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すぶり、すかし

2008年 3月 18日

 今日、抽出作業をやりながら、振盪(しんとう)30分×2の間に、いつもの職場の階段2周と、加えて、塩化ビニル製のパイプですぶりをやっていました。西吾妻山に行ってから、全然山に行けてないので身体がなまります。20日が晴れてくれなければ大ピンチです。


 そういえば、昨日、帰り際に、アルドリン・ディルドリン・エンドリンの、3種類の農薬がGC/MSで検出できていないと大騒ぎしていました。僕は試液作りにも機械の操作にも一切関わっていないので、その理由を知る術もなし。とっとと帰りました。
 今日、朝来たら、オペレータのSくんは大寝坊をかましていて、お昼近くに済まなさそうにやってきました。そしたら、違うものをサンプリングしていたそうで、出ていなかったそうです。…そりゃ当たり前じゃ!
 ところで、アルドリン(Aldrin)やディルドリン(Dieldrin)は、その名前から、Diels-Alder反応を使って作っているんだ、と、今日、気が付きました。エンドリン(Endrin)はディルドリンの異性体。立体異性体の名前(endoやexo)から来るものかと思ったら、どうも、そうではないみたい。
 アルドリンは、塩化ビニルシクロペンタジエンヘキサクロロシクロペンタジエンとアルカリから合成できる、意外と簡単な物質ですが、1975年に農薬としての使用は出来なく(失効)なっています。(農林水産省管轄、農薬取締法)
 農林水産消費安全技術センター / 登録失効有効成分一覧
 …でも、なぜか、厚生労働省管轄の食品衛生法では、残留基準があります。
 農薬等の基準値
 これは、使われなくなって以降も分解されずに、今でも土の中に残っていることを意味しているのでしょう。2006年秋口、北海道のカボチャがヘプタクロルという、同系列の農薬で汚染されていた事件がありました。これも1975年には失効しているのに、なおも野菜の中から酸素化物(代謝物)として検出されるしぶとさです。
 ところで、さっき、アルドリンの合成のところでアルカリを使うと書きました。合成の段階で、アルカリは、脱塩素化に使います。でも、土の中にアルカリがあるとは限らないし、分子内で塩素が脱離できる位置にあるとも限らないし、酵素反応じゃないので反応速度も遅いだろうし(光も当たらないし)、いつまでも残るのでしょうね。今になって、農家や消費者は迷惑しています。だって、知識のある化学者や政治家たちがこれは効くから使いなさいって、化学の知識も何もない農家に通知したんだから。この処理に当たる化学と政治があってもいいと思うんだけど、あるのでしょうか。


 かなり前から、労働でも、肉体を使う労働がしたい、と思う時があります。一日建物にこもっているのは、どうしても辛いですからね。それでも、階段歩き健康法を発見したのは、一つの風穴かも。
 あと、27日・28日のスキーが流れました。仕事を休むのに気が引けてたので、それで良かったのです。これで思い切り休日に山に行けます。問題は、次の班会です。昨日の夜、とり続けていた連絡がぱたっと途絶えました。
 …すかしです。早速不安な空気が流れてきましたよ…。

天気:くもりのち晴れ(東京都板橋区・豊島区・埼玉県所沢市)


参考:パイン有機化学Ⅰ・Ⅱ(廣川書店)

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