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修験者の道(七面山八紘嶺・北参道コース:山梨県)

2011年 4月 3日

 いや、よく寝ました。家よりよく寝たのではないかと思いますが何か。
 ひとまず、カレーうどんをすすって、出発しましょう。昼くらいには着くでしょう。


 空はひたむきに曇っているけど、ついでに腹も痛いけど、まあ、樹林帯ですから、あまり気にしないで行きましょう。


 グズグズの雪を踏みしめながら進みます。昨日は何度あっただろう気温、温度計は-4℃を指しています。


 樹林帯なのでこれもあまり関係ないと言えば無いのですが、ガスが出たり晴れたりで、木の向こう側が見えたり見えなかったり。


 視界が利かないというか、本当に樹林帯の連続です。


 ここはインクラ跡と地図には書いてある場所です。ここで休憩して何か食べた記憶があったり無かったり。


 インクラ跡から少し急登を上がると、ふたコブのピークがあります。それを過ぎる頃、荒れた稜線歩き。本当はここ、道ではないのではないか?


 荒れた道を越えて一段上の稜線に上がったら、また平原に出ます。もちろん、視界は無し。


 次に、七面山までの最高峰に当たるピークの上りです。凍った雪が急坂にこびりついていて、悉く嫌気を指したので、アイゼン装着。今まで履いていなかったのかと思われるかもしれないけど。


 そして、そのピーク1964mの上も、視界ゼロ。甲斐性無いなあ(滅


 続いてヤセ尾根。


 景色がまったく変わり映えしないので、延々と修行のように歩くしかありません。


 そして…?


 ちょっと薄雲から漏れてくる日差しが気持ちよかったりする。


 希望峰に着くと、突然展望が得られます。


 南アルプスの山々がずっと見渡せます。


 あれは聖岳でしょうか。


 希望峰という名前は、地図にあるのみで、看板らしきものは見あたりません。


 どうやら、ここの展望は木々を伐採して得られているようです。まあ、この雰囲気だとそうでしょうなあ。


 そこで休憩です。舶来のクッキーを食べながら。
 ところで、このクッキー、これ以降の日本では、外貨が稼げなくて食べられなくなるかもね。地震だけなら復興できただろうけど、原発があれでは…ね。


 東の方の展望はほとんど無いけど、うっすら富士山が見えていたりもします。


 希望峰の展望は唯一無二…といってもかまいません。西側の展望は少なくともあそこだけです。そして、次はいよいよ七面山山頂を目指します。


 1989mが七面山の最高峰なので、雪道をいいことに踏みに行きましたが、まあ、このざまです。


 そして、1982mの三角点があるピーク。雪にただ埋もれている山頂です。


 そして、展望はゼロ。南アルプスが樹林の向こうに見えるかどうか…。


 針葉樹に囲まれています。なんだか、ずっと上り坂を歩いているような気分になりますね…。


 しかし、ナナイタガレの縁に立てれば、東側の展望が得られます。


 この崩落は大迫力!


 現在進行形で崩落が続いています。


 大きな崩落地です。いったいどこまで崩れれば気が済むのだろう。


 しかし、実は、先に進むと(下っていくと)ロープが張られていて立入禁止区域だったようです。そりゃ、あの縁に立つと、普通に怖いですからね…。


 あとは雪の急坂を、敬慎院目指して下ります。


 枯れた笹原の中を


 雪に埋もれた道を


 木陰の道を


 サルオガセが垂れ下がる森を


 広い樹林の雪原を


 …歩いてくると、敬慎院の一部が見えてきました。


 しかし、この一ノ池がこういう風に見えるところまで歩いてくると、それはまちがいです。


 もうこうなったら、池の上を歩くしかない(何


 そして、池から階段を上がります。
 …このあと、敬慎院のトイレに10分以上籠もって、腹痛に堪え忍ぶことになります。これも修行か(違


 そして、到着がちょうど昼時だったので、食事を500円でいただくことにしました。切り干し大根の煮物や昆布の佃煮などだけでしたが、ふうたろうの好みに合っていて、しかもハラが減っていたのもあり、非常に美味い。ありがたし。


 食事が終わったら出発ですが、入口のところでお坊さんの1人と立ち話をしていました。こないだの地震で、このお堂の萱葺き屋根から土埃が舞い上がったそうです。どんだけ凄い威力ですか…


 いつの間にか境内がガスに覆われ、小雪も舞い始めていました。


 お寺に荷物を運搬する車道を歩きます。


 ふうたろう、その道を通って、奥の院へ向かいます。


 ん?
 なんか、おばちゃんが太鼓みたいなのを叩きながらこっちに来る…?
 かくして、ふうたろうはまた立ち話。おばちゃんは山が好きで、奥の院で働いているそうです。
 確か、さっきのお坊さんも言ってたけど、やっぱり、お客さんが来ないそうですね。いや、客というか、参拝者というべきか。


 奥の院。さっきの敬慎院のようにゆっくりするには、そろそろ時間が足りなくなってきました。


 さあ、ここから北参道をまっすぐ下山します。


 しかし、しばらくアイスバーンのトラバースです。時々谷側に滑り落ちそうになるところもあるので注意!


 ここは雨畑方面に下る道への分岐。でも、なんだか荒れてるっぽかったけど…?


 誰もいない急坂を下り続けて、誰もいない明浄坊。猛烈に閑散として寂しいですね。


 曇り空と樹林帯でダブル薄暗い急坂。


 急坂を下ると安住坊。ここにももちろん誰もいない。ただ冬枯れの大きなトチノキがあるのみ。


 この辺りから、途中にあるベンチに何かが置かれていることに気が付きます。どうやら、これ、ヒル除け食塩水のようです。あの高千穂峰の下山路にいたおぞましいあいつの仲間です。ふうたろうが冬山をやる奴で、本当によかった。夏専門だったら、まるっきりヒルの餌食ではないか。


 安住坊からの下りは一層急で、大きくジグザグにルートを辿りながら下山することになります。まっすぐ下を見ると絶壁です。


 上の方で26とかを数えていた石柱が、やっと10をカウントしました。ここは十丁目。あと3下れば休憩所があるようです。


 どうやら、このまっすぐの樹林帯の道の先のようですな。


 ここが七丁目休憩所。ありがたいことに水が補給できます。まあ、トイレの横の水道は水道管破裂気味ですが(滅
 ここで、家用にも水を汲んでいきます。週前半分ほどの飲み水程度だけど。


 最後の下りです。いよいよ麓の集落が見えてきました。


 7からカウントダウンを繰り返し、遂に1まで来ました。


 そして、入口の鳥居がっ!


 下山完了!!


 このお寺に100円お賽銭入れて、無事下山を告げました。


 しかし、そのふうたろうを送るバスは、やっぱり行き同様手荒く、今から2時間半待ちとか、よりによって、待ち時間の長さまで同じという罠(爆滅
 期待していた温泉まで全部閉まっていて、ただぼけーっと待つのも時間の無駄すぎるので、タクシーを呼んで一番近い駅まで。バス停の前がタクシー屋さんだったので、話は早いのです。


 地震の被害はここにまで及んでいました。大阪から800人の旅行客が入る予定だったのに、それがキャンセルになった。他にもいくつもキャンセルになって、今日はふうたろうが初めての客だったそうです。
 …自粛(不謹慎)なんて、誰得なんだよと言いたくもなります。


 運転手に紹介された下部ホテルの温泉ですが、利用料が1050円と、どこかの健康ランド並みに高いので、あっさり諦めました。足湯の場所も教えてもらったけど、まあいいや…。


 その代わり、駅前のおみやげ屋で、無添加と自負するモナカを買っていきます。かくし最中という名前で売っています。12個入りのを650円で買ったら、ひとつ味見用にくださいました。ありがたいことです。


 身延線は、計画されていない計画停電の影響で、鰍沢口駅で一旦駅の外まで放り出されることになりました。駅の中で待っていても暇なだけなのです。しかし、見てのとおり、ここには何か食べものを買う商店ひとつ見あたらない。住民はどこで買い物をするのだろうと思いつつ。


 道路も閑散としています。この集落は廃れる一方なんだろうか。さっき見えていたホテルの看板も相当錆び付いていた。


 鰍沢口駅から甲府駅まで、初老夫婦と山話その他を交わしながら過ごしました。やっぱりこれが醍醐味ですよねー。
 そして、特に問題なく、無事池袋まで帰り着くのでした。
 ずっと天気もビミョーで、送り迎えはやたらと手荒でしたが、人が優しかった山行だったなあと思います。樹林帯地獄は修行でしたが、あのお寺の雰囲気は良かった。次は精進料理(?)を食べに来ようかなあ。
 #135七面山クリア。


天気:くもり(山梨県南巨摩郡身延町・早川町、移動中などを含まない)

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