Home > 未分類 > チームワーク

チームワーク

2007年 3月 29日

 今朝はちょっと気分が悪く、朝ごはんを躊躇しました。しかし、食べて、何とかなり、出勤。プリンペランは飲んでいません。
 今日の農薬抽出サンプルは9件。多いように見えますが、最近スピードに磨きがかかっている(自分で言うのもなんだが)ので、早く終わります。昼飯前(14時半)には作業の9割以上が終了。
 写真は、サンプルの抽出液とかすをろ過で分けているところです。
 その後ろで、八ヶ岳や武尊山に一緒に行った仲間が、GC/MSのマトリックス効果のことで色々悩んでいました。
 僕も作業が終わってから彼の考察に参加してみましたが、なかなか奥が深いものです。
LC/MS/MSによる農産物中の残留農薬一斉分析法について(高知衛研報)
 この論文の中に書いてあることを色々検討していました。仲間の彼は、勘違いして理解していたそうですが、それが意外と良いアイデアに繋がりそうです。うまくいくといいなぁ。

 ところで、僕がやっている作業。頭をあまり使わない作業のように思うかもしれません。そして、僕は何となく最新機器を触っている仲間の彼に後れをとっているように感じてもいました。でも、それは違いました。抽出作業があって、機械での分析がある。これは当然です。更に、抽出作業にも実は技術が必要なのです。手作業だからね。
 両方を大事にできない奴は、分析ができないということだな。こないだの定期演奏会のようなときに同じ思考回路でやってたら、オーケストラは成り立たない!
 ま、それがチームワークってことやな。ほ。

天気:晴れ(東京都板橋区・茨城県取手市)


マトリックス効果について

 マトリックス効果とは、サンプルの中に溶けている農薬以外の成分(油・葉緑素など)が、農薬成分の測定を妨害し、実際含まれている量よりも多いあるいは少ない量をデータとして出してしまう現象の一つです。農薬が溶けている液体をガスクロマトグラフィーのしかるべき空間に入れると、気体になり、細い管(カラム)の中に流れていきます。しかし、油や葉緑素などの成分はその空間の壁に残ってしまうことがあるそうです(農薬成分も一部は壁に取り残されると言われています)。その結果、壁に取り残される農薬が、汚れ成分(油など)の少ないときよりも化学論的・確率論的に減り、相対的にカラム(管)の中に流れる農薬成分の量が多くなります。これが、僕が見た、マトリックス効果の解説です。そのため、加えた量よりも多い量の農薬が測定されるという信じられない現象が起こります。
 奥が深いことには、野菜の数だけ、サンプルの数だけ、マトリックス効果の現れ方は変わるし、「空間」の壁の汚れ具合は、どんなサンプルをどんな順番で打ち、どんな風に作られた検量線(濃度と視覚的な数値[農薬が機械のある部分に触れたときの電気信号の強さ]をy=axの式で表した直線。サンプルの濃度を決めるのに必要)を使ったかでもマトリックス効果は変わるのです。

 縞模様の写真はマトリックス効果とは関係ないけど、日暮里駅のトイレに入ったら鏡の銀鏡がこうやって錆びてたので、撮影してみました。

Comments are closed.