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普段の道(っぽい)(大峰奥駈道・八経ヶ岳【天川・明星ヶ岳・楊子ノ森経由】:奈良県)

2012年 7月 28日

 iTSライナーという聞いたことがあるようなないようなツアーバスが一番早く大阪に着くので、それを予約したら、乗車空間の狭いこと!ケツが痛くて、何度かエコノミークラス症候群を心配したほどでした。金額は5200円。まあ、JRバスの料金を見れば、安いわな…。いや、そうでもないか、最近は。
 念のためにいっておきますが、安さでバスを選んでいるのではなく、山行計画に合わせて、出発時刻や山行に疲れを響かせないことを考えて選んでいます。
 そして、ここは天王寺駅前の天王寺公園、かな?


 ひどく蒸し暑い大気をかき分け、近鉄に乗り込み、1時間10分ほどで最寄り駅の下市口駅。いやあ、関東と違って、平野が狭いわ近畿地方!
 で、下市口駅前でアイスでも買って食べるかと思ったら、最初に手にとったアイスがアセスルファムK入だったのでそのまま戻して、この写真のを選びました。
 これで完璧(`ー´)d
 ん?(・ε・;)


 ヌオッ(゚Д゚;)
 こいつはもっとふうたろうの嫌いなスクラロース入ではないかっ!!(滅滅滅
 毒性はこの際云々しないが、不味いので避けています。ま、アイスなんで殆ど判りませんけどね…(清涼飲料水は飲んだら¨:∴(゚ε゚;)ブッ


 …とまあ、下界ではザンネンといったところで、今日の登山開始です。
 ここは天川川合。3年前、同じ大峰山脈を、弥山川から登り、八経ヶ岳を取ってから和佐又まで行き、伯母峰峠から大台ヶ原へ抜けるという山行をしました。その時、寝過ごしてここで下りられなかった気がします。


 天川川合で4人組の女性が下りて、弥山に行くと言っていました。だったら、ふうたろうが行く稜線歩きしかないだろうから、きっとあとで追い抜かれるだろうと思っていました。…が、どうやら追いつかないようですねえ…。


 道路に看板があります。これがないと、たぶん分岐には気が付きません。


 左を向くと吊り橋。人数制限があるようですが、心配する必要性があれば嬉しいくらいです。


 ああ川が清らかだなあ(棒読み


 吊り橋を渡ったら、すぐ右前にある道を進みます。ここも、看板がなかったら判らないでしょうね。しかも、今回、この近辺を描いている25000分の1地図を持っていない(買い漏らし)ので、ヒヤヒヤものです。昭文社の地図しかない…。


 人の家の裏が登山口です。胃もたれに苦しみながら向かった坂田大山(千葉県房総半島)を思い出すような(何


 まず最初は樹林帯攻撃。しかも、それなりに急坂です。そして何より、ここは奈良県。西日本の暑さをなめてはいけませんよ。


 で、この階段、柵に使うあの鉄網の太いやつで足場を組んでいます。なので、網の隅に登山靴の繋ぎ目を引っかけて転びそうになるんですよ。うん、歩きにくいッス。


 尾根に出たら、またひたすら登ります。これから明星ヶ岳まで、登りっぱなしです。


 一度目の樹林帯を抜けるのは鉄塔のところ。さあ、展望の方は?


 (Θ_Θ)…
 鬱空(滅


 そして再びふうたろうは樹林帯の中へ。この道は、ピークを上手く巻いてアップダウンを極限まで減らしています。ここまでやるか、と言うほど、減らして、いや、無くしています。しかし、上り坂が無くなるわけでも、暑さが軽減されるわけでも、もちろんありません。


 尾根が分かれるところに来ると、谷底から涼しげな風が吹き上がってきます。これはヒールウィンドですな。


 暑さの樹林帯は続きます。それでも、直火でないだけマシかな。


 ピークはあくまでも巻きます。ピークに上がる枝道はありません。


 2本目の鉄塔。この辺りからふうたろうが持っている地図に入っていきますかな。


 暑いので、写真もそこそこにしよう。


 程なくして「林道」に当たります。


 昭文社の地図によれば、林道歩きは50mほどだそうです。


 道は林道を逸れて左側へ。地図上では、まっすぐ行っても同じようなところに出そうですけど、ね?


 たかいたかい(棒読み


 ピークはできるだけ巻きます。地図の表記には巻かない風に描かれているところもあるけど、ほぼ例外なく巻きます。


 おそらく、この右のやつが、さっきの林道の延長上でしょう。まあ、暑いので通らないと思いますけど。


 ボチボチ歩くと、栃尾辻。そこに避難小屋があります。ここまでで2時間半ほどですか。暑かったもんなー(汗だく


 避難小屋の中は、床なし。テントでも張らないとやってられません。もちろん、ここで今日の行程が終わるはずもないですがね。


 天和(てんな)山方面は通行止めされています。当初、こちらから登ってこようとも考えていただけに、アヴネー!


 避難小屋に張り付けられている板。この小屋には名前すらない。
 ところで、"昭和65年"という表記が…。昭和生まれのふうたろうにはなかなか感慨深く……もないか。


 栃尾辻で10分ほど休んでから、先に進みます。もちろん、向かうのは明星ヶ岳…というか、まずは八経ヶ岳です。狼平は前に通っているので、明星ヶ岳経由で。


 本当に、ピークというピークを全部巻きます。弥山よりも山上ヶ岳方面、歩いたけど、こんな巻きまくりだったかなあ…。


 大峰山は日本有数の豪雨地帯。湿り気たっぷり。コケも元気(じと目


 下草のあまり無い森林。これでもう少し涼しければ、気持ちよい森林浴を楽しめるのですがね…。


 この辺のどこかに、判りにくい分岐点があるらしいけど…。


 上りですが、あくまでも巻きます。


 広葉樹林帯では紅葉もきれいでしょうね、きっと猛烈に混むんでしょうね、この道も。今日はほんとに人に会わないけど…


 しかし、ようやくナメリ坂過ぎたあたりで下ってくる人に出会い始めます。たぶん、ふうたろうの出発が9時(天川川合)と遅すぎたからでしょうねいや絶対そうに違いない。


 このコケの庭にスポットが当たったような空間とか、おもしろいです。確かに、こういう雰囲気の山は、東日本にはそれほど無いと思います。


 ここが狼平方面とレンゲ坂の分岐です。ふうたろうはレンゲ坂へ。とりあえず、さっきからアブが特攻してきますので、戦いっぱなしです。タイツの上から噛みついてくるので、非常にアタマに来ます。


 背丈の低い針葉樹林と苔生した空間。


 コケの上に若いトウヒの芽。


 変わった植物ですが、ヒカゲノカズラと呼ばれる種類のシダ植物だそうです。


 狼平分岐を過ぎて暫くしてから、そう、この立ち枯れが目立ち始めます。


 これがどういう理由で起こっているのかは、樹齢や樹勢などもよく見てから判断しなければなりませんが、人間活動が影を落としている可能性もあります。


 林床をシダ植物が覆っています。不思議と、裸地がありませんね。


 この辺りは樹林がほとんどありません。幼木の数は…?


 あちらには八経ヶ岳が見えます。これからあそこへ行くんですよ。


 右のが明星ヶ岳で、左のダラッとしたところが八経ヶ岳ですか。


 …空が暗くなってきました。遠くから雷の音がしますねえ…。降られるんですかねえ…。


 …これはさっきのヒカゲノカズラ?それとも針葉樹の芽?なんでこんなに赤茶けているんでしょうね。


 にわかに晴れますが、ベースは曇り空。朝はあれほど天気もよかったのですが。


 なんか、明星ヶ岳までのダラダラ坂、暑いし長いし止まれば虫は集ってくるし、ウンザリしてきました。


 ああ苔生した倒木が幻想的だなあ(棒読み


 明星ヶ岳まではまだ少しあります。遠いなあ…


 倒木も土もコケだらけの世界。そこそこの湿度が保たれないと存続しえない世界ではないですか?


 やっと明星ヶ岳の分岐にやってきました。ここで14時56分…。


 さあ、八経ヶ岳に行くぞ、分岐に荷物置いて(こら


 この辺りも立ち枯れがすごい。


 台風か?鹿か?虫か?病気か?寿命か?酸性雨(霧)か?…このうちのどれかは嘘な気がするけど、複雑に絡み合っているのだと思います。


 2009年11月22日に登ったときは雪景色のガスりまくりで、登頂ははっきり言って作業でしかありませんでしたが、今は弥山が見えています。


 鬱空に浮かぶちぎれ雲。なんか、ビミョーですな…。


 ひとり、やたらと喋るおっちゃん(人のこと言えないけど)がいて、みんなと話をしづらかったという件。


 さっきの明星ヶ岳の分岐から一緒だったおっちゃんはこれから行者還まで、若い夫婦かカップルのにーちゃん&ネーチャンは弥山にテントを張ったそうです。喋りずくめのおっちゃんはどうだっけ?
 ともあれ、これから間違っても楊子ノ宿まで行く人なんていらっしゃいません。


 しかし、ここの立ち枯れは特にひどい。こんなにひどい場所、他(の県や地方)にあったかなあ…。女峰山や日光太郎山(ともに栃木県)あたりはあったか…。


 立ち枯れの林床には大量のシダが。


 ヨレヨレになったバイケイソウの残骸が散らばっている。


 さて、明星ヶ岳の分岐まで戻ってきました。ふうたろうはこれからまだ楊子ノ宿避難小屋まで向かわねばなりません。


 明星ヶ岳も例に漏れず、巻きます。南面がかなり激しく立ち枯れています。


 この手前の斜面を見ると、世代交代で枯れているのではない…。どうしてって、若い芽なんて育っていないではないか…。


 …遠くから雷鳴が聞こえる…。


 ボロボロヨレヨレのバイケイソウ。この辺の草は全体的に枯れています。まるで晩秋~初冬の風景です。


 カラハツソウ谷の草原なのか笹原なのかは美しいですが、なんだか、日高山脈のカールのような…。
 ところで、彼方の楊子ノ森はガスっています。いつ雨が降ってもおかしくなさそうですが、進むしかありませんな。


 ここのトラバースルートは崩落しています。崖から落ちたら即死です。


 東斜面の雲が特に多い。雷の音がさっきよりも若干大きくなった気がする…。


 大峰山脈、樹林帯の山ですが、けっこう岩山なんですよ。日高山脈よりは岩っぽい気さえします。


 これは最近崩落したものでしょうか。七面山(山梨県)のナナイタガレみたい。…この近くにも「七面山」という名前の山があるようですが。


 樹林の中に入るといっそう暗くなります。さすがにふうたろうも疲れてきましたなあ…。


 カラハツソウ谷に日が差していますが、ここは厚く雲に覆われています。雨が降ってくる前に、もうザックだけはザックカバー、スタンバッています。いつでもかかってこい(何


 道迷いを招きかねない踏み跡がついています。これ、右の方がはっきりした踏み跡だけど、こちらに進むと、おそらく崖の方に…
 リボンなどがしつこく付けられているので、そちらに、左に進みましょう。舟ノ峠、迷平付近です。


 疎林のバイケイソウどろどろゾーン。


 二重稜線っぽくなっています。


 楊子ノ宿避難小屋まで、そんなに遠くはありません。それまで、雨、持ってくれるか…?


 遠くから見ていたとおり、ガスが覆ってきました。もう、17時ですからね。


 楊子ノ森直前。もうすぐ、楊子ノ森を巻く道に入っていくはずです。


 この指導標から巻き始めます。避難小屋まで1kmほどでしょうか。


 楊子ノ森の巻き道は雲の中でよりいっそう暗い。鬱ルートですね。


 しかし、尾根に再び出てくるとガスの疎林帯へ。


 薄くなったり濃くなったり。これはこれで幻想的です。ええ、幻想的です。はい。


 でも、晴れてんのにモヤッとした鬱空繰り広げられるくらいなら、全然こちらの方がいいです。暑くもないし、木々の遠近感が見栄えもいいし。


 指導標が倒れています。熊にでも突進されたんですか?


 小屋まであと6分だそうです。


 楊子ノ宿避難小屋北の小高い笹原はとてもいい感じの場所です。ガスってはいますが、この薄ぼんやりとした感じが。


 ここまで濃いと、ちょっと厳しいですけどね。


 このガスッた環境を活かすなら、樹林帯を歩くべし。苔生す樹林帯か疎林帯を歩くべし。


 どうですか?イイ感じではありませんか?


 ふむ…ガス、晴れてきましたな。鬱空よりは全然良いんですけどね…。


 小屋へ向かう看板が…


 尾根の東側にありました。ゴール…。雨、なんとか降られずに済みましたね。
 小屋には先客がいました。明星ヶ岳の分岐で会ったおっちゃんにそのことは聞いていましたけども。まずは水のことを聞いて、水を汲みに出かけます。


 薄暗いルートです。水はどこだろう。


 途中、凄まじく大きく動きの鈍いカエルに出会いました。


 水場です。…まあ、水量はまあまあありますが、あまり冷たくない…。最近降った雨水?


 ふうたろうが小屋に戻って夜飯のレッドカレーを食べていると、にわかに雨が屋根などを叩く音が。外に出ると、けっこう強く降っています。18時半頃のことです。
 ま、今日はよく持ってくれましたわ、天気…。


 屋根からしたたる雨水の量もハンパない。そこら中が沢になっています。


 なんとか、予定どおり、楊子ノ宿避難小屋までやってきました。明日は200名山の大峰釈迦ヶ岳を踏んで、前鬼川沿いの道を下ります。見かけそんなに遠くないですが、今日も「見かけ普通で遠くない」はずだったんですよねえ?明日も結局同じくらいの距離、歩くようですが、どんなもんでしょうか。
 なお、先客の兄ちゃん曰く、ふうたろうが今日辿ったコース(および明日辿るコース)は、「普通ではない」そうです。ふうたろうは、これは、心の底から「ノーマルすぎてひねりなしで単調だなあ」と思っていたんですけど。確かに、長いけどさ…。
 今日の行動時間は8時間31分くらいです。時間的には普通ですよね。到着は遅いけど。


天気:晴れのちくもり、夕方遠くで雷、その後雨で強く降る(奈良県吉野郡天川村・大塔村・上北山村・十津川村)

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