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裏口登山(上越米山大平登山道コースピストン:新潟県)

2012年 4月 21日

 クソやかましい金曜の夜の池袋東口から23時40分発上越(直江津)行きの西武夜行バスに乗って、新潟県大潟町(現在上越市)の潟町バス停までやってきました。ふうたろう以外に一人女性が下りたようですが、行き先まで同じはずもなく、それほど気にもかけないでそそくさとこの場を去ります。


 このこぢんまりとしたバス停の入口。普通に考えて、ここからどこに行けば何があるのかなんて、常人には判りません。でも、ふうたろうはこれからJR潟町駅に行って、1時間40分くらい待って米山駅まで行かなければ、今日のミッションが果たせません。


 というわけで、潟町駅に向かいます。1時間40分もあるので迷いたければ迷ってもいいのですが、どうも迷いそうな予感はしないという罠。こういうところは、本当に下界ではザンネンだなあ(じと目
 まあ、その割に、新聞配達していたおっちゃんに行き先を聞いたりもしたんだけどね。


 どうも、明日、上越市は市議会選挙(今は大潟町は合併して上越市になっているため)のようです。随分立候補者がいるけど、この中で、支持の割に政治と社会をまともに考える議員が何%いるのかは疑問。少なくとも、利権絡んでるのだけは出てこないでほしいなあ(他人の都市だけど)。


 …池の向こうに駅が、おそらく潟町駅が、見えます。しかし、この巨大な池をとしょ…もとい泳いでいけと?


 ゴッツい遠回りをさせられるような気がしますが、とりあえず道路のあるところを歩くしかありませんな。


 こういうのも跨線橋と呼ぶのかどうかは知りませんが、線路に架かる陸橋を越えて、と線路を回り込みます。
 遠くに米山のシルエットが見えます。


 駅前の公園にトイレがありますが、ここは町内会がきっちり管理してくれているようです。ありがたいことですね。


 5時半頃になって、ふうたろうは潟町駅到着。これからここで1時間以上待ちぼうけします。


 電車が通らなさすぎるのでさっきの池に映る朝日を、線路に下りて撮影しておきます。
 ああおはよう(棒読み)
 待ち時間の間に、おにぎりを食ったりしていたら、さっきバスを降りた女性(女の子、だな)がいつの間にか駅のホームでふうたろうみたいに写真を撮っていました。どうやら迷いまくってやっとさっき着いたようですね。


 さて、始発6時42分の長岡行きの電車が米山駅に着いたので、ふうたろうは下ります。まず、改札の反対側にある海に向かいたい。しかし、このアホみたいに高い防波堤を下りられない。


 数百メートル防波堤の上を歩いて、ようやくハイパーお粗末なハシゴを見つけたので、それを下ります。


 よし、これでゼロリセット完了。


 さあ、これで米山はゼロメートル登山ができますよ。


 米山駅から、さまざまな看板をことごとく無視してまっすぐ進むと、ひとまずこういう風に高速道路の下を潜るでしょう。しかし、おそらく看板を無視しなくても潜るのは変わりないはずです。


 しかし、こういう荒れ地を縫うような細い道は見られないはず。


 ひっそりとした雰囲気の場所を通過する、看板ムシコース。


 コゴミがたくさん生えています。しかし、もう葉が開ききっているので、採れないと思います。そもそも、人の土地に生えているのだから、採っちゃだめだけどね。


 こういうのんびりした道がいつまで続くのか、ふうたろうも想像できませんが、まあ、そんなに長くはないだろうと思いつつ。


 すると、早速アヤシくなってきました。もちろん、看板ムシして来たので、行き先案内などゼロ。カンと地図の雰囲気で進むしかないという件。


 これは、ズダヤクシュ(ユキノシタ科)の芽でしょうか。実は、この辺り、もう春の花がバンバン咲き始めています。スミレやタネツケバナ、オオイヌノフグリなどはポピュラーですが、オクノカンスゲ(?)やネコノメソウの仲間、キンポウゲ科の花など、そろそろ「花スペシャル」の走りが見えつつあります。


 で、看板ムシのススメした結果は、やっぱりウルトラヤヴこぎゾーンです。いつもこればっかりという件。


 …耕作放棄されて荒れた田んぼ、…だよな?


 ああこうりょうとしただいちがこうだいだなあ(棒読み)


 カタクリなんかが自生しています。放棄されて長いのでしょうね。


 まともな人も歩けそうな道に出て来ました。


 進んでゆくと米山の雪景色が見えてきました。


 ウルトラヤヴこぎゾーンで体力を使ったので喉が渇いています。何だか、ここにはコップが置かれているので、水そのものは飲めそうな予感。北海道のようにエキノコック水をくらわされるわけでもなさそうなので、少し飲んでみました。
 …美味かった…。


 代掻きされた田んぼの水に、景色が映ります。


 そして、看板に従って進んできたコースに比べて倍ほどの時間がかかりましたが、ようやく大平(おおだいら)集落に到達。つまり、ここが登山口です。


 …しかし、ふうたろうは猛烈にアヤシい道(のようなもの)を歩いてきたので、ここが本当に大平集落であるかどうかは、半信半疑です。
 この裏側から見える看板はきっと米山登山口を示すものだろうとは思いますが。


 ふうたろうの裏口登山は今日も行く。


 エンレイソウが大量に咲いています。もう少し深くて高い山だと、いつもは大抵ゴールデンウィークの大合宿(ただし一人だけど)を終えてからしか見られません。


 登山口あたりからやや深い樹林帯です。日が当たりにくいので雪もかなり残っています。猛烈に暑かったさっきまでの道に比べて、ほんの少しマシになった、か?


 林道のショートカットを繰り返し、米山の大平登山道を行きます。


 下界ではエンレイソウやスミレなどが咲いていても、新緑の季節にはまだ遠い。雪があるとまだまだそこまでは。


 一回目の尾根に出ます。尾根は日当たりがいいので雪が消えています。


 ふうたろうがさっき、アヤシい道を歩いていたときに目印にしていた城山(海側)が見えます。


 一つ目の尾根を進んでいると、雪の斜面にぶち当たります。雪がなければただの斜面で、もちろん踏み跡もしっかりしているので、問題なく進めるはずです。しかし、ここはトラバースして尾根を乗り換えなければなりません。雪があると乗り換えるトラバースポイントが判りません。地図を見れば概ね乗り換えることは判るので、無理やり向こうに行けるのですが、何人かはまっすぐ上に、故意・過失問わず、ハイパーヤヴこぎゾーンのススメをするようです。踏み跡が付くと、それに続くのが必ず現れるという罠。


 ふうたろうは無難に二つめの尾根。


 しかし、この辺りから尾根道が抉れてきます。加越国境の医王山で、下山するときのあの抉れたところに残雪が溜まっていたのを思い出します。


 春霞がかかって、日本海の存在さえ判りにくい今日の天気。


 2回目の尾根が直角に南に曲がり、平坦になる部分があります。展望が良くなります。


 そこから、米山が見えます。


 このポイントで、後ろから長靴で追いついてきたおっちゃんと一緒に歩きます。


 300mくらい歩いて711mのピーク。南西の展望がいい。


 米山も見えなくはない、レベルです。


 711mからしばらく平坦に進んだら、最後の急坂です。雪が名残惜しいとて、わざわざ雪の上を歩いている兄ちゃんがいたりしますが、基本的には登山道を歩くでしょう。ま、名残惜しい気持ち、判りますがね。


 一箇所、オープンゲレンデがあります。ここで滑落して亡くなった人もいるそうです。さっきのおっちゃん談。


 樹林帯の急斜面。


 それを登り切って、林道からの短縮ルートとの分岐のピークに達すると、展望が開けて米山山頂が目の前に見えるようになります。


 下山していく人も多数。でもまだ10時過ぎ。


 何気に、この辺の雪尾根は痩せています。両側が樹林だからいいものの…


 この斜面は、滑ったらかなり厳しい。


 山頂はもうすぐ。わかんやアイゼンは、今のところ、特になくても何とかなります。


 春霞と残雪の雪山。


 帰りは通らないと思うので、見下ろしておきます。


 そして10時28分、山頂到着。
 登山口から2時間4分。
 登山口まで1時間29分
 山に登るより、登山口までが割と大変だったこの登山。


 山頂はこの辺。雪で正確には判らないけど。


 ふうたろうはこれから小村峠に向かう予定です。しかし、さっきのおっちゃん曰く、そちらの道は雪が相当険しいらしい。


 ふうたろうは、自分で確かめないと気が済まないタイプです。行ってみて諦めるならまだしも、言われただけで諦めるのは逃げと同じとさえ思っています。なので、とりあえず向かってみます。


 とりあえず、小屋グッバイ。


 あの兄ちゃんはあそこでメシでも食ってんのかな。


 さて、東に進みますが、早速道は険しくなります。雪庇が中途半端に崩壊し、雪質も表面がグズグズになっていて、いざとなってもグリップは利かなそうです。


 ちょっと不安なところは後ろ向きに下ります。


 確かに、上りならこれは楽かもしれない。


 厳しさは増してゆきます。尾根が細い。幅が50cm無いところもありますから。


 この状態だと、ロープで確保しながら進みたい。ふたりひと組でね。でも、ひとりだとどうしようもない。遠くの木に結わえても、いざ落ちたら振られて激突ですからね…(滅


 …ニペソツや石狩を登るときも、こんな尾根がたくさん出てくるんですかね。


 これは…!
 この尖った雪の尾根、幅は30cmありません。崩れるとかどうとか言う前に、平均台を歩くようなもので、不可能です。それとも、スコップで掘りながら進みますか?今回は持ってないけど。


 登山道は一部見えていたところもありますが、一部、ですからね…


 縁を伝って下りてきましたが、これ以上もう無理。一応山頂は踏んだし、小村峠は諦めましょう。


 戻ってきました。


 見ればみるほど、すごい雪景色。北海道も概ね似たようなものと考えるのが自然でしょうか。


 遠くに越後界隈の山塊が見えます。あの向こうには先週歩いた尾瀬があるはず。


 この山頂小屋は立派です。


 さて、下山しましょう。


 実は、さっき小屋でいつの間にか交流していた小千谷と柏崎の二人組のおっちゃんと一緒です。


 柏崎のおっちゃん。711mのところで休憩です。


 新潟県は一日天気が持つ予報ですが、薄雲が広範に広がっています。しかし、今日、西日本は大荒れの天気だそうですね。


 下山は話をしながらあっという間です。ふたりとも、足がふらふらしていますね。そりゃ、上りであの尾根をニセ踏み跡に誘(いざな)われてまっすぐススんでしまったんですもの。
 でも、雪山はそういう道迷いを誘発しやすいという話ですね。ふうたろうも油断するとそういうことはこれからも起こるし、今までも何度か経験したはずですから。


 このショートカットを下りれば、もう目と鼻の先。


 下界は新緑の季節を迎えています。しかし今日は新緑どころか、かなり暑い。あとで確認したところ、新潟県内には20℃を超えているところもあったようですね。


 小千谷のおっちゃんに、実は車に乗せてもらえることになっていました。予定外のピストン山行だったので、ありがたいです。


 ここは…?
 風の丘の魚屋さん。通り道なので、寄ってくれました。なお、小千谷のおっちゃんは、かつてここでカニを買ったのを車の中に忘れ、火曜日になって気が付いて汁まで漏れていたそうです。アーメン
 それはそうと、ここはmariさんと来たあの魚屋です。ちょうど一年前だったね…、最後に来たのは。


 柏崎駅前の越後交通バスの営業所で、高速バスおよび路線バスのことを聞きました。その結論で、柏崎のおっちゃんはここでお別れ、小千谷のおっちゃん運転する車で、ふうたろうは長岡北バス停まで…。


 ところが、直近のバスである16時5分の池袋行きは満席で乗れませんでした。それで、結局長岡駅に流れ着きました。電車の時刻まで、メシでも食って待とう…。


 長岡駅。…mariさん、元気にしとるかね。あの時のやりとりで、いろいろ思うところもあるけど、短い付き合いながらも、楽しかったことは間違いない。


 ふうたろう、この後、待合室代わりに荷物を置いていたびゅうぷらざがいつの間にか閉店していたために、その荷物が遺失物扱いになって片隅にほかされて駅に保管されてしまっていました。まあ、それ以外は難なく、無事21時半頃に帰宅完了です。
 他にも、悲喜こもごも、人との会話もちょくちょく、あったのですが、書ききれないのでいいかな。
 #257上越米山クリア。


天気:晴れ、午後は薄雲が広がる(新潟県中頸城郡大潟町・柿崎町・柏崎市・長岡市、新潟県内における長岡市までの移動を一部含む)

  1. NYAA
    4月 24th, 2012 at 20:13 | #1

    あれれ、「日本一立派な避難小屋」で休憩しなかったの?

    まあ、米山は外観から見ると、1時間で登れる山には見えなかったですが、林道のおかげで楽ちん登山ができましたよ。

  2. ふうたろう
    4月 25th, 2012 at 09:03 | #2

     日本一?
     たくさん山に登ってると、小屋ってのもいろいろ個性があるなあって思いますよ。確かに、あの小屋は真冬に片手間じゃない登山をしたときには、泊まりたいと思いますわー。

     林道って、あの山頂の肩に至る林道ですよね。たぶん、今の時期やったら死ぬと思います。すごいオープンゲレンデでしたぜ。

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