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不屈の人々集いし雨広場

2012年 7月 7日

 駅前の東横インを7時過ぎに出ます。Mさん運転する車で、今日ふうたろうたちが仕事をする会場に行くのですが、そうだ、線量が高くなると言っていたから、サーベイメータのスイッチを入れてみよう…。
 整数値μSv/hでした。空間線量が既にこんなに高いというのが、ふうたろうは驚きでしたが、Oくん曰く、高いところはこんなもんじゃないそうで。


 今日の仕事場、生憎のひどい雨…。しかし、雨とは思えない人の数が集まっています。みんな、朝の、しかも雨の中で本当にご苦労様です。


 ふうたろうたちも準備しますが…、特に準備することって、多くはないんですね。ちょっとした札を作るくらいで…。


 隣のブースでは、おこわを作って待っているグループ。


 こちらはバタークッキーなど。明日からの山行に備えて買ったけど、すぐに食べてしまったという件。


 ふうたろう、以前、大滝根山に出かけたとき、いわき駅を発車した直後に福島県人と思われるおばちゃんふたりほどの会話に対して発した思いを、若干後悔しています。
 確かに、少しでも出ていると判っていてそれを食べるのは抵抗がある。農薬でもそれは同じで、抵抗があるけど、「福島だから」「東日本だから」というくくりで拒否されている今を思えば、確かに納得も行かないだろうと思いました。しばらく分析に関わって思ったけど、放射能が検出される野菜はそれほど多くない、むしろ少ない。米でさえ、たまに出る程度で、基準値越えは…ほとんど無かったように、端から見ていて思いました。
 とはいえ、データを見て選らなければ不安なのも理解できます。福島の多くの人々も、放射能汚染を恐れる人も、被害者だという意識が大事なのかな、と今さらながらに思います。原子力発電という技術を、みんなが理解して受け入れてきたとは言い難いのだから。


 このイベント(仕事場)が動き始めました。福島産のものが並ぶのかと思ったけど、現実そうもいかない。農業を続けられていない人もいるでしょうから。


 それでも、こうして福島県産と書いてあるズッキーニなんかを置いている場合もあります。
 あとになって、このズッキーニを買って、分析にやってきた婆ちゃんとかいました。ジャガイモも分析しましたね。シソに米、なんかも。
 でも、分析に回してしまうと、食べるものがなくなってしまう。ズッキーニも丸々2本なくなってしまいました。依頼を出す側としては、改めてサンプルを送る(1kg)というのは負担なのですね。ふうたろうも、送る側として山で山菜を集めるので、それはよく理解しているつもりですが、農家が毎日作っているのとは、やっぱり違うということでしょうか。


 ぽんぽん菓子を作っています。ふうたろう、これにはまったく手を着けませんでしたが…


 ところで、このマリネリ容器という、そこに検出器を突っ込むスキマを作っている容器に、今日ひたすら降りしきっている雨水を溜めて、測ってみましょうか。1.6リットルに相当する上に、NaIシンチレーションスペクトロメータで測定するので、精度はかなり高いです。
 …結論からすると、出ていたのは放射性の鉛やビスマスなど、どうもこれは天然由来だそうですが、それらのみでした。これらの半減期も短いらしい。しかし、それらの鉛やビスマスはどこから供給されるのでしょうか。
 ところで、Oくんズ(福島にもOくんがいる。ふうたろうは放射線の分析はお供に来ているだけ)がビスマスのデータに盛り上がっています。ふうたろうには、ふ~ん、程度ですが…


 餅つきが始まりました。長野県上伊那から、白毛餅で餅を搗くのです。ふうたろうがボソッ「米がうまそう」なんて言ったもんだから、もらってしまいました。催促したみたいで(黒藁
 隣にいた女性が、「若いのにこれが美味いなんて珍しいねえ」と、珍生物でも見るかのように言いましたが、そんなに珍しいけ?


 しかし、ふうたろうは物乞いするような目をいつもしているのか、食べ物をめぐんでくれる人たちが必ずいます。ありがたいことです。


 雨が降りしきるので、屋根として張ったブルーシートのバランスが崩れ、雨水が突然参加者(スタッフも含めて)を襲います。この袋はその対抗策。これ、意外と有効。


 …これでほぼ最後だから書くけど、どうも、関係者だけが集まっているのではないみたいです。通りすがりに立ちよった人とかもいるような感じです。
 昨今のニュースで聞き慣れたがこなれてこない、放射線用語を使い試しているような感じのする若い人がいました。よくよく考えてみれば、そういう人の話をよく聞いて、質問には答えられるようにすればよかったと、後になって悔やまれます。それがふうたろうの役割だったんじゃないかと。機械を使い慣れないなら、そっちをやっとけばよかったじゃないかと。ふうたろうも、よく判らないそういう用語を、つい最近教えてもらってやっと少しずつ使えるようになってきたのだから。


 15時くらいになると撤収です。雨は止む気配がないのですが、テントなどを畳みます。山で雨の朝にテントを畳むような辛さです。でも、ここには多くの仲間たちがいるんだけどね…。


 ほぼ撤収作業が終わりました。ふうたろう、これからは再び、単独で山に赴きます。
 誰の歌か知らないけど、山を思えば人恋し、人を思えば山恋しなんてのを聞いたことがありますね。人を恋しく思う感性は大事だと思います。


 Mさんに相馬駅まで送ってもらったら、まずは仙台に向かいます。大きく二つの手段がありますが、ダイヤグラム的に、JRを使って行くのが適切。


 しかし、JRは相馬~亘理(わたり)までは津波で、浪江や双葉などの辺りは放射能汚染警戒区域で、路線が消滅しています。
 ふうたろうは2004年当時、付き合っていた人と初めてこの路線を使って北海道に向かいました。北へ向かう列車に感動し、単線が延々と続く姿に目がハートでした。
 失うものが多かった事故、いや、事件でしたね。再稼働や原発推進の人々は、なぜそこまでして必死に原発にこだわるのか、ふうたろうには理解できない。反原発へ反対するためにやっているのではないか、と、思いたくなるような人もいっぱいいます。


 バスは、さっきの会場の横を抜けて進んでいきます。バスというのは、代行バスです。亘理までは線路が津波で消えているらしく、使用不能。だから、亘理までバスなのです。


 …駅の横に城みたいなのがあったのはどこかと思っていたけど、亘理駅だったのですね。もう、宮城県でしたか…。双葉や浪江がまだ無垢なふうたろうの通れた頃、どうだったかは思い出せません。全部が新鮮でしたからね…。


 さて、仙台に向かいましょう。明日からは最上神室山登山です。山形県です。今日中に新庄まで行かなければ…。


 仙台駅では雑踏にMPがゼロになり、テンション下がりまくりました。新庄に着いたら21時半頃で、まずは宿探し。しかし、今日に限って、青年会議所とかいうのが集まりを開いていて宿がけっこう埋まっているとのこと。ふうたろうらしい罠に引っかかる、雨上がりの夜(滅
 そして、やっと取れた宿の名前は何だったか…。寝ていた部屋の隣がカラオケボックスで、防音効果が薄い板の壁から重低音とジャイアンリサイタルが聞こえてきます。耳を塞ぐとかいうのではなく、単純に不快なだけ、ですがね…。
 さ、ふうたろうは明日から山へシフトです。


天気:雨時々止む(福島県福島市・相馬市・山形県新庄市、国道6号線・常磐線など)

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