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ただのバケキチに何が出来るか

2007年 7月 4日


 今日も、凄まじく眠かった。少なくとも、午前中は、グロッキーでした。
 ま、とにかく、今日はサンプルの数も少なかったので、グロッキーながらも早めに終わらせて、GC/MSで試してみたかった物質の分析の準備をしました。それが、まず写真の、ビフェニル(C12H10、略号「DP」)と、同じ系統のオルトフェニルフェノール(C12H10O、略号「OPP」)。おそらく実際の物質の形や性質は、似て非なるものだと思うけど、ビフェニルに、酸素が一つ付いただけの弟分。輸入の柑橘類には、ほぼ漏れなく使われている、防かび剤、つまり農薬です

 リンや窒素などの化合物を検出するFTD、塩素や臭素などのハロゲン化合物を検出するECD、それらでは、この二つは測れません。FIDという別の装置を使えば測れますが、検出器を三つも使うのは大変なのです。しかし、GC/MSというのは、気体になるある程度の大きさの分子なら、測れてしまいます。DPもOPPも、これで測れるようになれば、よりパワーアップ。バケキチも満足できるというものです。

 帰り、池袋でノミニケーション(「飲み」と「コミュニケーション」の合成語)。相談があるとかで、22時前くらいまで一緒にノミニケーション。
 ……。人の心は手強いよ。ちょっとしたことで傷つき、悩み、引きずる。心ない言動で簡単に人から生きる力や自立する力を奪ってしまう。少なくない大人や子どもが、そういうところに直面して、自殺や自傷行為、代償行為などに走る。犯罪にさえ巻き込まれる。そして、自らが犯罪で人を更に傷つける。
 悲しいではないですか。誰しも最初から悪意で我が子や恋人などに当たるわけではないのに、いつの間にか放置できないくらい多数の人が傷つき、傷つけ、死に、殺されているのです。
 今、教育関係の本を読んでいます。『砂漠の中でも花は咲くよ』(能重真作 著 新日本出版社)。荒れた子どもたちや親・教師たちの苦悩の闘いです。子どもたちは概して自分のことを受け入れてもらえないで苦しんでいます。親も子どもの行動を受け入れられなくて苦しんでいます。子どもの荒れを親や教師のせいにして、勝手に自己責任を叫ぶ人たちもいますが、親が元は誰かの子であったことを考えると、疑問ですよね。そして、「自己責任」を叫ぶ人たちでさえもまた、本当に責められるべき対象なのか。
 今目の前で辛そうな人、今その辛さの原因を作っている人、前者を助け、後者を責めるのは簡単です。でも、それはきっと、解決にはならないんだよ。善人と悪人を分断して、一人を生かし、一人を殺しているだけ。そんなのは、誰かを助けるとはいわないんだよ。
 日本中で起こる犯罪を見ていても、ずるい政治家やモラルの欠けた大人を見ていても、最近は同じような気持ちになります。犯罪者を叩く週刊誌、他党や他候補者をとにかくこき下ろす選挙運動、本当にこれでいいのかな?悪いことをやったら批判されるのはしょうがないけど、今は悪者探しで終わっていると、僕は思う。かくいう僕も、ただ責めているだけではないかと、いつも思う。
 この期に及んで、ただのバケキチに出来ることは何でしょう。農薬を測るのとはわけが違うよ、こちらの方は。

天気:くもり時々雨(東京都板橋区・豊島区・茨城県取手市)

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