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カレーのかすがい(丹沢山・蛭ヶ岳:神奈川県)

2007年 6月 2日

※記録:6月3日

 6月の山行はかなり久しぶりです。梅雨に入り、雨が多くなる6月の山行はとても勇気がいります。
 …が!どうしても、行きたい。ヤマキチそぞろ神が暴れ始めました。
 というわけで、今日は丹沢山。職場の仲間Sくんと共に、早朝出発。

 朝3時20分起床。出発日の起床時刻は山行中よりも早い。目的地駅の小田急線渋沢駅まで、とにかくグースカ。
 さて、何とか予定どおり、大倉登山口から登山開始。しばらく登ると、観音茶屋という休憩所。まだ9時にもなっていないので、支度中です。働いている姿がすてきだったので、撮りました。


 丹沢山の玄関は塔ノ岳。南から丹沢山塊の奥に入るにあたってここを通らずに行くのはかなり辛い。目指すは塔ノ岳です。


 歩いてどのくらいでしょうか。見晴茶屋。丹沢山は有名なハイキングコースですが、それゆえに楽だという証明にはなりません。結構ここまで来るのでも、キツいですよ。


 塔ノ岳までの坂はおしなべて急です。


 丹沢は秋に来ると紅葉が美しい山なのでしょうね。至る所に楓が植えられています。しかし、中心は針葉樹。ここの極相(最終的な樹林の様子)は楓ということでもなさそうです。あくまでも整備したという感じです。


 整備といえば、道の方もなかなか。丸太で作った階段がずっと続きます。これが足に響きます。Sくんも僕も、疲労が既にたまり気味。


 堀山の家という小屋(素泊まり3000円くらいだったか)の側に、ジュース売り場があります。破格の100円。小屋番の登山客に対する労いか。
 ここで、高齢の男女のパーティーとちょっと交流しました。常連のようで、このジュース売り場はいつも利用するとのこと。


 中身は全部アセロラドリンク。クエン酸・リンゴ酸などの酸味が、クエン酸回路を活発化させます。糖新生で失われたオキサロ酢酸を結果的に補います。要するに、疲労回復するということです。
 でも、カルミン酸(虫の絞り汁から採った赤色色素)は要らないよねぇ…。


 花立山荘。そうそう、今日の天気はちょっと怪しいですね。ものすごく低い雲がかかって、景色は台無しです。まぁ、山の風物だといわれたらまた一理はありますが…。
 ここではまたかき氷が売られています(400円)。Sくんはそれに飛びつくことになりました。


 花立山荘から塔ノ岳はやっぱり森の道。しかも、ガスは依然濃い。黙々と登るしかない。そして、塔ノ岳頂上もやっぱりガスが濃い。もうダメか!!


 しかし、数秒にして天候は激変。周囲が晴れ、日が射します。遠くの丹沢山なども見えます。こうなって初めて解ることですが、南から上がってくる湿った空気がガス(雲)を作り、西風がその雲を運ぶ。ちょうどその雲の切れ間に来た僕らはラッキーです。


 塔ノ岳は展望がとても良い。西側にはずっと続く丹沢山塊。ガスがかかってるけど、遠くから見るとまたそれもそれできれいなんですよね。


 この季節の丹沢は、ツツジがきれいです。これ、ピンクのツツジ。


 白いツツジもあります。シロヤシオと言われていますが、白いヤシオツツジという意味でしょうか。


 塔ノ岳から丹沢山までの稜線を歩いていると、山腹にツツジが点在しています。緑にピンクのアクセント。


 それにしても、ほんとに新緑が美しい。ガレ場もいいけど、森もいいね!


 シロヤシオの花びらが一面に散っています。でも、ピンクのはそれほど…。微妙に種類が違うせいなのかな。


 ここは何気に丹沢山。でも、展望も何もないしょぼい百名山。Sくんは休憩所のテーブルの上でバク睡していましたが、僕はちょっとだけ散策。
 イロハカエデ…?この先、このタイプの楓をたくさん見ることになります。落葉広葉樹は葉っぱが薄いから、陽に透かしてみるときれいです。


 丹沢山山頂、コバイケイソウ(ユリ科)が群生しています。7月頃になったら満開かな。


 丹沢山から蛭が岳の道は、晴れていると展望が良さそうなのですが、いかんせん、ガスが濃く、視界はゼロでした。一瞬ガスが晴れたようにも見えたりするのですが、すぐに曇ってきます。しかし、ガスがかかっているのはどうも稜線だけのようで、時折見える山腹の方は日が射しているみたい。…景色が見たい。


 蛭ヶ岳の山小屋(蛭ヶ岳山荘)で一泊(素泊まり)です。僕らはスパイシーカレー作り。調理室がなぜか喫煙所になっていて、禁煙者・喫煙者両方にとって大迷惑な構造。しかも、宴会・談笑しているだけの人が陣取ってるしさ…。
 ま、ちょっと大変ではあったけど、とりあえずスパイシーカレーの完成。たばこを吸いに来ていた人たちや同じ自炊組の人たちにもお裾分け。みんなとちゃっかり仲良くなって、カレーが僕らのかすがいになりました。みんな来てくれてありがとう。
 いつの間にか、タバコのにおいに代わってカレーのにおいが占拠していました。


 夕方になるとガスが晴れてきました。食べ終わってから外に飛び出しました。
 さっきまでの曇りは何だったんだろう。


 山の向こうに沈む夕日。これが見られるなら、もうなにも言うことはないよね。


 飛行機雲が夕日に真一文字。飛行機までバッチリ見えます。


 友達のSくんは眠りこけてしまいました。僕は夜景と星を見なきゃ気が済みません。だって、頂上に泊まりに来てんだもん。
 小屋のシルエット、蒼い夕闇、一粒の輝く星。丹沢の一日目が終わろうとしています。


 関東平野の夜景。これを撮って眠ります。みんなこれを見には来れるけど、写真撮るのは難しいんですよね。シャッタースピードを長めに調節する機能が必要ですから。
 さっきの「カレールーム」でちょっと一緒だったお姉さんも、夜景を見に来ていました。


 カレーが人を呼びました。みんな、「美味い」と言ってくれました。ありがたい。
 今回のカレーは、いわゆる牛脂で固めたカレールウではなく、スパイスを調合しただけのカレー粉とスパイスを使いました。そうすると、洗うの楽で、うまいカレーが出来ます。知は力、ついでに、勝は体力ですね。重たくても、瓶のカレー粉持ってきてよかった。
 カレーのかすがい。明日への伏線。

天気:くもりのち時々晴れ(神奈川県秦野市・愛甲郡清川村・足柄上郡山北町)

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