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急がば回れ(猿ヶ馬場山籾糠山・天生峠コース:岐阜県)

2011年 5月 4日

 完璧な天気のようです。猿ヶ馬場山、素晴らしい山としていただきに行けそうです。
 朝は、テーブルロールに瓶ジャムと牛乳を。それに、コーンスープも付けましたか。ホテルの朝食みたいですね。


 さ、行きますか、猿ヶ馬場山山頂へ。


 やはり空は黄砂が漂っていて、どうもパッとしません。まあ、こればかりは手の打ちようがないので、諦めるしかないですかね…。


 猿ヶ馬場山山頂は、かなり展望がいい。テントを張るのはむしろここでもよかったんじゃないかと思います。とりあえず、東側の展望が抜群です。


 ふうたろう、猿ヶ馬場山を、元来た道で帰るピストンだけはやっぱりしたくないので、博打になるけど、籾糠山と天生峠を経由して、下山します。猿ヶ馬場山周遊コースですな。


 ちぎれ雲漂う青空。残雪とのコラボがいい。


 白山方面、少しガスが残っているようです。まだ気圧の谷を抜けきっていませんか。


 ところで、ふうたろうがこれから進もうとしているコースは、アップダウンが結構あります。目の前に見えている三角のやつの先にもう一つ。そして、籾糠山までに小ピークが4~5個はあります。


 猿ヶ馬場山の南側にも、山が連なっています。登ろうと思えばいくらでも山はあります。


 もう少しで一つピークを越えます。


 ふうたろう、何か勘違いをしていて、危うくこの尾根を下りかけました。ここを下ったら変な谷底に下りてしまい、大惨事に至るかも知れません。危ない危ない…


 このピークを越えて、もう一つ先のピークを北に鋭角に曲がります。


 そう、あのピークを左に。


 水分を随分節約して飲んでいます。心なしか、身体が疲れをため込んでいるようです。水分と糖分が妙に恋しい。


 猿ヶ馬場山を振り返って。疎林と残雪が朝日を反射しています。


 ピークの上まで行って展望を拝もうと思ったけど、意外とこのアップダウンコースは時間がかかるようで、急遽トラバースで乗り切りました。しかし、その後の小ピーク、トラバースするにも斜面が急で、あまり体力と時間が稼げません。


 少し先に、ここだけはちゃんと踏んでおきたいと思っていた、籾糠山が。大門山の枝稜線からもかなりはっきり見えていた山です。


 次さえなければ、ここは純粋にすがすがしさを堪能できるところです。猿ヶ馬場山ブラボー!


 疎林の上には青空が一面。贅沢な風景です。


 そして籾糠山が。


 しかし籾糠山までの疎林帯は、雪に凹凸があり、地形自体もアップダウンがあり、なかなか難渋します。恐らく、ふうたろうの体力もそろそろ底を尽きてきているのでしょう…。


 籾糠山が少しずつ大きくなっています。でも、あまり近づいている感じもしない…


 アップダウンの疎林。風景はすがすがしいけど、ちょっと疲れてきましたな…。


 でも、籾糠山の急坂は疎林帯から突出します。周辺の山、疎林帯が一望できるようになるでしょう。


 これが籾糠山の急坂。トップまでスッと伸びています。


 展望は保証します。素晴らしい。狭い山頂ですから。


 東側。黄砂さえなければ、アルプスが猛烈にきれいでしょう。


 人形山が見えています。…今日、ほんとにあそこまで行くの?


 籾糠山からの下山路は、これまた急坂で、雪が途切れているところもあります。危ない。


 雪の斜面をさくさくと下ります。もちろん、展望は抜群。


 再び、疎林の雪原。


 この辺りから、だだっ広い平原、あったとしても小さく扁平なピークの隙間を縫うようなコースになります。地形をしっかり覚えながら歩くか、GPSでも持っていくかしないと、迷い込んだら相当ピンチです。


 例えば、この目の前にある小さな谷が、地図上でどの谷に相当するかが判らないと、このコースを辿るのはキツいでしょう。特に下りは。


 天生湿原に下る、ものすごい急な坂に直に出くわします。若干右寄りに下ります。


 上手く表現できませんが、出っ張っている尾根を横切るように進みます。まあ、雪があるので、とにかく天生湿原方面に出られるように歩けば、何とかなりますかな。


 雪深い疎林帯。
 ところで、靴が濡れて、足の裏の皮がふやけて、ずれてきています。痛い。


 天生湿原の南の端。既に雪が解け、せせらぎの音がします。


 ミズバショウの芽が。


 天生湿原の中心部までまた疎林を抜けます。


 広い雪原に出ましたが、ここが恐らく天生湿原です。きっと、初夏から夏には、美しい高層湿原を見ることができるのでしょう。秋には草紅葉を堪能できるはずです。


 さ、少し休憩して、天生峠に向かいましょう。あそこに8時半くらいに出ていないと、10時半白川郷到着は厳しいはずです。


 明確な道が見えないので、地図上で道があることになっているこの谷を下ります。すると…


 U字溝に雪解け水が…。車道に出たようです。


 しかし、深く雪に閉ざされています。まさか、白川郷までこんな深い雪が続くのか?


 天生峠の駐車場。天生湿原や籾糠山などをハイキングするための駐車場かな。もちろん、ここも雪に深く閉ざされています。


 誰かが来た様子はないようですね…。まあ、その理由はすぐにわかるでしょう。


 おっと!
 ここまで雪かきがされている模様です。ということは、タクシーが呼べたりする?
 実は、ここで9時をとっくに回っていて、10時35分のバスは絶望的でした。しかし、タクシーで行けば、かなり時間が節約でき、体力も温存できる…


 しかし、携帯の電波は死んでいる。ま、通じるところまで歩くしかありませんな。


 長い車道歩きが、これから始まります。ソウレ山という山を大きく巻いて、それだけで数十分かかります。


 車はまったく通っていません。雪解けで滝が豪快に流れる音だけが響きます。


 清らかで力強い流れ。でも、残雪水は汲んでよーく見てみると、キチンキトサンがぷかぷかしているはずです。


 正面に、雪が道を塞いでいるところがあります。これは車なんて来ないですね…。


 ここで、タクシー屋に電話してみました。…が、天生峠までは通行止めで行けないと言われました。そして、この天生峠「あもうとうげ」と読むことを、タクシー屋との噛み合わない会話で初めて知りました。


 それ以降、こうして雪や土砂が道を塞いでいる箇所が何カ所も現れます。これは厳しいだろうな…


 ソウレ山の周回を過ぎると、次はつづら折りのルートになります。すぐ下に折り返してきた道路が見えているのでショートカットを試みたのですが…


 結果がこのザマです(滅
 上の写真の背丈より高い防護柵で、道路に下りられません。登山靴の爪先は網の間に引っかからないし、懸垂で柵の上に上がろうとしても、25kgくらいある荷物を背負っての懸垂は無理です。
 というワケで、中の荷物を放り出して、一つずつ道路に投げ出しました。そしたら…


 ヌオッ(゚皿゚;)
 せっかく苦労して持って上がった、しかも糖分と水分の貴重な源であるみかんシロップ漬けが、衝撃によりご臨終していました(爆滅


 (`皿´#)
 急がば回れと言うことだけど、あの柵さえなければ、と、ぶつくさ言いながら、車道を忠実に下山。精神力が思い切り削がれました。


 これは木滝。融雪で水量が豊富です。滝だけはダイナミックです。


 ごうごうと音を立てて流れる沢。遙か西に白山山系の稜線。


 ふうたろう、随分下まで降りてきました。標高600mのところ(地図に表記されている)にゲートがありました。ここまで来たらもう殆ど白川郷とは目と鼻の先。タクシーなんて呼ぶ必要はないね…


 ふうたろう、足の痛み(皮がふやけているため)に耐えて下ってきて、改めて人形山を諦めることにしました。


 白川郷の村落に入ると、足の痛みがよりひどくなりました。苦痛に顔が歪んでいたことでしょう。


 無言で、この高台からの白川郷の景色を1枚。周囲にいる大勢の人々の存在が、あたかも目に入っていないかのように、黙々とバス停を目指して歩きます。


 そして、ついにバス停。しかし、このバス停に行くのであれば、さっきみたいな人混みではなく、そのまま国道360号線を下ってきても良かったかも知れない。昼飯を食べるところは…なさそうでしたし。


 荻町バス停に着いたのは12時44分頃。高岡行きのバスは13時12分。ふうたろうは、池袋もどきの白川郷からいぶし出されるように逃げ出しました。
 高岡に着いたら、明日以降の予定を完成させなければなりませんが、それは後述するとして、宿の確保、飯の確保です。
 しかし、宿の方はともかく、飯の方は飯屋がことごとく閉まっている上、残っていた飯屋も、何だか愛想悪い。たぶん、もう高岡市には来ないでしょうね。来ても通過。


 駅前のホテルに泊まり、明日の予定を立てます。どうやら、砺波駅から医王山(いおうぜん、300名山)の麓まで行くバスが通じているようです。生活路線で本数はそれほど多くはありませんが、駅前を6時35分に出て、立野脇という福光町の集落に向かう貴重なバス便が存在します。なお、これを逃すと、次は確か13時25分だったと思いますので、ミスは許されません。
 明日以降必要な登山道具や着替えなどの諸々の荷物だけをサブザックなどに詰めて、あとは100リットルのザックに詰め、東京へ送還です。これで医王山に登ることができます。
 息つく間もない山行スケジュール。人形山がなくなったけども、まだ続きます。ど根性。


天気:晴れ(岐阜県大野郡白川村・吉城郡河合村・富山県高岡市、移動中は含まない)

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