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ガスの山(ぇ)(鳥甲山ムジナ平~屋敷山周遊コース:長野県)

2012年 6月 17日

 伊勢屋旅館で迎えた朝。目覚ましが鳴る8分前の5時47分、外の明るさで目が覚めました。もちろん、直射日光が眩しいのではなく、ただ単に朝が早いだけで、天気が良いとかいう意味でもありません。むしろ、悪い(滅
 朝ご飯はそれほどガッツリしたものではありません。でも、常識的な朝食とはこういうものなのですかね。ふうたろうみたいに、朝からチャーハンとかスパゲッティペペロンチーノとか凄まじいものを食べる人はそれほどいないんですかね。
 ともあれ、温かい食事に安心です。


 しかし、この天気はどう考えても安心できないという件。雨降りまくり。本当に回復するんかいな…


 1時間ほどのバスの中で爆睡している間に、運転手に起こされ、屋敷バス停。屋敷バス停は南越後観光バス和山行きの盲腸線(?)で、奥(ムジナ平)から行くにしても屋敷山から行くにしても、鳥甲山に登るのならここが一番近いはず。帰りのバスは16時25分が最終。
 越後湯沢駅~津南
 津南~和山
 この南越後観光バスの時刻表およびバス停表記は、にしてつバスよりある意味ひどく、バス停がどこにあるのか、そもそも、そのバス停の名前がどのバス停を指しているのかが解らないという、とんでもないものです。
 例えば、「津南バス停」と「津南役場前バス停」は違う場所です。津南バス停は通るけど津南町役場バス停は通らない和山行きがあります。始発(夏期)は津南町役場前は通りません。100mくらい西(湯沢から来たのであれば、進行方向)に進んだところに「サンバード」という洋品店があり、そこがまさに「津南バス停」です。
 何の理由があるのか知らないけど、路線図もなければ乗り場案内もないホームページというのは、取り回しの悪さに足蹴にしたくなりますから。


 ところで、屋敷バス停に着いた頃には雨は上がっていました。それどころか、青空まで見えています。劇的…


 さて、とりあえず鳥甲山の登山口まで向かわねばならないのですが、まずは車道歩きです。屋敷山コースをそのままピストンするなら楽なのですが、白嵓ノ頭(しろくらのかしら?)コースというか、ムジナ平コースというか、そちらから登ろうと思うと、かなり長い車道歩きを強いられます。6kmほどありますかね。一般人にはなかなか長いと思います。


 この消防用格納庫の向こうの道を左へ。


 日が差してきました。既に空気がむんむんし始めていて、キケンな香りが。


 …直接屋敷バス停から集落を抜けてこちらに来られるのかな?帰り、通ってみるか。


 車道沿いにミズ(ウワバミソウ)が生えています。この辺の人はミズは食べないだろうな。たぶん。


 青空が一気に広がりました。林道はつい先ほどまで雨が降っていたと言わんばかりに濡れに濡れています。


 苗場山方面の山も、晴れてきているのでしょうか。


 山々に絡みついているガスは、これからどうなるんでしょうね。


 ここは屋敷山コースの登山口。ふうたろうは下りにここから下りてくる予定です。


 秋山郷を挟んで向こう側に、苗場山山塊があります。…苗場山は一人で登っていませんね。再び来ることになるでしょう、遠からず、ね。


 雨が降ったのでブラウンフォールが出来上がっています。


 道ばたの水たまりにオタマジャクシが大量に湧いていて、不自然な集まり方をしていたので何かと思ったら、カエルの死体をついばんでいるようなのです。卵を産んで、母親は力尽きて、子の餌になる、という話でしょうか。クモの仲間にも母グモが子グモの餌になるというものがいた気がしますが、生物とは、子孫繁栄のためにいろいろな選択をするのだなあと考えさせられます。
 もっとも、このカエルが車に轢かれて流されてきただけだとしたら、単なる興ざめ以外の何ものでもありませんが。


 カタツムリが幅5mほどの車道を決死の横断中。
 おいおまえだけは車に轢かれるんじゃないぞ。


 しかし、ふうたろうもそろそろ疲れてきました。地図を見ると、さっきのカタツムリのところとかで、まだ半分来ているかいないかでした。遠い(滅


 ここがやっとムジナ平。遠かった。何より、暑かった(汗だく


 ムジナ平の登山口。駐車場があるけど、車は一台も停まっていない。登っている人がいないということですな。
 なお、屋敷バス停からここまでで1時間25分。


 登山道に入ると、早速ミズの群生地。これは、サンプリングしろと言っているようなものですね。集めていきましょう。重いけど。


 これはコシアブラです。これから登ることを考えると、やっぱり採る気をなくしました。帰りにしよう(日和見


 しばらく樹林帯が続きます、というか、結論から言うと、殆ど樹林帯です。


 最初一気に登り詰めると、ひとまず尾根に出ます。ここまでで40分くらい?


 展望が開けます。左奥のあの台形のやつが、おそらく苗場山ですね


 尾根に出たところからこれから向かう先を見上げています。まだ上の方はガスで見通せません。


 青空が見えています。これから、回復すると良いのですが…


 景色が一気に開ける岩場へ。この広がりのある大地はきれいですね。春霞で腐った鰯のような目をした景色ではない。


 緑が美しい。


 真ん前にある山脈は、岩菅山の縦走路終点です。秋に行くか、冬に行くか、それとも同じようにこの新緑の季節に行くか…。ここは300名山最後の山にしようかとも考え始めています。ええ、百名山の時の伊吹山みたいなババ死にはしたくないので。
 なお、ババ死にというのは、七並べの時にジョーカーが使えなくなって、自動的に負けになってしまうことです。


 見渡す限りの大森林と山脈。


 …ふむ。ここが鎖やらハシゴやら、ってところですかな。しかし、思ったほど大変そうでもない。それより、あのハシゴは朽ち果てておるではないですか?


 こういうザレたところは滑りやすい。が、ロープとかは付いていません。


 なかなか、鳥甲山の稜線の雲が取れません。今日はその辺が限界でしょうかね…。


 南側の天気はいい。この山に向かって北から風が吹いていますからね…。


 緩急を繰り返す、基本的にキツい坂の続く尾根です。しかし、地図に書いてあるほど危なそうなところは今のところありませんわ。


 ふうたろうの歩いている尾根を、ガスがかかったり消えたりしています。ガスが覆う度に景色は消えますが、この見えそうで見えないのがまた。


 ふうたろう、とにかく汗だくです。もし、仮にこれがカンカン照りだったら熱中症で昇天していることでしょう。


 しかし、こういうところは展望、ほしいかもね…。紅葉シーズンに来たら、ここから見る一面の秋の景色はヤヴァイでしょうな。


 ま、今はガスっているので、ただ涼しい風がふうたろうを癒すのみですが。


 ただ、このガスっているのも、変化があるとおもしろい。ずっとガスっていたり、逆にずっと晴れすぎていたりしても、実はあまりおもしろくありませんね。状態ではなく変化を楽しんでいるんです。みんなそうじゃないかなあ?


 ガスが出たり消えたり、これを楽しむんです。冬のはっきりした天気とはまた違った雰囲気ですね。


 ムラのあるガス。隙間から景色。


 この北東斜面から、ガスと一緒に涼しい風が吹き上がってきます。この風があるおかげで、ふうたろうは辛うじて歩けています。
 ところで、ずっとさっきから言おうとしているんですが、ヤブ蚊やブヨが猛烈にウザイ(怒


 濃密なガスに覆われると、やっぱり先行きという意味での展望さえも失われるので、晴れてほしいなあ、と、うつむく。


 …と思ったらいきなり晴れる。空の青さは、あの鬱病のような春霞を伴ったものではなく、真夏のそれです。


 しかし、その佳境でふうたろうは雪も積もる熱帯雨林に突っ込んでしまうという罠。
 \(゚皿゚)/あー、クソ暑いしヤヴがウザイ!!


 このうすら青いのもイイね。


 こんな感じの方が雰囲気出てるかも?


 そして、知らぬ間に白嵓ノ頭到達です。展望も何もない、ただのピークです。その代わり、この辺り、登山道の真ん中にタケノコがゴロゴロ生えています。ヤヴになったら困るので引っこ抜いていきます(違


 ああ熱帯雨林に残雪がこれは幻かな(棒読み
 暑い…(汗だく


 白嵓ノ頭からの稜線歩き、ウルトラぬかるみゾーンです。


 背丈のある低木に覆われていて、この辺りはあんまり雰囲気良くない。


 志賀高原の広大な樹林帯が、鳥甲山の狭い樹林帯の隙間から見えないこともない(何


 …まあ、このムジナ平からのコースの佳境というか何というか、それが始まりましたな。右側、北西側が切れ落ちています。鎖やら何やら、いろいろ結わえられています。


 岩の下は90度以上の崖。崩れたら終わりだかんね。


 展望はいい
 …というほどでもないという罠。


 崖の感じはこんなもんですかな。


 一応、このヤセ尾根のところはずっと鎖とか付いています。大地震でも来て崩落しない限り大丈夫でしょうよ…。


 大きな岩のピークの北側をトラバースするところがあります。その岩ですが、昔は登れたのでしょうかね。朽ち果てたハシゴなどがかかっています。


 ただいま岩をトラバース中。岩壁には花が咲いています。


 あそこのピークが鳥甲山山頂でしょうか。


 緑美しい斜面。


 微妙なアップダウンを最後まで繰り返す。


 ガス(雲)が西から東から押し寄せては消えていきます。
 まあ、押し寄せてくる方が多いような気はするけど。


 登っているときには気が付かなかったけど、あの奥の平たい山は、焼額山(やきびたいやま)でしょうか。スキー場でもはや死んだ山だと思いますがね…。


 さっき歩いていた岩のシルエットが。


 この土を固めたようなところは何だろうかと。ワイヤーでくくりつけて…。ここが一番怖かったなあ…。


 これが最後の上り坂。いいかげん虫がうざくなってきたので、手ぬぐいを頭に巻きます。


 青空は夏の色。


 屋敷山コースの分岐のところから、山頂へ向かいます。尾根は晴れていれば展望が猛烈に良さそうだ…


 白嵓ノ頭が曇っている。


 そして、鳥甲山山頂に到達。脊振山よりは楽でしたな…。


 山頂からは南西方向の展望しか開けていません。もっとも、北側はガスっててどうにもなりませんがね。


 ところで、誰も気が付かないと思っているのか、笹ヤブの中にゴミを捨てるやつがいます。まあ、東北の山に登っているときよりは全然少ないけども。


 鳥甲山より北西側の尾根方向は、やっぱりヤブになっています。冬なら縦走できるかもしれないけどね。ただし、屋敷山方面から登らないと無理?


 ガスってきたし、16時過ぎの最終バスに乗り遅れたらしゃれにならんので、下山です。


 下りは屋敷山コース。


 ふうたろうの目がタケノコを探していますが、たまに見上げるとやっぱりガスッた景色が広がっています。


 ガスというより、雲の中に突入している感じですな。


 たまに薄くなることはあるけど、もはや晴れることはない。ひょっとしたら、屋敷山コースからのピストンだったら、晴れ間すら見えなかったかもね。


 この無限にガスッた景色も、明日になったら晴れるんだよね。ここ2年ほど、雨週末の法則が続いて、山の天気がずっと悪いように見える…(じと目


 ああ、あの樽前山~風不死岳(北海道)を思い出すね…。あの修行山を。


 ひたすらタケノコとコシアブラ探しで気を紛らせながら下っていくと、やっと雲の下に出ました。


 苗場山方面は若干晴れ間がある…?


 何か建造物がある。


 登山道はその脇を通るらしい。


 すっきりしない天気ですが、こちらよりは向こうの方が天気良さそうな。


 雪崩や落石を止めるための堰でしょうか。まっすぐ行って奥の道を右へ。


 広大な景色と曇り倒した空。


 この調子だと、下山は間近のようですな。


 ちぎったあとのあるやつもあったのでまさかと思ったけど、これは山菜ではないらしい。


 薄暗い、岩ゴロゴロ急坂ブルドーザ道を下ります。


 これはウド。葉っぱがかなり生長していて解りにくいですし、おそらくとうが立って食べられないでしょうけど、ウドです。間違いなく。これも調査のために持ち帰りたかったけど、さすがに鎌でもないと採れなさそうですしね…(鎌で切らないと固くて採れないようなものは、決して採らないのが、山菜採りの鉄則だそうです。)


 道が広くなってきました。こんな道の周辺にもウドがたくさん。


 砂利道。クネクネしています。


 これは大量のミズ(ウワバミソウ)。この辺ではミズとか、食べないのかな。


 これは、和賀岳(岩手県)でも脊振山(福岡県)でも見てきた、シオデ(ユリ科)じゃないですか?


 そして、登山口まで下りてきました。一周完了。


 屋敷バス停まで戻ります。


 クリンソウ(サクラソウ科)が植えられているようです。ここは屋敷集落。


 ここに住む婆ちゃんも言ってたけど、若い人はみんな都会に出て行くのですね。失礼だけど、若い人は見かけない…。


 ギョウジャニンニクとか栽培しているけど、これを集めて束ねて農協に持って行って…とやるのは重労働らしい。ふうたろうが話をしていた婆ちゃんは81歳と言っていた。あと10年後、この集落はどうなっているんだろうね。


 これはうるいですね。オオバギボウシ(ユリ科)。花が咲いています。みんな、山菜として食べられるものを知っているのか、ここには食べ物がイッパイ植わっている


 どう考えても人ん家だよね。ふうたろうは道に迷ってしまった…(滅


 この辺でさっき話した81歳の婆ちゃんと立ち話をするんだけど、山菜を鎌で採ってはいけないこととか、この辺りに若い人(若いと言っても60歳くらい)が殆どいないこととかを、聞いていたのです。


 程なくして、バスに乗り、津南→越後湯沢と戻ります。バスの運転手が地元の住人でもあったので、地元の話を聞いたりもしつつ。


 雨にぶちのめされかねない天気ではありましたが、何とか持ちましたね。今週も穴を開けずに済みました。梅雨時期は、いや、梅雨じゃなくても雨週末は続くんだけど、毎週末の天気はある意味ストレスですね。
 鳥甲山、噂ほど厳しい山ではありませんでした。今度は、天気の良い秋の日にでも歩いてみたい、かな…
 #164鳥甲山クリア。


天気:くもり時々晴れ、朝と夕方雨(長野県下水内郡栄村・新潟県中魚沼郡津南町、移動中は含まない)

  1. みゃーみ
    7月 2nd, 2012 at 20:39 | #1

    あれー。いつの間に鳥甲行ってるんですかー。私にもこのコース行けそうですかねぇ?(ジト目w
    屋敷往復かな。。。根性無しはw
    秋の紅葉もいいみたいですね。
    最近、トライアスロンするつわものが、岩菅から切明に下りて、佐武流から白砂通って、周回したみたいです。凄い縦走です。ふうたろうさん向きだねw

  2. ふうたろう
    7月 2nd, 2012 at 21:03 | #2

     トライアスロンって、トレランみたいなやつでしたっけ。あまり荷物持たずにザクッと駆け抜けるやつですよね。
     …似て非なるものなんだにゃー!(=`..´=)シャー

     ま、そのコースはアリかも知れませんが、ちょっともったいないかも。岩菅山は最期を飾ろうかと思ってますし、佐武流は雪の時季とかに行けたら、なんて思ったりも。白砂は交通が夏しかないから難しいッスねえ…

     ムジナ平の方のコースは、みゃーみさん、行けますよ。ただ一箇所だけボロいところがあるので(2mくらい)そこだけ気をつければ…

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