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雨の唯物論(白馬大池栂池高原コース:長野県)

2010年 10月 9日

 あのウルトラロング山行@水晶・薬師から2週間。長かった…。今日は北アルプス最後の百名山、白馬岳撃破のため、朝から大糸線平岩駅に向けて出発です。
 ところが、あずさ3号南小谷行きが、甲府駅ひとつ手前の駅で急に減速。最初、7分遅れていた電車が、南小谷駅に着いた時には36分の遅れになっていました。午後からより雨が強くなる予報の上、平岩駅から蓮華温泉行きのバスに乗ろうとしていたのも完全にアウトでした。
 JRは踏切事故などで受けた損害に対しては賠償させるくせに、客に与えた損害はびた一文賠償しないというのはおかしいのではないか?3~4時間しか乗らない特急列車でも2時間以上遅れないと特急料金を返さないのは、おかしいのではないのか?普通列車よりも遅れたら特急料金を返すべきではないのか?
 …と、このJRの独占的地位をいかしたサービスにイライラしながら、急遽南小谷駅で降りることにしました。


 しかし、そんなJRのナントカより、痛恨の失敗をしています。どう見てもここは駅前ではないですが、まさに、どこかの田舎の住宅地区です。


 Σ(゚д ゚;)ヌオッ!!
 間違えて、雨飾高原方面のバスに乗ってしまった!!行かなければならないのは栂池高原方面でした。時刻表を見ると、1時間20分も待たなければならず、そのまま行けば栂池高原到着は15時くらいになってしまう。もっとも、JRが遅れたので、南小谷で待っていても同じだということがあとで判ったのですが。
 結局、タクシーを呼んで3380円払って栂池高原まで。なんとバカバカしい…。


 さて、栂池高原からゴンドラに乗ります。既に外は雨がビシバシ降っていて、まさに絶望の様相。恐らく、JRが遅れるとかどうとかいう以前に、今日の天気そのものは絶望的だったのです。


 下層には層雲などが雲海を作っていますが、その上層~中層に位置する雲からやっぱりビシバシ雨が降っています。


 ここはナントカの森、とかいう終着駅だっけか。ここから更にロープウェーに乗り換えるのです。徒歩10分以内。


 晴れていたらきれいなんだろうけど…
 といいたいところですが、雨に負けず周りを見ていれば、見るものはたくさんあります。これ、サルオガセ。地衣類という共生生物です。


 栂池自然園に到着。もちろん、雨。


 しかし、大混雑を洗い流す、人除けの雨。都合の悪いことばかりではない。


 登山口は若干解りにくい場所にありますが、解らないのならひたすら舗装路を進むべきです。さればこの看板を、ヒュッテの側に見ることでしょう。


 一足登山道に踏みいると、そこはウルトラぬかるみゾーン。那須岳連山の坊主沼避難小屋に向かう時(2008年9月27日)の、おぞましいぬかるみを思い出すような、ひどいぬかるみ。


 時々ガスが遠のいて、晴れていれば青空に映えるであろう紅葉の樹林帯が広がっているのが見えます。


 曇っているけど紅葉は素晴らしい。とくと見たれ。


 しかしふうたろう、実をいうと、遅れたJRのあずさの中で、四国銘菓のタルト(何)をストレス食いしたせいもあり、更に栂池自然園の駅の休憩所でチョコレートをイナヅマ食いしたせいもあり、若干具合が悪い。でも、雨で見るものも特になく、黙々と歩いているので、上り坂も速い速い!右膝は今のところ大丈夫。


 あっという間に天狗原。山に飢えたふうたろうには余裕。こんな雨くらいではびくともしませんぜ。


 しかし、カメラの方の防御力は変わらないので、カメラをかばいながら撮影。風上にレンズを向けたら一撃で終わります。


 ここ、草もみじになっているので、苗場山や平ヶ岳みたいに、晴れたら最高なんだろうなあ。


 ここで風吹(かざふき)高原方面と白馬大池方面に分かれます。風吹高原にも興味がありますが、今回は百名山撃破という大役があるので、容赦なく白馬大池方面です。


 程なくして、ガレ場の坂になります。


 季節に依りますが、今年はこの時期で、この天狗原より上の紅葉がきれいです。


 凄まじい岩ゴロゴロゾーン。


 右足をかばいながら急な岩ゴロゴロゾーンを登っていますが、後ろを振り返ると…


 素晴らしい紅葉ですね。
 雨で、ガスっていて、なかなか楽しむ余裕はないかもしれないけど、その余裕を作り出せるだけの力量を持てれば、何があっても怖くない。混雑が避けられるという良さを存分に味わうのです。


 これだけ見渡せれば十分ですね。
 このルート、下山路に使うとこれをずっと見ながら歩けますよ。


 …確かに素晴らしい紅葉ですが、ふうたろうは、2年前の平ヶ岳や会津駒ヶ岳、或いは去年の七ヶ岳の紅葉を知っているので、このくらいではまだまだ驚きませんよ。


 それでも、この栂池高原の紅葉は栂池高原の紅葉です。雨でもレンズをかばいながら写真を撮り続けるのは、ふうたろうの心に正直なればこそ、です。


 白馬連山にも、実は乗鞍岳という名前の山があります。名前をそのまま、白馬乗鞍岳。とても平坦な山で、ここに登るまでのガレ場をがんばらなければなりませんが、坂を越えれば後は楽です。
 山頂にはケルンのような石をコンクリートで固めたオブジェがありますが、これは今日みたいに視界の悪い時、リングワンダリング(Ring Wandering)を避けるのに役に立つでしょう。


 おっと!
 (^O^)よっ!
 雷鳥クン、こんにちは。
 しかし、ライチョウってニワトリみたいだよなあ。


 なんか、池のようなものが見えるなあ。もうすぐ今日の終点、白馬大池山荘。


 向こうにうっすら小屋のようなものが見えてきましたね。


 ナナカマドの紅葉。しかし、曇っていて暗くて、写真撮るのも大変。


 結局、今日は6300円の小屋泊まり(素泊まり)に決めました。自炊小屋は本来休憩場所だそうですが、ここを使って良いと、小屋番からのお達しです。
 とりあえず、奥黒部ヒュッテでやったように、カレーうどんとカレー雑炊で腹一杯に。
 富山県在住のおっちゃんたちとたまたま話ができて、しばらく談笑していました。おっちゃんも百名山を、北海道の羅臼岳・斜里岳・雌阿寒岳の3個で終わるんだって。


 雨に撃たれて登る山は、実際登ってみれば、こんなに爽やかには登れません。…が、雨が何を意味するのかを知ることが、ちょっと変な言い方をすれば、雨の唯物論を考えれば、腹も立たないし、嫌にもならない。山行全体を通しての大局的な天気を考えて行動しさえすれば、雨は最高のプレゼントになることを、300日くらいの山行は教えてくれています。
 夜は小屋の人たちと交流したりしなかったり、21時前には寝ました。体調は数日前を思えば非常によい状態です。いや、8月や7月など、ここ数ヶ月に比べても良いかもしれません。食欲は少なくとも回復していますから。
 明日はふうたろうの予想どおり、天気が回復することを祈っていますが、天気予報は不吉なことを言っています。どうなるかは風のみが知っています。


天気:雨(長野県北安曇郡小谷村、移動中は含まない)

  1. 10月 12th, 2010 at 23:21 | #1

    三連休お疲れ様でした。
    出足から電車の遅延に乗継まで狂うと大ダメージでしたね。
    結果論ですが、二日目朝から天気良くなるんだったら二泊で登っとけばと後悔です。

    こないだの続きでいろいろお話できればなーなんて思ったんですが、それでしたらしょうがないですね。
    お互い山に登ってれば、またどこかで会えるかな?

  2. ふうたろう
    10月 13th, 2010 at 00:34 | #2

     ええ、かなり痛かったです。>遅延
     あれがなければ少しは経済的にも楽になったんですが、JRはそういう補償はしてくんないですからね…(泣

    >二日目朝から天気良くなるんだったら
     いや、実は、ふうたろう絵日記の10日付でも書いたのですが、
     あれは疑似好天です。
     実際、14時を過ぎた辺りからの強風と猛烈な雨は、
     寒気による雨だと思われます。
     行く場所にも依りますが、下手するとヤヴァかったですよ。

    >いろいろお話できればなー
     ふうたろうも思います。
     テントを担ぎながらもなお山小屋を選ぶのは、
     そういう理由があったりすることもあります。

     なので、山小屋(避難小屋など)で集合して鍋でもつつけたらいいなと思います。
     Yサーさんが会津駒ヶ岳の駒ノ小屋でやった鍋みたいなのがいいですね。

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