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ふうたろう離発着訓練(何(猿ヶ馬場山宮谷コース:岐阜県)

2011年 5月 3日

 縦走路最後の朝。長く文明に触れていませんでしたが、今日は一旦文明社会へ下ります。…と、まあそんなオーバーな話にはなりませんがね。所詮は狭い日本。
 ところで、空に広がっているのは、4月30日と同じような、薄雲。でも、あのときと違って、美しさを感じます。


 三方岩岳方面、昨日のあの濃密な黄砂がなくなっていて、かなりはっきり見えるようになりました。


 今後の山行を占うにあたってあまり嬉しくない雲だとはいえ、この美しさは魔物ですな。


 遙か遠くにはアルプスが見えます。槍ヶ岳や立山など、名峰(立山は…)が。


 さて、贅沢にアルプスを眺め、ウグイスの声を聞きながら雑煮を食ったら、出発です。正面には猿ヶ馬場山。


 こちらには人形山が見えているようです。


 まっすぐ、急な下り。今日はただこれを下るだけなので、もうお楽しみというところはないでしょうね。


 ただ、この空を覆っている高積雲は…


 恐ろしいほど整然と雲が連なっています。


 真正面の猿ヶ馬場山。今日はあそこまで行ければと思っているのですが…。


 これから、白谷にダイレクトに下っていくルートです。この坂はまた輪をかけて急です。


 カモシカがふうたろうを凝視しています。一旦逃げ出そうとしたけど、ふうたろうが近づくそぶりを見せないので、そのままたたずんでいます。


 まあ、カモシカと遊んでいるほど体力が有り余っているとも言えないので、サクッと下りましょう。


 車道とは懐かしい(何


 ここ、滑ったら結構下の方まで運ばれてしまいます。


 断続的な雪道を進み、谷を足で滑りながら、一気に距離を稼ぎます。


 そして、白谷。


 春が芽吹いています。


 そのつぼみはネコヤナギでした。


 雪を被った稜線。


 そして、マイカー登山者の登山口。ふうたろうの登山口(下山口)はもっと遙か下(滅


 さっきの登山口で、何グループかの登山者と話をしました。道のことを話したり。そして、ここで、30日の雷雨が広範囲で、北アルプスでは死者を出したものであることを初めて知りました。くわばらくわばら。


 登山口から白川郷までの車道歩きは、精神的に長い。車道歩きは、気力が持ってせいぜい30分くらい。それ以降は根性との戦いです。まだ白川郷は遙か先。


 ようやく白川郷。時刻としては9時過ぎになっていました。


 しかし、あの向こうの駐車場の車の数は何だ!?これは相当人が多いと見た。


 古民家っぽいのが並んでいます。しかし、ふうたろうにとっては、それがどうした、という話です。所詮は作り物だろうに。


 どーんと古民家風建物の前に自販機が並んでいます。
 こんなの、普通の田舎の奥まったところにある村の方がよほど歩いていて気持ちがいい。


 あれは河童橋…じゃなくて、であい橋というらしい。まあ、どちらも似たようなもんですが。


 橋を渡ってもまだ合掌造り集落が続いています。休憩に、五平餅をかじっています。200円か、安くないけどね…。


 ふうたろうが歩いていた雪の稜線が遠くに見えます。
 ちなみに、ふうたろうはまだ山の格好を解いていません。周囲には大量の観光客がうろうろしているので、若干居づらい。


 ふうたろうは、合掌造りの家には興味がないので、観光のために歩き回っているのではありません。これから庄川を挟んで反対側に見えていた猿ヶ馬場山に登るための買い出しができる店を探していたのです。
 大通り沿いに、Aコープしらかわがあります。市場が休みの日が連続すると、恐らく2日目以降は休業のようですから、気をつけねばなりません。今日は5月3日で、市場は休みでもまだ1日目ですから、開いていました。セーフ…。


 一通り買い物を済ませ、水道で水を汲ませてもらって、改めて猿ヶ馬場山へGo!
 しかし、正確な登山道を覚えていません。この山には登山道がなく、残雪期のみ、恐らく登れるはずです。
 目の前には車が止まっていますね…


 そして、踏み跡が続いています。


 で、この噴水みたいなのは何?飲める水…とは思えないな…。


 実は、この踏み跡をたどると、砂防ダムにぶち当たって、ルートに戻るのが辛くなります。おとなしく、車道を歩くのがベストです。


 ふうたろうに行くなとでも言っているかのように道を塞いでいませんか?


 しかしふうたろうは越えていきます。ここから25000分の1の地図にもルートがない道になります。


 目印はこの三角の建物。


 しばらく、蛇行を繰り返して上っていく道です。道なりに進めるはずです。


 ある程度進むと、雪に一面覆われた谷筋をダイレクトに登れるようになります。甘んじて登りましょう(何


 しかし、長い、直情的な上りです。正直キツい。ふうたろうは、さっきの買い出しで、荷物の重さが再び20kg台後半になっているはずです。人形山で食べる分も入っていますからね…


 上り詰めると、林道と合流します。この林道は、荻町の外れから、山の斜面を大きく迂回しながらここに至るので、歩くのは辛い、かも知れません。


 林道を進んでいくと、小規模の雪崩が時々起こっているのを見かけます。小規模といっても、埋まったら痛恨ですけどね…


 ルートは色々あるようですが、直情的なふうたろうは、林道をそのまま進んで、帰雲山直登のコースに進みます。
 なぜかこの辺り、壊れた車が何台もあります。捨ててくなよ、こんなところに!


 この宮谷を流れる沢、水量が多そうですね。


 ところで、今朝、魔物のように魅了してきたあの雲が分厚くなって、今にも雨が降りそうな感じになっています。また30日の悪夢?


 そして、この宮谷を流れる沢を、どうやら渡渉しなければならない状況に至ったようです。浅い割に流れが強く、雪解け水なので、11月の大千軒岳とは比べものにならないくらい冷たい。しかも、川底の石はナイフのように尖っているようなものもあります。足ツボもびっくりですぞ。


 結局靴を脱いで、靴だけを持って1回、戻って、荷物を担いでもう1回、計3回渡渉しました。荷物の重さと川底の痛さと水の冷たさで、まさに三重苦(滅


 靴を履いて先に進みましょう。アイゼンももちろん装着です。
 所々にスノーブリッジがありまして、何も考えずに歩く人は、その上に足跡を残しています。それほど脆弱なスノーブリッジではありませんでしたが、谷底に落ちたくはないので、足下がはっきりするところを歩きます。


 この辺り、雪だけではなく、土砂も崩れているようです。巻き込まれることだけは避けたい。


 あんな土砂の塊食らったらイチコロですがな。


 先に進むと、もう一度宮谷の沢を渡ります。今度はしっかりした雪の上を歩いて通過できて、あっさりでした。
 程なくして、廃ワサビ田があります。


 25000分の1の地図を見ていると、辛うじて谷の分岐が判ります。最初、帰雲山の西側の方に出る谷を上るのかと思ったら、どうやら、帰雲山に本気で直登の谷を、みんな登っています。これは本気で地獄坂。


 ふうたろう、三方岩岳から下山したばかりで、離発着訓練状態なんですけど。


 (゚Q゚;)ぐはぁ
 やっと帰雲山だけど、そんなピークを踏んでいる気分でも体力でもなくて、速攻で猿ヶ馬場山山頂に行って、さっさとテント張って寝たいという思いです。でも…


 でも、これから猿ヶ馬場山までは、キツい急坂はないけど、蛇行を繰り返すダラダラ上り坂が連続します。しかも、小雨ぱらついてくるとか、泣きっ面に蜂です。


 既に5日目。しかも荷物は重いし。今はもはや根性で登っているとしか思えません。


 気圧の底を過ぎたようですか。西の空が明るくなってきましたね。確かに、北陸地方だけは雨ゾーンを免れているような予報でしたね。関東地方などは、北東の風をダイレクトに受けてアウト。


 猿ヶ馬場山の広い山頂部はもうすぐっぽいですが、疲れも限界に達しているので、遠いのですよ。


 山頂部は疎林に囲まれた雪原になっています。展望は…?


 山頂に至る前に、今日はとりあえず終わりにします。靴やアイゼンを全部放り投げて、テント。もちろん、周りには誰もいないという件。


 Aコープで買った味噌ラーメン。飯山の激辛一味唐辛子を入れよう。


 これがAコープで買った食料だ!
 瓶ジャムとパックの牛乳、果物のシロップ漬けが二つ、味噌ラーメンとチキンラーメン、雑炊の素、パック入りのご飯300g、テーブルロール。


 雲が薄くなってきています。むしろ、上空はうっすらと晴れているような…。


 昨日までふうたろうが歩いていた稜線が一望できるようです。空気が澄んでいたら、恐ろしくきれいでしょう。


 残念ながら、夕焼けを拝むことはできません。でも、何となく希望が湧きそうな空です。明日はきっと晴れます。


 味噌ラーメンを食べて、腹ごなしに周囲をうろうろしつつ、写真を撮ります。このマッタリ感が、やっぱりたまりませんよね。


 山行5日目夕暮れ。明日が6日目となるので、ふうたろう山行史上最長の山行となります。


 ずっと歩いてきて、ようやく猿ヶ馬場山直下まで来ました。明日、猿ヶ馬場山の山頂を踏んで、一旦下山してから、再び人形山を目指します。そのためには、10時半白川郷発のバスに乗らないと厳しいことになります。それに間に合うかどうかが鍵を握りますが…
 …まずは明日の山行を楽しむことが先です。


天気:くもり時々晴れ、小雨ぱらつく(岐阜県大野郡白川村)

  1. NYAA
    5月 14th, 2011 at 06:57 | #1

    雲が美しいですね。黄砂の影響があるって言っても、これだけ展望が利けば、いいじゃないですか。九州なんて、晴れてても、本当に近くしか見えませんでしたよ(泣)

  2. ふうたろう
    5月 16th, 2011 at 11:40 | #2

     この5月3日はまだ大丈夫でしたね。でも、2日は本当にひどかった。ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠を緑化して、この黄砂をなくせないもんですかね…(号泣)

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