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科学と判断

2008年 1月 10日

 今日も、準もちずきくん。煮干しだしの雑煮で餅を4個。弁当は、切り干し大根の煮物とさつまいもの甘露煮とカボチャのおひたし(?)は定番で、ウィンナーと卵焼きのローテーション。…最近はこれで十分だと思うようになりました。お金の減りは遅くなったし、良いのではないかと。


 今日、5-ヒドロキシメチル-2-フルフラール(HMF)が納品されました。果糖が化学反応してできる化合物で、果糖を含む製品の品質を決める要因の一つです。
 今日はやっと主任が生還したので、その実験の相談。
 当然ですが、やっぱり僕のイメージと主任のそれは違っています。いつものことで、そのすりあわせがとても難しい。


 僕は、法律(公定法)というものをあまり気にしない人間です。なぜなら、法律よりも先に化学・物理の原理があるからです。僕は、公定法を参考にはしたとしても、金科玉条にするのはいやです。結果を導き出せるものなのであれば、どんな方法を使ってもいい、登山ルートが違っても頂上に着くのと同じで、それでいいと思うのです。
 それで、この前試験液が濁ってどうにもならなかった実験を乗り越えた。


 しかし、ここで得られた結果が、本当に製品の品質を決める要因となるかどうかは、まったく別の話です。HMFが多いからといって、例えば何か偽装されているとは限らない。古いだけかもしれない。蜂蜜の場合なら、糖が沈殿したので熱を加えただけかもしれない。HMFは加熱によって生成するそうですから。
 …なら、何でそんな実験をほぼ一週間も続けてたのかって?
 こういうネガティブな思考に走るのも、この一週間の実験があったからかもしれません。ここで得られた結果は、間違いなく、蜂蜜の間でHMFの量に差が出るということ。それ以外の何者でもありません。その他は、ブラックボックスなのです。
 結局、主任も僕も、八方ふさがりなのです。すりあわせが難しいのはそのせいなんだろうと思います。HMFが多い。だから何だ?ということです。そもそも、得られるパラメータがこれだけでは少なすぎるのです。
 パラメータを増やすにはどうしたらいいか。それは、別の実験でパラメータを補うしかありません。選択肢がそれで一つに絞られれば、「偽装」とか「加熱」とか「経時劣化」とかの判断ができます。しかし、それには装置が必要、時間も必要、人員もお金も手間も必要なのです。
 あと増やしうるパラメータは一つだけ。うまくいくかどうかは解らないけど、あまり望みはなさそうです。

 ふぅ。標準品が手に入っても、次から次へと難しい問題が吹き上がってきますね。それが科学というものなんでしょうけど。

天気:くもり時々晴れ(東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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