水の色と桃の木の呪い(大台ヶ原【大杉谷コース】:三重県)
毎週末、晩御飯のメニューをお母さんが考えるかのごとく、どこの山にどんなルートで行くのかを決めるふうたろう。今週やってきたのは、先週の青森県につづいて三重県です。ここはその三重県多気郡大台町の三瀬谷駅前の道の駅です。南紀勝浦行きの夜行バスが池袋から都合よく出ている上、ここから直接町営バスに乗って、大台ヶ原・大杉谷コースの公共交通限界地まで行くことができます。実に楽勝(フラグ
ん?(・ε・;)
‥おい、始発便だけ発着点がこの道の駅ではなく三瀬谷となっとるけど、三瀬谷バス停ってどこやねん( ゚д゚ )
道の駅で掃除をしていたおばちゃんに聞いてもはっきりわからない。ただ、JR紀勢線に三瀬谷駅というのがあって、さっきも述べたとおり、すぐ裏にあります。
とりあえず線路を渡ります。朝飯とIngressはバス停を無事発見してからです。
ありました。三瀬谷駅の真ん前に「三瀬谷バス停」が存在しました。っていうか、ふつうに「三瀬谷駅」っていう名前にしない理由がわからん。
ひとまずバス停が発見されたため、荷物をそこにおいてIngress。‥といっても、三瀬谷駅周辺には歩いていける距離にあるPortalは3個。しかもぜんぶ青。クソリンク用にPortalKeyをとっておく以外、やることなさそうですな‥
三瀬谷駅には煙草臭いトイレがひとつ。朝メシは道の駅の横にあったMaxValuが7時から開店するので、そこで調達する以外なし。巻きずしといなりずしのセット(助六寿司とか書いてあった気が)をば。
ふうたろうが乗って行く大台町営バスはこれです。平日は高校に通う生徒たちで満員らしいですが、今日は土曜でふたりしかいませんでした。
運転手のおっちゃんと話をしながら1時間余。バスが公共交通限界地の大杉バス停に到着。
運転手のおっちゃんの話によると、ここから登山口の近くまで船が出ているらしいのですが、登山センターのスタッフに聞いてみたところ、4人以上いないと動かないそうです(じと目
ま、大都会とかでなければどこを歩いても楽しいでしょうよ。ましてや初めてのところであれば、色々と発見もあろうと。
なお、船が出ているといいましたが、船が出せるような水深のある場所といえば、ダムしかありません。
新大杉橋です。大杉谷コースの登山口はここからまだ2時間弱先です。
この辺りは携帯の電波は通じません。ここで力尽きたら終わりってことですね。
さっきバスから見ていた宮川(川の名前)の水は恐ろしくきれいでした。でも、このダムの水は、表面に灰汁みたいなのを浮かばせながら、形を変えずにゆっくり下流に動いています。
ダム、好きな人は好きなんですよね。ロケーションとしてはたしかに悪くないけど、だからといって好きにはなれませんね。
六十尋滝(ろくじゅっぴろたき)まで来ました。‥が、見る気が起こりませんでした。既にここで大杉バス停から2時間が経っていますから。
川の水の色がいつの間にか水そのものの色を取り戻していました。ダムが終わったのですね。
ふうたろうの横を、何台もの車が通り過ぎて行きました。そりゃ、車使うよね、こんな猛烈に長い車道‥
‥でも、ふうたろうはマイカー禁止(タクシーは禁止していないが、乱用は経済上無理)なので、動力はブドウ糖や脂肪酸などの化学エネルギーで(何
ここのトイレは有料で100円です。10000円札しか持ってなかったらどうすればいいんだろう、とか、いつも思うけど、さすがに10000円しか無いということは、バスに乗るふうたろうにはないです。
いよいよ第三発電所の横を通過します。まさに大台ヶ原最大の見せ場、大杉谷の入り口です。
このコースは暫くの間、土砂災害で崩れて通行不能となっていました。それが何年か前、有志たちの努力のかいあって、復活を遂げたのです。
さあ、みんなが待ち焦がれてやまなかったこの大杉谷、どんなところなんだろうか( ゚д゚ )クワッ!!
岩壁をコの字にくり抜いた道です。これがなければ沢を何度も渡渉して登ることになるだろうことは想像に難くありません。
川の水がきれいです。こんな綺麗な水は普段の生活ではなかなか見られません。でも、ふうたろうがこれまで歩いてきたところでは、これが当たり前の世界です。
大杉谷。ふうたろうの高校時代の先生がここをべた褒めされていたのを覚えています。それはいかほどに‥(フラグ
もひとつ発見。岩に叩きつけられた水がはねて、カメラを構えるふうたろうにビシバシ飛んできます。
今回、PLフィルタを持ってきています。水の青さを表現したければ使わない手はありません。
実際、こんなに水面下の様子が見えることはありません。でも、この水の青さだけはどうしても残しておきたいのです。
‥きっと、空をとぶ鳥は、この水面下の魚を同じようにして捕えているに違いありません。
この大杉谷の濁流に呑まれて沈められたであろう木が、水面の上に出ています。
川沿いの整えられた道をゆく。
‥それにしても、今日の写真はみんな左に傾いている。このカメラは水平を取るのがNikonの時より難しい気がする。
淵に向かって青くなる。でも、さっきからやたらと空が曇ってきていて、色がくすんできているのです(゚⊿゚)
大杉谷は2004年の台風で大きく崩れたそうです。そこかしこ、爪痕があります。
さっきの河原で関西の山の会の人たちと同時に動くことになりました。しばらくご一緒しましょうか。
さて、ふうたろうはコンパスを紛失しています。早く何処かで買わなければ‥
したがって、さっきの河原で人間GPSの位置情報がフラッシュされてしまいました(滅滅滅
ふうたろうが待ち望んでいた大杉谷コース、いかがですかな(自分への問いかけ)。
おお!滝ではないか。
千尋の滝、だそうです。あの上にも川が続いているようです。あの滝の上から下を覗いたらどんな感じなんだろうなあ‥
この千尋の滝のあずまやで、みなさんとお別れです。みなさん、今日は桃の木小屋で終わりだそうですから。ふうたろうは堂倉避難小屋まで行くつもりですから(フラグ
この先、極端に人の数が減ります。やはり、昼に登山口に着いてから堂倉避難小屋目指すというのは、かなり鬼畜なようです。桃の木で終わる人でも、もう着いているか、近くまで行っているか、でしょう。
登山口から4kmだそうです。日出ヶ岳までならまだ10kmあります。堂倉はまだ案内対象外のようであります。
大杉谷、やたらと警告の看板が立っています。知名度はとても高いので、大勢の人がやってくるということでしょうね。
猪ヶ淵(ししがふち)付近です。淵が本当は青くてきれいなんでしょうけど、空がクモッてやがりますのでまったくダメです(じと目
ウスグラいおかげで輝きも失せていてとても厳かに見えます(じと目歯ぎしりヴォー読み
あじさいの仲間のようです(最近花の名前調べるのサボっていますすみません)。
この大杉谷、滝だけではなく、そこら中の岩から水が染み出してきています。水筒のいらないコース‥というと言い過ぎですかね。でも、屋久島のコースよりは水がきれいですから、あっちよりはいい気がします。
ウスグラいので魅力半減(じと目
この滝には名前はありませんが、こういう、間近で見られる小滝の方がふうたろうは好きだったりします。
ついこないだ(数年前)まで、ここから下流側は封鎖されていたのでしょう。でも、それでも、行く人はいたのでしょうね。
不謹慎かもしれませんが、本人が生きて帰る気概、そして死ぬ覚悟があるなら、不法侵入と環境破壊のない範囲でどこにでも行っていいと思っています。その代わり、「探さないでください」の誓約書くらい書く必要はあると思いますが。
そもそも、社会保障などで経済的に弱い者を「自己責任」とかで切り捨てる社会が、この期に及んで「あなたの命守りたい」とか言ってもね‥登山者の山での生命より、下界で生活に困っている人の命救ってやれよ。
写真が右に30度くらい傾いているので怖そうに見えますが、実際はそれほどでもありません。気をつけるこういうところでは案外何とかなります(フラグ
‥こんな滝の写真を撮った記憶が無いけど、時空間的(何)にニコニコ滝っぽい。
川を渡る吊り橋。支流を渡る橋は何本もありますが、本流を渡る橋はそれほど多くはありません。そして見ていれば判りますが、この橋や道がなければ、この大杉谷は日本屈指の難解な沢になるのではないでしょうか。
桃の木小屋のスタッフは何やらせわしなくバタバタしています。ふうたろうが堂倉避難小屋まで行くと言うと、堂倉避難小屋は泊まらないでくれ、と。「ここは特別保護区で規制されている」とか、ここのレンジャーみたいなのをやっているという若いのが言い始めまして。まあ、そこまでは判らないでもないのですが、「調べてから来い」とか抜かしやがりまして。
"oosugidani.jp"ドメインのガイドページでちゃんと見てから来ていますってば。小屋の使用について禁止とは書いていませんから。キャンプがダメなのは理解していますってば。
というわけで、「禁止というなら、ちゃんとページに書いておけ」と言っておきました。早池峰山の山頂の小屋みたいに。
避難小屋は「緊急時しか使わない」という人もいます。でも、使えるものは使う、で、いいと思います。
‥というわけで、桃の木小屋は通過。堂倉避難小屋が泊まれないとなったら粟谷小屋を目指すしかありません。問題はそこが開いているかどうかですが、さっきの桃の木小屋では確認できませんでした(携帯の電波は通じません!)。
ん?(・ε・;)
`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!
あまりにもイライラしながら歩いていて足元の注意を怠ったため、この段差で踏み外してヅドンしました(滅滅滅滅滅滅
右膝を打ち付け、左腕を思い切り擦りむきました(爆滅
こんなことでは粟谷小屋で泊まれたとしても桃の木の呪い(トラウマ)が残ったままになるではないか‥
あずまやがあります。いちおうこれも避難小屋と呼ばれていますが、これはどう考えても休憩所レベルです。
七ツ釜滝、だそうです。
ふうたろう、やっぱり小滝の方が好きです。
被写界深度の問題で、ピントの位置がむちゃくちゃです。もうね、苛立ちと疲れでヤケになってますね。
しかし、足元を疎かにすると、こんなところで転んだ場合、さっきの段差程度の怪我ではすまなくなります。ガチで死亡です。
どこ歩くのか、写真じゃ解りづらいですか?実際はそうでもありません。なぜなら、カメラ構えるだけの余裕があるほどだからです。
そしてここからのルートがきつくなってきます。まずこの巨大な岩ゴロゴロゾーンですが、右岸側の崖が崩落してしまったためにできたものです。
ここは落石などが危険なため、速やかに通過するよう看板にもありましたが、疲れていて速やかとかどんな罰ゲームだと‥
さっきのゴロゴロゾーンを過ぎたら打って変わって穏やかな河原。
もうね、ここでテント張って寝たいわ‥
って、今回はテント禁止なの知ってたから持ってこんかったわ‥(遠い目
っていうか、すぐ裏が崩落地とか、ロシアンルーレットかっつーの(゚⊿゚)
このピンク色のユリは‥?ヒメサユリではなさそうです。ササユリ(ユリ科)ですかね?
光滝の右岸の急登を上がった先に再び吊り橋があり、その奥に隠滝があります。この写真は本当に45度くらい傾いていました。ふうたろうの体力も精神力も尽き果てようとしているようです。
堂倉小屋2.1km。でも、垂直方向を含む2.1kmであることが、地図から判ります。
大きな滝と滝壺。日が差せば、文字通り「水色」が見えるはずです。でも、空は今にも降り出しそうなくらいクモッています(じと目
堂倉滝と堂倉避難小屋との、丁度中間地点です。しかし、もはや脚が上がらないという‥
思えば大杉バス停から20kmほど、延々と歩いてきたわけです。上りの20kmは厳しい‥これに匹敵するのは、あの鳥海山(山形県)のリセットボタン付き(駅から海岸まで歩いてから、また山頂を目指す)のゼロメートル登山くらいではないか‥
中の看板に書かれてあることが「緊急時以外使わないで」ではなく「緊急時には自由に使って」という感じです。たしかにこの小屋にはトイレが付いていないため、多くの人が押しかければ糞尿による環境汚染が広がるかもしれないですね。緊急時以外も使うのは、実質的にも望ましくないかもしれない。
さて、発電機の音が鳴り響いている粟谷小屋。恐る恐るドアを開けると‥
結果オーライ!いい小屋です。人もごった返していないし、静かだし、風呂まで付いています。いちおうここは林道で繋がっているため、物資などは車で運んでこられなくはないようですが、悪路だそうです。
素泊まりは6000円。自炊場所は残念ながら外。雨が降ってなくてよかった、というしか無い。
夜、ふうたろうは毛布にくるまりながら地図を見ていたら、寝落ちしていて、その間に消灯していました。疲れていたのですね‥我ながら、おつかれっす。
明日は日出ヶ岳に上り詰め、大台ヶ原に散らばるPortalをぜんぶHack、キャプチャすることにしています。でも、雨の中だとつらそうだなー(天気予報が変わってしまった)。
天気:くもり時々晴れ(三重県多気郡大台町・宮川村)