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秋の夕日と紅葉街道(荒船山~立岩縦走コース:群馬県)

2010年 11月 3日

 5時36分の電車に乗って、八高線経由で高崎に行くつもりだったけど、5時18分になって腹痛を起こし、31分までトイレから出られず、結局新幹線で行かないと9時14分までに高崎に着くことは不可能になってしまった。イライラしたり、澄んだ空の下ビル群に見え隠れする富士山を見て落ち着いたり、大変な朝が始まったのです。
 ここは快晴の高崎駅。これで新潟では雨が降っているなんて、まったく信じられません。


 Mariさんと高崎駅で待ち合わせ、上信電鉄で下仁田駅に向かいます。古い感じの鉄道で良い、という話だけではなく、地域交通として大事にしたいものですな。


 下仁田駅。10分ほどバスを待ちます。


 ところで、今日は何処に行くつもりなのか。
 この写真の中に、「荒船山登山口」とありまして、ひとまず目標は荒船山ということになります。


 艫岩(ともいわ)が谷の向こうに見えています。実は、今日歩くコースは、2008年3月22日に歩いたコースとまったく同じです。同じにしたのは、この辺りを歩くのが初めてというMariさんを連れているためです。
 それに何より、この荒船山の先にある立岩(たちいわ・たていわ)は最高の展望があるからです。


 紅葉がきれい…といいたいけど、どちらかというと、まだですよね。空気だけ冬で。


 前のふうたろう絵日記にも書いた、飲む勇気の湧かない水場があります。


 うっすら紅葉した谷ですが、全然ですな…。
 なお、この谷は、バス停のある三ツ瀬から相沢登山口までの車道沿いです。


 ここが相沢登山口。


 紅葉が進んでいるといいたいが、どちらかというと、枯れているような感じがします。


 Mariさんから持参の生チョコをいただきました。ROYCEの生チョコですな。


 樹林の中を歩いて、稜線に出ます。当時歩いたときはかなり時間がかかった気がするけど、今日はほんの30分もかかったかどうか。


 紅葉と新緑を楽しんでいます。


 まあでも、暖かな樹林ですな。


 背の高い樹林帯。写真撮りながらえっちらおっちら艫岩を目指します。


 前もここで休みました。それを覚えていたので、とりあえずここに少し腰を下ろしたのですが、どうもMariさんはこの大岩が転がってきそうな気がするのか、落ち着かないらしい。
 ちなみに、申し訳程度に、瑞牆山のように、姉歯建築士びっくりレベルで、細い枝で岩が支えられています。


 岩の高さは10mはあるのでしょうか。


 針葉樹林と広葉樹林を繰り返していくうちに、艫岩直下辺りまで来ました。


 西上州~軽井沢のキング、浅間山が梢から顔を覗かせています。


 この階段の連続が見えてくるともう少し。まあ、こういう階段は大変ですが、付いているから楽に登れるのですよね。


 荒船山の稜線。これまでの急坂は一変し、平らな地形が、艫岩(ともいわ)まで続きます。


 これが艫岩の大展望。しかし、人だかりが凄まじく、プチ池袋状態でした。


 遙か向こうに谷川岳などが見える、と、Mariさんは言うのだが、谷川岳の知識も経験も皆無のふうたろうには、殆ど判らないという罠。これだけの数の百名山+αを登っているのに、谷川岳や八ヶ岳に関してはほぼ無知。もちろん、高尾山や丹沢山系でさえまともに知らないのだけども。


 ところで、この艫岩は、クレヨンしんちゃんの作者が遭難死したところらしい。発作が起こしてしまったのか、写真を撮ろうとしたのか、とにかく、何らかの弾みででも転落したら終わりの場所です。


 道路が通っていますが、広い樹林の山々に紅葉が広がっています。まだ見頃とは言い難いけども。


 ちょっとこの陰が邪魔ですね。


 浅間山と紅葉の山並み。


 部分的には見頃のようです。今週末、絶対ふうたろうが山に行けない時に見頃を迎えるのかなあと。


 今日は大混雑しているので、この避難小屋の中を使わせてもらって昼飯。赤飯のパック二袋と、Mariさんからもらった柿などを食べていました。


 1時間ほど飯を食っていたので、ついつい遅くなりました。もう13時前ですな。艫岩付近で1時間強マッタリしてしまったのです。


 これが艫岩の避難小屋兼トイレ兼あずまや。


 もう一回艫岩に出てみると、さっきと影の形が変わっています。ここで1日、光の加減と紅葉の様子を楽しんでもいいかも知れない。


 風が強くて、やたらと寒いので、行きますか。もう13時だし。


 すっかり冬枯れの林を抜けます。


 艫岩とこれから向かう経塚山(あるいは「行塚山」)とを結ぶ稜線付近はびっくりするほど平です。艫岩でいきなり切れ落ちているという感じです。


 しかし、青空が最高によろしいですな。


 行塚山に登る頃、Mariさんがつぶやいた。「何だか、お腹一杯で歩いているから…」
 まったくその通りだと思います。ふうたろうも、あの小屋を出てから、どうも脚の動きが鈍い。しんどいのです。でも、それをお互い言葉にしたことで、若干楽になりました。
 これは仲間の存在に関する意外な発見ですな。


 行塚山に到着。
 前述の通り、ここは2度目です。ただ、あの時は雪があるくせに猛烈に暑く、且つ人もそんなにいなかったのです。でも今日は…(滅


 行塚山を越えて立岩の方に向かうと、一気に人は居なくなります。そして、急斜面で少し荒れたような道になります。Mariさん曰く、「整備されすぎてなくて良い」らしい。まったくその通りですな。これくらいの荒れ具合がないと、脚に負担がかかる(何


 しかし、落ち葉が足場の状態を見えなくしているので、注意が必要。


 腰から胸くらい、あるいは顎か目線くらいまでの高さのある笹薮があります。でも、越後中ノ岳~兎岳稜線のウルトラヤブ漕ぎゾーンと比べたら可愛いものだと、ふたりで納得したなり。


 こういう変なトラバースは、雪が無くてもやりにくい。木の根っこが天然の手すりだとか。


 それにしても、秋の荒船山は素晴らしい。あの3月に行ったとき、秋に来たいと思っていたのですよ。


 この道も、ずいぶん前には整備が続けられていたのでしょうな。木の階段は若干朽ちています。


 ここから立岩の稜線に入ります。まっすぐ行くと新たな道が開かれますが、今日はふうたろう、西上州の水先案内人です(何


 トリプルAってわけではないけど、黄葉がきれいです。


 これだけ明るい広葉樹林帯を歩いていると、展望が多少無くても快適です。Mariさんも楽しそうで何より。


 赤色がないけど、まあ、これはこれで良いですよね。


 この岩の上には、ふうたろうお気に入りの展望台があるのですが、通過してしまいました。残念。


 嗚呼、新緑がきれいだなあ(棒読み)


 ほんとに、秋になりきれないまま冬になるのかなあと思う。


 立岩に近づくにつれて岩場歩行が出てきます。鎖場とか。油断してはならない(ふうたろうは油断して滑ったが、転びまではしなかった)。


 出てきましたな、立岩。右の岩の方に行きます。左のは登れません(登る人はいるかもしれないけど)。


 広大な西上州の山並み。やっぱりこの立岩付近はこれが良い。


 ちょうど太陽のところにちぎれ雲がさしかかっていて、山に影を落としています。立岩の影も、下の方に広がっています。


 見かけほど怖くないから大丈夫。落ち着けば余裕です。鎖もいらないほど。


 立岩の方から「ヤッホー」と叫ぶ声が聞こえます。非常によく届くので、ふうたろうも「うきょっ!」と返します。Mariさんにとってはそれが猛烈に恥ずかしいらしい。


 立岩付近から展望が出てきますが、全面がきれいに見える箇所は意外とありません。ふうたろうお気に入りの展望台を逃したのは、少し痛いかもね。


 まあ、ズームアップでトリミングすれば、景色をごまかせなくもないけど。


 立岩の上りは急です。だから、今までと比べてもかなり展望が利きます。あの遠くまで続く山並み、西上州の奥深さを思わせます。


 こうして岩と森林を見下ろせる風景は、そんなに多くはない。荒沢岳も似てはいたけど、少し違う。


 立岩からの展望は最高です。行塚山の方まで見えます。ふうたろうたちが歩いてきた道が見えます。


 もちろん、こうして眺める紅葉は最高です。


 この辺りの稜線は樹林帯ではあっても、数十センチ先が絶壁となっています。景色が最高であり、その先は奈落の底です。ちょっと足がすくみます。


 この色づいた崖の落差はいったい何メートルあるのでしょうか。出っ張った岩の上にそっと立ち、下を覗くと恐ろしい高度感です。


 ここで消防士下りしましたが、Mariさんからひんしゅくを買いました。いや、ふうたろうがひんしゅくを買ったのではなく、この道がNGだったらしい。こんな所、下りたくないと。
 ふうたろうは余裕だったというか、普通の道感覚なので、ついでにヘンタイ扱いまでされました。


 そのすぐ先のボロボロの道は、非常に脆い地質です。歩きにくいったらありゃしない。それはさすがにふうたろうも認めます。


 それを過ぎると、あとは樹林帯を颯爽と駆け抜けるのです。なかなか気持ちのよいルートです。


 以前はこんな丸太橋なんか無かったんだけど、今はそれが架かっていて、Mariさんは喜んでいましたな。おニューの靴がずぶ濡れにならなくて済むのだろうか。


 渡渉してすぐ、車道に出ます。山道が終わります。
 そして、山道が終わったら、集落を歩きます…が、情勢は厳しそうです、ね。


 辺りが暗くなってきた頃、羽根沢バス停に到着。もう最終バスの16時4分はとっくに過ぎていて、南牧村役場前のバス停まであと1時間半以内に歩いて行き着くのです。


 もう、うち捨てられて何年になるのか、この診療所。Mariさんが中を覗いていたけど、数分差で隣をパトカーが通ったので、冗談じゃないぞと(何


 そんなふうたろうたちの姿を見て、この山間の村に住む人が、車を止めて、ふうたろうたちを乗っけてくださいました。…また、ふうたろう、ここの住人に助けられました。
 しかも、これは食事まで!


 …じゃなくて、ここは、地元のこだわりコンニャク職人の店、山福(やまふぐ)です。残念なことに、車で来ていないと、寄り道できない場所にあります。
 しかし、ここのコンニャクは弾力があってうまい。
 そして、コンニャクと資本主義を考えさせられました(何


 お土産にコンニャクを大量に買っていったふうたろうたち。Mariさんもふうたろうも大満足で、下仁田駅までわざわざ送ってくださった旦那にも深々とお礼を言って、駅前で別れました。
 とりあえず、駅近くの食堂で飯ということにしました。…が、その食堂の主人たちの愛想と人柄はともかくも、ちょっと天ぷらがよろしくないですなあ…。次に期待したい。


 ふうたろうたちを送ってくださった旦那は、羽根沢バス停の近くにあるピザ屋さんらしい。ビア・カフェ・BBと言っていた気がするけど、表記はこれで良いのかどうかは判らない。お礼も兼ねて、またMariさんとふたりで行ってみたい。
 かくして、荒船山の旅が終わりました。…が、何と、上信電鉄高崎行きの車内で、ふうたろうの具合が悪くなってしまいました。さっきの天丼が大盛り過ぎて、食い過ぎてしまったのです。最後の20分(合計1時間乗車)は厳しかったなあ。
 高崎でMariさんと別れてから、ふうたろう帰路につきます。ここで、今朝の寝不足が牙を剥いて、爽やかさを吹っ飛ばしてしまいます。実に残念。何事も体力第一、ですな。
 #105荒船山、秋バージョンクリア。


天気:晴れ(群馬県甘楽郡下仁田町・南牧村・高崎市、移動中は含まない)
覚え書き:下仁田町のA-COOPで納豆購入も、ササゲ手に入れられず

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