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農家たちの怒りはこんなものではないぞ

2011年 12月 26日

 実は、昨日の帰りあたりから咳やくしゃみがひどくなってきていました。そして、今朝は、頭が異常に重く、今日の予定をキャンセルしてしまおうかとさえ考えていました。しかし、今日休んでしまうと、職場に持っていくもの、今日のチャンスを逃したらいつ参加できるか判らない東電交渉、一度既にすっぽかしてしまった歯医者、年賀状を書くためのプリンタ選び、一事が万事、緊急を要するものばかり。非常にまずい。
 というわけで、今日第一のミッションである、東電交渉への参加のため、新橋駅に来ました。…が、迷子になっています。


 あ、いましたね。幟を持って、みんな立っています。


 実をいうと、ここに、ふうたろう絵日記初の、動画ファイルを貼り付けたかったのです。なぜなら、農家の人たちが直接訴えている生の声を、聞いてほしいから。


 ふうたろうは知らなかったのですが、奧茶臼山に行っていた12月17日頃に、なんと原発事故の収束を、政府が発表していたというのです。発言を聞いていてぽかーんとしていたところでした。
 でも、収束だなんて、茶番ですらない。汚染された土地が戻っているのか?賠償支払いが終わった農家はどのくらいいるのか?


 さすがに、マスコミも注目します。ていうか、ここで報道しないマスコミは、日本の国から出て行けと、このときばかりは言いたい。


 今日はまだ強い寒気が南下したままです。福島県は、須賀川などの白川地域でも雪が降っていたそうです。その寒い中、福島県の農家がこうしてやってきているのです。


 このリンゴは?
 東電の幹部の口の中に、このリンゴ(セシウムに汚染された?)を突っ込んでやろうというのか?
 違います。このリンゴ農家は、亡くなったのです。つい2日前のクリスマスイブ、賠償請求に応じてもらえず、収入が途絶え、資材代の請求が来てしまえば首が回らない。青天の霹靂に、あっけにとられるしかなかった。
 もちろん、辛い思いをしたのはその亡くなった農家だけではない。原発が爆発して、避難せざるを得なくなった酪農家がいました。再び戻ってきた頃には、出荷できるような状況ではなかったらしい。ふうたろうは酪農のことは解らないのでどんな状況かは判らないですが、その酪農家は、牛を全部処分したそうです(殺処分という意味なんだろうか?)。
 福島県はそれでも一部賠償されたかもしれないが、宮城や千葉、茨城はどうだろう。この辺りにも広範囲に放射性物質が降り注いだことは、もはや誰もが知っています。


 ふうたろうもみんなにくっついて次の、議員会館(?)に向かいます。そこで、農家たちが、各省庁からやってきた役人たちと交渉する、そうです。


 この会館の前には、クラウンという車が停まっていました。農家たちの舌打ちにも似た、吐き捨てるような言葉が聞こえます。


 ここで、農家たち「農民運動全国連合会」と「農民運動福島県連合会」のそれぞれの会長の名前で、予め先方に「申し入れ書」というのが手渡されていたものに対する返事を聞くことになります。その中身を、書いておきます。

  1. 「原発事故そのものが収束にいたった」という発言を撤回すること。
  2. 放射線量だけによる避難指示区域の見直しはやめること。
  3. 東京電力に対し、精神的損害も含め、原発事故がなければ生じなかったすべての損害について、原発からの距離、放射線量にかかわらず速やかに賠償金を支払うよう指導すること。
  4. 国は福島県民の被害の実態を正確に把握し、十分な賠償がなされるよう紛争審査会の「指針」に速やかに反映させること。
  5. 国は暫定基準値を超えた米が検出された市町村のすべての米を買い上げること。
  6. 福島県民の18歳までの医療費を無料にし、全県民の健康診断、ガン検診を無料にすること。
  7. 福島県のこどものケア、教育のために教職員・スクールカウンセラーを増やすこと。
  8. 福島第一原発事故による「損害賠償金」は、非課税にすること。
  9. 被災農家の復旧に向けて生産施設(作業場・ハウスなど)・農機具を新しく確保するための支援を国が行うこと。
  10. 被災農家が営農を再開するための資金を助成すること。また既存の営農負債を国が買い取ること。

 これに対して、原子力保安院や経済産業省などから突き出されてきた下っ端役人が矢面に立たされ、回答していきます。…が、いちいちとんでもない回答が返ってきます。その度に農家たちから怒号が飛びます。本当はその一部始終を全部載せたいのですが、量があまりにも膨大なので、またの機会にしたいと思います。
 電池やメモリカードの関係で、時々途切れていますが、載せていこうと思っています。


 ふうたろうはこの後、途中で抜けて、歯医者に行きます。風邪で頭が猛烈に重い上に、体温が上がらず、寒い。手がいつまでも冷たい。歯医者の診察台の上でも寒く、帰りの常磐線でも寒い。日暮里の駅ソバをすすったらやっと身体が温まって、ゾンビから回復したといったところでしょうか。さしずめ、あのソバは聖水ですか。
 その後、最後から二つめのミッション、プリンタの選定を済ませ、帰ってから洗濯物を干し、散髪、プリンタのインストール、年賀状の作成が全部済んだら、24時くらいだった気がします。アホほど辛いのに、なんでここまでせんとならんのか。
 今日は全部外せない用ばかりで、本気辛うございました。とてもじゃないけど、画像の処理やテープ起こしなんて、無理。この血反吐が出そうなスケジュールは鬼です。
 …でも、仲間がいると確信している福島の農家たちの、それでも元気な姿をみることができたのは良かった。新松戸駅前で何気に立ち寄った産直の小さな出店で野菜やキンカンを買ったときの販売の人から「お大事に」を言われたときはそれでも嬉しかった。
 …複雑、だよね、ほんとに。


天気:快晴(東京都千代田区・板橋区・豊島区・千葉県松戸市、移動中は含まない)

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