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北国の暑い季節

2008年 7月 5日

※アップロード:7月7日

 起床、7時半。…頃だったと思う。
 札幌市の朝。雨には結局遭わず、今日は暑さを思わせる空模様です。


 北海道大学前の通り。
 土曜日ですが、そこそこ車通りも多い。荷物が15kgくらいあるので、出発が億劫です。
 …昨日、浄化したといっても、面倒くささが変わる、というわけではありません。


 札幌駅構内に、9時台に開いている店が、一つだけ。
 道内産の食材にこだわって作ったものを出してくれます。市の委託、第三セクターの店だそうです。
 味、悪くない。これで600円は思い返せば出す金額として大きかったけど、農家の情勢を考えると、標準価格はそれでも安いと思った方がいい。


 飯を食った後、今日第1イベントの会場に向かいました。
 …男3人、迷いました。迷っていたら、自転車に乗った気のいい兄ちゃんが近寄ってきましたが、結局判りませんでした。そして、振り向いたら、そこが会場でした。
 俺たち、男4人、節穴の目。


 青年国際フォーラムというものに出ました。
 …何のフォーラムだったかな。数が多くて忘れてしまいそうなのですが、中身は、貧困、特にみんな農業分野での貧困がひどいので、その分野で話すことになります。
 そして、パネリストが来るまでの間、時間内に、後でやるデモ行進のプラカードを書くようにいわれたので、かくの如く…。
 「労働者を守れ、農業を守れ、地球を守れ(救え)、WTOはいらない(No WTO!)」と書きました。


 インドネシアの代表の発言です。
 人民(農家たち)が、G8に蹴りを入れているイラストがあります。実際このような暴力をやっているとは思いませんが、それくらい、G8に対する違和感を持っているのです。


インドネシア代表発言

 G8の諸国が、我々の食糧の生産、製造業、加工、サービス、主権など、について、新自由主義的なことを押しつけてくる。
 経済的な不均衡を作っている。G8だけで、世界の65%経済をコントロールしている。債務を貸し出しているのもG8の国々がほとんどである。
 軍事力という力でも、大きく、核保有国も多い。

 意味がわかるだろうか。G8が、日本のような何らかの形で「大国」と呼ばれない、インドネシアのような国にとって、どう見えているか、ということです。
 「偏った意見」とか、「曲解」とかいう前に、G8というものが、これほどの力で自分らに迫っている、ということが、感情的にも(もちろん実際的にも)危険である、ということなのです。彼らが、「G8反対」と述べる所以です。


 …午前中のフォーラムが一時休憩(昼飯)になって、腹の減っていない僕は、フードマイレージの大きいコンビニのパンを一つ、食べました。
 フードマイレージとは、食べ物の重さと運んだ距離を掛けた単位です。力学的・生物学的に意味のある単位ではありませんが、環境負荷がどれくらいあるかの指標となることは確かです。


 午後のフォーラムが終わったら、第2のイベント、デモ行進…僕らは「ピースパレード」といいますが、それに参加します。既に出発点の札幌大通公園は参加者でいっぱい。食糧や環境、貧困でピンチなのは誰も変わりません。当たり前ですが、僕ら農民団体だけだなどとは思ってはいけません。


 ところが、ちょっと、方向性を間違いかけている運動もあります。主目的は、食糧や環境の問題を引き起こし、貧困を増大させている大元をただすことです。
 しかし、一部はその運動自体が目的になっていたり、理解されないことに逆上したりするのです。それは暴言であったり、暴力であったりします。
 さらに、同じ目的を持っている、違う団体に対しても、手段が違うというだけで攻撃の対象にすることもあるのです。何と本末転倒なことか。
 いわゆる過激派、イラクでいえば、タリバンみたいなものでしょうか。
 それが今、何を引き起こしているのか、見れば判るでしょう?


 …表現だって多様です。差異はあると思いますが、危険な行為でなければ、本来なら、誰でも受け入れられる、そういうデモンストレーション(パレード)なのです。
 そうでなければ、「ピース」パレードなどと名乗る資格はありません。


 虹色の旗を掲げた人たちもいます。
 僕は、流れからして、この七色を、あえて、多様性を認めあえることが平和に繋がるのだ、というふうに解釈します。


 ジュラルミンの盾を持った機動隊は、いったい何人いたでしょうか。
 白線を1cmでもはみ出しただけで笛を鳴らす警官は、いったい何人いたでしょうか。
 デモ行進を孤立させることがねらいなのか、破壊行動が前提の警戒態勢は、決して感じ良いものではありません。
 …とはいえ、悲観してもしょうがないので、さしずめ、刺身のつま程度の存在と考えます。デモにはつきものだと。むしろ、いるくらいがちょうどいい、みたいな。
 逆に言えば、デモという、社会の体制に反する行動に対して、権力機関である警察が関わらないことなど、あり得ないのです。


 農民連(農民運動全国連合会)の隊列です。中には、労働組合(全国労働組合総連合)の人たちもいるかも知れません。
 農民と労働者の立場は、僕がプラカードに書いた気持ちからすると、まったく同じものです。農家の身勝手を消費者(労働者)が責めたり、消費者(労働者)の無知を農家が責めたりすることは、どんなことがあろうともナンセンスなのです。
 お互いの貧困は、お互いに起源があるのではなく、外部にあることを知るべきなのです。そして、今こそ、気づき始めています。


 むしろ旗を作った農家もいます。一揆ですね。一揆も、その発生の起源は、このデモと基本的に同じ。ただ、サラリーマンが一揆を起こすとは言わないので、農家の特権ですね。


 ピースパレードが終わって、公園で一時休憩。昨日記述の食糧主権を掲げる、ビアカンペシーナの旗がパタパタしています。
 …ところで、この公園、どこだろう?


 この後、午前中の会場に戻り、早めの夕食、カレーを食べました。ただ、あまりにも慌ただしかったのと、明るい時間帯に食べたのとで、21時頃には夜ご飯を食べたことを忘れていました。


 夜、第3のイベント。平和の国際シンポジウム。パネリストは、食糧主権などでなってくれた人と被っているメンツが多いのです。
 意味が解るでしょうか。貧困や飢餓というのは、それ自体が平和を脅かすということです。今の日本は、他人事では決してありません。
 そして、G8諸国が、その貧困や飢餓を作っている、というのが、多くの貧しい人々にとって、現実として立ちはだかっているのです。なぜ、ここで平和の問題と、食糧・環境・貧困などとが同時に議論されるのか、まさに、それ自体が平和を脅かす理由でもあるから、といえるのです。


 一応、大きなイベントは、この平和シンポで終わりです。
 でも、国際交流はそのレベルで終わらない。飲み会がそうであるように、二次会があるのです。といいますか、すべてが大きな一次会。このドタバタ劇に、一次と二次を分ける隙などありません。
 バスの中では、韓国の参加者が、バス酔い(むろん、悪酔いもあるだろう)でぶっ倒れるほど盛り上がりまくっていました。…ビール何十本レベルで空けよってからに…。
 そして、さっき夜夜中(1時過ぎ)まで、通訳をしていた学生ら若者たちと話をしていました。既に三次会、四次会レベルです。
 というわけで、日記を書いている今が、6日の午前2時過ぎ。これはヤヴァイ。

天気:晴れ時々くもり(北海道石狩支庁札幌市・空知支庁空知郡北村)

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