Home > ふうたろう旅日記 > 出会いの小田急線(蛭ヶ岳・檜洞丸:神奈川県)

出会いの小田急線(蛭ヶ岳・檜洞丸:神奈川県)

2007年 6月 3日

※記録:6月4日

 昨日の夜、夜景を見た後歯を磨いてすぐに寝ました。寝付きは驚くほど早く、たぶん、20時にはもう寝付いていたのではないでしょうか。寒さとかいびきとか狭さとかで眠りは浅かったものの、何とか4時半までに起床。かくして、丹沢山行二日目の始まり。

 今日の天気、くもり。
 …これが一昨日の夜までの予報。しかし、これを見よ!晴れているではありませんか。


 西の空も、雲はやっぱり多めとはいえ、月は見えているし、山の輪郭も判ります。今日の旅の幸先はよい。


 そうそう、蛭ヶ岳山荘には山岳救助犬なる、ハルくんがおります。なぜ入口のところで、登山客がごった返す中、じっとしとるのかと思えば、エサを待っていたようです。犬も、勝は体力。


 小屋はこんな感じです。正直、決して環境がよいとは言えません。それでも、山小屋ですから。何もないのが当たり前で、あるだけでも助けられているのだという意識を持つべきかと、僕は思います。


 蛭ヶ岳山頂は、やまなみを写真やビデオカメラに撮り収める人々でごった返します。


 実は、丹沢山よりも蛭ヶ岳の方が標高高く、景色もいいのです。なぜ丹沢山が百名山で蛭ヶ岳がそうでないのだろう?


 蛭ヶ岳から檜洞丸(ひのきぼらまる)へのルートは、波動関数。縦に波打つルートが厳しい。
 でも、写真に見るように、景色やツツジは素晴らしい。ほんとに、ガスが晴れてよかった。


 アセビの新芽。勢力拡大への飽くなき挑戦。生き物全ての遺伝子に組み込まれたその心。赤く萌えるアセビの新芽。


 これはシロヤシオ(ツツジ)の葉です。5枚一組。ピンク色のはだいたい3枚一組。しかも、5葉のは比較的表面が滑らかで、3葉のはどちらかというとざらついています。てっきりアントシアニン色素の発現の違いだけかと思っていたら、種類が違っていたようです。


 急な斜面の中腹に広がる野生のツツジ園。


 これも昨日丹沢山で見たカエデです。昨日よりよく晴れているので、よりきれい…に見えないか、写真では。


 蛭ヶ岳を檜洞丸への上りピークから眺めました。もう、遥か向こう。小さいね。


 ここもバイケイソウの多い樹林。フキなどもありますが、ここに生えている根元の赤いフキは毒があるそうです。


 山には不思議な生き物もいっぱい。ヤスデ(漢字で「馬陸」と書く)はさすがにグロテスクなので、自己規制。でも、このくらいの虫なら、いいでしょ。触覚がちょっと変わっています。


 檜洞丸の手前に、青ヶ岳山荘という小屋があります。落ち着いた風情で、青いトタンの小屋の側にピンクのツツジ。色具合が何とも。


 檜洞丸の頂上には、犬2匹。こいつら、小屋の飼い犬でしょうか。何にせよ、人がザックを開けるたびに寄ってきて、エサをねだります。犬も食わねば動けないってか。とにかく痩せすぎです。僕みたいに。
 何気に女の子だった。少なくとも片方は。


 檜洞丸から一気に下山コース。木道と木の階段がいきなり増えます。植物保護のためとはいっても、スリップなどの危険度が増すところもところどころあります。
 でも、まあ、この木道の雰囲気、結構きれいです。


 ツツジ街道といわれるゆえんの、この下り道。至る所でツツジの花が満開です。


 今度は、ブナの木。明るく日の光が透けて、とても健康に見えますが、実は害虫に結構食い荒らされています(小さい芋虫)。山岳管理関係の人がそういって去っていきました。


 地図では二つの沢が合流する地点。残り行程40分。顔洗って、写真撮って、ついでに滝も見て、下山の準備。


 二つの沢の合流地点付近、砂防ダムが多いのです。砂防ダムは当然砂や砂利で埋まっていますが、流れは清らかです。
 ところで、すぐに砂で埋まる砂防ダムって、意味があるのですか?


 無事下山し、バス停の近くです。西丹沢自然教室というものがあるようで、ちょっとレジャー施設が目立ちます。でも、何かこの辺の風景、懐かしいんですよね。


 丹沢全体的に、ツツジも多いけど、カエデ類も多い。ブナもあるし、紅葉は相当きれいだと思います。快晴の空の下、赤や黄色のトンネルを歩きたい。


 バスで近くの温泉まで行きました。汗流して、足腰の疲労をいやしたあとに昼飯をゆっくり食べ、そのままバスで帰る。
 …そんな計画は、あまりに小さい温泉施設の前で崩れました。風呂上がったあと、「バス停三つくらいいったところにそば屋がある。」といわれ、また荷物持って歩くことに。歩けば景色もいいし、いっか。
 景色はやっぱり懐かしい。


 これが紹介されたそば屋さん。日暮里のそばじゃないよ。
 …店の名前を「ふる里」といいます。待ち時間は30分。バスの時刻に間に合わなくなりそうでしたが、アホの早食いで、何とか。とりあえず、ネギ大盛りでイナヅマ食いしました。


 帰りのバスと電車で、蛭ヶ岳山荘で一緒にカレールームを利用していたおばちゃんとお姉さんとの二人に再会しました。ソバ食って膨れすぎた腹を抱え、大混雑のバスに乗り込んだら二人がいました。すっかり彼女らと山仲間になってしまいました。うまくいけば、7月の中旬3連休、長野県の戸隠山に一緒に行けます。楽しみだ!
 ふうたろう流の旅はこういう交流がつきまといます。だから、旅をやめられません。それがたとえその時っきりでも構わないのです。会った人の数だけ心の数も増えます。そして、その時だけであっても仲間であることに変わりはない。
 そういえば、今日はあまり出会いが恐くはなかったな。仲間のSくんもいたからかもな。期待と不安の入り交じる出会いの旅。小田急線では車窓の景色を見ていない。

天気:晴れのちくもり、新宿ではくもり(神奈川県足柄上郡山北町・松田町・東京都新宿区・茨城県取手市)

Comments are closed.