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実験助手

2008年 4月 23日

 さて、今日は、菜種狩り。
 いつもよりずっと早い出発でした。眠くて、現地到着まで、主任運転の車の中で寝ていたら、金縛りに遭っていました。気が付いたら10時前くらいになっていたので、1時間くらい寝ていたようです。
 おかげで、調査の方はまあまあ役に立てたと思います。


 ここは公園ですが、和みに来たわけではありません。一応、菜種狩りのポイントです。
 そう、菜種狩りというのは何かを説明しておくのを忘れました。
 遺伝子組換えされた菜種が、どのくらい自生しているかを調査するのです。アメリカなどからやってくる菜種は、その一部、あるいは多くが遺伝子組換えです。その菜種が、トラックなどでの運搬中にまき散らされて、自生するのです(事実)。


 延々と、菜種の採取を続けます。必ずしも花が咲いているわけではないので、千里眼で車の窓から。小さな芽みたいなものを見分けて採るのです。


 港にあった食堂。有人の食券売り場があるところで、そこで食べてしまったネギトロ丼は、700円の価値はあったかどうか。多くは人件費だと思って諦めますが。


 職場に帰ります。首都高を走っているのですが、東京のスモッグは恐ろしい。菜種狩りをしていた場所も、トラックの排気ガスなどでかなりヤヴァかったけど、よくよくこうして見てみると、本当に東京の空気は汚い。気のせいだと思いたいけど、目がチクチクします。


 結果の方は、企業秘密(?)です。しかるべきアンテナを張った人が、しかるべき方法で知ることになるでしょう。でも、楽観視していてもいい結果だとは思いませんでした。
 遺伝子組換え作物を、安全かどうかだけでいえば、コンビニ弁当で毎日を過ごすことよりはましでしょう。でも、こいつは次元の違う問題を抱えています。遺伝子組換え作物は特許を取られているので勝手に栽培できないのです。じゃ、こうやって道路に生えまくっているやつはどうかというと、当の企業は何の処理もしません。
 一方、カナダでは、非遺伝子組換え菜種を栽培してきた農家の畑に、遺伝子組換え菜種が勝手に入り込んで自家栽培の菜種を汚されたにもかかわらず、こともあろうに、遺伝子組換え菜種を作っている某企業が農家訴えるという暴挙に出ました。
 種に特許を与えなければ、この技術はまだ使えるかも知れないのですが、たぶん、特許権とそれによる莫大な利益がなければ、このような企業では、てこでも技術開発には動かないでしょう。ま、経済学の原理ですから、そこはまた別の時にでも。
 ところで、遺伝子組換え作物(食品)が既にいくつかの作物で実現していますが、人類史において有意義なものなのかどうか。
 …たぶん結論は、従軍慰安婦問題と同じレベルで出ないでしょう。こればかりは、その利害で成り立つ社会が、どちらに進む方が適切かを判断した時にしか結論されないものでしょう。
 食料が増産されたか減産されたかくらいは、一定の指針を元にした数値で明らかになるはず。またいつか調べておくとしましょう。それでも、「遺伝子組換え作物が栽培されなかった一つの人類の歴史」というものが存在しないので、増産あるいは減産という結論に至ったところで、結局論争に終わるような気はします。例えば、食料自給率についていえば、カロリーベースで計算するか金額ベースで計算するかで、その数値は大きく変わるのです。しかし、現実的に食料自給率を向上させる必要――食料が足りない現状――があれば、どちらのベースで考えても一つの結論にしか行き着かないはずです。逆に言えば、食料自給率を上げるための手段を講じられるのならば、どちらのベースで考えても、大雑把にいって、構わないのです。
 だから、この遺伝子組換え作物自体についても、そもそも農業技術として必要かどうかを人類自身が決めない限り、意味のない話なのかも知れません。これ、社会進歩の原理でしょうね。

天気:晴れのちくもり(千葉県千葉市・船橋市・東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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