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樹氷のヤブをかき分けて(磐梯山裏磐梯コース:福島県)

2010年 12月 19日

 やたらと寒くて、ちゃんと寝られませんでした。身体がこの寒さに慣れていないのでしょう。至仏山や熊伏山で味わった気温とは次元が違いますが、2月3月のあの頃の南アルプスなどで味わった寒さに比べれば10℃は気温が高いはずなのです。-10℃以下であれば鼻毛が凍りますが、鼻毛は凍りませんでしたから。


 起きたのは3時35分頃でしたが、やたらと片づけなどがもたついて、出発は5時49分になりました。当然目の前は真っ暗ですので、ヘッドランプ点けてばく進します。
 ふうたろうが寝ている側を、どうやら地元の住人たちが見回りしていたようですね。


 非常に解りにくいですが、東の空が赤くなってきました。遅い夜明けです。
 しかし、それにも遅れているふうたろうの出発という罠。


 樹林をさまよっている間に夜が明けそうです。ふうたろうの予定では、熊伏山の時のように、夜の間に樹林帯を抜けるつもりでした。


 お隣の山々には日が当たっていますが、ふうたろうにはまったく当たる気配すらありません(滅


 ただひたすら樹氷と雪のを歩くだけ。


 快適なはずの樹氷原も、何というか、青空を隠す障害物というか、そもそも道を塞ぐ障害物というか。


 ああ、隙間から見える青空がきれいだなあ(棒読み)


 猫魔ヶ岳などには日が差していますな。相変わらずふうたろうは闇に閉ざされているけど。


 樹氷が最高!
 って言いたいけど、ふうたろうの進む道が無いではないか。樹氷(または霧氷)のヤブはね、もうね、死ぬほど辛いわけですよ。


 東斜面は雪が輝いているだろうけど、西斜面は(略)


 磐梯山のピークですかね。見えているけど、この樹氷のヤブのせいで猛烈に遠く感じますよ。


 やっとお花畑方面と弘法清水方面の分岐です。これが出発2時間後の7時44分。どれだけ樹氷のヤブがヤヴァかったか…


 日が当たってくると、樹氷のヤブが輝き出します。しかし…


 ヌオッ(゚皿゚;)
 積雪がより一段と深くなって、樹氷のヤブが道の方にせり出して、ふうたろうの進む道はさらに茨の道になります。


 ああ、吾妻連峰が見渡せるなあ(棒読み)


 根性で表情をひきつらせながら、やっと弘法清水。とりあえず休むんだ。


 ここには小屋というか休憩所があります。昨日はここまで来たかったけど、到着時刻が8時20分であることを考えると、まともに歩けたとしても20時にはなっていましたね。無理です。


 携帯の電波がシッカリ入るので、mixiで写真などのお裾分け。チョコクッキーでもシバいておこうと思ったら、外にも食べ過ぎて気分が悪くなりました(滅


 やっぱりこういうところで朝を迎えたかった。


 さて、山頂まで最後のピッチですか。荷物はここに置いて、ザクッと進みましょう。喉が渇いてどうにもならなくなったら、雪でも囓ると。


 まあ、嫌というほど無尽蔵ですわな、H2Oは。


 目で見ていても、空は本当に青く見えるんですよね。この雪の輝きは、どんなに樹氷のヤブが辛くても、1000万ドルです。


 樹氷のヤブが嫌になったので、ヤブのないところを歩きます。何というか、開放感でラリってしまいそうですが。


 これは快適。しかも見通し抜群。あれが山頂かな。


 これだから冬山はやめられない。まさに白い麻薬。


 振り向けば櫛ヶ峰が低い位置に。


 檜原湖も見えていますね。


 スゴい崖…。その縁を歩いているふうたろう。ウサギたちも何だか歩いているみたいだけど…?


 遠く飯豊連峰が白く輝いています。
 西吾妻山に登ったときは、飯豊連峰がどれか、なんて解らなかった。でも、今は解るんだ。9年前の9月26日に登った磐梯山、3年前の3月17日に来た裏磐梯、そして今いる磐梯山。地球の中心に対する座標以外同じものは全くない。


 しかし、いつまでも続く上りには疲れてきたな…。


 まだなの…か?


 どうやらさっきのピークは偽ピークだったらしい。この時のがっかり感ときたら、そりゃあもう!


 でも、今日は山頂を踏むのです。何度も裏磐梯まで来ているのに、山頂を踏んだのはそのうちのたった1回。2001年9月26日だけですから。
 そして、もうすぐ…2回目の登頂が達成される。


 山頂の神社と猪苗代湖が見えました。会津磐梯山登頂です。


 9年前に来たとき、どういう気分だったかな。CやAくん、YとCの友人と一緒に来たけど、あれはただの交流だった、かな。ふうたろう、純粋に山を楽しんでいなかったと、今となっては思う。でも、あの時はあの時で、ふうたろうなりに最善の道を歩んでいたのだと思いたい。


 会津若松市方面。2004年10月9日から3日間、Rちゃんの実家が西会津町にあるので、Hちゃん、Y(さっきのYとは違う人)、Nちゃんなんかと行ったっけ。あの時は台風が来て、色々大変だったな。もちろん、台風以外のものも来ていたみたいだけど。
 あの頃は、本当にふうたろう、一人では何もできんかった。


 安達太良山が見えます。
 安達太良山もそれなりに色々あった山だったな。あの山行、かの人と一緒に行ったけど、あれはふうたろう、本当に山行だったのかと思う。いつか、必ず一人で歩こう。


 磐梯山の山頂の札です。
 そういえば、C、ここで感動したとて涙ぐんでいたっけ。今は矢吹町にいるんだっけ…。


 この建物は何だっけ。あの時確かにこの建物の台みたいなところに何かを置いたのを覚えているけど…。
 ふふっ。あまりにもあの時と違いすぎて、解んないや。


 うん、シッカリ、山頂を味わおう。帰りがたとえ新幹線になっても、山を味わわずに慌てることだけは、あってはならない。


 シュカブラ。まだ初冬の段階だけど、もう冬山だね。12月だね。


 さあ、ふうたろう、自分の付けた足跡を戻ろうではないか。ピストンは嫌だと思ったけど、今日の場合、来た道を覚えていないくらい黒かったりヤブだったりしたので、ピストンではないという罠。


 まあ、もちろん、下りも樹氷のヤブは変わらないという件。赤い屋根が見えてきたから、もう弘法清水の小屋群ですね。下りはやっぱり楽だわ、特に雪道。


 樹氷を愛でます。あくまでも樹氷のヤブは眺めるにとどめるべきです。


 風に吹きさらされて、おそらくウサギの足跡が出っ張っています。


 なんか、あの樹氷のヤブ地獄が嘘みたい。長閑すぎる…。


 またあの樹氷のヤブを通るのが嫌だったので、こうなったら、せめてお花畑方面を通ると。お花畑というくらいだから、ヤブというよりは草原に近いだろうと。


 ヤブの向こうには広大な雪原が広がっている模様。


 川上温泉の方に下りようと考えていたけど、もういいね。お花畑にGo!


 ヤブが無くて快適。


 右側にはスキーができそうな斜面が。ふうたろうはスキーやんないけど。


 櫛ヶ峰。いつも目立ちます。


 風の通り道ですか、シュカブラがスゴいですね。積雪がより多くなると、また風景が変わるでしょうね。


 お花畑から磐梯山のピークを望みます。こう見ると、樹氷のヤブは素晴らしい…。


 裏磐梯の方は火口です。檜原湖や五色沼などは、溶岩にせき止められてできた湖…だったはずです。その荒々しい噴火のあとが、こうして今も在り続けています。


 こちらはすとーんと雪の斜面。スキーを滑る人は、こういうところにムラムラするんだろうけど、ふうたろうはしません。


 雪のおかげでどこでも歩けます。崖っぷちから檜原湖。


 裏磐梯の名勝ともいうべきかな。この岩壁はスゴい。


 ちょっとずつ磐梯山のピークを見る角度が変わっていきます。


 ふうたろう、とりあえずあの右端の先っちょを目指して歩いています。


 しかし、またもや樹氷のヤブでひどい目に。


 しかも、何でか知らんがこの辺り、30cmくらい、わかんを履いていても沈む。このちょっとの坂が猛烈にしんどい。


 息を切らしながら休みがてらに写真を撮ります。


 たったこれだけの上りでも、もうイヤだと思うほど。


 しかし、登り詰めてみると、ただのヤブだという罠で、早々に諦めてお花畑の分岐を探すのでした。


 分岐に戻ってきました。一瞬、ふうたろう以外にも登っている人がいるのかと思ったけど、よく見たら自分のトレースでした。


 またこのヤブを。でも、上りの時みたいに辛くなくて、イライラしませんでしたな…。慌てる乞食は儲けが少ない、といいますな。


 樹氷がきれいです。上りの時の地獄が嘘のようです。


 正面に飯豊連峰がちょっと見えています。


 低木帯から高木帯に移行。樹氷の雰囲気も変わるし、歩きやすくなります。闇夜をさまよっているときの辛さと来たら、無かったなあ…。


 星空ではこの樹氷は映えない。青空でなきゃ。適材適所。無理が通れば道理が引っ込む。山を楽しもう。


 この樹氷…霧氷はすごいね。何にたとえたらいいんだろうか、さっきふうたろうが苛立ちのあまりになぎ払って(?)進んでいたあの登山道の樹氷のヤブと同じものと思えない。


 ロープなんかが張られているけど、これは何のためだろうと思ったり。上りの段階から気にはなっていたけど。


 樹氷の中に青い湖。


 だいぶ下ってきました。ここは展望台なのかな?休憩ができそうなので、休憩しましょうか。


 このダウンのインナージャケット、雪で濡れて大変なことになっていますな…。恐ろしい。


 さっきの展望台で、上に着ていたもの3枚ほどを脱ぎ捨て、下は履き替えるのが面倒なのでそのままで進んできました。
 なお、この崖っぷちは歩けません。


 ここがふうたろうのテント場。風の通り道でしたなあ。


 ここからは昨日は黒い雪道だったところ。


 こういう平らなところでも人通りがないのでテントを張ってしまおうかと思っていたけど、結局昨日はあそこまで進んだんですよね…。


 さて、裏磐梯登山口に戻りましょう。裏磐梯高原ホテルで下山届けを報告しないと。


 これ、山小屋かと思ったら、中ノ湯という温泉小屋の廃墟です。屋根や壁が剥がれて、うち捨てられています。硫化水素のにおいが時々、登山道にも流れ込んできます。


 この辺りはまたちょっと急坂です。展望がないので、上りはたいそう辛かったですなあ。


 ふうたろうのトレースの上をウサギが歩いていたようです。いつもと逆ですな。


 快晴の空に絹雲が現れました。高気圧の西側に入ったのでしょう。


 銅沼到着。昨日はぼんやりとしか見えなかった櫛ヶ峰が、シッカリ屹立していますなあ。


 雪に落ちる木の影。


 銅沼とスキー場の間にあるあの浅い沼。


 空にきれいな絹雲。素晴らしい。


 昨日ふうたろうが付けたトレースは、あの風雪で消え去っていました。


 スキー場上部に来ました。最後に磐梯山を拝んで、締めます。


 さて、スキー場をまた戻りましょうか。


 雪道の下りは気楽なもんです。サクサクと下山です。


 …が、さすがにこの長いゲレンデは疲れてきましたな。もうそろそろ終わりにしたいですが…。


 空には雲の芸術。いや、ここまで見事な絹雲はそうそうお目にかかれない。


 スキー場のセンターを通過しました。今日は誰も来ていないようです。


 あとは車道を延々歩いて…


 裏磐梯高原ホテル前のバス停で、行程終了。
 何と!時刻表を見れば、次のバスまで5分しかないではないか!!アイゼンとわかんを脱いで、ホテルのフロントで下山報告をして…ってやってたら時間が無いではないか。


 結局、アイゼンとわかんは中途半端な形で袋に入れてザックに突っ込み、ピッケルに至っては収納すらできませんでした。14時42分猪苗代駅発郡山行きの電車に乗りたいのに、バスの到着は14時41分とかえげつないし、慌てるから割り込みしてくるお嬢はいるし、とにかく大変でした。ここまで待ち時間削減せんでもええっつーの。
 まあ、無事に14時42分発のあいづライナーに乗って、18きっぷで帰ることができたので良しとしましょう。
 ただ、混んでいるのに床に座り込んでいる奴がいるとか、宇都宮駅の売店で買ったサンドイッチが何故か合成甘味料入りだったという罠にハマったとか(食ったあとに気が付く)、大宮での乗り換え電車を勘違いしたとかいう件もありますが。
 #5磐梯山、2度目クリア。


天気:晴れ(福島県耶麻郡北塩原村・磐梯町・猪苗代町、移動中は含まない)

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