう考えても時間外に走っているバスが頻繁に通ります。その度にふうたろうは焦ります。もちろん、これらはみんな臨時バスです。そして、ふうたろうもそれに乗ることが出来ました。


 林道バスの終点と言いますか。ここは仙流荘。16時8分の高遠行きのバスが平日のみ運行なので、2時間待ち。


 ためらったけども結局温泉に入ることに決定。露天風呂のコーナーで爺ちゃんと農業の話なんかをしていたり。
 何気にここらあたりから青年部(何)交流会のはしりがあったということですね。
 ところで、爺ちゃん、80歳でしたから、戦争を経験しているのですな。青春時代を戦争で過ごした世代ですか。色々先生の目を盗みながら、子どもなりの知恵で生きてきた話をしてもらったり、今の情勢がその時代にそっくりだと言われたり。どこか遠い話にも聞こえるけど、爺ちゃんの目の方が現実を捉えてきた分、正確なんだろうなと思います。


 休憩室でうまさB級のざるそば。


 さて、仙流荘からバスでまずは高遠駅を目指します。
 バスには先客の姉ちゃんふたりが乗っていて、この辺りの旅をしているようでした。ローカルバスを使った旅とは、なかなかやるじゃん。


 高遠町市街地の真ん中にある高遠駅に到着。高遠自体はけっこう行ったもんだけど、この駅の存在は知らなかったのです。だいたい、バス停なのにってのが判りにくい要因なのですかね。


 高遠町の夕暮れ。嗚呼、マッタリ。


 高遠町は町民祭をやっています。町民でもないし、踊りに興味があるわけでもないのに、祭というものは妙に気分を踊らせてくれるものですね。


 これが高遠駅。


 これは辰野駅。いきなり飛びましたが、伊那北駅で写真を撮るのを忘れました。
 これから、青年部交流会にダイレクト出勤もどきです。もっとも、交流会の前半、自然農法の講演とかを蹴って仙丈ヶ岳に登っていたのですが。
 ところで、辰野駅の虫がスゴくて、じっとしていると止まってきてたいそう鬱陶しい。まだこれがブヨのように噛みついてこないだけマシですか。


 小野駅に到着。POMさんが迎えに来てくれることになったので、かなり助かったと安心しながら、少し待ちます。


 旗竿の回収ついでに、諏訪湖の花火を少し見ていました。花火の写真家が、ふうたろうの連写を鬱陶しそうに見ながら「連写はだめだよ」などといっていましたが、三脚なんか持ってねえっつーの。無理。ISO最大に上げて可能な限りシャッタースピード遅くしてんのに。


 とりあえず、これで十分。贅沢言えば、もっとズームレンズがほしいけども。


 このあと、青年部の交流会に合流。何気にハラが減っていたので、BBQの産物を食いつつ、持ち寄りのぶどうを大量に食いつつ、山モードふうたろうで過ごしました。山モードだとテンションを高く保て、場をスムーズにやり過ごせますからね。
 でも、この青年部とは、特に首脳とは、一定の距離を置いています。よそよそしいと言えば悪く聞こえますが、距離を置くのはどの関係でも重要なことです。がんばりましょう。
 #86仙丈ヶ岳クリア。


天気:晴れ(山梨県甲府市・中巨摩郡芦安村・上伊那郡長谷村・高遠町・辰野町、移動中を含む)

  1. SHAKUSHI
    9月 6th, 2010 at 22:52 | #1

    こんにちは!ふうたろうさん。

    千丈でご一緒した伊那大島在住のSです。

    千丈は天気も良く気分爽快に登れましたね!
    頂上までふうたろうさんのこれまでの山の軌跡の話を聞きながら登れてすごいと感動しました!
    自分とあまり年齢変わらないのに山への思いはほんと素晴らしかったです!

    まだまだふうたろうさんのように山慣れはしてないですが家の近くのアルプスで鍛えて少しずつ百名山登頂を目指してがんばって行くことを決意しましたよ。

    これからも、ふうたろうさんの山日記拝見させてもらいますね^^

    また、どこかの山であったらそのときは山話きかせてくださいね!

  2. ふうたろう
    9月 7th, 2010 at 08:37 | #2

    >SHAKUSHIさん
     どうも、その節は…

     仙丈ヶ岳、本当に天気良かったですね。
     ただ、ふうたろう、あの時はけっこう体調的にグロッキーでした。
     軽い高山病か何かになっていたのでしょうかね。

     SHAKUSHIさんも百名山目指しますか。
     車を使えるのならだいぶハードルは低くなりますが、
     それでも、いくつか大変な壁があります。
     楽に登れるけどつまらなく、
     そうでなければ恐ろしくハードなコースになる山もあります。
     だいたいみんな北海道の山が遠いので、
     最後まで残るといわれています。
     たかが100個ですが、
     ガッツリ登ろうと思うと、
     これがかなり多いです(゜Д゜;)
     半年間ほぼ休まず山通いしても、
     まだ今年の登頂数は22個。
     果ては長いですなあ。

     山日記、長いですが、よろしくお願いしますね。
     こういうルートの取り方もあるんだと思っていただければ幸いです♪

  3. SHAKUSHI
    9月 7th, 2010 at 22:29 | #3

    ふうたろうさん、また山登りで南信エリアに来るようなときは連絡してくださいね。
    山話是非またしたいですし!

    百名山は年間20座クリアを目指せたらと思ってます!
    縦走のときはバスや電車をうまく活用しながら少しずつ制覇していきたいですね!
    ふうたろうさんの百名山の制覇クリアの報告&山日記楽しみにしてますね~

    あと、ふうたろうさんの山日記面白すぎ、且つかなり詳しくて為になるので昨夜は深夜まで楽しませてもらいました。
    塩見の山日記も拝見しましたよ。伊那大島駅の近くの割烹料理屋、美富久(読みはみふく)は僕の家から徒歩三分です。高校生の時はバイトしてましたし。
    僕の住んでる町、松川町はごぼとん丼という、ごぼうと豚肉のどんぶりがあり絶品ですよ。美富久の名物が松川町のご当地メニューになったんですよ。
    今度ご馳走させてくださいね!

    週末は御岳山のお手軽ハイキングに行ってきます
    ふうたろうさんも週末登山お気をつけていってきてくださいね!!

    それではまた!

  4. ふうたろう
    9月 7th, 2010 at 22:53 | #4

    >SHAKUSHIさん
     南信エリア、というか、伊那地方は、
     ふうたろうにとっても故郷のようなもんです。
     連絡というか、この日記に大抵は行き先書いてから行きますので、
     夜露死苦(^-‘*)/
     あ、そういえば、名刺ももらってたんだっけ。
     タイミングが合いそうなら、連絡してみますね。

    >20座
     …これは相当ハードな目標ですぞ。
     ふうたろう、今年はかなり必死に登ってはいるけども、
     それでも今の段階で22個。
     もっとも、ピークハントだけなら何とかなりますけどねぇ…

    >塩見
    >美富久
     ここではウナギを食いましたが、
     若干固かったですなあ。
     ふうたろう、肉が全然駄目で(生・レバー・挽肉は可)、
     焼き肉やステーキ、トンカツなどは猛烈な拒絶反応なのですよ(滅
     なので、そのお気持ちだけいただいときます(泣

    >百名山制覇
     たかが100だと思ったけども、
     本当に100は多いですな。
     残り14個だけど、
     まだ14回、今まで以上のレベルの山行をするのかと思うと、
     ちょっとゲップが出そうです(笑
     さあ、いつ制覇の祝杯を挙げられるのやら…。

     御嶽山、気をつけていってきてください。
     ん?御岳山(東京)の方ですかな?
     ま、違うのは高さと開発度だけなので、
     山は基本的に気をつけるべし(笑

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