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もちずきくん

2008年 1月 9日

 今日も、まだ主任は帰ってこない。アメリカの濃霧、恐ろしい。そして、日頃、如何に自分が人任せに仕事をしているかを思い知るのです。
 とりあえず、今日も残留農薬の抽出です。蜂蜜は、あれでたぶん結果は良いと思うので、置いておきます。
 今日の抽出、写真のものですが、恐らく、パッと見で何かは解らないでしょう。もう今は通用しない方法なのですが、お茶の水抽出液に酢酸鉛が入った状態です。鉛とタンニンが結合して、沈殿物を作る、という解釈で良いのでしょうか。いつか、鉄鍋できりたんぽ鍋をした時、ゴボウの灰汁と鉄イオンが反応して黒い沈殿ができたことがありました。


 今日から、冷蔵庫に入っている1.8kgの伸し餅を片付けていかなくてはなりません。36分割して、今朝早速4個を、白菜の煮干しすまし汁で雑煮にしました。醤油入れすぎて、めっぽう塩辛くなりましたが。
 そして、夜は夜できな粉餅。グリルで焼いたら発火してしまいました。今日食べた餅8個。400gです。よく頑張った。もちずきくん。

 昼間、GCの待ち時間などで、mixiを徘徊していたら、僕のページの足跡に、化学系の人がいました。その人づたいに、有機合成のコミュニティを発見したのですが、その中で紹介されている、化学物質にまつわる事故は、かなり危険なものが多いのでした。ベンジルブロマイドの500ml瓶を床に叩き割ってしまったという話。ベンジルブロマイドを使ったことはありませんが、細胞からDNAを抽出する時にタンパク質や細胞膜(壁)などを壊すベンジルクロライドと同系列の物質だろうと思われます。このベンジルクロライドは、手に付くと非常に痛い。さらに、何の液が入っているか解らない廃液のドラム缶に穴が開いていて、建物半分に汚染の警報が出るくらいの騒ぎが起こったなんてのは、ヘタしたらニュースものです。いったい、どこのプロフェッショナルが、腐食性の廃液をドラム缶なんかに捨てたのでしょう。
 僕の職場も、化学物質は非常に多い。数百種類に上るでしょう。化学を扱う人間として、心得ておくべきは、登山のそれと同じなのですね。

 夜、帰ったらためしてガッテン。今日は鶏肉の鍋の話でした。鶏肉で水炊きを作る時、鶏ガラでだしを取り、鶏ガラから出るコラーゲンでコクを出す。コラーゲンの3重らせん構造、その分解でできるコラーゲンペプチド、そのペプチドが醸すコク。それだけではなかった。仮説であるという断り付きでしたが、そのペプチドは、鶏肉を柔らかくする作用もあるのだそうです。料理は化学というのを、改めて感じさせられます。
 職場で暇な思いをしている時間があるのなら、mixiなんか見ていないで、鹿児島まで持って歩いた薬学用の有機化学の本でも見て勉強しないといけないんじゃないか?反応機構は手で書いて理解する。ネームリアクション(名前の付いている反応のこと。アルドール反応、ディールズアルダー反応など)を押さえる。そして、そういう積み重ねの上で、GC/MSのデータを見たり、農薬の構造の意味を深めたり、食品や調理の科学を掘り下げたりするのです。
 ボランティアをするに当たって、ある人は言いました。「無理して、嫌々で、ステータスで、ボランティアをするのは相手に失礼だよ。」
 そう。化学を学ぶのも同じ。モノに対して失礼という言葉は当たらないけど、無理に、嫌々、プライドで学んだものに意味はない。まだ中途半端な化学の知識を、独学でも良いから、強化して活かしたかったのが、今の職場に勤めた原点だったはず。そして、今の職場で活動することは、半ばボランティアでもあるのだから。
 この数日、主任がいなくて、いくつかの難関を自分たちで乗り越えなければならない場に直面しました。いつまでも依存していたら、一生中途半端に、つまらないまま終わってしまう。
 ちょっと今日は叱咤激励。
 …でも、相変わらず、満員電車での毒撃は辛い。

天気:くもりのち晴れ(東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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