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日本国民と米国民の人権

2008年 7月 13日

 真夏。
 昨日ほどではないけど、今日も30℃を超える酷暑です。そんな中、僕がやってきたのは、神奈川県横須賀市、汐入駅。


 どこかで見た覚えのあるビル。
 そうだ、ここは、2年前、学習交流集会で最後の依存症が炸裂した場所だった。あの時よりも胸張って歩けるようになったか。


 今日の目的は、『アメリカの原子力空母の配備を許すな』、という集会に参加することです。とりあえず、このテの集会では顔になっている、日本共産党の人たち。
 大抵の人は、この共産党のたすきにくぎ付けでしょうけど、写真左、緑色のビラを持った手が写っています。これが実はまた、ネタなのです。


 僕が到着したのはまだ12時にもなっていない頃。12時開始だと思いこんでいた僕は、この炎天下、1時間以上待ちぼうけです。
 仕方ないから、その辺でもうろついてみることにしましょう。


 今日は煙霧が出ています。天気は不安定そう。
 遠くに見えているのは、自衛隊のイージス艦、『金剛』だと言われましたが、確認はしていません。


 舳先に「173」
 何の番号だろう。一応、記録として残しときます。


 よく見ると、木陰に人が集まっていました。コンビニ弁当をしこたま食っている人が多かったので、それはまた痛々しい。
 それにしても、今日の猛暑は、いくら活動に熱い人たちでも耐えられない暑さなのですね。最終的には30000人にもなった人々で、公園の半分くらいは占領されていたので、後から来た人は面食らったに違いない。


 さっきの海に戻りました。すると、小舟がウロウロ。
 よく見ると、星条旗、つまり、アメリカの船です。日本政府が勝手に日本国民の税金から出してくれた思いやり予算も使って、高い石油を使って、物見遊山か。
 国に帰って災害救助の訓練でもしてろ。


 猛烈な暑さの中、ちょうど1週間前は札幌にいた松平さんが、ここ、神奈川県横須賀市でトランペットを吹いています。体力あるなぁ…。


 さっき、アメリカの小舟を見てからもう2時間くらいが経っているはずなのですが、まだあの船、います。それどころか、もう一隻、はしけ船みたいなのが増えています。
 ガソリン高いんだから、無駄遣いするなよ。それとも、他人の税金で割安になったから、SKN(そんなのかんけーねー)か?


 Troopって何だろう。
 どうも、「軍隊」というのが原義だそうですが、アリとかサルとか、動物などの群れの意味もあるそうです。
 動物の群れなら、いてくれてもいいのにな。
 軍隊の代わりに、日本に動物園でも作ってくれよ。


 何の判決?何が画期的判決?
 長いけど発言をおおよそ引用します。

名古屋地方裁判所判決 2008年4月17日

 この判決は二つの点で画期的です。
 一つは、政府が行っているイラクの派兵という行為が、政府の解釈に立ってイラク特措法を合憲だとしても、現在イラクで行っている航空自衛隊の給油活動は、武力の行使の禁止を明記しているイラク特措法の二条二項に、また、戦闘地域での活動を禁止している、イラク特措法の二条三項に、かつ、憲法九条第一項に、禁止する(違反する?:ふうたろう註)
 これが判決です。
 国家機関である行政府がやっている行為を、同じ対等の独立した司法府が、憲法違反と断罪したのです。
 三権分立・司法主義を否定しないのであれば、行政府は、福田政権は、速やかに現在派兵をしている航空自衛隊210名と、C130H輸送機3機を日本に撤兵すべきです。
 もう一つ、この判決は画期的なものを含んでいます。
 わたくしは3ヶ月経った今、今から申し上げる二つめの点が、私たちひとりひとりにとって、とてもとても大切です。
 それは平和的生存権に対しての判決です。
 この判決は憲法三章に書かれている基本的人権、この基本的人権は平和でなければ存立し得ない、だから、平和は権利である。平和のうちに生存する権利はすべての基本的な権利の元を為す、規定的権利であるとしました。
 しかも、この権利の具体的な内容を、このように判決は言っています。
 私たちは今まで、被害者にならないということが強調されていましたが、この判決では、私たちが加害者・加担者にならない、これは生き方・気持ちではない、加害者にさせられない、加害行為に加えさせられないのは権利だ、というのを名古屋高裁判決は明確に断罪してくれました。
 そして、国の憲法違反行為によって、私たちの平和的生存権が脅かされる、侵害される、その場合は、この4月17日の判決以降、私たちは国に対して、国が行っている行政行為に対し差し止め請求をすることが、裁判を訴えることが、可能になった。それが4.17名古屋高裁判決です。
 しかも、違憲性のところでは、この判決は、日本は現在イラク戦争に加担どころか、戦争そのものをやっていると断罪しました。

引用終わり

 長かったけど、イラク派兵が憲法違反、法律違反である、ということを、高等裁判所(上から二つめ)が下したということです。
 こうなると、たとえ最高裁まで持って行かれて棄却されても、前例を作ってしまったということで、絶対に事実は消えません。僕でさえも、さすがにスゴいことだと思ってしまいます。


 聴衆も、暑いのに、みんな真剣に聴いています。
 後ろの方からは、「見えないから座れ!」などと怒号が飛び、「座りたくても座れないのよっ!」というカウンターがあり、壮絶でした。
 …このクソ狭い公園に3万人は詰め込み過ぎやろ。暑いし。


 さて、とりあえず集会は終わって、次はデモ行進というところ。3万人のデモ行進なんて、数字的におぞましい。3000人の雇用集会デモでも、30分列が途切れなかったのに、その10倍となったらどうなるのか。


 ところで、引用文を見て読む気を失っている人がいるかも知れないけど、3枚目の写真に写っていた緑色のビラを配っている手の主が、この、革マル派というものです。
 日本原水爆禁止協議会という、文字通りの組織で働いているSくんと2人で話していたのですが、この「革マル派」の人が叫んでいることの意味が解らない。
 というのも、どう聞いても内容では一致しているのに、「共産党中央はMD(ミサイル防衛:Missile Defence)を不問にしているからダメだ」などと集会参加者にまくし立てるように訴えているだけだったから。
 …ちょっとは歩み寄るというか、下調べしてから来いよ。


 警官に囲まれて、叫んでいる姿は、惨めでした。
 それでも、年配の人はまだ、穏やかに活動していて良かったけど、若い衆はダメだな。
 …そういう点で言えば、こちらの集会参加者にも、彼らの挑発に乗っている人がいたので、ダメなんですが。
 一応、
 「挑発に乗らないでくださーい!」
 と、叫んでおきました。風邪治ってないのに。


 僕の首に不意に飛びかかったカマキリ。
 …の子どもだ。こいつは、強かった。革マルよりも格闘家だ。顔を近づけたら、再び飛びかかってきよった。あのどうにもならん若い衆よりもこのカマキリを雇った方がええんとちゃうか?


 バリエーションに富んだ横断幕を作る人々。
 僕はこういうのが当たり前の時代に生きているけど、学生闘争時代といえば、それはもう、トロ文字といわれる字と厳つい表現、ゲバ棒にメット、というイメージしかないのです。


 アメリカが今日来る予定だった原子力空母は、実は、火災を起こしていました。その原因は、1ヶ月経ってもまだ表に出されていません。究明されているのかどうかも解りません。
 原子炉を積んだ空母が火事になるというのはどういうことか解りますか?
 原発にミサイル撃ち込まれて放射能だだ漏れになるのと同じになりかねないのです。
 ま、それさえ解ればじゅうぶんです。


 歩道橋を埋める人々。先にも後にも、人はずら~っと続いています。


 今日は、若い衆は少ない。あ、まともな、若い衆、ね。
 それでも、さっきの革マル派の合計よりは多いけど。


 これがデモの隊列(後半部)。いつまで続くのか、解りません。


 何やら、歩道橋のところで、一斉に向きを変えて何かをやっています。
 何だろうと思ったら、このみんなのこぶしと怒りの先は…


 そう、アメリカ海軍の施設でした。
 …
 歩道橋を、アメリカ軍兵士の家族と思われる母子が歩いていました。日本語は分かるのでしょうか。このデモ行進と集会の意味は解るのでしょうか。何にせよ、歓迎されていないことが解った時、子どもはどういう気持ちになるでしょうか。
 アメリカ人が日本に住むのは構わない。でも、同じ住むなら、歓迎される住み方を、大人は選んでほしい。
 究極的には、この米軍基地問題は、米軍兵士や関係者の人権をも侵害しているのです。


 警察が一応施設の前を護衛しています。
 でも、そんな護衛なんて、鼻に耳栓するくらい無意味なことですよ。僕らは、暴力なんて振るいませんから。
 横で写真を撮っていて、この空しい護衛から、悲しみが伝わってくるようでした。
 …「収奪者が収奪される」
 言葉を使う場所も意味も違うけど、この言葉、ふと頭をよぎりました。


 平和な世界を作りたい、そう思うのであれば、やはり、戦争することを前提とする軍隊は縮小しましょう。日本はアメリカに従属しているというけど、アメリカは日本に依存しています。この腐った共依存を断ち切りましょう。自立した外交をやりましょう。
 最後の、この対立した状態は、あまりにも空しすぎる。

天気:晴れのちくもり(神奈川県横須賀市、現地以外の天気は含まない)

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