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七兎を追う者は三兎をも得ず(五色ヶ原前半・薬師岳立山縦走コース:富山県)

2010年 9月 26日

 スゴ乗越小屋のテン場で朝。気温は当たり前のようにマイナス。寒すぎます。


 とりあえず、飯食ったあと(パックの赤飯とコーンポタージュ2杯)、便所。何だか出血しているみたいだけど大丈夫か!?


 それにしても、この小屋の至る所にある絵や文字などのセンスは独特ですな。


 小屋前の板張り、霜でマッシロ。


 天気はよいです。


 テン場はもちろん霜柱まで立っています。テントも霜がビッシリでビチョビチョです。


 何だか右膝に違和感が。でも、ここにいてもどうにもならないので、出発して歩くしかない。


 スゴの頭の肩から朝日が。9月26日、おはよう。


 スゴ乗越小屋のある方向を振り返ってみると、木々が朝日に焼けています。


 霜がビッシリ、バラ科の植物のようですが…。


 霜に覆われたチングルマの綿毛。


 右膝の違和感は増しているが、なんとか進んでスゴ乗越。


 スゴ乗越から、スゴの頭は、これまたいきなりものすごい急坂です。おかげで薬師岳の方の眺望がもう凄いったらありゃしない…。


 しかも、途中からあのイヤラシいガレ場の移動。更に、岩の上には霜がビッシリとか。


 いったい何処まで登るんだろうと思いながら、ガレ場を上がります。


 まあ、眺望だけは間違いなく最高です。富山平野が見えます。


 スゴ乗越小屋のテン場から、ずっと見ていて、あれを登るのかとゾッとしていた、越中沢岳が目前に迫ってきました。


 ずいぶん登ってきましたな。これ、またすぐに下りなきゃならんのですよ。


 スゴの頭は、何気にピークより少し低いところまでしか登りません。なんだろうね、この中途半端さは。
 スゴ乗越小屋を5時47分に出て、このピーク直下は7時10分。


 さて、次は越中沢岳を登りますぞ。


 しかし、どうあることか、右膝の違和感、痛みも、上りではそれほど辛くない。さっきのスゴの頭の上りはしんどかったけども、越中沢岳のは大したことないじゃないか。


 スゴの頭を振り返る。


 赤牛岳の稜線が向こうに見える。


 この上り、ロープなんかあるけど、頼らなくても登れます。


 越中沢岳、振り返ってみても判りますが、横移動は何気に長い。


 再び急坂。空が青くてきれいですね。


 スゴの頭を見下ろしています。薬師岳のガレ場であるところが見えます。


 見通しも素晴らしい。


 谷の樹林帯。


 越中沢岳から南を向くと、そのうち笠ヶ岳まで見えてきます。


 さて、横移動が長い越中沢岳、もう一踏ん張り。


 越中沢岳到着。8時24分。スゴの頭から1時間14分で来ましたね。


 もちろん、登ったからには展望は楽しんでいきたいものです。ここまで来ると、五色ヶ原が見えます。


 振り返れば裏銀座や赤牛岳などもモロ見えです。


 さて、次は五色ヶ原だ。


 越中沢岳の立山方面は、広い斜面の下りなので、ガスに巻かれるとキケンだろうと思います。特に、右方向(東)に出っ張った尾根があり、こいつを歩いてしまうと、遭難する可能性もあるので、気をつけるべし。


 まあ、今日は地図を見ながら、晴れた稜線を歩くのでそこそこ安全。油断だけはせずに、五色ヶ原に向かいますぞ。


 なだらかな越中沢岳北面。


 っていうか、五色ヶ原の前に鳶山(とびやま)という横移動の長いピークがありますよ。


 針木岳なども見えてきました。針木岳はまだ行っていません。今回縦走して7個の名山をゲットしようと思っていたけど、七兎を追う者は三兎をも得ずですな。


 ん?晴れわたった空に何やら薄雲が…


 ま、いいか。それより、この木道…


 ヾ(`皿´#)ヌオッ
 霜が付いて歩かれへんやないか!


 鳶山、岩だらけの薬師岳とは違って、どちらかというと、東北や上越方面のたおやかな雰囲気が漂っています。ええやないですか。


 空にはさっきから薄雲。天気、明日まではまだ持つはずだけども…?


 鳶山・越中沢岳の鞍部。谷の向こうに針木岳などがあります。そして、初日23日、雨の中歩いた黒部湖も見えます。


 絹雲もたなびいていますね。崩れる方向にあるのかどうかはわからないけど、少なくともこの空は快晴よりむしろきれいだと思います。


 鳶山の上りもそれなりにありますが、もう上り坂は怖くないですね。横移動と微妙な下りがしんどいです。


 こうして空の雲を眺めるのがいい。


 越中沢岳とか薬師岳とか、どんどん見えてくる山が増えます。ここ、トムラウシから十勝岳の縦走路を思い出します。


 五色ヶ原の斜面が谷までずっと続いています。


 さあ、もう何度目のピークですか。そろそろピークの連続、慣れてきましたよ。


 余裕が出てきて、写真の枚数も増えます。


 振り向いたら、歩いてきた道がずっと見えます。縦走はこれが見られるのもいいところですね。


 そろそろ、室堂方面の山々が見えてきましたか。


 さあ、鳶山はもう少し。


 鳶山到着。10時5分。越中沢岳のタイムチェックから1時間41分。コースタイムより29分早い。はっきり言って、余裕です。上り坂はもはやこたえません。ただ問題は右膝が痛いこと。こいつはかなり厄介です。


 鳶山まで来ると、もう五色ヶ原が眼下に広がっています。


 ここまで来ると、今までの縦走とステージが変わったような気がします。


 この雲が天気の崩れを告げる雲だとしても、空の美しさのためなら憎めないさ。


 アルペンルートが通っている台地のようです。室堂がもう手の届くところに来たということですか。


 いやいや、それは言い過ぎでしょ。まだ五色ヶ原に入っていないのに。


 五色ヶ原の木道を歩いて、まずは五色ヶ原山荘を目指します。
 実は、ガス缶のガスが切れて、ラーメンすら作れません。行動食のお菓子も尽きかけです。


 しかし、天気といい、景色といい、素晴らしいですな。人も殆どいないし、静かです。


 立山の山塊が見えてきました。比較的遠くからでも目立っていた立山連峰ですが、ここまで大きく見えると、もう少しだと思えるようになります。


 この遠近感がたまらない。縦走万歳。


 五色ヶ原山荘の赤い屋根があります。


 五色ヶ原の湿原とハイマツ。


 木道がササの中を縫っている。


 木道がハイマツの中を縫っている。


 輪郭のはっきりした植生の境界がまた何とも言えない。


 ハイマツ並木というか、ハイマツの生け垣沿いを歩く感じです。


 さて、もう五色ヶ原山荘は目前です。長いので後半に続く。


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