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雲の地獄滝ツアー(滅)(上州朝日岳【清水峠~五十里尾根コース】:新潟県)

2014年 4月 20日

 3時半になってまた変な夢でガチッと目が覚めたのですが、外を見てみると、相変わらずガスったまま。あまつさえ小雪まで舞っているではありませんか。でも、時々月が見え隠れします。回復…する?
 330gのご飯で同じようにチャーハンを作って一部を弁当にして食べている間に、空は晴れていました。それがこの5時前です。


 当然昨日の夕方も、未明も、見えなかった朝日岳山頂が見えています。行きましょう。


 どうやら、山の下は一面の雲海のようです。天気図では北に偏った高気圧があります。本州日本海側~東北地方では晴れますが、関東地方平野部には北東の風が吹き込むので、雲が湧きます。しかしその雲が関東平野を取り囲む山々を越えられない場合、山の上から雲海を見ることがあります。
 …完璧な見込み。テンション上がりますなあ(黒笑


 雲海の水平線から陽が昇り始めました。


 夜中の雲の厚みを教えてくれていた月が、今はハッキリ見えています。


 雪面が輝き出すのが待ち遠しい。


 写真は明るさを変えて撮れるので、ある意味インチキ?


 空には薄雲が広がっているので、期待したほど輝きません。


 これはまあまあきれいかも。


 谷川岳も、オキの耳トマの耳、そして一ノ倉岳が日の目を見ています。肩の小屋や避難小屋などに泊まった人はラッキーですね。
 ところで、あっちにいる人は、朝日岳の山頂にテント張って寝てた人がいることを想像してくれたかなあ(じと目


 空を覆っている雲が高層雲だったら、もっときれいな朝焼けになっていたでしょう。いや、今の季節じゃムリかな…


 霧氷ができています。朝日岳の山頂です。


 もうちょっと明るく撮っても良かったかな。


 朝の宴を楽しみました。


 今日はゆっくり下山しても間に合うでしょうから、山頂ライフを楽しんでいます。


 太陽に暈ができています。絹層雲ですねえ…


 どうもモヤッとしたこの空の雰囲気は、鬱になった頭の中みたいで、好きになれません。


 日も徐々に高くなってきました。そろそろ撤収のつもりで動き出しましょうかね。


 テントは吹き付けた氷にビッシリと覆われましたが、中でストーブを焚くと一気に溶け、再氷結して更に強固にこびりつきます。ちゃんと払っていかないと、重いんだこれが。


 出発は7時になりました。だいぶ遊んでいましたからね…


 少し上ります。


 雲海の上に太陽の大きな暈(かさ)。


 馬蹄形ルートの内側にもビッシリと雲が入り込んでいます。


 どうやら清水峠から新潟県側に雲が漏出しているようです。


 天空の道。


 右奥にも尾根が見えます。


 大きな暈の下に、左から、燧ヶ岳、至仏山、日光白根山、皇海山、上州武尊山、が、見えています。
 ところで、この暈は半径何kmあるのでしょうか。太陽から地上までの距離は判っていますが(確か光の速度で8分程度かかる距離)…。調べてみたら、太陽の暈の場合、一番内側の赤の光線で約22度屈折するらしいので、…三角関数で出せるかな?また暇なときにでもやってみましょうか。


 谷川岳が雲の川に溺れそうです。雲海は迫力ありますよね。


 これはふうたろう憧れの、朝日~巻機縦走路です。残雪期にしか行けないとのことですが…


 今回は見送りますが、それにしてもこの滝雲、すごいですな。空の薄雲がなければもっとすごいんですけどね。


 ふうたろうが下りてゆく魚沼方面が見えています。近そうです。


 (Θ_Θ)どよーん
 やっぱり曇り空なので霧氷も映えませんわ(じと目


 それにしてもこれ、雲海というよりも雲河(うんが?)ですな(笑


 道なしヤヴ漕ぎゾーンなのにちゃんと巻機山への標がある…。谷川山系のグレードはすごい。


 これからふうたろうは清水峠の滝の中に入っていくことになります。


 しかし、見事な滝雲ですな…


 この尾根は細い。雪質とか体力次第では危険です。


 尾根を見上げました。登りならひるみそう。


 何か、今朝は胃の具合が芳しくありませんね。やっぱりまだ尾を引いていますかね(じと目


 昨日のあの先駆者たちは結局どこまで行ったんでしょうか。清水峠の避難小屋?


 ところで、谷川岳と一ノ倉岳の間の鞍部も滝雲になっていそうです。オジカ沢ノ頭か茂倉岳あたりから見ると壮観かも?


 でも、こちらの滝雲も負けてはいません。


 入水(?)近し。


 これでもカラー写真です、念のため。


 波打ちながらとうとうと流れています。


 ぜひ、真正面から見たいものです。ただし、しぶきは浴びたくありません(じと目


 滝の中突入。


 あっという間にホワイトアウト。


 滝雲と言っても、中に入れば風を伴ったガスに過ぎません。見るものであって入るものではない好例その1(じと目


 足下にはフキノトウの凍結したもの。
 ♪氷解け去り 葦は角ぐむ 今は時ぞと 思うあやにく
 ♪今日も昨日も 雪の空 今日も昨日も 雪の空
 …棒読みで歌いましょう(じと目


 ガスの中に角張った物体があります。


 避難小屋。トイレなどはありません。あの先駆者たちはここに泊まったのでしょうか。だとしたら、ちょっとかわいそうかもしれませんねえ…


 なお、あっちの立派な建物は送電網管理の関係者用の施設らしい。


 さて、ふうたろうはこれから五十里尾根を下るので、そのまま登山道を使うならトラバースです。やりたくないトラバース。


 (=皿=)
 マッシロで何も解らん。


 やっぱり清水峠から蓬峠方面に少し登り返し、尾根を下らなきゃダメか。
 サラッと書いていますが、このあたり、けっこうひどい目に遭っています。雪の斜面は小回りが利きません。


 そして、その尾根を下ろうとしたら、この笹ヤヴゾーン(滅滅滅


 手抜き写真ではありません。ちゃんと違いがあります。あそこに何かあります。


 殉職碑、とか?ここは地図にはなさそうです。
 ん?(・ε・;)


 (つД⊂)ゴシゴシ


 (゚Д゚)
 …景色が見える…!?
 あれは巻機山か?いや、巻機山はもっと奥ですな。


 あれは大源太山です。いつか登りに来たいですね。


 恐ろしく歩きやすくなっています。つい数分前の事態が信じられないほどでそりゃあもう(遠い目


 あれは1900.3mピークの柄沢山、でしょうか。やっぱりいずれはあちらの稜線を歩いてみたいですね…。


 この清水峠の悲惨なガストラバースゾーンで右往左往するくらいなら、あっちの稜線を歩いた方がまだマシだったとか、思ったりし始める年頃(じと目黒ハート


 ここ、トラバースと尾根の出合です。清水峠からここまで1時間20分かかりましたよ?冗談じゃない…


 一回脱いでいたアイゼンをもう一回はき直します。


 滝雲に呑まれているピーク。


 滝雲に呑まれている樹林帯。
 ところで、ずっと気になっているのはローパスフィルタのゴミ。家のパソコンの画面が汚れ倒していたので、ゴミがマスキングされて気がつかなかったけど、こんなにヨゴレていたとは…(滅滅滅


 立派な雪の稜線です。まあ、ここまで来たんだから、今さらあちらの尾根のことは言うまい(何


 この清水峠側の公共交通限界地である清水集落のバス停まで、近いと思ったけどけっこう遠くない?


 っていうか、この尾根の雪、けっこう怖くない?


 こう見るとけっこう不気味に割れているという。


 ツルッと逝けばこのまま左側にどこまでも滑っていきそうだし、右に行きすぎたらヅボッと逝ってヅドンと逝ってしまう。


 滝雲のしぶき(?)が飛んできてカメラの枠が定まりませんな。


 これを見る限りではあちらの稜線を歩く方が賢そうですな。まあ、8時の段階ではあそこもけっこうな滝雲の流路になっていましたけどね。


 よし、とっととこの五十里尾根を下りよう。
 ん?(・ε・;)


 ヅドン!
 ブッ¨:∴(゚ε゚;)
 落ちました(滅滅滅滅滅滅


 割れ目の縁に座って…
 ああ青空と冬枯れのダケカンバがきれいだなあ(棒読み


 歩きやすい尾根です。ザクザク下ります。


 膝に優しい軟らかめの雪の下り道でした。


 たまに雪庇とか出っ張っている場所があるので右側には出過ぎないように。


 そして土道に出ましたのでアイゼンを脱ぎました。


 このくらいならアイゼンなくても何とかなります。


 イワウチワ(トクワカソウ?)。


 さりげなく変なところに目印とかついていてけっこう険しい道にいてこまされたけど、まあ、順調に。たぶん。


 ふむふむ、このロープで下りろと。


 ヌオッ(゚皿゚;)
 道、途切れてるじゃねーか。


 雪道でツルッしながら、やっと河原へ降り立ちました。


 これは先週会得した沢突撃の術を使うときですかな。


 沢が深くて右足は靴の中までビチョ濡れになりました(滅滅滅滅滅滅


 そして、問題はこれから。13時40分前後のバスだったはずですが、今12時20分頃。間に合うの?


 グダグダの雪がアホみたいに続いていますが。


 雪無しの道で1時間10分のコースタイム。どう考えてもムリじゃね?


 とりあえず、さっきの沢でもう死んでいるので、こんなせせらぎくらい余裕です。


 それよりもこのタチの悪い残雪の道、何とかならんか。イライラが収まらんわい。


 これ、今歩いている道路(酷道)に上がっていなければあの砂防のところで詰んでいたのではないか?


 何やら人の足跡が。ここで引き返した様子が…


 実はこの砂防、ちゃんと乗り越える場所がありましたね。わざわざこんな荒れまくった道を歩かなくてもよかったじゃねーか。


 雪道も溶けたりして断続的です。マジうぜぇ…


 そこに指導標があります。そっちが清水集落なんて、判っとりますがな。


 終点が見えましたね。そこに看板が…


 ヌオッ(゚皿゚;)
 通行止(右読み)だった(滅滅滅滅滅滅


 もうすぐ…


 下山口だけに登山届用紙があってもなあ…


 13時59分到着。死にましたね。バスはもういないでしょう(じと目


 そこに「巻機山登山口」とかの看板が束ねられていますが、ふうたろうにとってはただのジョークでしかありません(真顔


 13時45分にバスは逝ってしまったところですので(現在14時12分)、次の18時某分かのバスまで温泉や食事にありつけるならと思ってみましたが、この案内板にはそういうのは書いてありませんでした。奥に入ったところとか、枝分かれしているところとかに行きたくないんですよ、しかもあるかどうか判らないものを探すとか、マジ苦行ですか?


 清水集落に入った努力は犬死にに終わり、そのまま通過します(ハイパーため息


 国道291号線。群馬県から新潟県へ。ふうたろうは本来の国道を大きく迂回して峠を越えてきた、と考えることもできますね。


 時折ふうたろうの横を過ぎてゆく長岡ナンバー(たまに名古屋とか八王子とかもいるけど)の車が、スピードを一瞬緩めて走り去っていきます。
 やい見世物やないぞ(棒読み


 スノーシェッドの上から雪解け水が垂れまくっていますああ春ですねえ(棒読み


 カタクリの花が咲いていました。真ん中のやつにピントを合わせようとしたら(マニュアル)左のに合ってしまいました。2回目撮り直そうと思ったけどHPが足りませんでした(爆滅


 沢口バス停まで行けばたくさんバスが出ています(1日8本も)。だから沢口まで歩いています。が、その数百メートル手前のところで軽トラのおっちゃんが送っていってくれると言ってくれました。
 …まあ、ふうたろうはヒッチハイクはできるだけ使わないルールなので、お気持ちだけ受け取っておきました。


 かくしてバス停に到着すると、既にバスがいる…?!聞くところによると、発車は15時20分。今16分(時計で)。さっきのバスでは25分差で死んだけど、今回のは4分差で生き延びました。足洗えるかどうかもビミョーでしたが、何とかふうたろうの足よりは遙かにきれいな水路で洗うことができ、バス乗車。


 そして、無事六日町駅到着。しかし、ハラが減ったし、ずっと買えていなかった北海道の帰りの切符も買わなければ。


 時間はかかったけど六日町駅のみどりの窓口ではまなす号などの予約をして、駅前の食堂に行きました。昼間から酒盛りでやたらとウルサい上にたばこ臭い食堂でしたが、背に腹変えられません。ただ、デザートが充実しているのには驚きです。


 旅が終わりにさしかかっています。晴れていた新潟県もいよいよ雲が多くなってきました。今夜か明日の朝には雨が降りますね。


 何とか峠越えを果たしましたが、下りはエラく苦労させられました。やはり雪の林道をナメてはいけませんね。心のどこかで、「こんなことなら巻機山の縦走路を途中まで行っても良かったんじゃ…」とか思ったりしました。とにかく、こないだの会津朝日岳なみに疲れました。
 #297上州朝日岳クリア。


天気:くもり時々晴れ(群馬県利根郡水上町・新潟県南魚沼郡塩沢町・六日町、上越新幹線など)

  1. kirisame
    4月 25th, 2014 at 23:19 | #1

    今晩は。素敵な写真がたくさんありますね。
    いつだったか5月に馬蹄形くずれを歩いた時、朝日岳山頂付近に荷物の散らかったテントがありなんとだらしのない、と思っていたら遭難者の未回収基地でした。
    いつもながら命知らずの感動モノですねー

  2. ふうたろう
    4月 25th, 2014 at 23:51 | #2

     kirisameさん

     う~ん…(汗
     自分もいつそうなるやら、ですね。ケガなどが回復したら回収しに行かないとですね、そういうのは。

  3. 好漢(ハオハン)
    5月 23rd, 2014 at 08:56 | #3

    久しぶりに、ふうたろうさんの日記読んでます。
    この時季にこの稜線を辿るとは、まさに山キチですね。
    途中で口ずさんだ、早春賦の歌詞がぴったり!

    張られた写真は、ふうたろうさんならではのものでしょう。
    真似もできないですが、経験できない山の様子を伝えてくれます。
    ハラハラ、ドキドキで読み進めましたよ。

    最後の辺り、大きなザック担いで歩いていれば、乗ってけって言う車もあるだろうと、、、読んでいると、なになに?気持ちだけ頂いて、、、それが、ルールか、厳しい!!

    無事な山行、祈ってます。

  4. ふうたろう
    5月 23rd, 2014 at 11:34 | #4

     好漢(ハオハン)さん、こんにちは。コメントどうもです。
     上州朝日岳、予想よりもずっと険しい山でした。そして、帰り道もかなり見くびっていたため、車道歩きをするハメになりました。誤算というか、慢心でしたね(滅
     いえ、すみません。それよりも先にお礼でした。ありがとうございます。
    >真似もできないですが、経験できない山の様子
     最近、夕張岳の集まりで一緒になった人に言われました。「体力も技術のうちだ」と。僕の場合、動力の源泉はどこかは置いておいてもひとは「真似できない」「すごい」etc…といいます。まるで怪獣(笑)のように。まさにハラハラする場面もたくさんありますが、もう少し安全を心がけなければ、と、思います。限界は会津朝日岳の時くらい…。下山しているから笑えるものであっても、いつか取り返しの付かないことが起こるかもしれませんからね。

     それと、ヒッチハイクは、限界まで使わないことにしています。再現性のない登山は基本的にしたくありません。もちろん、ヒッチハイクを請け負ってくださった人と話をしたりするのは楽しいですし、かけがえのないことですが、あくまでも「誰にでもできる」=「再現性のある」登山をしたいのです。だから、可能な限り、です。たまには、「まあ、いいか。」と思うこともありますけれども(笑

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