岩みたいなザックで岩尾根を行く(蓮華岳【針ノ木雪渓七倉岳方面縦走コース】:長野県)
朝5時、携帯のアラームが鳴る。ひたすら眠い。しかし、ここで行かなければ犬死にどころでは済まない。ねむた目をこする体力もそこそこ、「いとう旅館」を這い出し、そこから少し道路を北に進んだところのバス停(名前忘れた)へ移動。この時点で虫の息という、ふうたろう大ピンチ!
バスが出来るだけゆっくり走ってくれることを祈っていたら、半分くらいの時間で着いてしまいました。ここは北アルプスの裏玄関、扇沢。まだ薄暗い感じのする6時前、すでにトロリーバスに乗ろうと乗客が100mくらい列をなしています(ガクブル
ハラが痛くなったので(滅)トイレに行こうとしたら、そこも10m(ぇ)くらいの列をなしていて、耐えるのに、時間だけでなく体力まで使いました。その間に、太陽がこんなに高く上がり、明るくなりました。あの長蛇の列も随分短くなっちゃって(白笑
幸運にも、ふうたろうはあの長蛇の列に並ぶ必要はなく、横道に逸れます。「立入禁止」の看板とか不吉すぎるものがそこにありますが、さすがにそんなご挨拶ではありませんです。
いよいよ登山開始。入口のところに登山届などを書くテントがあります。「山岳遭対協」と書いてあったかな…。
睡眠不足が辛い。この頃、夜遅くまでSimcity social(フェースブックのゲーム)にハマっていて、こんなところで足を引っ張るという。これはよろしくない。
太陽がぎんぎらぎんに照りつけます。さっきまで涼しい、寒い、なんて思っていたのも束の間、速攻で半袖です。暑い。
標高もそんなに低くはないですよ。1400mくらい。ガレ場がしっかりしていますね。
ここで車道との交差の連続が終わります。さあ、久しぶりの赤絨毯コース、行きますか。
まず目指すは大沢小屋。そこまではトラバース気味の道を行きます。
見晴らしは意外といい。でも、暑さと寝不足による体力損耗はきつい。しかし、周りを歩いている人も、ふうたろうに負けずしんどそうな場合が多いという…
森の美しい針ノ木沢。本来は大雪渓の場所だというけど、今日はどうなんでしょう?一応、アイゼンは持っていますが。
大沢小屋到着。意外とあっけなく到着です。それとも、気が付かないうちに気を失っていたか(何
…人が増えてきました。山ガールというか、若い山女さんたちもちらほら見かけます。やはりこの辺までこないといらっしゃいませんね(藁
人と話をしながら進むのもいいものです。ええ、登山最盛期でも一人きりの山域にいるのがデフォルトのふうたろうですから、たまにはこういう山域に行かねばね。
針ノ木雪渓を進みます。なんだ、もう、針ノ木峠が直ぐそこに見えているではありませんか。大沢小屋から4時間も掛かるんですかいな、ホンマに。
後ろを振り返ると爺ヶ岳が見えます。あそこは冬にいくといい。冬というか、初冬。手軽に楽しめる冬山です。ま、ふうたろうが行った2008年11月1日は、レベル40(登った山の数)あまりだったので、大変でしたがね…。
この沢の上には、本来ガッツリと雪渓が残っています。日本三大雪渓でしたか?雪どころか、水さえ少なそうに見える件。
空が青い。水蒸気(化学的な意味とは違う)が多すぎる場合、日が当たると日光が散乱するので、もやっとしていきますが。
針の木沢を登る登山者、ふうたろうの選考する山行ルートにしてはそこそこいます。
30分後。台風から吹き込む南からの湿った空気?とりあえず、すごいね、早いわ、天気の変化が。
もうすぐ、峠ですな。
…とはいえ、ああして見えている割に遠いのが、こういう見通しのいいところの罠なのですな。
8時50分に最初のガスを見てから50分ほど。もうこちらがいつガスってもおかしくないレベルです。
最後の水場。渇水が異常すぎて、針ノ木峠にある針ノ木小屋から注意書き。「深刻な水不足」だと。確かに、このところの雨の降らなさはおかしすぎる。
モクモクと歩く皆の衆。ふうたろうの方は大沢小屋を過ぎて以降、若干眠気によるダメージも和らいだ気がします。
何となく青白い感じになっています。まさか、針ノ木峠の向こう側、晴れているんじゃないのかな。
もうすぐっぽい。この針ノ木雪渓、白出沢から穂高岳山荘までのあの谷に比べれば、屁でもない。
そして、立派な針木岳。あれは冬に登りに来たいので、一応小屋の人に針ノ木谷の様子を聞いておきました。問題は、黒部湖を渡る舟が運行しているかどうか、ですがね・・。
束の間の風景と晴れ間を楽しんだら、65個目の「300」名山を取りに、蓮華岳に向かいましょう。
それにしても、百名山を必死になって取りに行っていた頃を思うと、簡単に「今日はあそこ行くか」レベルのノリで行き、取るスピードも格段に速くなりました。百名山が終わった2010年12月4日の時点で18個。200名山でも31個。あれからそれぞれ47個、40個、と87登りました。百名山登るのに丸3年掛かったのに。あの時とは山に対する執念が違います。
針ノ木峠から蓮華岳に向始めると、間もなく急坂になります。おかげで展望がイイのなんの…
針ノ木峠より北側ではガスがわんわん。南ではカラリと。吹き下ろす感じになっている(下降気流になっている)から雲が少ないのかな。
蓮華岳、肩まで辛抱して登れば、後は緩やかになる…。地形図見られれば、それが解ります。必ず持とう、地形図。
南を向くと、裏銀座方面の稜線はガスだらけ。台風から湿った南東の風が吹き込んでガスりまくりです。いつ雨が降るか、という話。
前を老夫婦が歩いています。後で聞けばふうたろうと同じく、船窪小屋(方面)に向かうといっていました。
そうそう、けっこう大きな荷物を持った兄ちゃんを途中で抜いたんでしたっけ。でも、この後一緒に歩くことになります。
それにしても、ものっそい疲れよう…(苦笑
蓮華岳から方向を90度南に変えて、七倉岳方面に向かうのですが、ガスの中に道が消えて…
ひとまず、束の間の快楽を味わうべ。
ああ紅葉がきれいだなあ(棒読み
そうそう、あの向こう。
…でも、何となく印象薄い山ですわな。
ちょっと腰掛けて休んだ後、さっき、ヘルメットを被ってシッカリと装備もした兄ちゃんとふたりで、船窪方面へ。ふうたろうドラクエ山行なり(何
雲が本当に増えてきて、雨降りそうです。いや、たまにポツポツしている…?
蓮華岳を見上げます。実はかなりの急坂。蓮華岳から一気に500m以上ガツーーンと下らされます。
ガスってきたのでライチョウが現れます。天気が悪くなると姿を見せるというね。可愛いんだ、このライチョウたちは…。
ライチョウたちにイタズラしてはいけませんよ。
さて、急坂をひたすら下ります。それから更に同じくらい上らなければならないことを知りながら、ね…(涙目
ただ、ひとりっきりで歩いているわけではなく、さっきの兄ちゃん(40くらいだといってた)もいるし、その分心強い。支援効果をなめてはいけない。ま、人の写真は基本、都合上載せないことになっているのであしからず。
ガスの中、いよいよ鎖場とか岩場とかがでてきます。そんなに難所だとはいいませんが、快適に歩けるかというと、そうでもない。ましてやこんなにガスって展望なしだと、やっぱり萎えますわな。
しかし、遂にぱらついている程度の雨が「弱い雨」になり始めました。弱いといってもそのままでは濡れますので、ザックカバーとカッパの上を装備します。その間に兄ちゃんと、後から追いかけてきたもう一人の兄ちゃんは先に行きます。こうなると、もう追いつけませんね…。
目の上が赤いライチョウ。婚姻色かな?
カエルみたいな鳴き声でメスの尻を追いかけるも逃げられてしまいましたふうたろうみたいだよね(涙目
展望無く、雨がぱらつく、アップダウンのきつい稜線歩きの連続。ふうたろうの体力もかなり減っています。しかし、あの標は…
ここが北葛岳(きたかずらだけ?きたくずだけ?読み方不明)。晴れていれば展望はすばらしいのだろうけど、この通りめたんこガスガス(滅滅滅
さて、尾瀬の水を飲むか…。
ちなみに、水からは放射性セシウムは検出されにくい。宮城県の北泉ヶ岳付近の、コシアブラから250Bq/kg以上検出されたようなところの水でも、ゲルマニウム半導体検出器で検査してさえ不検出(検出限界は1Bq/kgよりもまだ低い)。ふうたろうは尾瀬の水でも安心して飲みます。
北葛岳からまた200~300m下ることを思うとガックリ来るけど、それでも進まねばなりません。今後の行程のこともあるけど、こんなところにビバークできそうな場所なんかありまへんで。
雨が降るけど、カッパ着て、ザックカバー被せて、水属性の攻撃(何)を軽減しながら進むのです。
一雨降ったら何となく天気が回復しそうな雰囲気を醸しています。でも、あんまりアテにしすぎると、回復しなかったときの反動が石狩岳になるので(何
何かキク科植物の花の種でしょうね。きれいな綿毛状になっていて可愛らしい。
さて、あの真正面の岩の尾根を突き上がらなければなりません。きつそうだにゃー…
さっきの晴れそうな雰囲気は、やっぱりだだの雰囲気でしかなかったのかな。
そういえば、どこかで先を行っていたあのヘルメットの兄ちゃんが対面の岩場から手を振ってくれていたっけ。その後、きっと船窪小屋に向かってしまったんでしょうね。
ただ鉛色に沈んでいた岩とハイマツの景色が、突然黄金色に輝きます。
こういう劇的な変化は、ガスに巻かれたとき、くじ引きでアタリを引くような気分です。ガスに巻かれなければ、この変化も起こりえない。
明日登る 山を見さだめ 今終わる 一つのこと
…
……
じゃなくて、テン場までまだあるんだよ。
ここが船窪小屋とテン場(裏銀座方面)との分岐。特にテン場に関する注意の看板はなさそう。
よし、ちょっと遠かったけど、今日はここまでにしましょうか。この梯子の下がテン場です。
しかし、このテン場、やっぱり管理料が必要とか書いています。
(゚Д゚メ)ゴルァ
そんなもんあの分岐のところでちゃんと案内しとけや!今からまた20~30分もかけて、たかが500円払いに行くわけないやろが。500円くれる言うてもいかんわヴォケ。
しかも、そのナメたテン場では、農大(東京農大?)のワンゲルか何か知らんけど、周り寝静まってる中いつまでもガヤガヤとうるさく、寝かかったのにガチッと目が覚めてしまいましたがな。寝不足の中必死で歩いてきて、明日はそれなりに早くに出よう思うとるのに。
というわけで、今日の行程は終わりです。テン場はけっこういっぱいだったので、29歳の青年(Oくん)に場所をほんの少し動かしてもらって、テントを張りました。明日、一緒に烏帽子岳方面に向かうことになりそうです。ドラクエ山行第2章(何)ですかな?
天気:晴れのちくもり、昼過ぎから夕方一時雨(長野県大町市・富山県中新川郡立山町・上新川郡大山町)