Home > ふうたろう旅日記 > 夏風のニオイ(船形山泉ヶ岳縦走コース:宮城県)

夏風のニオイ(船形山泉ヶ岳縦走コース:宮城県)

2012年 5月 20日

 夜は、十分すぎるほど熟睡していました。いつもの頻発覚醒がありませんでした。気が付けば3時半。むしろ、朝が来るのが早いと、もう1時間余分に寝たほどです。
 というわけで、日の出数分前に何とか山頂まで這い出していきました。


 まだ太陽の出ていない、霞んだ下界は、黒く沈んでいます。ふうたろうは、春のこの表情がどうしても好きになれません。まるで、頭がボーッとしているような感じで。


 日が昇りました。山頂の碑の向こうに。この避難小屋のロケーションは、冬や秋なら最高でしょうね。春だと全然遠望が利かないので新緑の林の中にテントでも張った方がよかったかもね。


 とりあえず、暗い山頂の碑。


 朝飯は、コゴミとコシアブラを茹で、炊き込みご飯のようなチャーハンを食います。
 ところで、ふうたろうはコゴミやコシアブラを食べていますが、放射能の方は気にしていないのかというと、実は気にしています。しかし、これらを採った場所は福島原発から、山を挟んで反対の山形県側です。17日に聞いてきた講演では、低く飛んだ放射性雲は地形の影響を受け、山の手前で降下すると。
 ま、そんな理論上の算段は、おそらく打ち砕かれるでしょうね…。若干はそれでもマシかもしれない。正確な数値は測定するしかない。


 船形山避難小屋の中には暖炉があります。他にも、賞味期限の切れまくった食料が転がっています。食料は、時間が経ったら持って置いていった人(要するに管理人くらいしかいないだろうけど)が消費して、新しいのを持ってくるかしないと、ゴミになって散らかりますよ。別の小屋ではそんなことを書いてあった気がします。


 再度、6時過ぎに出発で、船形山の記念写真をば。
 ふうたろうおばさんが写っていますなあ(黒笑


 ケルン。


 あの尾根を縦走してきたが、キツかったなあ…(遠い目


 右奥に月山、彼方に薄く霞んでいるのが朝日連峰です。他にも、鳥海山、栗駒山、神室山、蔵王連峰、などが見えていましたっけ。


 衆議院議員ナンタラカンタラ、って書いてある(違
 さあ、とりあえず出発だ。


 小屋が遠のいていく。


 そして、だだっ広い尾根を歩く。


 更に、ヤヴっぽい道をゆく。


 この時期のせいなのか、山頂付近は緑もなく、遠くの空はぼやけ、枯木が広がっている。しかしなおかつ、今日はクソ暑い。これはきっと罠だ(▼皿▼)


 彼方に蔵王連峰と思われる山塊が見えますが、ぼやけていてどうにもこうにも…


 低木ブッシュ越しに山頂小屋が。


 標だね。で、ふうたろうが行く方向は…


 やっぱり日陰の道。ま、看板も日陰だったしね。


 日陰なだけでなく、ヤヴ道。


 どこまで行けばいいのやら。どれがどの山か、実はかなり判りにくい…。


 で、ヤヴ道に嫌気をさして雪道に飛び出すと。もっとも、ここを通ってもヤヴにぶち当たってひどい目に遭うだけなので、休憩するときだけ、だけどね…


 道が残雪で埋まっている場合があります。リボンを付けてくれている人がいますが、それでもかなり判りづらいルートです。進むのに時間がかかります。


 木が横に飛び出してくると、面倒で仕方ありません。


 さあ、本来の道はどこだろう。


 …真っ平らにササヤヴですねえ。
 でも、一応ここには踏み跡があるんですよー


 残雪の船形山。それにしても、この景色といい、暑さといい、全然テンション上がりません。5月にこの山という選択は誤りだったかなあ…さしずめ、誤月の山(滅


 やっと蛇ヶ岳。地図のコースタイムよりどのくらい余分にかかっているんだと。


 次に見える峰は坊主岳(三峰山)。遠いのか近いのか、これからの道次第。何より、暑さ次第。


 …登り返しがしんどそうだにゃー(ため息


 定義(じょうげ)集落に下る道と、ふうたろうがこれから進む長倉尾根方面とに、鞍部で分岐します。
 ところで、ふうたろうの進む方だけ看板が朽ちているという罠。


 ああヤヴからのてんぼうさいこー(棒読み)


 地図にはこの周辺はヤヴっぽいと書いてあるのですが、意外とそうでもありません。もっとも、ヤヴっぽいのは今に始まったことではないのでどうでもいいんだけどね(じと目


 次なる目的地である泉ヶ岳が見えてきました。双耳峰に見えますが、左側の北泉ヶ岳と右の泉ヶ岳とはやや離れており、間に小ピークがあります。


 ああやっと快適な登山道だなあ(安堵のため息


 何となく、さっきより景色がよくなった気がします。気だけだけど。


 定義方面の尾根。でも、一般人は定義まで歩いて行くことはないのかね。
 なお、あのコースには、横川登山口という短縮ルートみたいなのがあるようです。そこにはもちろん、車で行くしかありません。ええ、いつものことですいまにはじまったことではないですよ(棒読み)


 この坊主岳を越えたら、しばらく下ります。そして、北泉ヶ岳で再び上ることになるでしょう。


 道のりは長い。泉ヶ岳が遠い。気も遠くなってきた(ぇ


 だだっ広い尾根が続いています。


 彼方には栗駒山、かな。2008年の地震でかなりの被害が出た地域でしたね。


 船形山が遠くなってきました。
 ところで、北泉ヶ岳まで船形山から14kmほどあるようです。


 北泉ヶ岳まで続く大森林。
 ところで、ここまで来ると泉ヶ岳との境界がはっきりしてきませんか。


 …残雪地帯。道が判らねえ…(滅
 全面雪に覆われていたら、雪の上を勢いに任せて下りていけるんだけどなあ。


 おそるおそる下っていくと道が見つかりました。さあ進もう。


 …と思ったらまた残雪で道が埋まっています。こんな樹林のど真ん中でだだっ広い尾根だと、現在地がどこなのか、サッパリ解りません。


 この沢を下りるのか?実は、これは沢ではなく、雪解け水が流れている登山道とか。


 しかし、その沢はどんどん急になります。ということは、地図上ではそんな地形に道はないので、場所が違うということ。
 Ψ(▼皿▼)ふんがー
 行ってみないと判らない道とか、マジやめてくれー(滅


 まったくその通りで、まだ尾根づたいに進むと、リボンと道が出てきました。


 新緑の美しい広い尾根。こういう道が出てくるまで尾根づたいを歩くとしましょう。とにかく、さっきみたいな沢に下りたら本気で遭難して命がないので、戻りましょう。


 ササヤヴは登山道にはないので、楽に進めます。ササヤヴや樹林帯も、見る分にはいいものです。


 見る分には美しい新緑に太陽を透かしてみると、爽やかになれます。ええ、気分だけは。念のため、今は猛烈に暑くて、汗だくです。


 鞍部に至りました。林道を横断と地図には書いてあります。ふむ、南(北泉ヶ岳側から見て左)に続くこれが林道だな。「横断」だから北にもあるはず。


 (Θ_Θ;)…
 見なかったことにしよう。


 ん?(・ε・)
 …?何が40kmなんだろう。ふうたろうケモノの舞ルートへの呪いですか?


 ギョりぎょリギョりっ!!
 ヌオッ(゚Д゚;)
 倒木の折れた枝が腕まくりしたふうたろうの腕のナマ皮膚を斬ってきました。
 …汗がしみるぜ(▼。▼;)y-


 ところで、この辺りからコシアブラの木が目に付き始めます。山形県側では唯一あの倒木一本見つけただけだったのに、宮城県側には多いですね…。


 航空機による測定データだと、この船形山付近は放射線のホットスポットのようです。しかし、野口先生曰く、人が歩いてちゃんと測定しないと判らない。ならば、ここでふうたろうが取れる行動は?


 …そう思ったので、コシアブラを集めます(ぇ
 このコシアブラ、測りましょう。どのくらいセシウムに汚染されているのか。昨日採ったコゴミは山の西側なので、比較もできるかもしれません。ふうたろうはそれ以外にも思うところがありますが、それは後日(22日前後付くらい)また書こうかな…


 水源です。要は水場。ここは広場になっています。テントも張れなくはないかな。ここまで来ると、コシアブラの数は少なくなります。もっとも、かなり大きな木になっているので採るのに一苦労です。


 ハラが減ったので、賞味期限が切れかけている即席パスタを食べます。西側のコゴミを少しばかり入れて。


 水場上流側。


 水場下流側。清らかな流れです。
 なお、ここの水も汲んでいきましょうか…。測らないと判らない。理論上述べられるのは細かい条件を除いた状況だけ。細かい条件が変わると結果も変わる。ペットボトルに詰めて帰って、測ろう。


 北泉ヶ岳に上ります。既に昼になっているので、かなりの暑さです。この場所は風も弱く、かなりツラい。それとも、本当に疲れているせいなのか…。


 何だこれは…?
 このブツの下で、イモリみたいなのがうごめいていたように見えましたが…。


 同じような景色がずっと続いています。倒木こそ北泉ヶ岳付近まで来ると減ってきたものの、そろそろうんざりです。


 樹林がなければ展望は良さそうですが、今日の空気の濁り具合では、今更どうでもいいかな、と思うほど。


 そして、漸く北泉ヶ岳。ここから人の数がグンと増えます。親子連れとかもいます。


 さて、泉ヶ岳に向かいましょう。
 しかし、なんだろう。親子連れ、さっきの山頂の人もそうだったけど、親子ともども、とても人当たりがいい。偶然か?それともこの地では必然か…


 ともあれ、人々の元気さにMPが少し回復し、泉ヶ岳への推進力になります。さあ、あと少しだ、行こう。


 この看板を東に向かいます。下って上ります。それが最後のアップダウン。


 登山道を外れるとヤヴの場所ですが、そんなところにはいる理由は山菜採りでもしない限りありません。研究目的の採取の場合、範囲を広げるとバラツキを無視した結果になりかねないのでやりません。ホット"スポット"と呼ばれるくらいだから、採取地点は点である方がいいはず。


 倒木がほとんどないので快適に歩けます。いやあ、やっぱりこうでなきゃね…


 このマイヅルソウの若芽は食えないだろうか、と、2年前に岩手山を下りているときも思ったっけ。
 ところで、このマイヅルソウは、決して食べることはないだろうけど、どのくらいセシウム汚染の影響を受けているのでしょうか。


 新緑の若葉がたまりませんな…。


 行き交う人々に、必ず「大きな荷物ねー」励まされながら歩きます。中には、「訓練ですか?」という人も。
 ふうたろうはメンタルがゲロヨワなので、訓練とか嫌いです。軍隊には絶対入れない(黒笑


 しかし、この道は苦行に近い。訓練よりも格上かもしれませんな。展望はそこそこいいのですが、とにかく暑くてどうしようもありません。日陰がないので逃げ場なし。


 船形山の上空には上昇気流によるものか、積雲が湧いて日陰ができています。ああ羨ましいなあ(棒読み)


 体調スペシャルバッドの時のふうたろうの頭のような靄が覆っていますね。最悪。


 でも、北泉ヶ岳とその向こうの船形山は見えます。ああ、ほんとに遠かったなあ…。


 北泉ヶ岳。きれいに広葉樹に覆われた、均整の取れた山です。


 山頂よりも西側のところの広場に人が集まっていました。展望がいちばん良いところらしく、地元仙台周辺の常連はよく知っているようです。ふうたろうもそこで少し休むことにして、皆とお話しします。ま、他愛のないことだけどね。


 休んだらちゃんと泉ヶ岳の山頂を踏みに行かねば。しかし、樹林に囲まれた変な場所ばかりで…


 変な場所ばかりだけど、どうやらこの辺は山頂っぽい。


 岩ゴロゴロだだっぴろゾーン。誰もいない…。
 ワケじゃないんだけど、カップルひと組しかいない。


 人が多く来る割には、朽ち果てた標があるだけ。でも、震災で大変なときにこんな標を立てる余裕もないよね…。


 さて、水神コース(水場経由)かかもしかコースか迷っていましたが、かもしかコースを通りますか。展望良さそうだし。


 この靄がなければ、おそらく太平洋まで見えるはず。あの日、この地を呑み込んだ太平洋が、ね…。


 ところで、何やら後ろから騒がしいガキンチョが迫ってきます。小中学生という子どもなら可愛いけど、どう見ても二十歳超えてるような…(略


 というわけで、おそらくガキンチョどもはこのかもしかコースを下っていくと思い、ふうたろうは逸(そ)れます。やかましいガキと周りのことを考えない喫煙者とコンポやウォークマンのうるさい音楽中毒者は嫌いです。


 程なくして岩ゴロゴロの急坂を迎えます。


 新緑のきれいなところ、といいたいのですが、まだ若干冬枯れの雰囲気が残っている…。こんなにクソ暑いのに。


 そういえば、さっきの展望箇所で会った人は、5月に入ってからここら辺で雪が降ったと言ってましたっけ。そんな気候じゃ、どんな生物も追いつけやしないってか。


 しっかりと道が続いています。こんな歩道並みの登山が許されていいのかと(笑


 笹原というか、低木のなだらかな山腹を下っていきます。少し先には集団がいるのが見えますな…


 しかし、きれいに道が付いていますなあ…


 ああ笹原の道…。
 礼文島、思い出すね。


 猛烈に暑いのに冬枯れでにぎわう泉ヶ岳。
 卯の花の匂う垣根に ほととぎす早も来鳴きて 忍び音漏らす 夏は
 冬のまま春が来ないで夏が死ぬ。季節がおかしい。


 ところで、この泉ヶ岳、やはり人が多いせいか、ゴミがチョロチョロ落ちています。それでいて、拾っている人は見かけない。まあ、秋田駒ヶ岳近辺に比べればまだ少ない気もするけど…東北の山はゴミが多いという印象を受けますな…。


 ふうたろう、まっすぐ下山路に向かっています。もう、疲れましたから…


 ん?(・ε・)
 見晴台


 ああ樹林帯が見晴らせるなあ(棒読み)


 ダルく歩いていると、キャンプ場に出ました。キャンプ場というか、テント常設の野営場。看板には「児童がナントカなので一般人は立ち入らないでください」的なことが書かれていたけど、下りてきてからそんなこと言われても遅いっつーの。


 …何となく懐かしい雰囲気のテーブルだね。景色はいいんだけど、こういうところに集められているときの集団ってのは、決していいもんじゃなかったね。小・中学校のクラスメートなんていなくても良かったと思ってたよ、ずっと。邪魔でしかないとさえ、ね…


 さ、下山を終わらせましょう。疲れがたまっています。


 ん?(・ε・*)
 冒険ゲーム×
 ここで冒険ゲームをしないでどこですんだよ。ま、何か悪いことが起こったら何も考えずにすぐに人のせいにする風潮がまかり通ってますからな…。


 ん?(・ε・*)


 イモ煮ってのが地方色あっていいですね(笑


 ここにも!
 ところで、この向こうの工事現場は、少年自然の家の建て替えだとか…。


 程なくして、泉ヶ岳の大駐車場です。仙台市営バスの「泉岳少年自然の家」バス停はこの駐車場内にあります。


 まずはふうたろうを洗浄しなければ。目の前にあるのは沢だけど。


 さすがにここで風呂ってわけにはいかないので、足を洗うくらいにしておきましょう。これでかたぎに戻れる(違
 しかし、かたぎに戻るためには痛いほど冷たい川に足を突っ込まないといけないんだなあ(黒笑


 …ここは仙台市交通局の地下鉄泉中央駅です。バスに乗って街に下りてきました。
 ところで、ふうたろうがバカでかいザックを背負っていると、本当に若い女の子っていうか、今どきギャル(古)が席を譲ってくれました。そういえば、さっき切符を買うときに困っていたらおばちゃんが声かけてくれたし、バスの中で降車バス停に困っていたら爺ちゃんが教えてくれたし、仙台、なんか優しい人多くね?(違?)


 バス停から一緒だった3人組のおっちゃんらと仙台でお別れして、ふうたろうはここから新幹線で帰ることになるのですが…


 ま、その前にメシでしょ。間違っても、地元の利益どころか、国益にすらならない恐れもある上、大してうまくもない新幹線の駅弁なんか食いたくないもんねー(じと目
 しかし、仙台駅周辺および駅ナカも、ろくな店が見あたらない…。正確には、牛タン以外の店がなかなか見つからない。
 このエビフライ丼を食べられる食堂を見つけたのはバスを降りてから30分は経っていたんじゃないかな…。


 メシを食ったら、いちばん早く乗れる自由席の新幹線で帰ります。
 空には薄雲が広がっていますね。明日はやっぱり曇りか雨なのかな。


 新幹線が南下していくにつれて、みるみるうちに空の雲が厚くなっていきます。こりゃ、明日の金環日食はだめかな…。


 この二日目、テンションが上がりきらない山行でした。景色のせいか、暑さや倒木などに疲労しきったせいか、とにかく大変な山行でした。秋の紅葉シーズンや冬に来たら、もう少し楽な歩きができたでしょうか。新緑がきれいだったし、距離の長さも満足すぎるほどだったので、終わった後の充実感はそれなりではありましたが…。
 そろそろ梅雨入りで、脱北の季節が近づいてきました。梅雨に入ると、また景色は変わってくるでしょう。その時に期待しましょうかね。
 #162船形山クリア。
 #259泉ヶ岳クリア。


天気:晴れ(山形県尾花沢市・宮城県加美郡小野田町・色麻町・黒川郡大和町・仙台市各区、移動中は含まない。なお泉区や青葉区は現在の地名を使用する)

  1. papicom
    10月 29th, 2013 at 20:32 | #1

    こんばんわ^^

    またまたヒットしちゃいました

    実は今日泉ヶ岳に登って後白髭山と三峰山の谷に白い帯状の物を発見したのですが

    水平距離でもかなり遠く霞がかかっているので不明瞭で、たぶん滝だと思うのですが

    あの距離であの白さはかなりの大物だと思い検索していたのです

    葉も落ちて来たので姿を現したものと思います

    いや~~~気になるわ~

  2. ふうたろう
    10月 30th, 2013 at 16:29 | #2

     こんにちは。

     方角と地形を見られれば、何となくどこにある滝かは解りそうですね。
     その滝が気になったら、次は直に行きましょう♪

  1. No trackbacks yet.
Comments are closed.