暗い山には棘がある(何)(高隈山【大箆柄岳~御岳縦走コース】:鹿児島県)
何かよろしくない夢を見たような気がしますが、案外すんなり忘れるようです。いや、あの『太陽の罠』関連だったようなそうでなかったような…
とにかく、朝飯にしましょうか。
あまり強い期待を抱くと大変です。しかし、そこまでひどいものでもありません。いつぞかの、菓子パンとゆで卵しかなかったところに比べたら…(じと目
ホテルに荷物を預けて、サブザックに水と行動食などを詰め、共栄町バス停に向かいます。
鹿屋バス停を9時5分に出る百引(もびき)方面行きのバスに乗ります。このバスは行きは良いのですが、帰りは13時台が最終で、使い物になりません。コース設定に一工夫いるのです。
バスが自然休養村入口バス停に到着。およそ30分程度で着きます。というか、これ以上遠い距離にあるようだとまじヤヴァイ。理由は遠いような近い未来(じと目)で判ります。
『高隈山登山口』のカンバンがあります。バス停の時点でこういうものがあるということは、ふうたろうにとってはVIP待遇と言わねばなりません(`・ω・´)キリッ
とは言っても、地図も持たずに進んだら簡単に詰んでしまうので、必ず地図を持ちましょう。
高隈山の最高峰は大箆柄岳(おおのがらだけ)です。左側のあの峰が大箆柄岳でしょうか。たぶんそうです。
指導標はあったかどうか。地図を見て歩く癖が付いていると、指導標をアテにせずに歩くこともよくあります。とりあえず、この看板を見たら右へ。
こういうコース取りを、ガイドブック無しで行うことは、25000分の1の地形図を使わない限り不可能です。
この寒風吹きすさぶ真冬に何が咲いているかと思ったら、ツワブキ(キク科)でした。真冬の花と言えば椿くらいしか思いつきませんが、このツワブキは、どんな虫をこの寒冷な季節に媒介者としているのでしょうか。
林道を進んでいきます。荷物は軽いけど靴が雪山用なので若干重い。今日のコースだと、恐らく夏の登山用ので十分なはずです。
さて、さっきのハイキングコースの看板を見て、いいところに登山口と登山道があるじゃないかと思っていました。ここが一番バス停から近い登山口です。
…といっても、ふうたろう、登山にハートが込められません。うつろな目をして登っています。
急坂がきつい。でも、ケーブルカーのごとくゴキゴキ登っています。
おや?なんだこれ。
標高1000mを意味するのかと思ったが、さすがに早すぎます。しかし…?
実際先に進んでみると、これは少なくとも標高1000mではないことが解ります。恐らく、登山口から1000mなのでしょう。
それにしても、この高隈山はけっこう多くのコースがあるのですね。
妙な植物があります。
ツチトリモチ(ツチトリモチ科)です。寄生植物だそうで、暖地の海岸に近い森林の中に生えるそうです。
そこら中にポロポロ、生えていました。ただ興味本位に、みだりに持っていったりしないように。
登山道の位置関係はこのようになっています。ふうたろうが通っているところは基本的に赤線で書いてあります。直登コースなので非常に息が切れます(慌てて登らないように)。
尾根に出ました。しかし、なんだか雲行きが急にアヤシくなってきました。
大箆柄岳(おおのがらだけ)近傍のジャンクションピークに出ました。とりあえず、三角点踏みに行こう。
…と思ったら、一人のおっちゃんが道を聞いてきました。
「最高点はこっち(南側)ですよね…?」
当然、ふうたろうはガイドブックも持ってなければ、ここに来るのも初めて。話しかけるきっかけならいいですが、まずは行ってみればいいのに。
空はガッツリ曇っています。桜島が辛うじて見えますが、日は当たらないし、風も強いし、クソ寒い。
彼方に妻山(右)と御岳(左)が見えます。あれを越えないと、ふうたろうの今日のゴールはない。
鬱空がきつい(Θ_Θ)
今年は夏も冬も、何でこんなに靄が立っているんだろうね。今に限って言えば、強風で砂塵が舞っているとか、桜島の噴煙が一帯を覆っているとか…?
分厚い雲が覆っている上にこの低木や笹のブッシュ対を歩くと、そりゃあもう、鬱度満開です(歯ぎしり
木の葉や笹の葉などにうっすら積もった雪だか氷だかが降りかかってきます。まだ雪は降っていないんですけどね。
小箆柄岳に登る分岐があります。でも、ここは盲腸線で、かったるいので飛ばします。天気的にも気分的にも時間的にも、行きたい衝動にはまったく駆られませんわ。
尾鈴山(宮崎県)の時なみに(Θ_Θ)どよーん山行です。きついな…
いつの間にか妻山や御岳が近づいてきました。でも、このひどいコントラストは…(滅滅滅
スマン峠です。色々分岐はあるようですが、公共交通機関のない登山口には興味がありません。ふうたろうはこのまま鹿屋市中心街まで歩くつもりでいます。
このウスグラ樹林帯ゾーンで一息。ただ寒いだけだけど、糖分くらい補給しておきたい。
スマン峠を越えたら妻山に登らされるのかな、と思っていましたら、なんだかさりげなくトラバース道のような…?
妻山の山頂はこの右手上にあります。どうやら完全に巻き道オンリーのようです。それとも、分岐を見逃したか?
妻山南東の取り付き付近に出てきました。ま、得したような何というような…
恐らく、特に迷うところはないでしょう。ただ、地図に書いてある破線ルートと違うところを歩かされることがあるのであえて載っけときました。破線ルートがあっても通行できないところもあるし。
そういえば、昨日の中華料理屋の親父っさんも、高隈山と言えばこちらの御岳を指すとか言ってましたね。
なんか、こっちの方がたどり着けたときの達成感があるような希ガス(じと目
高隈山南部の御岳到達。奥に大箆柄岳が見えています。チョー分厚い雲に覆われていますね。
錦江湾(鹿児島湾)に落ちる日が反射しています。雲があるので、雲の影が投影されています。
御岳より大箆柄岳。
当初、ここ、テントを担いで泊まるつもりで来ようと思っていました。やらなくて良かったと思います(何
日差しがさっきより戻ってきています。錦江湾の反射光が美しい。でも、風は強い。山頂にいた若者兄ちゃん数人が、カップ麺の湯を沸かすのに苦労していました。
ふうたろうは先に進みます。
ここ、左手に進めないよう、テープで封鎖されています。地図にはある道ですが、封鎖されている以上、進むのは得策ではありませんね。もっとも、そちらに下りてもメリットはほとんどないので、とりあえずテレビ塔のある方に進みます。
すっかり青空が戻っています。もう少し早ように戻ってくれれば良かったのに…
これはきっと誰かがウケを狙って書いたものでありましょう。こんなお父さんは、きっと山から下りたくなくなるんじゃないでしょうか(藁
御岳の下り道は急坂です。岩場っぽいところもなくはない。意外と時間がかかりますが、そろそろテレビ塔のようです。
このメリハリのある山容が、やっぱり楽しいですね。ずっと樹林帯、逆にずっと大展望、というのは、飽きてくるものです。
テレビ塔のあるピークからは御岳の展望がすばらしい。確かに、この御岳付近が「高隈山」と呼ばれそうな気はします。
テレビ塔。これを使って今もテレビを見ている人がいるのでしょう。
錦江湾の反射光はずっと輝いています。この鬱空さえなければ、もっといいのですが。
ふうたろうはあの山裾に走っている林道を歩いて、鹿屋市街を目指すのです。まだ道のりは短いようで長い。
25000分の1の地図では破線ルートですが、幅広めの舗装路が出てきました。
ハイキングコースの看板あり。ここから北方向はロープが張られていて通行できません。
登山道がヘアピンカーブしてさっきの看板のところに出てくるのが普通です。しかし、そのヘアピン部分から林道に直接まっすぐ下る近道が存在します。地図にはその表記はありません。
地図に描かれている道は多く、好きなコース取りができそうに見えますが、実際に使える道は、実は多くないのです。幅員5m程度の道として描かれているものであってさえ、時にひどく荒れ果てて辛いときも…
ま、そういう系統のひどい目にはいくらでも遭っていますけどね(じと目歯ぎしりヴォー読み
その道からは、妻山より西方向に向かう縦走路の山々が見えます。この靄さえなければ、もっとくっきりしているはずなんですがね。雪が降っているせいではないのですよ。
御岳のテレビ塔くらい近ければ、まあ、そこそこくっきり見えますか。
ただいま15時を過ぎたところですか。帰りはできれば直行バスで鹿児島中央駅まで行きたいので、17時くらいまでには鹿屋バス停に着いておきたい。あと2時間ほど、何とかなりますか?
あのこんもりしたところが九州自然歩道のジャンクションピークになっているようですが、果たしてまともに道があるのかどうかアヤシい…
おや?これは指導標ではありませんか。意外とVIP待遇ではありませんか!!
若干地図とルートが違いますが、まあ、方向的にほぼ同じであればいいや。今となってはちゃんと鹿屋市街地に出られればいいのです。
多少ウスグラくて倒木が多くて荒れていても行ければいいんですよ行ければ(ヴォー読み
このコースは歩いてみるまでどのルートが通れるのか、本当に判りません。
指導標通りに進めばいいと言えばいいのですが、主体的な山行ではありませんね。
無数に分岐があります。何に使われている道か判りませんが、先まで続いているのかどうかも判りませんが…
無難な道があるなら、そちらを歩いた方が安全ですね。
触らぬケモノ道に祟り無し。
確かに、地図的にはこれをまっすぐ車道歩きかませば市街地に出ることはできます。でも…
こうやって、道草を誘うような立派な指導標なんかあっちゃったりすると…
これだけ多くの道が付いていると、普通に地図を持っていなければかなり迷います。というか、そもそも通らないと思いますがね…。
とりあえずおとなしく車道を通るのが安全かと思います。
で、冒険好きなふうたろうの末路は、いつもこういうウルトラデラックス(略)ゾーンです。
ついでに、幹全体が棘に覆われた木(イヌザンショウか?)を1度ならず2度までも握ってしまい、棘が刺さった上に血みどろになりました。
思わず時間を食ってしまいましたが、今どこでしょうかね。転がるように下ってきましたから。
ふうたろうの歩いていた場所は、さすがにここまでひどいヤヴではありませんでした。
さて、まともな道に出てきたら、あとは着実に鹿屋バス停まで歩くのです。この辺りにもバスは走ってはいますが、終バスが14時とかのレベルなので、ハナからアテにしていません。
高隈山の南端。それでもよくこの時間で歩いてきたものだと思いますよ、我ながら。
こんな町外れに養護学校があります。いや、町外れだからあるというべきですね。養護学校の建設には、住民の反対運動が起こると聞いたことがありますからね。養護学校は公害施設か。
しかしその隣にはメガモールが。
…まあ、色々タノシいことだね…
17時過ぎに鹿屋バス停に到着しました。いったい何キロ歩いたんでしょうかね。
でも、ここで終わるのではなく、ホテルまで荷物を取りに行かねば…
ということで、バスで共栄町まで行き、荷物を受け取って、歩いて鹿屋バス停まで戻ります。
18時10分発の直通バスに乗りました。市営バスなどを乗り継ぐよりも80円ほど安いようです。しかも、その気になれば、バスから降りなくてもよいのです。
っていうか、ハラ減っていたので船の中でさつま揚げのソバを食います。そしたら、見事に気持ち悪くなって…(滅滅滅
鹿児島中央駅に戻ってきました。明日からは九重連山撃破が待っているので、多少買い物をして行きますか…。
九州新幹線で熊本まで来たら、そこで宿。この掌に刺さりまくった棘をナントカせねば…
裁縫セットを駅ナカのファミマで買って、手の裁縫をしました(滅滅滅
ところで、泊まったビジネスホテルは、調理施設がないのか、朝飯を提供していないとのこと。金を出すと言っても付けてもらえないのです。しょうがないので、もう一回駅まで歩いて買い出しですがな。おかげで、ずいぶん腰を落ち着けるのが遅うなりましたがな。
今日はよく歩き、よく移動しました。でも、荷物が軽いとこういうこともできるものですね…。
明日は朝イチの豊肥本線に乗って、阿蘇からバスに乗り、小国町のバスターミナルから…恐らくタクシーになるかな。涌蓋山(わいたさん)の麓、岳の湯を目指します。
#293高隈山クリア。
これで残る日本300名山は10個になりました(200名山部門が3個残っているため)。
天気:晴れ時々くもり、一時雪(鹿児島県鹿屋市・垂水市・鹿児島市・熊本県熊本市、九州新幹線)