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山に貴賤なし(蓼科山【大河原峠~天祥寺原コース】:長野県)

2014年 3月 9日

 ん?(・ε・;)
 ヌオッ(゚皿゚;)
 寝坊した!!(滅滅滅滅滅滅
 起きたら6時半でした。ついでに、気温-18℃。


 慌ててチャーハンを炒めにかかります。凍ったスパムを切り刻みます。グリーンカレーペーストと香辛料ミックスをパリパリ炒めます。
 ん?(・ε・;)
 モッワモワッ!!
 ヌオッ(゚皿゚;)
 グリーンカレーペーストのカプサイシンがガス化して、生物化学兵器として、ふうたろうの各粘膜を刺激します。-18℃(以下)の外気に顔をさらして涙目(爆滅


 身体を張った結果できあがったグリーンカレーチャーハン。生物化学兵器の一部は廃棄してもなお、激辛でした。これは後で緑のチカラが怖い…(ガクブル
 しかも、焦げてるし。油の補給を忘れてきたんですよね…(滅


 というわけで、ご利用は計画的に(じと目


 出発は8時になってしまいました。これでは普通に八千穂スキー場までは行けそうもありませんね。いや、雪がなければ鼻歌交じりでイケると思いますけども…。


 蓼科山が立ち枯れた木の向こうに見えます。


 さて、征きますか。雪質は昨日とまったく変わっていませんので、足はひたすら重い。


 道はあってないようなものなので、行きたいところに行って、縞枯れしているところから写真を撮ります。
 彼方に北アルプスが見えます。どうやら、晴れているようですが…?


 妙高山から雨飾山にかけての頸城アルプスも、よく晴れています。昨日から今日にかけて登っていたら、疑似好天とは言え、抜群の景色が見られたでしょうね。


 北東側には浅間山など。いったい、ここからいくつの「名山」が望めることでしょう。そして、Lv.27の初めての蓼科山の時は、見えている山すべてが未踏の状態でしたね。今はほとんど登った。27と293では、さすがに違いすぎますね。


 再び立ち枯れゾーン。悔しいけど、こういうところは非常に歩きやすいです。


 大雪まみれになって、もう少ししたら雪男になってしまうのではないかと思うくらいでしたが、抜けてきました。


 夏ならば普通に道が付いている場所のはずです。それが、雪で地面がかさ上げされているせいか、枝が干渉しまくりです。


 再び深い樹林帯へ。下り坂がきつくなったので、イヤでも自分の居場所が判ります。そして、1時間半かけて進んできた距離に愕然とします。


 東に双子山が見えます。本当はあれを通って、横岳を抜け、縞枯山を抜け、麦草峠から八千穂スキー場に行く予定なのです。


 見通しが良くても悪くても、足場は悪い!とにかく片足を置いたら30cmは確実に沈みます。


 あちらには浅間山。あっちの積雪量はどうなんでしょう?


 2時間43分かけて、ようやく大河原峠です。一般的なコースタイムが50分なので、3倍以上かかっています。もはや、寝坊とかいう以前の状態ですね。そしてこの先双子山以後も状態は変わらない見込みです。


 今さらというか、判っていたことというか、天祥寺原コースへのエスケープを取ることにします。谷筋なのであまり進みたくないんですけどね…


 あの銀色に輝いている樹林帯はきつかった…(遠い涙目


 でも、ここも10mに1回は息切れして休む始末。このままでは下山までどのくらい時間がかかるのか不安になるほどです。


 横岳が見えています。でも、とてもじゃないけどあそこまで進めない。2泊3日はないと、少なくともどうにもなりません。


 緩い下り坂を進んでいますが、沈み込みが30cmを超えています。100歩歩けば30mの坂を登ったのと同じ。当然、100歩どころじゃないです、歩いているのは。沈むとバランス崩すしね…(満身創痍


 ああ双子山…(Very遠い目


 雪原に落ちる木の影。景色は最高なんです。スキー板でもあればあるいは、ですが、ふうたろうはスキーができないという罠。


 兎の足跡。スキーで颯爽と駆け抜けたいよねえ、こういうところ。スキー板と110リットルザックを担いで登る体力と根性と技術があれば…


 少しずつ下り続けていると、遂に谷底へ。沢は当然雪に閉ざされています。


 暑くなってきたし、足回りが重いので、オーバーパンツとインナーダウンを脱ぐことにしました。これで少しは軽くなるでしょう。


 しかし雪は重かった(ため息


 気分だけ軽くなった足をモコモコ動かし、雪原を進みます。何やら立て札が埋まっていますが何でしょうかね。


 掘り出してみたら…、天祥寺原、らしい。


 エスケープルートを辿ることになったわけですが、このルートは悪いコースではありません。いや、山のコースに良いも悪いもないんですよね、本当は。


 山は人を選ばない。人が山を選んでいるんです。


 山はそこにあるだけです。人間の意思に関係なく、天気や生物相、地形を変化させます。だから、それに合わせて人が見方考え方を、考えなければ、どうひっくり返っても楽しめるわけがありませんよね…


 樹林帯の雪原が広がり続けています。道は1~2mの雪の下にあるので、歩けるところを歩くしかありません。


 樹林の隙間から蓼科山が姿を見せています。雪をいっぱいに纏いながら。


 ふうたろうの目にはもっと空は青く見えましたが、ロドプシンが死んでいて、空が暗く見えていただけですね。


 天祥寺原からの雪に覆われた蓼科山は非常に美しいのですが、麓に広がる針葉樹林帯の広がりを楽しむなら、沢を挟んで反対側にある横岳の山腹から眺めるのが良さそうです。いつか、また冬に来て、スポットを探しますか。


 雪があるのでこのアングルで見えますが、雪のない時期だともっと樹林に隠れているかもしれませんね。


 無雪期ならここから蓼科山荘の乢(たわ)まで登っていく道があるようです。が、今は自由の雪原が広がっているだけですからねえ…(遠い目


 おや?シカの足跡にしては大きいですね。人の足跡ですね…


 おおっーーーーーー!
 踏み跡キター(目がハート
 30cm踏み抜き連続の歩行から解放される…


 ここは恐らく沢が流れている場所でしょうけど、すべてが凍っているのでただの雪道になっています。


 恐らくこのまま下まで踏み跡は続くでしょう。足の重さがまったく違います。スピードは3倍ほど出ていると思います。


 蓼科山を巻くように掘られた谷を下っています。


 改めて、踏み跡のありがたみを感じます。


 思えば、登山道や、下界での道路も、誰かが作ってくれた道です。その上を当たり前のように歩いていることを、これだけ雪やヤブの中を歩いているのに、感謝していない自分に気づかされます。


 …美しい道ですね。


 谷の傾斜が急になってきました。


 谷を逸れ、山裾をジグザグに歩むようになってきました。もうすぐビーナスライン(行きも歩いた車道)に出ると思いますが…


 立て札が。


 そこには鎖で封された林道があるようです。


 地図を見ればショートカットも可能ですが、わざわざ深雪をかき分けることもないでしょう…


 14時半、道路に降り立ちました。わかんとスパッツを脱ぎました。


 昨日は半分埋まっていた道路も、今日は除雪車が入ったようです。
 しかし、さっきは道のありがたみを感じたものの、そのすべてに感謝できるかどうかは別ですね。山の奥地まで入り込んでいる道路は本当にどこまで必要なのか、いつも考えさせられるものです。


 ふぅ…
 明るいうちに下りてきましたが、あの踏み跡がなかったらまじで危機的だったかもしれませんね。


 ピラタスロープウェーとの分岐にやってきました。バス停は直ぐそこです。さあ、バスは何時発だ?
 ん?(・ε・;)


 ヌオッ(゚皿゚;)
 バス停が除雪された雪に埋まってやがる(滅滅滅
 しかし、付いた瞬間茅野駅行きのバスが来ました。これでふうたろうの運は、今年末まで使い果たしましたね(じと目
 なお、そのバスで帰りの電車を調べていたら、バス酔いしました(滅滅滅滅滅滅


 本当は八千穂~佐久から帰る予定だったので、あずさ回数券を買っていませんでした。節約するには中央線高円寺駅まで行って、そこからバスで家の近くまで帰るのがいいのです。あのハイパー人混みゾーンの新宿や池袋を通らなくてもいいし。
 ただ、高円寺駅前は見た感じ地元の食堂や個店などがあまり見当たりませんで、「海鮮三崎港」の寿司チェーン店で6皿ほど食べて腹を膨らませておきました。


 300名山をここまで追いかけてきたふうたろうが言うのも何ですが、どこの山もいいものです。純粋に山はいいものです。新たな発見、新たな視点、新たな経験。それらを得るチャンスがそこにはあります。里山、本格登山の山、樹林だらけの山、あるいは開発だらけの山でも。選ぶ側、登る側の思惑とは別に、そこには確かに、何かを得るチャンスがあります。だからこそ、山に貴賤はないのですよね。
 #27蓼科山2回目クリア。


天気:晴れのち時々くもり(長野県茅野市・北佐久郡望月町・東京都杉並区・板橋区)

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