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マウンテン・ブルー(オンネトー:十勝支庁)

2008年 5月 3日

※記録:5月6日22時台

 何時に起きたっけ。この写真を撮ったのが4時32分ということになっているので、もっと早くに起きているんでしょう、そうですね、15分くらい前には。
 明け方、けっこう冷えていましたので、焚き火をしたのです。
 でも、焚き火の薪を集めている間に身体が温まってしまいました。


 ただ燃やすだけではもったいないので、米炊き用に使いました。どうも、湿気が多いのか、火力が上がらないので、雌阿寒岳に落ちていた分と昨日足りなくなって買った水の分とのペットボトルをくべてやると、コッフェルが煤だらけになったものの、火力は上がりました。炭化水素の力は偉大であります。


 米が炊けるまで時間もあるし、10mくらい行ったらすぐにオンネトー湖畔に出られるので、写真でも撮ろうかと。
 今朝は一瞬だけ凪の時があって、湖面が穏やかに青く輝いている瞬間を撮れました。


 ただ、見た目が綺麗なのと実際に物質的に「キレイ」なのとは違うので、飲用にはしたくありません。


 雌阿寒岳の右肩から太陽が昇ってきました。今朝は天気いいね。昨日の夜も、そう考えたら、よく星が見えていましたね。思い返せば、昨晩は今回の旅唯一の晴れた夜だったかもしれません。


 ひっそり1人でキャンピング。水さえあればこちらのもんです。昨日、ちゃんと便所参りしてきたし。


 火を消すまで数時間火元にいたので、散策を始めたのが7時台になってしまいました。ここは、湯の滝へ続く散歩道の入口です。


 湯の滝、ぬるかったですね。湯というには冷たい、いわゆる冷泉です。その中を、こういう魚ちゃんたちが泳いでおります。何の魚か知らないけど、僕がぴくりとでも動くと逃げ出します。


 湯の滝です。
 ここは、(二)酸化マンガンが、微生物によって生成する場所で、天然記念物扱いされているそうです。恐らく、この前オパーリンの「地球上の生命の起原」でも出てきた、化学合成生物の一種だろうと思います。マンガンを酸化して得たエネルギーで糖を合成する。
 …実際どうやって合成しているのかは知らないけど。あとで「ふうたろう旅日記詳細」にでも書こう。


 この花は、フッキソウ(トウダイグサ科)です。図鑑にもまさに雌阿寒岳で撮ったものであることを示しています。


 滝上まで上がる階段が、崩壊の危機にありながらも残っていて、そこから滝を見下ろすとこんな感じです。
 かつてはあの小屋とその隣の湯船が、野天だったことを物語っています。そういえば、昨日、これを楽しみにしてきたのに無くなっていた、と嘆いていた人がいましたね。
 確かに、化学合成細菌は、現代の進化過程ではあまり強くないかもしれないけど、なんだかなぁ…。


 これが、雄阿寒岳ではまだ発芽したばかりだったエゾオオサクラソウ(サクラソウ科)です。温泉(冷泉)の影響か、暖かいんですね。普通は6~7月に咲くそうですから。


 お馴染み、エゾエンゴサク(ケシ科)です。お会いしたの、今年で何年目ですかな?


 コケ植物の図鑑は持っていないので解りません。ただ、こいつには、先っぽが受け皿みたいになっているやつと、ただ尖っているやつとの2種類があるようです。


 上から滝壺を見下ろすとこんな風に見えます。茶色いの、「湯の滝」と書いた、看板です。


 そうとう湯の滝で油を売っていたので、出てくるのが9時くらいになってしまいました。次は、一旦荷物を整えて、オンネトー西側にあるという「展望台」に行くことにしました。
 しかし、ここにはちょっとオチがあります。


 目の前に折れた倒木。綺麗な看板も立っているハイキングルートなのですが、荒れまくっています。


 そう、展望台の前には、立派に生長したアカエゾマツたちが立ちはだかっているのです。これじゃ、普通に見ているだけでは展望もクソもない。


 普通に見ずに、ちょっと目の前にある木に登って撮ってみたら、こんな感じです。あまり変わらんな。


 …というオチになることを、このジェラートを食べさせてくれるオンネトー茶屋の主人が先に教えてくれていたのです。ネタ作りに行ったようなものですな。
 そして、このジェラートも、話のネタに食べたものです。
 ただ、ネタにしてはけっこう美味くて、塩味と甘味のバランスが不思議なのです。


 そのジェラートの名を「オンネトーブルー」という。
 で、この青はどうやって出しているかについては、あえて突っ込まないことにしました。


 オンネトーブルーを食べた後はもう12時を回っていたっけ。そろそろキャンプ場を出て、タクシーが16時に来る野中温泉に向かわなきゃ。
 最後に見る、本当のオンネトーブルー。さよなら。


 野中温泉に抜けてくるまでの道は、昨日、キャンプ場に向かう時に使った道の逆方向です。オンネトー東側から分岐するルート。ぬかるみ、倒木、アイスバーン、加えて酷暑。辛いねぇ…。
 そして、90年くらい続いているらしい、野中温泉へ。あくまでも風呂としての認識しかないけどね。


 昭和33年に取った成分表なんですって!しかも、手書きの筆字ですよ!
 この表記、スゴすぎです。フェロイオンって、(=^0^=)/オーイ!!
 しかも、可愛げのあることに、価数が点で書かれていて、更にフェロイオンの点が一つ足りない。これは、骨董品です。
 他にも、フッ素が漢字で「弗素」と書かれていたりします。


 窓から外を覗くと、これが見えたんですね。除草剤であるグリホサートです。どこに撒いているんだろうか。


 この風呂もよく見たら青い。そして、なぜか、芳香族化合物っぽい臭いがあります。ただの硫黄泉じゃない感じがしました。


 うがいがてらにちょっと口に含んでみたけど、よく解りませんでした。当たり前ですが、フェノール(危険物)とかクレゾール(消毒液)なんかを口の中に入れるはず無いもん。
 そして、これも至極当たり前ですが、女将さんたちに聞いても、解らない。


 タクシーが既に15時半くらいに来ていましたが、例の社長、運転席で気持ちよさそうに眠っていたので、起こさずに16時まで待とうと思いました。
 何と、車をオンネトーの道路の分岐に置いて、折りたたみ自転車をオンネトーまで漕いでトレーニングをして来たあとだったのです。恐るべし!
 で、阿寒湖畔に戻ってきました。もう世間では本当のゴールデンウィークに入ってしまったので、この通り、車も多いし、チラ見で遊覧船も見たけど、満員御礼でした。僕は今日帰る組で、心から喜ぶものです。


 バス発車までずいぶん時間がありましたが、急に風が冷たくなってきたのでバスの中で待ちました。
 このバスが、中間地点にさしかかった辺り、18時半くらいか、とんでも無いことが発覚!
 ソラナックスが、切れている!!
 さて、今後どうなるのか。あとまだ丸2日あるんですけど。
 ふうたろうウルトラスーパー超大ピンチ!!!


 かくして、すべてのミッションはクリアできました。しかし、毎日どこかで何かのネタ作りをしてきては切り抜けてきた百戦錬磨も、もはやこれまでです。必要な薬がなくては、状態悪化は必至。明日の釧路はどんなに暗く見えるだろう…。
 既にこの時点で朝飲んだソラナックスが切れていて、徐々に頭がグラグラグラ
 どうして、カ行の濁音とラ行のセットで擬音語(擬態語)を作ると、こうも不吉なんでしょうねっ!!
 この日は21時には寝ました。29日の夜にも泊まった、パルーデ釧路にて。

天気:晴れのちくもり(北海道十勝支庁足寄郡足寄町・釧路支庁阿寒郡阿寒町・釧路市)

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