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北の大都会で(ポンヤオロヌップ川下降:北海道十勝支庁)

2012年 3月 20日

 …ガソリンの量がヤヴァイ。大袈裟かもしれないけど、大さじ1杯か2杯くらいしか残ってない。ウナギのパックと、何より凍ったご飯のパックを加熱するだけの火力を維持できるのかが猛烈にアヤシい…(滅
 昨日の夜、テントの中があまりに湿っぽいのでずっと点けていました。ガソリンも500ml持っていて、まだ残っていると、チャポチャポした感じで覚えていたのですが、そのチャポチャポ度の読みが甘かったようですな…。
 結果的には、若干ご飯にβ感があるもののメシにありつけました。まあ、鍋をぶぎゅるコンロ・改から下ろした途端火は消えましたが(脂汗


 今朝は晴れています。昨日も朝は天気がよかったですね。今頃、ペテガリ岳はどうなっているでしょう。


 ポンヤオロヌップ川は、3日前と変わらず雪に覆われています。…冬ペテガリを征服するには、時間もカネも技術も足りませんね…。


 さあ、札幌に向けて下山です(何


 出発は5時半頃でしたか。歩いているうちに夜が明けそうです。


 ところで、タクシー会社に、「待たされるのはイヤだから」と言われて9時に迎えに来てもらうことになったのですが、9時なんかに来られたら帯広に戻るの、ひいては札幌に戻るのはいったい何時になるのか解ったものではありません。携帯の電波、ON/OFFを繰り返し、電話をかけようとしますが、なかなか繋がりません。


 この爽快な風景…でもないけど、充分楽しめずに携帯ばかり気にしています。ええ、タクシーとのランデヴーに気を揉んでるんですが何か。


 登山口の入口の入口に向かって着実に近づいています。


 新雪で轍の埋まった道を戻ります。


 雪に落ちる木の影は、いつ見てもいいですね。


 そろそろ、「登山口まで10km」の看板が出てくる頃です。なお、Y字路の右方向は崩落で通行止めになっています。


 かしわばら牧場に出て来ました。遠くに牛の群れが。ここまで来て、やっと携帯がまともに通じたので、大樹ハイヤーに電話(7時50分頃)。すると、もう10分くらい前に迎えのタクシーを出したとのこと。
 …なんだ、それなら「待たされるのイヤだ」とか言わずに来てくれればいいのに(`ε´)


 ま、結果的にバスとの接続が良くなるように動けそうなので、いいか。なぁ?黒毛の牛よ。


 牧場管理の人っぽいのが時々ウロウロしています。


 着替えなどしていたら、程なくしてタクシーはやってきました。


 タクシーの運転手と話をしていたら、その「待たされるのイヤ」という件について、過去にも待たされたことがあるらしい。まあ、そういう事情は確かに判りますわな。商売でやってるわけだしね。
 ところで、現地の人と話をせよというのは、ふうたろうの旅の一つの使命でして、運転手と話します。突拍子もない話だけど、東京などの資本の大樹町工場などからは、消費税が入らないらしい。出荷前の状態まで作り上げたら、それを東京などに運んでから出荷(箱詰め?)してしまうので、消費税は東京などに落ちるのだとか。なるほど、消費税の是非はともかくとして、インフラだけ使って税は東京に行ってしまうということか。ずいぶんなもんなんだな。
 …程なくして(30分ほど)でこの「大樹柏木町」バス停です。ここがペテガリ岳登山口に一番近いバス停のようなので、ここまで来てタクシーを呼ぶといいでしょう。
 →大樹ハイヤーTel:0155-86-2070


 この後、帯広を経由し、札幌に向かいます。帯広では、滝に落ちたあとに行ったのと同じ眼鏡屋に寄って、大分県で忘れてきた眼鏡の紐を買っていきました。
 札幌駅には15分ほど遅れて到着しましたが、大罠も特になく、yumiさんとのランデヴーを果たしました。


 yumiさんには予めどこに行きたいかを聞かれていたので、4日分の垢と酪酸臭を落とすために定山渓の温泉あたりをリクエストしておきました。しかし、風呂の前にハラが減ったので、メシ屋でメシ。yumiさんは親子丼を頼んでいたみたいです。


 定山渓は吹雪でした。yumiさんはたまたま今日マイカーを使えず、わざわざレンタカーを借りてくれていたのですが、それゆえに運転の勝手が違っていたようです。なのに、そこまでやってくれて、ふうたろう感激。


 ところで、yumiさんというのは、3年前、層雲峡から十勝岳まで縦走したとき、忠別岳避難小屋で出会った女性です。元気で可愛らしい人だなあと、暗くなりかけた避難小屋なりにも思っていて、その夜は隣のスペースを空けてもらって寝たので、胸焼け胃もたれスペシャルというのは実はカモフラージュ(こんなもんでカモフラージュしたくないけど(滅))で、ドキドキして眠れなかったことを覚えています。ちょうどあの時、伊豆の庭師の人との関係が疎遠になりつつあろうとしていたので、ふうたろうの心は揺れに揺れていましたね。
 翌年5月の連休、羊蹄山に登る前に会ったときはその元気な彼女を追いかけていました。2010年のGWの北海道は、恋物語的な旅だったのです。しかし、その願い叶わず、程なくしてその気持ちを打ち消した頃に、朝日連峰で長岡のmariさんと出会いました。ふうたろうが付き合おう、という気持ちになったのは東日本大震災の頃、でしたが。
 それから2年、多くの山に登って度胸はあの頃よりも付いた。デートに誘ってみるくらいできるだろう!…そんな気持ちで、日高山脈で、鼻水を凍らせながらメールしたのです。
 …ふうたろうたちが入った温泉(夜になると混浴もあるそうですが、宿泊客用らしい。露天風呂の隠し通路に「男性立入禁止」と書かれた扉があったりして吹きましたが、合点がいきました。)には、ホワイトデーも終わったのに雛壇が飾られっぱなしです。お嫁に行けないわ(黒ハート


 定山渓というのは遠い場所ですな。ふうたろう、てっきり札幌駅から20分ほどで行けてしまうのだと思っていたら、yumiさんに呆れられました。実際は1時間かかりましたね。
 そして風呂を終えたふうたろうたちは、六花亭で土産物を買ったあと、レンタカーを返しに行きました。
 え?yumiさん、ほんとにふうたろうが帰る22時まで付き合ってくれるの?ありがとうね。
 で、この室外機は何かというと、実は、札幌市内にある、yumiさん曰く赤字の観覧車です。yumiさんも乗ったことないんだってさ。


 600円だったので乗ってしまいましょう、後学のために(何
 まあ、最初に見えたものが室外機というのはネタでしょうけど(黒笑


 なんだかんだと、照れ隠しレベルの言い訳を放いてはいたけど、観覧車、いいよね。ふうたろうも所詮は人の子、ですね。彼女はどう思っていたのかなあ。


 札幌市の夜景。山の風景とは次元の違う思いがこみ上げます。


 …でも、彼女がどう思っていたか、よりもいちばん判らないのはふうたろう自身が彼女をどう思っているのか、かもしれない。この前インフルエンザにかかったときに見ていたNHKの話じゃないけど、「理性は教えてくれないもの」なのでしょう、あの忠別岳避難小屋での思い、山で元気そうに飛び跳ねている彼女の写真を見たときの思い、そういうものを信じるのが一番大切、なのかも知れませんね…。
 そういえば、大学院の時、他の研究室の友人に、「頭で恋をする奴なんて初めて見たよ」的なこと言われましたっけ。35億人はいる世界中の女性の中からたった一人を選んで好きになることを、論理で理由付けすることなんて可能なんでしょうか?


 ともあれ、すてきな一日でした。はまなす号発車5分前(結局発車は遅れたけど)まで一緒にいてくれました。少なくとも、一緒に過ごして楽しかったし、一緒にいてくれて嬉しかった、ということは正直に言えます。実際に、そうも言いましたから。
 …感情を言葉にする、というのは大事なことです。それは相手が科学だろうと人だろうと。


 はまなす号が発車しました。改札を潜ったら一度手を振ったあとは振り返りませんでした。でも、また会いたいと思ったのは事実です。また話をしたいと思ったのも事実です。行き先ならどこでもいい、君のその車に僕を乗っけてくれよと思ったのもまた、事実です。


 ペテガリ岳には登れなかったけど、ペテガリ岳に登っていたら彼女には会えませんでした。運もあるけど、大局的に見て物事には多面性があるのですね。あのポンヤオロマップ岳直下の岩場は、ふうたろうに何かを訴えていたのでしょうか。いや、ただの偶然でしょうけど、行動に対する結果というものは必ず付いてくる、ということは少なくとも教えてくれたかもしれません。登り切っていれば登り切っていたで、きっとすばらしい充実感を持って帰ってきたことでしょう。あるいは、ひどい目に遭っていたかもしれませんが。
 山はいつも哲学の教授ですね。そして、ふうたろうがその山に登れるように支えてくれているみんなにも、感謝しなければね。
 ありがとう、みんな。ありがとう、yumiさん。
 ペテガリ岳リタイア。
 ん?(・ε・;)
 ヌオッ(゚Д゚;)
 …定山渓の温泉に買ったばかりの眼鏡の紐忘れてきた…(爆滅 しかもそれに気づかせてくれたのはyumiさんだったという件。ふうたろうのニワトリ野郎(死滅


天気1:晴れ(北海道十勝支庁広尾郡大樹町・帯広市)
天気2:くもり時々雪、定山渓では強く降る(北海道石狩支庁札幌市、移動中を含まない)

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