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山への愛に気がついて(高越山【阿波山川駅から高越寺・つつじ園経由、阿波山川駅へ戻るコース】:徳島県)

2016年 3月 21日

 HPはともかく、MPは回復しないまま、朝。というか、予想通り、目覚ましなんか必要ないくらい早く目が覚めました。
 ここは徳島駅改札口。予定通り、高越山に登りに行きます。
 ‥言ったはずです。寸又峡の天狗石山と智者山に登った時に。
 "山は人生を凝縮したようなものなのかもしれませんね。だから、ふうたろうがどんなに自信を失っていても、這ってでも行こうとするのかもしれません。"
 ‥だから、行かなきゃきっと後悔します。


 それでも、改めて一人で行くのが、こんなに寂しい気持ちになるとは、あの黄金時代のふうたろうには、想像すらできなかったでしょうな。


 電車に乗って阿波山川駅を目指しましたが、気が付いたらひと駅乗り過ごしていました。眠っていたのですね。ちょうどすれ違いの逆方向の電車が来たので、運転士のおっちゃんがうまく誘導してくれ、助かりました。
 ‥なんだろう、こんなに人の助けが嬉しいと思うとき、最近本当になかった。


 あらためて阿波山川駅到着。近くに緑Portalがあったのでひとつ潰していきます。それから出発。


 晴れ予報だったはずなのに、雲が多い。右奥に見えるあの高越山は雲の影に黒ずんで見えます。いったい、今日はどんな山行になるのでしょうか。


 民主党のポスター。
 ええ、ふうたろうはもちろん、民主党支持者ではありません。でも、これを見て思ったのは、「民主主義が戻ってくるなら、どこでもいい」でした。話し合いのできない、筋の通らない社会は、そのまま不幸と貧困につながっていくと思うのです。


 駅から高越山の登山口目指して歩いています。しかしその前に一箇所郵便局が白Portalになっているので、キャプチャしていきます。


 ‥とてもさみしい。目の前のものがよく見えないほど、寂しい。
 でも、よく考えてもみなさい。今ふうたろうが歩いている場所は、一人じゃなきゃ歩けない場所ですよ?あの黄金時代のふうたろうは、進んでこういう場所を歩いていたはずです。


 ほら、空も晴れてきた。立ち止まって川を眺め、写真を撮るのは、Nちゃんの車で来ているとした場合、まずできないでしょう。


 さて、登山口はどこかな、と探しているのですが、どこでしょうねぇ‥


 進んでいるとありました。Ingressのスキャナを見ていると、登山道にそって光の粒が連なっているので、おおよその見当が付く場合があります。


 さあ、行きましょうか。‥でも、ハラが痛い(滅滅滅


 ふうたろうはずっと寂しさに押しつぶされています。これほど苦しい山行は、かつてしたことがないほど、苦しいです。


 そして、これほどジタバタと必死に写真を撮ろうとするのも、実に久しぶりです。


 眺望はあまり良くありません。


 そして、似たような景色(樹林帯と鉄塔)が延々と続く上り坂‥


 看板にある高越寺方面に行きます。


 見晴らしの良い場所にでてきた、と思っても、ここは登山道の半分程度です。駅からならば4分の3ほど来たと言ってもいいですが、まだけっこうありますよ。


 轍があるので、車でも来られるのでしょうか。いいえ、ふうたろうはそれでも歩いていきます!


 ここは桜が咲いたら、花見もできるのでしょうか。
 ‥ふうたろうは、桜の花を咲かすことができるのでしょうか?


 進みましょう。がむしゃらに。


 地図にもはっきりと描かれている池があります。何の池でしょうかね‥


 立ち枯れて腐った木です。


 先ず合掌
 ならば、ふうたろうも合掌。


 高越寺(こうつじ)。何事もなく着いたように見えますが、ふうたろうの心は押しつぶされっぱなしです。写真の見かけのような爽やかさは全くありません。


 高越寺境内。
 この時点で、彼女と一緒にこの場に立ちたいと思っていたか、正直覚えていません。そこまで考える余裕すらなかったか?


 でも、不思議と、写真を撮ることだけは忘れていない様子。Ingressも事前情報でPortalがないことはだいたい判っていたのでそれほど気にかけずに済んでいますし。


 ここで何か祭事があるようですが、どうなんですかねー


 一等三角点と最高峰は分岐しています。まずは一等三角点を踏んでからのほうが、尾根を抜けて行くなら、いいかな。


 一等三角点は展望なしです。


 ここが最高点です。
 本当にきつくて、きつさを一歩引いて見ても、すぐに苦しさに引き戻されるほどです。おい、ふうたろう、早く立ち直れよ!


 せめて、展望がほしい。ふうたろうは、展望がほしいです。


 今日は本当は半平山(はんだいらやま)まで縦走したい予定でいました。でも、距離的にも時間的にも体力的にも精神力的にも無理っぽいですね‥


 奥の院に向かいます。この辺りはあの長い上りと違って、明るいですね。


 奥の院、かな?


 なあ、ふうたろう?まだ寂しいか?
 ‥よし、後でちょっと休もうか。


 まあ、今はとりあえず、休む時じゃないから、進もう。


 今日の幸、か‥
 ‥ふうたろうの今日は、ちょっとやそっとじゃない、辛さがあるよ。
 でも、山には感謝するんだ。


 ‥ふうたろうは、ここに着いた途端、無性に腹がたちました。なぜ、こんなに不幸そうに生きているんだ!って。他のみんなは普通にできている(ように見える)ことができないんだ!って。


 誰でも(石像でも)いいから教えてくれよ、ふうたろうは特別異常な病気人間なのか?楽しいはずの恋愛状態だろう?なんでこんなにキツいんだよ?


 明るさが少しだけふうたろうを楽にします。今日の精神状態ではあの植林帯の連続はそぐわなかったのかもしれませんな。


 あの岩には「立石峠」と書いてありますかね?


 ‥そう、ここは車できて高越寺に参るために駐車するところです。この山も、車で来ればだいぶ楽に登ってしまうことができるのです。
 でも、ふうたろうの山行は、「山は山道だけにあらず」ですよね?駅までが登山なんだから!


 剣山系がちょっと見えるようですが、もう少し見えるところがほしい。


 枯れ木のつつじ園です。今のふうたろうにはお似合いかも。でも、その枯れ木は、本当に「枯れ」てはいませんよね?


 だだっ広いところに出てきましたね。駐車場まで車で3分とかあって、それだけでも寂しさを誘発します。でも、たった1ヶ月以上前は、それが当たり前で、ずっと誇りに思ってきたことだったはず。


 さあ、ふうたろうよ、ここで少し休もう。
 剣山系の山々がよく見えるよな!2007年の暮れには31個目の百名山、剣山に登って、三嶺目指したけど、吹雪にものすごく苦労したよな?生きた心地しなかったよな?下山しても正月の上に大雪でバスもなくてさ、地元のタクシーの運ちゃんがさり気なく表に出てきてくれて、阿波池田まで案内してくれたよな。
 2012年11月には三嶺から剣山への縦走を果たしたよな?一日目は雨だったけど、二日目三日目は天気比較的良くて、いい山行だったよな。天気が千変万化するから、雨と霧氷といろいろな風景も楽しめたんだよな。3日間ガッツリ歩いて、徳島から夜行バスで帰ったんだよな。
 2回目の頃は、本当に山の黄金時代だったな。まるで山のことを恋人、いや、伴侶のように思って、毎週のように機嫌を窺いながらだけど、会いに行ったよな。西へ北へと。他の誰かに会うことなんてまったく考えずに、ひたすら数年間、会いに行ったよな。
 大好きだったんだよな、山のこと。
 愛してたんだよな、山のこと。
 どんなにきつい山でも、嫌なことがあっても、たまに見せてくれる笑顔が嬉しかったよな。いや、きつさや嫌なことひっくるめて、全部好きだったよな。うん、その感覚、よく覚えてる。だから、あの時のことを「黄金時代」と呼ぶんだよ。
 ふうたろうはたしかに、山を愛していた。今は、Nちゃんという最愛の人が現れて、山のことを今までと同じように愛する余裕がなくて、心境もガラッと変わって、新たなフェーズに来ているんだよ。
 今は悲憤慷慨するがいい。いつか、Nちゃんと螺旋階段を登ってきた時、また、山に戻ってくる日が来るさ。


 ‥ふうたろうはすこし元気になりました。下山しましょうか。


 なんか、道路じゃなくて、山道下りたいな、ってことで、斜面に見えていた山道へ突撃します。地図にはないけど、行くんです。なんとかなる!


 砂防ダムの溜水にアオミドロとカエルの卵が淀んでいました。何気ないところに被写体ってものはあるのでしょうけど、ちょっと、樹林帯が暗いですなぁ。


 殺風景?そうかもしれません。でも、この風景も、あの樹林帯も、剣山の景色も、まるごと好きですよ、ふうたろうは。


 ‥だよね?Nちゃん。強度や次元は多少違うだろうけど、基本的には愛だよね、きっと。


 まるごと好き。
 山に対してそう思っていた自分に気がついて、ふうたろうは泣きながら歩くしかありませんでした。たった一人、この荒れ地を、悲しくてではなく、歩く。悪い気どころか、心地よささえ感じます。


 おや、これはどちらに進むんでしょうかね。


 林道を上ったり下ったりするので、どちらが下山方向なのかわからない時があります。


 まあ、ここまで来れば勘ですかね。


 少しずつ下山しているようです。何だか、ふうたろうらしい気がして、自分でも嬉しい。


 荒れた涸れ沢を横切って進むと‥


 舗装路。もう、大丈夫かな。


 驚いたことに、さっきふうたろうが歩いてきたところは、高越寺に向かう登山道にあたるようです。そこのちっこい看板に書いてあります(有効だとは言ってない


 ‥街はまだまだ遠いです。
 ん?(・ε・*)


 何と、目の前で軽トラ(地元徳島ナンバー)の中から出てきた人が、空き缶みたいなものを捨てて行きました。この沢はそういうとんでもない輩のゴミ捨て場になっているようです。


 そんなゴミ捨て場になっているところの水なんて、手にする気にはなりません。なぜ、ゴミをわざわざ捨てるか?


 こういうところでゴミを捨てることが、人道的にも法的にもアウトなことを解らないバカもいれば、根拠の無い劣等感でウジウジしている阿呆もいるものです。
 人間は、もっと強くなれないのか。


 あの下の方に見えている道、ふうたろうがこれから歩く道、だよね?
 ‥ふうたろう?どうだ?自分らしい登山している気になってきただろ?


 道路脇の空き地に腰掛けて、昨日の夜ネカフェに行く前に買った「せとか」(柑橘類)を食べます。このせとかはかなり美味い柑橘で、四国地方でこの時期にしか手に入らないのではないですかな。


 のり面というか、コンクリートの壁に生い茂ったシダ植物。


 地図から外れたので、今どこにいるかわからない。
 ‥「寂しい」を連発して、Nちゃんには悪いことしたな。


 徐々に迷いがなくなってきたような、まだ迷っているような、そんな感じで駅に向かって歩いています。


 薬草染料栽培園?ちょっと興味ありますが、なんか、立ち入れそうな気がしないのでパスかな‥


 もうすぐ咲きそうですね。


 高越山の上りの尾根が見えてきました。やっと一周してきたのですね。


 公共交通のみで攻略するふうたろうの長い車道歩き。無心に歩くのも、思えば悪くない。


 ここ、Portalのために左側から来たのですが、今度は正面の橋を渡って、まっすぐ駅に向かいましょう。


 今回、車道だけで10kmくらいは歩いたのではないかと思います。でも、ふうたろうはあえてそれらも山行での歩行距離に加えています。
 ふうたろうの信念では、登山口は、登山だと自分が決めたところから、ということになっています。それだけは譲りません。


 なので、今回は、阿波山川駅から始まって、阿波山川駅に戻ってくるまでが全て、山行です。


 そして、ふうたろうの山行では、下界もゆっくり歩くので、発見があることがいいのです。そこで見つけた素晴らしさは、ふうたろうにしか見えない宝石ですから。


 滅多に見かけない、免許証で購入できるタバコの自販機。タバコ自体はなくなってほしいけど、Taspoの制度には疑問を抱いたなぁ‥


 戻ってきました、阿波山川駅。朝のどんよりした雰囲気とは随分違います。ふうたろうの心は晴れきってはいませんが、昨日の午後から今朝にかけてのひどい状況を思えば、随分良くなりました。


 今日、Nちゃんと付き合って初めて一人旅です。一緒にいたいと思う人が隣にいないだけでこんなに寂しいんだという驚きと切なさは、ある意味発見でした。300名山時代はあれほど人を遠ざけてきたふうたろうが、です。
 でも、ひょっとしたら、あの時も誰かの手を求めていたのかもしれません。ただあのふうたろうの300名山についてくるような人はいないと思っていました。Mariさんとの付き合いはありましたが、結局付いてくるような人ではなく、別れました‥。
 Nちゃんはそういうふうたろうの山行にも、時間さえあればついてくるような能力を持った人です。そしてふうたろうはその人を愛してしまいました。そうなった今、山を今までと同じように愛し続けることはできないでしょう。でも、彼女を連れて、ふうたろうは必ず戻ってきます。違う形での愛をもって、山に戻ろうと思います。
 FD:1時々2
 UC:1(若干2?)


天気:晴れ、午前中時々くもり(徳島県徳島市・阿波郡山川町)

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