Home > メモ > がんもと放射線と活性酸素

がんもと放射線と活性酸素

2012年 7月 4日

 今日、昼飯時に来客がありました。「昼飯時を狙ったな…(じと目)」なんて思ったら、がんもを差し入れてくださいました。これが、生姜醤油をかけて食べると美味いという。美味かったッス。しかも、作ってくれた人が目の前にいるので、美味さもひとしおです。


 ところで、今日、その来客の人ってのが、ふうたろうに聞いてきたことがあったので、ふうたろうも改めて調べ直しました。それは、放射線を浴びると活性酸素が出る(それが遺伝子やタンパク質などを傷つける)ところの仕組みです。
 →放射線の直接作用と間接作用 (09-02-02-10)
 水分子に放射線が当たると、エネルギーが通常より高い状態になり、分子が割れたり電子が出ていったりします。そのエネルギーの高い状態(励起状態)はすぐ低い状態(基底状態)に戻ろうとするので(物事とは、励起と基底を行き来する。常に同じ状態にはない)、その時に分子が割れてラジカルと呼ばれるものになったり(これ自体もまだエネルギーが高い)、電子だけが水に溶けているような状態になったりするようです。
 →図2 水の放射線分解の初期過程
 …作られたラジカル(活性酸素など)は、それ同士が反応して水に戻ることもあれば、過酸化水素や水素分子になってしまうこともあります。その環境が水だけの環境でなければ、そこにある物質(例えばタンパク質やDNAや脂質など)にくっついて、その物質の性能を損なわせるかもしれません。
 もし、この作用でタンパク質や遺伝子が損なわれると、その反応そのものは元に戻りません。損なわれたそれらは、捨てられます。分解されてしまいます。なので、一気に大量にそれらタンパク質などが身体の中で損なわれれば、急性放射線障害などの確定的影響が起こります。しかし、遺伝子に付いた傷は、大きいからこそ捨て去られるものであっても、小さいものなら(何を以て「小さい」と言うのかは不勉強です)、修復で済ませてしまいます。しかし、修復にはミスがあるので、そのミスの中でも幾ばくかの確率で、ガンに繋がるような重大なミスが起こると考えられます。細胞の異常分裂を止める遺伝子が壊れたり、異常分裂を促進する遺伝子が働いたり、と。だから、そういうガンのような影響を確率的影響と呼ぶのだと、5月17日の勤労者山岳連盟主催の、野口先生の講演で学習しました。これは、確率が下がるだけで、低線量でもリスクはある、という話です。
 ただし、年間浴びる自然放射線量の1500μSv程が1520μSvになってもその確率は単純計算上1%くらいしか上がりません。しかも1500μSvというほどのアバウトさですから、20μSvは、そのアバウトさに含まれてしまうほどです。
 しかしただし!実際に今、東京電力福島第一原子力発電所の事件に伴う放射能汚染は存在しています。影響が少ない(見えない)からと言って、ドヤ顔で安全宣言なんか出してもらいたくないと。望んでもいないリスクを、勝手に背負わされる覚えはありませんので。
 山に登って、さんさんと紫外線を浴びて10%(なんてことはないけど)の皮膚ガンリスクの上昇があっても、それはふうたろうが自分で山と天秤にかけて選んだもの。知っていて選んだものなのだからいい。しかし、原発は原発利益共同体といわれる、電力会社やタービンその他の製造業、建設業、利権に群がっている人々が、さんざん安全神話を振りまいてうそぶいてきたことであり、原発の電力が欲しいなんて言った人は最初は誰もいないのであって。山や自動車と同じレベルで「リスクは何にでもある」なんて、ドヤ顔で言うなと。
 リスクを勝手に振りまいたことはどう考えても原発利益共同体(原発推進派)が一方的に悪いのです。これからは、ふうたろうたちも、それにちゃんとNoと言わんといかんのですね。どんな形でも、どんな小さなことでも良いので。


天気:晴れ(東京都板橋区)

Comments are closed.