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いろいろあるんだよ。人も物もさ…

2007年 8月 2日

 梅雨明けしたというのに、曇り空は続きます。台風が来ていると。なぜこれで梅雨明けを発表したんだろう?梅雨入りも梅雨明けも、定義がよく判りません。


 さて、今日は早速トラブルシューティングです。昨日の夜、竜ヶ崎保健所(茨城県龍ヶ崎市)から、国税の申告書に不備があるとの手紙が。「税務署の収受印または市町村役場の受付印または税理士事務所のゴム印がありません」と書いてあります。これはこれで訳のわからない説明で大変だったのですが、それ以上にびっくりしたのが、僕は何をトチ狂ってか、某党の演説会のビラの裏紙(しかも3年以上も前の)で国税の申告書をコピーして送っていたことです。竜ヶ崎保健所の職員も目が点になっていたでしょうね(・_・)職員の数だけ。これが選挙前でなくてよかった。
 …などと、いろいろあったので、役場の税務課。

 税務課帰りに、銀行で、我が後輩が原水爆禁止世界大会に行くというので、募金をしてきました。僕も2年前行かせてもらったから。金も愛も恩も天下の回りもの。


 ま、気を取り直し、仕事。今日は着いたら12時だったので、しかも、いつものGC/MSのオペレータSくんも居なかったので、GC/MSで7月27日から続けている作業の続きをやりました。
 The trouble is that!このGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)があれば、どんな農薬もたちどころに分析できてしまうと思っている人が多いのです。そんなことは絶対ありません!人が作ったり自然界にあったりする化学物質で、確認されているもので20000000種類あると言われています。
 写真は、フルフェノクスロンという農薬の構造式を書いています。この物質(農薬分子)は、機械の中で、280℃の高温のために分解してしまいます。検出されるときは、その破片をマススペクトルというグラフで見ることになります。いろいろ計算して、この物質は二つに分解するということは解ったのですが、農薬専用のライブラリー(農薬のマススペクトルと物質を照合する辞書)に、農薬以外の物質は登録されていません。つまり、要は、検出できないということです※※。  分解してしまうもの、そもそも、機械の中を通らないもの、いろいろあって、GC/MSで測れる農薬は、半分あるかどうか…。
 お金を持っている施設や行政機関などでは、LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)というものもあって、そちらで分析することもあります。でも、うちはそんなお金ないし。数千万もするLC/MSなんか買えるかっちゅうの!


 今日の最後は歯医者です。合金の詰め物をグリグリ押し込まれ、4000円以上の医者代を払いました。今年は医療費10万円超えるかな…。


 最近、電車で読む本は、化学系のものが多いのですが、トリイ・ヘイデンの『よその子』(早川書店)も読んでいます。またその感想は、ネタが尽きたときにでも書きます。
 人という存在がGC/MSの解析ほど楽じゃないってことを思い知らされます。

天気:くもりのち晴れ(東京都板橋区・千葉県松戸市・茨城県取手市)


マススペクトルとは、ある分子に電子線(要はエネルギー)をぶつけて、壊したときに出来る破片の量をグラフ化したものです。「分子量135と241と331が100対60対30で出ていれば~という分子である」という具合に判別することが出来ます。基本的に、物質の数だけマススペクトル(グラフ)の数もあります。しかし、壊す条件が同じであれば理論上その割合は同じになりますが、まったく同じであるとは限りません。現場では、余計な物質が一緒に出てくることもあり、マススペクトルはより複雑になることもあります。
※※厳密には、ライブラリーがなくても分子の構造を推定することは出来ます。今はライブラリーが「このマススペクトルではこの物質である可能性が高い」と教えてくれますが、昔の人は、マススペクトルとを見て、分子の構造を推定していたそうです。今日、僕がフルフェノクスロンの分解物を推定していたときには、フルフェノクスロンの分子構造とマススペクトルを見て、考察していました。

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