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放射能の現実

2011年 7月 2日

 今日は仕事で、反原発集会『原発ゼロをめざす7.2緊急行動』の中のイベント出し物に参加しています。ふうたろうんところはアレをやっているので、もちろん、あれで…。


 しかし、今日はこの会場に来た時点で、テンションは低くなく、そこそこ仕事をやる気になっていました。ふうたろうのブースの隣では農民運動全国連合会・青年部が、ソーラーパネルと自転車発電機を出して、なにやら、ふうたろうのところよりも研究所的な催しをやっていました。


 これが自転車発電機。実際、こういうものを作って実行していることは、その実績と共に行動力そのものが素晴らしいと思う。ふうたろう、こういう行動力は見習いたいと思います。…が、仕事と思った時点で、ふうたろう、萎え萎えです(滅
 しかし、今日はあまり仕事気分でもなく、白衣を着たままこのチャリンコをこいで、しっかりかき氷を食べました。自転車発電機で起こした電力でかき氷器を回すのです。


 こうやって生産されたかき氷。ふうたろうんところの仕事は、なぜか測定器がスタッフと共にどこかに出張していたので12時くらいまで何もできず、ここで半ばお手伝いをしていました。かき氷器の氷がやたらと詰まるなあと思ったら、かき氷器の刃を調節してやればいいことに、相当後になって気が付きました。


 民主商工会という団体のはっぴみたいなのを着たがたいのいい兄ちゃんがやってきて(この写真に写っている人は違う)かき氷2杯を作っていきました。かき氷器は動かないし、発電機のダイナモは脱輪するし、いろいろトラブルがあって、筋肉量に基づいた労働を強いてしまいましたが、かき氷はうまかったようです。お疲れさまでした。


 ふうたろうは、傷む前にさっさと昼飯の弁当を食べます。これは、今ふうたろうが家で食べている米と同じ、『つや姫』という品種だそうです。しかし、入っている漬け物とか唐揚げとかは、その辺のコンビニレベルという、どうしようもないという罠。


 ふうたろうは食後の散歩へ。友人が、日本原水協という団体で働いているので、そこへ。この2011年度版のポスターを掲げて立っていました。ふうたろうはあまり有名人を知りませんが、元ちとせさんがいることには驚きました。
 2001~3年頃8月上旬、当時付き合っていた人に首に縄を付けられながら行ったライブで、他の歌手の恐ろしく音痴な歌と恐ろしくうるさい楽器と恐ろしく鬱陶しい観客のわめき声にうんざりしていた中で、この元ちとせさんの歌が流れた瞬間、すべてが黙り込みました。楽器はうるさくないし、観客は静かになったし、歌唱力は最高だったし、あの時の唯一聞いてよかったと思った歌手でした。っていうか、今思えば、数少ないいい瞬間だったという件。
 …という、ポスターを見ていたのでした。右上の新しい広島市長についても、鉄拳を入れたくなるようなことがあったのですが、まあ、それはまたいつか機会があれば。


 もう早速デモ行進(パレード)が始まっていますが、その前に、公園の中の放射線を測っていたら、思っていたよりも高い数値に愕然としました。見るからに砂や落ち葉などがたまっている窪地(水たまりになるところ)に測定器を近づけると、猛烈に反応するわするわ…。ふうたろうの職場が24cpmという値だとすると、このあたりは100とか110とかになります。これが現状だと。


 というわけで、デモ行進を追いかけて、ふうたろうは走ります。しかし、後で夜露死苦とか言っていた、埼玉のAちゃん、結局埼玉のブースなる、青年大集会みたいな区画みたいなものがなくて、出会えませんでした。っていうか、明治公園みたいにクソ狭い中に、あんな20000人も押し込んでいるという、拷問みたいな集会でありますが。


 デモ行進を追いかけていたのはふうたろうだけではありませんでした。ふうたろうは、たぶん喋ったことは1~2回しかないと記憶している、愛知県から来たHさんが、後ろから追いかけてきていました。ふうたろう、デモ行進の時は心は山モードなので、どんと来いということになっていますが(笑


 ところで、この集会やデモ行進に20000人の人が来ているという話でしたが、準備期間が1ヶ月半ほどというレベルでこれほど人が来るのは珍しいそうです。Hさんみたいな遠くの県から来ている人は殆どいないにもかかわらず、神奈川県だの埼玉県だの茨城県だの、関東近県だけでズラーッと列が繋がっています。


 しかし、あとで述べる飲み会の席で、うちの組織のYさんとKさんが喋っていた話によると、マスコミは殆ど来ていなかったそうです。「マスコミめ、なんで報道しないんだ。」などと悪態吐きたくなるけど、ちょっと待て。
 二人は、決してマスコミが事実を報道しない、ということを理解しています。しかしそれでも、ここまで国民が関心を寄せている原発問題には、マスコミすらも目を向けざるを得ない状態だともいいます。なるほど。
 にもかかわらず、マスコミが来なかったのは、マスコミに対する売り込みが甘かったというのです。とおり一辺倒の声かけしかしなかったんじゃないのか、とも。ふうたろうは行きたかったけど行けなかった、4月26日の、牛なども連れて行った、農水省と東電の交渉では、マスコミ各社は、殺到するように押しかけたそうです。連絡していなかったマスコミからは文句が殺到したそうです。確かに、あの時の交渉は、mixiでもニュースにたくさん上がったし、NHKなどのニュースでもトップに上がるものでした。しかし、それはマスコミを取り込もうとした、YさんやKさんたちのような動きがあったのかも知れません。
 ふうたろう、マスコミが真実を報道しない、というのはまだ疑う余地はないけど、少し考え方が変わりそうです。


 デモ行進が新宿あたりまでやってきました。人数も多いので、プラカードの種類も多様になりましたね。ただ人数が増えただけではなく、数が増えれば中身も変化する。


 写真を撮りたいけど中央分離帯で立ち往生させてはもらえない(したくないけど)ので、この中途半端な写真1枚になってしまいました。デモ行進撮るなら、右折時の列を撮るといい。


 新宿駅近くをデモ隊が通るのはふうたろうにとっては目新しいことです。しかし、2009年の太平洋高気圧のような、プロテアーゼでグダグダになった肉のような、この隊列は、ちょっと…(滅
 信号で、どんなにたくさんの人がデモ隊を作っていても、こうなるんですよね。もっと多くの人がデモ行進に参加して、デモ行進に参加しなきゃ損くらいのレベルにしたいものですね。


 ん?(・ε・*)
 何、この女子高生…いや、女子中学生っぽい子たちは…?
 「制服向上委員会」


 ふうたろうもそうだが、この女子学生たちが入ってきた瞬間、ギャラリーとデモ隊のテンション↓アーップ↑
 ま、遂にふうたろうもオヤジになったということですな(爆滅


 ここは大都会トウキョウ。放射線が検出されている、大都会トウキョウ。ふうたろうの家や職場がある大都会トウキョウ。
 そのトウキョウにあるふうたろうの職場に、放射線を測定する、大がかりな機械が取り入れられようとしています。これは、ふうたろうの後ろをついてきているHさんの話で、後述の飲み会で話したことですが、その機械を何に使うかという問題です。
 ふうたろうたちはその測定器を、何の、誰のために使うのか。今ある機械、すなわち、さっき公園の中でアヤシい白衣姿でウロウロしながら測定していた機械よりもずっと高性能な機械だから、食品の放射線を測るような精密な測定も可能だし、放射線がセシウム由来なのかヨウ素由来なのか、はたまたカリウム由来なのかまで判るほどのものです。今よりも精確な分、そのデータには威力があります。
 しかしよく考えてみよう。そのデータを、例えば、「国の安全基準~ベクレル以下だから安全で、売り出すことができます。」とお墨付きを付けるために売ることに甘んじていいのかどうかを。基準値より1ベクレル低い農産物だったら安全で、1ベクレル高い農産物は出荷停止で、その2ベクレルの差は安全を分けるものなのでしょうか。今までならヨウ素やセシウム由来の放射線は出ていなかったものが、紛れもなく出ていて、それを安全と言って消費者に提供することは、本当に我が組織の立場なんだろうか、と。むしろ、そのデータを、こういう事故を起こさないための運動、東電などに賠償を求めていくための力に使っていく必要があると、ふうたろうも思います。


 奇しくも、先週の焼石岳の金明水避難小屋で話していた岩手県のおっちゃんが言っていたことを思い出します。話は農薬のことではありましたが、おっちゃんは、分析する側と、分析を依頼する側が同じ立場になっているのはおかしいのではないか、と言うのです。原発でも、推進機関と規制機関が同じ側に立っているのはおかしいと、わが方は云っております。まったくその通りかも知れない。生産者は儲けたい側なんだから、ましてや、自分の食べるものと売り出すものとでは、農薬の使い方も違うのだから、農薬を使っていないものを出して、検査したことにすることだって可能ではないかと、まっとうな不信感を顕わにしていました。
 もし、ふうたろうたちがこの機械を使って、ただ生産者のためだけに、「国の基準~ベクレル以下だから安全ですよ」なんてことを言って売り続ければ、それはひょっとしたら大きな誤りがあるのかも知れない。ふうたろうが昔から宣っていた予防原則に、真っ向から反するかも知れない。出なくても良い農薬や放射線が出ているという事実に対して、それでも「安全です」と言うことが、果たして責任ある行動なのかどうか。わが組織の立場として、そういう発言は許されることなのかどうか。
 Hさんは愛知県で、わが職場に設置されようとしている機械のカンパのことなどを話し合ったときに、そういう話になったそうです。同時に、本当に安全な農産物を消費者に届けようとしている生産者は、出荷停止でもない、「本当の安全」でもない基準値以下の農産物に苦しんでいるとも言っていました。それが、「安全・安心」を売りにする人にとっての現実でしょう。「安全・安心」を求める人にとっての現実でしょう。生産者も消費者も、お互いの生活や命の安全を守ることが優先であるという事実を理解しながら、本当の「敵」に向き合っていくしかないでしょう。その手助けをすることが、その機械をカンパで買うことの最大の意味、なのかも知れません。


 そんな話を、まだ17時にもなっていない夕方から、池袋の飲み屋で話していました。ふうたろうが、決して毎日通っている職場にいるだけでは聞き出せない重要な話の数々を、この2時間ほどでするのです。さっきのYさんとKさんの話もそう。
 ところで、ふうたろう、この期に及んで、服の裏表が逆であることを、会計のFさんに指摘されて気がつくという件。要するに、行きの電車も、デモ行進で突っ走っているときも、制服向上委員会の女学生たちを撮っているときも、池袋駅までの埼京線で栃木県の民医連関係者の人とこの集会の話をしているときも、裏表逆だったという件。もはや、ジョークですな(爆滅


 ふうたろうとHさんは最後まで一緒だったのですが、途中からうちの職場の所長と、本部のTさんとも合流して、池袋のイギリスパブに入って歓談していました。ふうたろう、珍しいよね。職場とは一定の距離を置いて過ごすことを決めていたはずなのに。


 原発事故がもたらした被害は悲惨です。自殺者も出たし、経済的被害も甚大だし、被災者の実害は想像を絶します。でも、その事故がもたらしたものは、一方で今の生活を見直そう、原発とは何だろう、と、考え、集うものの出発にもなりました。内的矛盾が社会発展の萌芽であるというのは、嘘ではないのかも知れませんね。この運動を消してしまわないことが、今後は大事になります。
 今日の集会、正直、良かったと思います。こんな感覚は、山以外では、相当久しぶりです。しかし、明らかに確実なのは、ふうたろうに欠けているものが、外部との接触であるということです。山では常に外部の中に身を置いているので、山モードテンションがアレであるのは、なるほど、当然なのですね。職場にいると、対話は本当に意味で独り言のようなもの。誰のため、何のためにやっているのかも判らず、生活のためだけに働く毎日。
 たぶん、今後もその事実は変わりようがないけど、今日は少しだけ、やっていることの意味を理解したような気がします。
 しかし、今日の分の代休と、それ以外にも有休はしっかりいただきます。労働者としての権利と、やりがいとはまったく別の話です。この理解に至るまで、時間かかりすぎですがね…(滅
 来週はボランティアで石巻市に行きます。そして、更に北へ行ければ…と、願っていますが。


天気:晴れ時々くもり(東京都新宿区・渋谷区・豊島区・板橋区、など)

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