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無限小のベクトル

2019年 9月 16日

 体力ガタ落ちになったふうたろう(体力だけならいいんだけどね)は、これから折立に下山です。2009年10月に登ったときには中途半端な景色と行程に終わった黒部五郎岳くらい行ければいいのですが、筋肉痛ひどいし、食料尽きかけだし、そもそもポータルが青くなってしまってやる気出ないので、行きません。またいつか、緑になったら、行くかもしれませんね(じと目


 昨日夕方話をしていた4人組の人とまたここで会いました。なぜか酸化マグネシウムみたいにきれいに燃え尽きた感のあるふうたろうを気に入ってくれたようで、写真を一緒にとってほしいのだとか。
 山に登らなくなったふうたろうに、価値はないぜよ。


 では、初折立、お願いします。


 昨日は気象プログラムがバグって連休中日にもかかわらず晴れた北アルプスでしたが、今日はすでに下り坂。薬師岳山頂は、おそらくガスって何も見えないんでしょうね。


 東の空に薄雲(巻積雲)やら層雲やらがウロウロしていて、このあたりも日当たりは悪いです。


 でも、西方面はすこぶる天気がよく、雲海です。まさに奇跡ですねぇ‥1月の成人の日の連休に東北日本海側が晴れ続けたアレには遠く及ばないですけどね。


 ところで折立の登山道ですが、登山者が多いのでしょうか、ずいぶん道が摩耗しています。この柵の向こう側はどう見ても湿原なのですが、手前の登山道は砂地ですよね?これはひどい。


 さっきの雲海の写真にもありましたが、月がまだきれいですね。
 ‥そうでしたね、山に集中して登っていると、色んなものや現象が、五感を通して身体の中に飛び込んでくるのでしたね。そんな感覚、忘れていましたよ、とうの昔に。


 もう、薬師岳からの展望は見込めないでしょうなあ、残念だけど。ふうたろうは昨日のうちに行けてよかったけど、今日しか行く機会のなかった人たちは、無念ですね‥たぶん。


 110リットルのザックを担いで初見の場所を歩いています。そういう登山自体、もういつぶりでしょうか。去年の7月の海の日の連休には燕岳から槍ヶ岳、西鎌尾根、新穂高を通りましたが、それらはすべて通ったことのある場所でした。それより前といえば‥旭川市で入籍する直前に歩いた大雪山の一部、トムラウシのトムラウシ温泉コース、ですか。それ、2年前ですね。しかし、一人旅で、となると、もっと大昔になります。2015年9月の蝶ヶ岳のとき以来じゃないか。
 そりゃ、技も心も退廃します。


 だから、ここを歩いていると、何故か涙が出てきます。


 歴史にタラレバはありません。革命は、起こってからでないと、わからないことだらけです。進んだ道を戻っても、それは文字通り戻っているのではなく、往復しただけ。距離は無限小のベクトルを合計したものの絶対値ですから、マイナスはありません。


 しかし、本当の革命とは、それ自体が無限小の大きさを持ったベクトルです。だとしたら、それが一本の道となるならば、革命を繰り返して、より良いものにするしかないです。
 ‥念のため、個人的な革命の話ですよ?共産主義革命とかも、ふうたろうは同義だと考えていますが、ここではそういう話ではありません。


 このあたり、登山道の浸食、洗掘が激しくて、かなり植生がダメージを受けているようです。さっき、ひどいと述べましたが、なるべくしてなったものであり、登山道は登山道として割り切った考え方をするのもありじゃないですかね?これが尾根全体に広がるとかなら別ですが。
 ただ、こうして植生を回復させるからには、その後、保護を続ける手立てがいるでしょう。このネットがかかっている部分が浸食されたのはなぜなのでしょう。


 真正面のあれは鍬崎山?


 このあたりの登山道、遊歩道化しています。まあ、これが浸食を拡げない有効な手段となるのなら、これもありですね。


 椅子に座って休憩。‥していたら、ふうたろうの前を歩いていた人と少し話をしました。大阪から来て、名古屋(愛知)の人と一緒に歩いているのだとか。
 それにしても、心洗われる雰囲気です。こんな道がずっと続けばいいのに。


 でも、ベクトルの連続とは、位置を変えること。位置が変われば諸条件もだいたい変わります。歩くこと、進むことの宿命、です。以前のベクトルが、次のベクトルの準備をする、これ、よく言われていることですから(ぇ


 ただ、よいベクトルほど、次に良い位置をもたらしやすいです。ふうたろうみたいにテントのポールダブルで持ってくるようなことをやっていると、ただただ辛いだけです(滅滅滅


 このベンチのある1869.9m地点は、みなさんの休憩ポイント。ここから先(下山方向)はほとんど樹林帯になります。


 下っていくと洗掘がより激しくなってきます。


 非常に歩きにくい。これ、なんとかできないか。それとも、なんとかする必要があるのか。‥わかりませんね。最適解(理想)がふうたろうにはありません。


 そうこう言っているうちに、あっという間に折立です。太郎平小屋を5時半に出発して3時間ほどです。ゆっくり歩きましたしね。


 登山口のトイレ。すぐ横にはコカ・コーラ社ラッピングの自販機が。


 昨日のうちにこの折立のキャンプ場まで来ることも考えました。今日をラクにするならそれもありだと。でも、今朝のタイミングで折立のルートを歩いて、よかったと思います。これは、直感的に、いいベクトルを選んだかな。


 ところで、折立から街に向かうバスですが、極稀に乗れないこともあるそうです。その極稀なアタリくじを引いてしまうことになるのかどうかが、ここで問われることになりそうです。ふうたろう以外にも10人前後、そのダイス(サイコロ)を振らされることになっています。
 今年の1月の連休の連続気象プログラムエラーで一生分、いや数世代先の運まで使い果たした自信があるので、けっこう怖いです。


 とりあえずバスの発車が9時50分なので、登山靴脱いで、残った飲料水で足でも洗って、スリッパに履き替えましょうかね。
 そういえば最近は、腐った魚の汁みたいなニホヒはしなくなりましたね、足。まあ、連日風呂に入れないようなお出かけはしてないからだけどね(滅


 折立はいたれりつくせりの登山口だと思っていたのですが、これけっこう辺境の地にあるものなのですね。上高地や新穂高とはやっぱり違うっぽい。


 なんか、タクシーが、バスからこぼれ落ちた肉塊(滅)を運ぶためのスクワットを始めたようです。
 ‥と思ったら、予約されたタクシーらしい。有峰口駅(富山地方鉄道)まで12000円程度で行くらしい。


 駐車場情報も多少はね。
 ‥ここから太郎平までのMissionを作って、またやりに来よう。そして、水晶岳のMissionができるといいですね。


 有峰口駅。何の変哲もないハイパー田舎駅ですが、こないだの剣山の玄関口の貞光駅(徳島県)よりも玄関口らしくないですが、バスから排出された人々がホームにたかっています。あまりキャパシティなさそうだし、もっと大きくて駅前の道も広いところを発着にすればいいのに。


 そして、そのキャパシティがでかい富山駅に着いたら、雨がドヴァドヴァ降っていました。まあ、山で基本的に降られなくてよかったんですけど、もうちょっとなにか遊んだり飯食ったりする条件、欲しかったかなーとか。ま、末代まで運使い果たした奴の言うことではないですかね。


 富山駅はキャパシティもデカイですが人もそれ以上に多くて、特に駅ビルの中に入っているショッピング街は毒の沼地のようでして、ふうたろうは鱒寿司をさっさと買って、食事をゆっくり楽しむことを諦めました。
 ところで、鱒寿司の原材料名には、米はもちろん、酢や酒の原料米に至ってまで「国産」を書いてあるのに、メインの「鱒」についてはどこ産とも書かれていません。でも、「書かれていないものはイコール言いたくない」ものだと思いますので、あとはお察しくださいということですね‥
 それにしても、日本国産であることがブランドになること自体、食糧自給の態勢がおかしいと、ふうたろうは思うの。


 さて、北陸新幹線で大宮まで向かうのですが、何とまあ、非効率的な動きをすることでしょう。リニアで南アルプスをぶち抜くくらいなら、長野(上田)から北アルプスぶち抜いてもよかったんじゃない?具体的な地質のこととかはしらんけど。
 個人的には、従来どおり、越後湯沢から特急はくたか(新幹線のはくたかじゃないよ)を乗り継ぐので十分ですた。北陸新幹線、自由席特急券で乗れる車両少ないし。


 久しぶりの縦走、まあまあ、楽しめたと思います。色々振り返ることもできましたし、初見の折立も歩けましたし。こういう登山、ちょくちょく再開できればと思うのですが、もう後戻りはできませんから、なかなか、ね?
 今日はIngressの話をほとんどしませんでした。考えてもみたら、あんなマニアックな、しかもゲームなんて、解説しても誰もわかんねーよ、って話ですからね。あれについて書くのは、もう今回で終わりにしましょうかね。今後、本気で自分で楽しめた旅や山についてだけ、この日記に書いていこうかなと思います。


天気:晴れのちくもり、富山市などでは雨(富山県富山市、ほか)

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