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Dr.コトー診療所

2007年 5月 31日

 昨日の夜、一週間前から古本屋で買い集めてきたコミックを一通り読みました。ン~…、コミックだから、読んだというより、見たという感じかも。
 ま、そんなことはいい。読んだコミックは、今日のタイトルの通り、『Dr.コトー診療所』(山田貴敏 著 小学館)です。
 ある理由から、主人公である五島健助(コトー)が古志木島(鹿児島県の下甑島(しもこしきじま)をモデルにしている)の診療所に来ます。最初は、今までの医療体制のこともあり、コトーは信頼されません。しかし、十分でないシステムながらも、急性盲腸炎や大動脈瘤、脳挫傷などの難しい手術をこなし、島の人から信頼を得ていきます。
 彼を側で支えてきたのは、島民である星野彩佳(ほしのあやか)という看護師。もっとも、コトーにとっては、島民全員が支えになっていたのですが。
 そんなコトーたちをとりまくストーリーです。

 医師はコトーただ一人。最初は医者を信頼できないという漁師の、その息子、タケヒロが急性盲腸炎を起こして、瀕死になりました。漁船で6時間以上かかる本土の病院まで行くと言う父に対して、コトーは命が持たないと宣告しました。けっきょく強引に船の上で手術を成功させます。これが島民の信頼を得る一つの切欠になりました。
 次に現れた、大動脈瘤のおばあさん。手術に大量の血液が必要になりましたが、患者であるおばあさんはもちろん、島民の殆どがまだコトーを信頼していないため、集まりません。しかし、タケヒロの急性盲腸炎を助けて得た信頼が、救いになりました。無事、手術成功。
 …とまあ、この調子で大病の多発する島で次々治療を行いながら「島民」と同化するコトーでした。

 島の外からコトーのことを脅かす人たちもたくさんいました。雑誌記者、コトーが離れた大学病院の医師たち、など。
 …でも、結局、みんな医療を通して、人間的な繋がりを取り戻していきます。

 このストーリーには、「絶対悪」はいません。船の上で強引に手術をしようとしたコトーを「失敗したら鮫のエサにしてやる」と言った漁師・原も、大動脈瘤が見つかっているのに治療を拒んでいたおばあさん・内も、妹をコトーたちの医療ミスで過去になくしてコトーを恨んでいたジャーナリスト・巽も、コトーのことをねたんでいた大学病院の医者・三上も、それぞれの過去・事情がありました。しかし、彼らはそれらを克服することが出来ました。そして、彼らは自分のために、周りの人のために、またコトーたちが困ったときはコトーたちのために、共に色んな困難と闘いました。
 「奇跡と感動の離島医療物語」
 …と、表紙に。確かに、ストーリーのように重大な病気が多発してたら島民はとっくに死に絶えている気もしますが、そんな奇跡を通して、人の心が動く(感動する)ことを表現したかったのだと思います。「人は変わる」「悪者はやっつけてしまえばいい」と思考停止していた僕には、衝撃の物語でした。
 最初の0の状態から、気が付いたら子どもから老人まで、厚い信頼を得られたコトー。フィクションですが、「人間捨てたもんじゃない」と、改めて思いたくなるストーリーです。
 でも!このコトーと、彩佳は、もっとお互い素直になれ!!

 今日は純生「読書感想」でした。

天気:くもり時々晴れ、朝と夕一時雨(東京都板橋区・茨城県取手市・千葉県松戸市

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